(前話での最終局面)
- 小日向 茜:ライフ5000 手札6枚 モンスター1体 リバース3枚
- アスタロス:ライフ8000 手札6枚 発動中カード2枚 リバース1枚
『クッ、うぅ・・・・・。』
「どうやら、2000ポイントのダメージは相当きつかったようだな。」
2000ポイントのダメージを受けたことで、私の身体の部位が次々と消滅していく。
このままだと、デュエルが終わるまで精神的に持つかどうか分からない・・・。
(「アスタロスの奴、茜ちゃんが苦痛にもがくのを見て楽しんでる・・・。
殺しはしないって約束だったから手伝ったのに、これじゃ話が違うじゃない!
この状況が続けば、茜ちゃんは確実に負けてしまう・・・。
勝つには、場の
魔法・罠を一掃するカードを引くしかない・・・。
お願い、茜ちゃん! 奇跡を起こして・・・!!」)
『ま・・・負けるわけには・・いかない・・・・のよ・・・・・。』
自分が持つすべての力を振り絞って、ゆっくりと立ち上がる。
このデュエルで負けたら私はともかく、奈央さんもただでは済まない。
その思いだけが、今の私の身体を揺り動かしていた。
「ほぉ、まだ立ち上がるか。」
『このデュエルで私が負ければ・・・奈央さんにも危害が及ぶ・・・。
だから・・・・どうあっても、私は・・・負けられない・・。』
「その心意気だけは認めてやる。だが、実際はそうはいかないかもな。
天よりの宝札と俺のフィールドの闇の審判、精神破壊のコンボで、
お前は手札から引いた枚数4枚分のカードを捨てな。」
アスタロスが発動した天よりの宝札で、私が引いたカードは4枚。
闇の審判の効果は1枚ドローにつき500ポイントのダメージを受けるから、
2000ポイントのダメージを受けるうえに、引いた枚数分カードを墓地に
捨てなきゃいけないとなると、アド損もいいとこだ・・・・・。
『・・・・私は4枚のカードを、墓地へ捨てるわ・・・。』
「この調子じゃ、お前の切り札とかもすぐに墓地へ落ちそうだな。
俺に勝つつもりらしいが、ここからどうやって戦況を切り返してくれるのか、
楽しみだぜ。俺は2枚のカードをセット、そして手札からコイツを召喚する。
現れろ、魔眼竜(ダークアイズ・ドラゴン)!!」
《
モンスターカード》
魔眼竜(ダークアイズ・ドラゴン)
効果モンスター
☆8 / 闇属性 /
ドラゴン族 / 攻 0 / 守 0
このカードは通常召喚できない。
自分の墓地のモンスターをすべてデッキに戻した時のみ、特殊召喚できる。
このカードは戦闘によって破壊されない。(ダメージ計算は適用する。)
自分のターンのエンドフェイズ毎に、このカードの攻撃力は1000ポイントアップする。
このカードはプレイヤーに直接攻撃する事ができない。
このカードがフィールド上に存在する限り、相手モンスターは毎ターン
1体しか攻撃する事ができない。
アスタロスのフィールドに、不気味なオーラを持つ1つ目の竜が出現する。
でも、攻撃力も守備力も0のモンスターを召喚するなんて、どういう事・・・?
「こいつはな、俺のターンのエンドフェイズ毎に攻撃力が1000ポイント上がる
効果を持ってるんだ。つまり、早いとこコイツを始末してしまわないと、
攻撃力が無尽蔵に膨れ上がって、一撃で死を見ることになるぜ?
