E50「おにいちゃん大丈夫?」
E50M「DPMを…DPMをくれ…」
戦車について知る
まずは車両の基本スペックから見ていこう。
- 主砲:単発火力390/精度0.3/照準時間2.1/APCR貫通270/HEAT貫通330/DPM2438/仰角+20°/俯角-6~-8°
- 耐久値:2050
- 車体装甲圧:150/80/80
- 砲塔装甲圧:185/80/80
- 最高速度:60km(後退時:20km)
- 重量:62t
- 実用出力重量比:19.25
- エンジン出力:1200
- 旋回性能:車体44/砲塔30
前身のE50の性能を順当に強化させた性能になっている。特に足回りにおいては、エンジン出力の強化によりE50がMTの中の下レベルだったのが、中の上~上の下レベルまで改善されている。特に加速が良くなったことで、丘の登板の遅さと咄嗟の短距離のリポジが苦手という欠点を克服した。また、旋回性能も実用性に耐えうる数値まで上昇しているため、通常のMT運用をするのにまったく困らない機動力を手に入れた。
もともと強固だった車体装甲にも磨きがかかっており、傾斜が増した車体前面は実質10mm~20mmほど増加している。特に車体下部が貫通175mm程度で貫通されていてのが、200mm程度は弾くほど強化されており、対LTに対する防御力はHT並である。加えて車体が若干小型化したことにより、弱点である下部や砲塔も若干小型化し被弾しにくくなった。
またE50の大きな弱点の一つでもあった貫通力においても330HEATを手に入れたことで克服した。対HT相手でも正面から貫通させることが出来るだけでなく、通常弾もAPCRで貫通270mm(E50の課金弾と同等)であり、相変わらずMTの最高の精度と合わさり存分に火力を発揮することが出来る。
他にも隠蔽が若干良くなっていたり、正面の俯角が-6°と1°だけ良くなっているなど、微妙な改善ポイントもいくつかあり、ややMTとして扱いにくかったE50よりも扱いやすさは断然アップしている。
車両解説
さて、E50の性能を順当に強化させたE50Mだが、相変わらずE50並に同格最強クラスのMTなのだろうか。残念ながら、E50Mは同格の中でも並から並以下の戦闘力に落ち着いてしまっているのが現実である。
E50Mの砲性能は精度・貫通においてはトップクラスであるが、拡散や収束時間は並であり、加えてDPMは最下位である。特にDPMの低さが痛く、肝心な場面で「もう一発」を撃てないことが多い絶妙な低さである。ティア9の戦闘スピードとティア10のそれでは圧倒的に後者の方が早い。E50時代は問題なかったDPM(むしろ同格だと良い方)が、ティア10での戦闘では圧倒的に不足しているといわざるを得ない。E50の砲性能はDPMは低いものの貫通と精度に優れるため、遠距離狙撃が得意なタイプである。一方DPMと照準時間の関係から近距離での戦闘では他のMTにやや負けるという性能になっている。ティア10MTは最前線で戦うことが基本となる以上、ややアンバランスな性能となっているのが運用上難しいところだ。
また、車体装甲は強化されたものの、砲塔はほぼ垂直の185mmとまったく強化されておらず、マッチングするティア帯的にないも同然である。同格MTの通常弾でさえ、防楯に当たらなければ兆弾を期待できない。被断面積が小さいので遠距離ならばまだ良いが、近距離だと弱点である下部だけでなく砲塔もどんどん抜かれる。
また一般的にMT運用がしやすくなったといっても、相変わらずの劣悪な隠蔽は健在であるため、位置取りやルート選択には気をつけなければならない。
E50がMT然とした運用がやや難しい反面、HT運用が出来て、近距離戦闘も遠距離戦闘も難なくこなせたオールラウンダーだったのに対し、E50MはMT運用をしやすくなった反面、HT運用が難しく、遠距離戦闘が基本になってしまったサポートタイプの車両ということになる。
要は、E50Mは「隠蔽とDPMが悪い代わりにそこそこ硬い中戦車」である。ティアトップのときに戦場を支配し蹂躙していた最強戦車E50の面影はそこにはなかった…
戦車運用の仕方
基本的に序盤は狙撃を中心としたサポート役として運用し、中盤以降高いHPと装甲を活かして最前線で殴り合うのがよい。同格相手には強気に出れない性能であるため、ティア10と戦う際には孤立しないように心がけたい。リポジには困らない、重要拠点を確保する機動力があるので、有利なポジを率先して取りに良く動きをするのもかまわないが、同格とのタイマンが苦手であることを十分に理解した慎重(弱気)な運用が求められる。
