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講義:製造技術IV

単位:5


講義の開始を知らせる鐘が鳴ると、眼鏡の女性講師が教室に入ってきた。

「ええと、それでは講義を始めます。よいしょっと」

 今日はいつにも増して荷物が多い。

「今日は戦闘時に役に立つアイテムについてです。前回作った物は戦闘以外の場面で役に立つアイテムでしたが、今回は戦闘中に使うアイテムとなります。主に爆弾や罠、即効性の薬品などですね。まずは投擲回復薬について。回復薬と麻布を調合するとできます。これは味方に投げつけて体力を回復させる即効性の薬品です。自分が苦手な相手と戦う時は、これを投げつけて味方にがんばってもらいましょう。なお、自分には使えないので注意してください。あと、うまく投げないと狙ってたのと違う人に当たってしまうかもしれませんが……」

 先生は教壇の上に詰まれたアイテムの山の中から、水を染み込ませた麻布を丸めたボールのような物を取り出す。
 こちらに向かってそれを投げるが思わず避けてしまう。

「あああ、避けてはダメです。むー、仕方ないですね、次に行きます。次は爆弾です。一番簡単なのは毛皮と油を調合するとできる火炎爆弾ですね。これらのアイテムは敵に向かって投げつけて、ダメージを与えたり、水浸しにして他の仲間と連携を狙ったりするのに使います。スキルをほとんど知らない私でも敵にダメージ与えられるし、たくさん持っていけばなくなるまで投げられますので、スキルに自信がない人は金に物を言わせて敵を倒しちゃいましょう。但し、スキルのような熟練度はありませんので、幾ら使っても熟練度が上がってダメージアップ!なんてことはないです」

 そう言いながら、先生はアイテムの山から獣の内臓のような物を引っ張り出した。

「ええと、これは火炎袋と言って、火を吐く獣なんかが持っている、火炎を作り出す為の器官です。気化爆雷の材料になったりするんですが、このまま投げても爆弾として使用できます。こういった物もありますので、知らない物を拾ったら、それが何なのかその場でよく調べてみると良いですね」

 火炎袋を無造作にアイテムの山に戻す先生。それって危険物なのでは……

「気化爆雷の話が出たので、次に罠の説明をしておきましょう。罠は敵、場合によっては味方の側に設置して、敵の動作に連動して起動するアイテムです。落とし穴や地雷、爆雷などが含まれます。最も簡単なのは雑木材と毛皮を調合するとできる落とし穴ですね。これは敵の足元に設置しておくと、敵がダウンした時に起動して、敵を穴に捕らえます。スキルの呪詛に似ていますが、呪詛はダメージを受けると起動するのに対して、罠は特定の状態にしか反応しません。ですので、ほとんどの場合、罠は前の攻撃と連携します。基礎戦術論の講義でプリペアは習いましたか? つまり、罠とはプリペアを自分で使うのは大変なので、金に物を言わせてアイテムでやってしまおうというものです。プリペアと違うのは、戦闘中に相手を決めて設置しなければならないところですね。ですので、敵がたくさんいると、罠を設置したのと違う敵がダウンして、罠が起動しなかったりということが起こります。一度設置してしまうと、戦闘終了まで起動しなくてもアイテムは返ってきませんので、使いどころを誤ると無駄遣いすることになってしまいます。罠はそんな玄人向きアイテムなので、使う際には注意しましょう」

 次に先生が山から取り出したのは、ロープの先に大きな石をくくりつけただけのアイテムだった。

「これは命綱というアイテムです。これも戦闘用アイテムです。これを使うと後衛から引きずり出されて前衛になったり、前衛から弾き飛ばされて後衛になったりということがなくなります。見ての通り、麻のロープと石を調合するとできます。それから、一時的に空を飛べるようになるシルフィードウィングというアイテムもあります。足元が危うい時に使うと便利ですね。シルフィードウィングは羽根と粘土とマグネタイトでできるのですが、調合する際に使う羽根の質によって調合の成功率が大きく変化します。だいたい安物の羽根だと成功率は低いですね。失敗するとイカロスウィングというゴミになってしまいます。調合に使えない羽根なんかもありますので、色々試してみてください」

 山の中からコウモリの翼、鳥の羽根、黒い羽根など様々な羽根っぽい物を取り出してみせる。

「あ、言い忘れましたが、戦闘用のアイテムは全て使い切りです。再利用はできません。それでは、今日はここまでです」


最終更新:2009年03月24日 13:14