だが、覚えとけ。コイツは戦闘じゃ破壊できないからな。」
『クッ・・・・。』
「これで俺はターンエンドだ。同時に、魔眼竜の攻撃力が1000ポイント上昇するぜ。」
魔眼竜(ダークアイズ・ドラゴン)
攻撃力0から攻撃力1000にアップ(魔眼竜の効果)
『私の・・・ターン・・・・。』
- 小日向 茜:ライフ5000 手札2枚 モンスター1体 リバース3枚
- アスタロス:ライフ8000 手札3枚 モンスター1体 発動中カード2枚
リバース3枚
朦朧とする意識の中で、ゆっくりとデッキに手を伸ばす。
何とかして闇の審判か精神破壊のカードを破壊しないと、起死回生のカードを
引いたとしても墓地へ捨てなきゃいけなくなる・・・。
『私のターン・・・ドロー・・・・!』
恐る恐るドローしたカードを確認する。
「どうだ? 起死回生のカードは引けたか? だが、お前がドローした瞬間、
闇の審判によって500ポイントのダメージが与えられ、精神破壊の効果で
お前は手札を1枚捨てなければならない。さぁ、手札を捨てな。」
『・・・私は、このカードを墓地に捨てるわ。』
アスタロスに捨てるカードを見せて、デュエルディスクの墓地へ置く。
私が捨てたのはモンスターカードで、ソレを見たアスタロスは不敵な笑みを浮かべていた。
でも、私はその笑みを見ることで「こいつは絶対に倒さなきゃいけない」と
ハッキリ思えるほど闘志を燃やす事ができた。
そう思えた事で、さっきまで朦朧としていた意識も次第に覚醒していく。
『笑ってるがいいわ・・・。私は手札より、魔法カードを発動する。
魔法カード、魔術師の書庫っ!!』
《魔法カード》
魔術師の書庫
通常魔法 ※ 制限カード
自分のデッキから魔法カードを1枚選択し、手札に加える。
その後、デッキをシャッフルする。
『このカードの効果で、私はデッキから魔法カードを1枚手札に加えるわ。』
「魔術師の書庫? 一体何のカードを・・・?」
『さらに、私は今手札に加えた魔法カードを、ライフを1000ポイント支払って発動!!
魔法カード、同胞の絆!!』
《魔法カード》
同胞の絆
通常魔法 ※ 制限カード
ライフを1000ポイント支払って発動する。
自分フィールド上に存在するモンスター1体を選択する。
選択したモンスターと同じ種族の攻撃力1500以下のモンスターを、
自分フィールド上に2体まで特殊召喚する。(表示形式は任意。)
この効果によって特殊召喚されたモンスターは、攻撃できない。
『うぐ・・・うぅ・・・ッ!!!』
自分のライフが1000ポイント減ったことで、体の一部を闇に削ぎ取られる。
激痛に意識を持っていかれそうになるけれど、まだ負けるわけにはいかない。
その思いだけで、私は何とか現状を乗り切ろうとしていた。
『・・・・同胞の絆を発動した際に選択するのは、私の場の守護魔導師!
そして、デッキから同じ種族かつ攻撃力1500以下のモンスターを2体、
自分フィールド上に特殊召喚する・・・。現れろ、私のモンスターたち!!』
デッキから2枚の
魔法使い族モンスターを選び、デュエルディスクにセットする。
《モンスターカード》
魔導騎士 コスモス
効果モンスター
☆4 / 光属性 / 魔法使い族 / 攻 1200 / 守 2000
このカードの種族は「戦士族」としても扱う。
手札を1枚捨てる事で、自分の墓地のカード1枚を手札に加える事ができる。
この効果は1ターンに1度しか使用する事ができない。
このカードが闇属性モンスターと戦闘を行う場合、このカードの攻撃力は
エンドフェイズ時まで500ポイントアップする。
《モンスターカード》
魔導騎士 フロームンド
効果モンスター
☆4 / 光属性 / 魔法使い族 / 攻 1400 / 守 1800
このカードの種族は「戦士族」としても扱う。
自分のターンのスタンバイフェイズ時に、コイントスを3回行う。
表が出た回数により、以下の効果を適用する。
● 1回 : デッキからカードを1枚ドローする。
● 2回 : フィールド上の魔法、罠カードを1枚破壊する。
● 3回 : フィールド上のモンスター1体を破壊する。
このカードが相手プレイヤーに戦闘ダメージを与えた時、相手プレイヤーの
手札をランダムに1枚墓地へ送る。
「何!? 魔導騎士 フロームンドだと!?」
『フロームンドの効果を使えば、闇の審判か精神破壊をのどちらかを
破壊する事は可能だけど、この効果は次の私のターンが回ってこないと
使う事はできない。私はコスモスとフロームンドを守備表示にして、
守護魔導師で魔眼竜を攻撃!!』
私の攻撃命令と同時に、守護魔導師が魔眼竜へ向かって走り出す。
守護魔導師は攻撃力こそ低いけど、魔眼竜はソレにも及ばない。
『守護魔導師の攻撃!! クレセント・レイヴ!!』
「ハッ、戦闘破壊ができないからソイツで攻撃を仕掛けてきたか。
だがな、戦闘以外の方法で破壊されることもちゃんと想定済みだぜ。
リバースカード、オープン! 装備魔法カード、聖者の護符!!」
《魔法カード》
聖者の護符
装備魔法
このカードを装備したモンスターは、カードの効果によって破壊されない。
このカードを装備したモンスターが戦闘を行う場合、装備モンスターの
コントローラーが受ける戦闘ダメージは0となる。
「聖者の護符の効果により、俺はダメージを受けず、守護魔導師の破壊効果も
適用されない。残念だったな。」
『クッ・・・!!』
アイツが、魔眼竜をそこまでして守りたい理由は何なの・・・?