隠蔽の悪さと近距離戦闘が苦手なため、実は観測ダメージを稼ぐことが苦手である。特に序盤からHPを使っていくと終盤以降目が必要な場面で詰むので、慎重さが何よりも求められる。
ややマイナス面が目立ったが、実は悪いところばかりではない。ほとんどE50と性能が同じという特徴上、E50で学んだノウハウが必ず活きてくるため、使っていて困る場面は実はあまりない。例えば豚飯の角度や強制俯角の使用感、隠蔽の悪さを意識した位置取りなどはE50からそのまま受け継いで実践すればどれも上手くいく。E50のように同格に強気に出れないということさえ忘れなければ、E50Mを扱っていて困る局面は無いといっていい。砲塔さえ撃たれないようにすれば車体の硬さは圧倒的なので相変わらずティア10TDの砲弾でさえ弾き飛ばすその姿は圧巻だ。前線で稼げるようになるには如何に砲塔ではなく車体を撃たせるかに掛かっているといっても過言ではない。
とにかく足回りが良くなったからといって調子に乗ってぐいぐい前に行き過ぎると痛い目に会う車両である。前身から順当に強化され性能は似ているものの、他の車両の強化の方が著しいため、どうしても格落ち感があるのは仕方がない。
キャリー戦車からサポート車両になったことを忘れずに控えめに運用すれば、十二分にあなたの期待にこたえてくれる良車である。
ワンポイントアドバイス
上記では触れられなかったマニアックなアドバイス集。
DPMの低いE50MにとってDPMが高い車両は大の苦手である。特にソ連ティア10MT相手だと2秒ほど装填速度に差があるので天敵といっていい。他にもE5やFV215bなどのDPM型のHTはHP勝負で負けるので注意が必要だ。これらの車両とは出来るだけやりあわないように心がけよう。
E50のラムアタックは微妙である。それは加速と旋回性能が悪いため、ラムが有効な紙装甲車両な高機動力車両には避けられ易いからである。一方E50Mは加速と旋回性能がかなり向上しており、ラムアタックの成功率はE50からかなり上昇し、実用的なラインにある。近距離戦闘が苦手で低DPMなE50Mで、早急に正面の敵を突破したいときなどはラムアタックで主砲1発分のダメージを稼ぐのが起死回生の一手になりうる。機会があればラムアタックは狙って損はないとあえて書いておこう。
通常弾が優秀すぎるのでフルAPCRでもあまり問題はない。ただ、E100やE5などに対して有効なHEATを織り交ぜると、安定してダメージを稼ぎやすいので、ある程度の戦績を出したいならHEATは必須である。
とはいえHEATが必要な場面はそれほどないので15発ほどあれば問題ないだろう。ちなみに筆者はAPCR30、HEAT18で運用していたが、400戦やって困る場面は一度もなかったと付け加えておく。
一般的な中戦車と同じで問題ない。迷ったらラマー・スタビ・皮膜で良いだろう。内貼りは完全なネタ装備なので普通に扱う分には必要ない。食料を積む人や近距離での殴り合いをメインにしたい人は換気扇もあり。ただし食料を積んでいないと、隠蔽の悪さから他MTとの視界勝負ではほぼ間違いなく負けるので注意。DPMが低いため、出来るだけ換気扇や食料は積むことをオススメする。ティア10戦場で装填8秒は遅すぎである。
とりあえず3優等のとり方について。E50Mは同格に強気に出れないからといって狙撃ばかりしていると観測が取れずに優等が上がらない。2優等でもいいのなら遠距離狙撃主体でも良いが、3優等を取りたいなら前に出る必要がある。とにかく前線で稼ぐには、砲塔ではなく如何に車体を撃たせるかということである。相手の射撃を誘いつつ確実に弾ける豚飯昼飯の角度、弾き方を覚えることが戦績を上げるコツである。あとはティア10が少ない戦場では積極的にHT運用をしていこう。格下相手を圧倒できるポテンシャルはあるので、HT戦場でリタイを切りアシストを強引に稼ぐなりしたほうがいい。どちらかというとDPM勝負に持ち込まれるMT戦場よりも擬似ターン制バトルのHT戦場の方が稼ぐチャンスはある。HEATが使えるので格下HTを抜くのに苦労はしないだろう。ただティア10HTやTDがわんさかいるマップでは素直にMT運用するしかないが。
E50MくんとE50ちゃん
※近日加筆予定
最終更新:2016年06月19日 21:12