攻撃力も守備力も0で、アイツには魔眼竜で攻撃する意思すら感じられない。
まさか、あの魔眼竜は・・・・・・。
『私は、このままターンを終了するわ。』
- 小日向 茜:ライフ3500 手札1枚 モンスター3体 リバース3枚
- アスタロス:ライフ8000 手札3枚 モンスター1体 発動中カード3枚
リバース2枚
「俺のターン、ドロー。俺は何もせずに、このままの状態でターンエンドだ。
そして、エンドフェイズを迎えた事で魔眼竜の攻撃力がさらにアップする。」
魔眼竜(ダークアイズ・ドラゴン)
攻撃力1000から攻撃力2000にアップ(魔眼竜の効果)
- 小日向 茜:ライフ3500 手札1枚 モンスター3体 リバース3枚
- アスタロス:ライフ8000 手札4枚 モンスター1体 発動中カード3枚
リバース2枚
『私のターン、ドロー!』
「おっと、この瞬間に闇の審判のダメージ効果が発動する! そして、
精神破壊との併用で今引いた手札を墓地へ捨てな!」
手札を捨てる前に、私はドローしたカードが何なのかを確認した。
引いたカードは、凍結魔法のカード・・・。
待てよ、確か・・・・・ッ!!
『ヘヘッ、残念だけどこの手札は捨てられないわ。』
「何だと!?」
『精神破壊の効果が適用される前に、私はリバースカードを発動する!
リバースカード、オープン!! 罠カード、狂化!!』
《罠カード》
狂化(バーサーク・モード)
通常罠
自分か相手の手札から1枚を選択して発動する。
選択したカードが魔法・罠カードだった場合、発動条件を無視して
効果を発動する。選択したカードがモンスターカードだった場合は、
召喚条件を無視してコントローラーのフィールド上に攻撃表示で
特殊召喚する。この効果によって特殊召喚されたモンスターの効果は
無効化され、エンドフェイズ時に破壊される。
『このカードの効果で私が選択するのは、今ドローしたこのカード!
選んだカードは魔法カード、凍結魔法よ!!』
「な、何ッ!?」
《魔法カード》
凍結魔法(フリージング・マジック)
永続魔法
自分フィールド上に魔法使い族モンスターが存在する場合のみ発動可能。
このカードがフィールド上に存在する限り、相手フィールド上に表側表示で
存在する魔法・罠カードの効果を無効化し、セットされている魔法・罠カードは
いかなる場合においても発動できない。
『このカードで、アンタのフィールドにある闇の審判、精神破壊、
聖者の護符のカードはすべて効果が無効になる! そして、セットされてる
その2枚のカードも発動できない!!』
「チッ、まさかこのタイミングで凍結魔法を引くとはな・・・。」
「すごい、茜ちゃん! 一気に形勢を逆転した!!」
凍結魔法が発動した事で、アスタロスの魔法・罠カードは無効化できた。
このターン、守護魔導師で魔導竜を攻撃して効果で破壊、その後に私の場の
モンスターで総攻撃を仕掛ければ、アイツのライフは一気に削れる。
『アスタロス! このターンで、アンタのライフを一気に削ってやる!
私が受けた苦しみを、アンタも味わうがいいわ!!!』
「クッ・・・・!」
自分の思うようにいかなかったのが悔しいのか、アスタロスの顔が歪む。
「目には目を、歯には歯を」って言葉が本当だってことを、思い知るがいいわ。
『攻撃の前にリバースカードを発動! 天よりの宝札!!』
《魔法カード》
天よりの宝札
通常魔法 ※ 制限カード
すべてのプレイヤーは手札が6枚になるよう、デッキからカードをドローする。
天よりの宝札のカードの効果で、私とアスタロスがデッキからカードを引く。
凍結魔法のおかげで私はもうダメージを受けることもなく、手札を捨てる必要もない。
最初の私のターンでこのカードを伏せといて正解だったわ。
『さらに、魔導騎士 フロームンドの効果発動! コイントスを行う!』
空中に現れた3枚のコインを、フロームンドが剣で1枚ずつ斬って回転させる。
コインは空中でしばらく舞った後、表か裏を指して落ちてきた。
結果は2枚が裏で、1枚が表だった。
『くそ、1枚ドローするだけか・・・。まぁ、いいわ。
フロームンドの効果により、私はデッキから1枚ドローする。』
『まだまだ、追撃はこれからよ! 私は魔導騎士 コスモスの効果も発動!
手札を1枚捨てる事で、墓地から好きなカード1枚を手札に加える!
私が手札に加えるのは、死者蘇生のカード!! そして、死者蘇生を
手札に加えると同時に発動! 蘇生対象は、ブラック・マジシャンよ!』
墓地からブラック・マジシャンのカードを取り出し、デュエルディスクにセットする。
すると、一筋の光が天へと伸び、天空から黒き魔術師が舞い降りる。
これが、私のフェイバリット・カード、ブラックマジシャン・ガールの
師匠である最高の黒魔術師、ブラック・マジシャン。
何の効果も持たない通常モンスターでしかないけれど、私のデッキ内で
攻撃力2500は上位に食い込むから、それなりに強力なカードの1枚なのである。
《モンスターカード》
ブラック・マジシャン
通常モンスター
☆7 / 闇属性 / 魔法使い族 / 攻 2500 / 守 2100
魔法使いとしては、攻撃力・守備力ともに最高クラス。
「ブラック・マジシャン・・・? こんなカードを使う奴がいたのか・・・!?」
『さらに、私は魔導騎士 フロームンドをリリースして、手札から
ブラックマジシャン・ガールを召喚!!』
《モンスターカード》
ブラックマジシャン・ガール
効果モンスター
☆6 / 闇属性 / 魔法使い族 / 攻 2000 / 守 1700
すべての墓地に存在する「ブラック・マジシャン」と
「マジシャン・オブ・ブラックカオス」1体につき、
このカードの攻撃力は300ポイントアップする。
これで、私のフィールドにはブラックマジシャン・ガール、守護魔導師、
ブラック・マジシャン、魔導騎士 コスモスの4体が並んだ。
守護魔導師で魔眼竜を破壊した後に攻撃すれば、トータル4500ポイントもの
ダメージがアスタロスに通る。そうなれば、アスタロスのライフは一気に
3500ポイントまで減らすことができる。
コスモスは同胞の絆の効果で特殊召喚したモンスターだから、攻撃をすることは
できないけど、4500ポイントものダメージが通ればまだ何とかできるはず。
「フッ。」
アスタロスがニヤリと笑ったことなど気にも留めず、私は攻撃宣言をする。
『いくわよ! まずは守護魔導師の効果で、魔眼竜を破壊する!
そして、残りの2体でプレイヤーへダイレクトアタックよ!!』
私のフィールドのすべてのモンスターが、一気にアスタロスへ襲いかかる。
『守護魔導師の攻撃!! クレセント・レイヴ!!』
守護魔導師の攻撃「クレセント・レイヴ」が、魔眼竜を効果で粉砕する。
さらにブラックマジシャン・ガールの「黒・魔・導・爆・裂・波」、
ブラック・マジシャンの「黒・魔・導」がアスタロスに通り、予想していた通り
アスタロスのライフは3500ポイントにまで減ることになった。
「ククククク・・・・。フハハハハッ!!!」
高らかな笑い声を上げつつも、体が煙のように消えていくアスタロス。
残りのライフ分として残っていたのは、アスタロスの顔と右手、そして胴周りの
ちょっとした部分だけといった感じで、私と大差ない状態だった。
私でさえかなりの激痛だったんだから笑っていられるはずないのに、それでも
アスタロスは笑うのをやめなかった。その姿は、少し不気味でもある。
『・・・気味の悪い奴ね・・・・。私はカードを2枚セットして、ターン終了よ!』
- 小日向 茜:ライフ3000 手札5枚 モンスター4体 発動中カード1枚
リバース3枚
- アスタロス:ライフ3500 手札6枚 発動中カード2枚 リバース2枚
「俺のターン、ドロー。お前に、1つだけ教えておいてやろうか。
俺のライフを減らした程度で喜ぶようじゃ、お前に勝ち目はない。」
『何ですって・・・?』
「お前は、俺の罠にハマったのさ。魔眼竜が倒されることは百も承知。
だが、魔眼竜を墓地へ送ってくれたことには礼を言うぜ。」
『まさか!? あれだけ魔眼竜を守ろうとしていながら、墓地へ送られるのを
予測してたというの!?』
「場のモンスターの攻防に神経を集中しすぎるがあまり、全体図を見通せないようじゃ
デュエリストとしても失格だな。このデュエルは、お前の死で幕を閉じる。」
『そ、そんなバカな!?』
私が何らかの方法で魔眼竜を墓地に送ることを、コイツは読んでいた・・・。
となると、魔眼竜が墓地に送られることには別の意味があるというの!?
「俺はお前がさっきのターンで墓地へ送った魔眼竜をゲームから除外し、
コイツを特殊召喚する。現れろ、終焉の竜(エンド・オブ・ドラゴン)!!」
《モンスターカード》
終焉の竜(エンド・オブ・ドラゴン)
効果モンスター
☆8 / 闇属性 / ドラゴン族 / 攻 0 / 守 0
このカードは通常召喚できない。
自分の墓地に存在する魔眼竜1体をゲームから除外した場合のみ、
自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。(表示形式は任意。)
このカードの特殊召喚に成功した時、相手フィールド上に存在する
モンスターの数だけ、自分フィールド上に「イービルトークン」
(悪魔族・闇属性・☆1・攻 / 守 0)を攻撃表示で特殊召喚する。
このカードは戦闘によって破壊されない。
表側表示で存在するこのカードが戦闘を行う場合、このカードと戦闘を
行ったモンスターの攻撃力分のダメージを相手プレイヤーに与える。
このカードが表側表示で存在する限り、相手プレイヤーがモンスターを
召喚・特殊召喚する度に、自分フィールド上に「イービルトークン」を
1体特殊召喚する事ができる。(表示形式は任意。)
『終焉の竜・・・?』
「終焉の竜が特殊召喚されたことで、俺はイービルトークンをお前が
所有するモンスター4体分、自分フィールド上に特殊召喚する。
このデュエルで使うことはないと思っていたが、今回は特別だ。
お前に目に物を見せてやる。冥土の土産にするがいい。
俺は終焉の竜によって生み出されたイービルトークン3体をリリース!!」
アスタロスの場のイービルトークンが回転しながら、上空へと昇っていく。
3体のモンスターをリリースするってことは、まさか特殊な条件を持つモンスターを
召喚するつもり・・・・!?
「見るがいい、闇を支配する神の姿を・・・・。魔神 ベリアル、召喚!!!」
《モンスターカード》
魔神 ベリアル
効果モンスター
☆10 / 神属性 / 魔神獣族 / 攻 4000 / 守 0
このカードを通常召喚するには、モンスターを3体リリースしなければならない。
このカードの召喚は、いかなるカードによっても無効化されない。
このカードは自分フィールド上に表側表示で存在する限り、相手がコントロールする
いかなる魔法・罠・モンスターの効果も受けない。
自分フィールド上に存在する魔法・罠カードを1枚墓地へ送る度に、
相手プレイヤーに1000ポイントのダメージを与える事ができる。
このカードが相手フィールド上の守備表示モンスターを破壊した場合、
このカードは続けてもう1度攻撃する事ができる。
自分のターンのエンドフェイズ時に自分フィールド上に存在するモンスターを
1体リリースしなければ、このカードを破壊する。
アスタロスがカードを掲げると、地面を割って地中からモンスターが出現した。
全身に闇の炎のようなオーラを纏い、その形相は言葉では言い表せない。
でも、明らかに他のモンスターとは一線を画していることだけは見て取れた。
『な、何よ、このモンスター・・・? 見たことないわよ、こんなの・・・!』
「それは当然だ。これは俺だけが持っている超レアカードなんだからな。
三幻神と呼ばれる神のカードと並ぶ、魔神のカードだ。」
『か、神のカードですって!?』
「なんだ、知らないのか? まぁ、いい。何も知らずに死ぬ方が楽な時もある。
これがラストターンだ。ベリアルの効果発動!! 俺のフィールドの魔法及び
罠カードを1枚墓地へ送ることで、お前に1000ポイントのダメージを与える!」
アスタロスのフィールドにセットされているカードが1枚煙のように消えると、
その煙がベリアルの胸の宝玉のような部分に吸い込まれていく。
と、次の瞬間だった。
胸の宝玉と思われる部分が一瞬眩しく光り、閃光がビームのように私に撃ちだされた。
『きゃああぁぁぁぁ!!!!』
「茜ちゃん!! クッ、これ以上はもうやめて!!!」
「ハッ、何を言っている。この女の実力を試し、見込みがあるかどうかを
調べるのが俺の役目だったが、どうやらあの御方の見当違いだったようだ。
もうこの女に用はない。闇のゲームで、しかるべき苦しみを与えてやる。」
『う、ぐっ・・・!!』
胸を撃ち抜かれたことで、息ができないほど胸が苦しくなる・・・。
せっかく良いとこまで追いつめたのに、ここでやられてしまうの・・・?
「さらにベリアルの効果を発動。カードを1枚墓地へ送り、1000ポイントの
ダメージを与える。さぁ、苦痛にもがけ、そしてあがくがいい。」
立ち上がろうとしていたところに、またも閃光が私の胸を撃ち抜く。
『あ、う、ぐうぅぅぅ・・・・・ッ!!』
死にたくない・・・・。
ここで私が負けたら、奈央さんが・・・。
奈央さんが、無事に帰れなくなってしまう・・・・。
私の命と意識は、既に風前の灯。
意識はドンドンと薄れ始めていて、もはや立ち上がることすらできない・・・。
「これが最後の一撃だ。覚悟しろ。」
『負けられ・・ない・・・。負けられない・・・のに・・・・・。』
ベリアルの効果でカードが1枚、光となって胸の宝玉に吸収されていく。
そして、その光は「最後の一撃」として瞬く間に私へと襲いかかった。
「お前の命運もここまでだ。」
ベリアルから放たれた光が私に襲いかかるまで、ソレは時間にすれば一瞬だった。
でも、今までのいろいろな記憶が走馬灯のように眼前に浮かんだことで、
私にとってはとても長い時間のように感じられた・・・・気がした。
『・・・奈央さん、啓輔・・・。ごめん、勝てなかったよ・・・・。』
爆音と共に、奈央の目の前に立っていた私は閃光に包まれ、消えていく。
「茜ちゃん・・・ッ!? 茜ちゃんッ!!!!」
to be continued・・・・・・
- ついにオリジナルの神が2体目 これもまたチートっぽいですね 終焉の竜とこの魔神はユベルみたいな効果入ってますね あと、開始直後のおそらくナオさんの心の声でしょうけど (「 に対して ) でしか閉じられてないみたいです -- (要亜希) 2009-02-07 15:05:00
- やはり、闇のデュエルは怖いですね^^; 茜さん、大丈夫かな・・・心配です。 -- (Yulicca) 2009-02-07 22:03:56
最終更新:2009年02月07日 17:24