神話英雄血戦イーリアス 前半アバン風タイトル(?)

白銀の勇者が叫ぶ。
この剣こそが我であり、我こそが剣なのだと。


「我はヘクトール殿の剣と同義ィ! ならば貴様を斬り裂く理由などわざわざ宣言する必要も無い……敵討ちなどとは言わぬ。貴様は黙って俺に殺されろ」





多くの海を渡り歩いたライダーが呟く。
その姿は満身創痍、左目は鮮血により赤く染まる。


「俺は神様なんて信じてなかった。だからよぉ……目の前にいる奴がその神様だなんてやっぱ信じられねえ。マジモンの神かよ」





一人の忍が戦場を駆け抜ける。
誰に止められぬ、一陣の疾風を化す。


「死にたくなければ道を開けろ! 兵士としての、人間としての記憶が残っているならば真なる敵は違う! トロイアもアカイアも……立ち向かうべき相手は天上にいるのがわからないのか!!」





我に防げぬものはない。
ならば今宵は神の一撃をも防いで新たなる神話を創り上げよう。


「弓兵の貴方、その目に焼き付けなさい。そして語り継ぎなさい。私の盾が天上の一撃をも防ぐ瞬間を――よろしくね!」




「まさかこれほどとは」



      「ヘクトオオオオオオオオオオオオオルウウウウウウウウウウウウウウウ!!」



「アキレウス、ここいらが潮時かもしれないねえ……いいぜ、その一騎打ちに乗ってやる」



「合わせなさい! 紛い物であれど一緒に展開すればこの水流を防げるかもしれない!」



                       「見ないと思ったらお前まで魔女に操られちまったのかよ」


「こいつらと同じ城で暮らせ? 一緒の飯を食え? 共に戦え? ふざけるな!! こいつらのせいで我らがどれだけ苦しい思いをしたか」



「神が介入しないのではない。我以外に神は必要ないのだ」  「私のかわいい可愛いオデュッセウス。さぁ、大地を破壊しなさい」



                           「特記戦力のお前らになにが分かる! 帰るべき場所を、主君を失った我ら国民のことを!!」


   「僕は……僕は」「抜かせ、貴様が人理を救ったところで、待ち受けるは人理に追放されるだけ」「マスター! 奴の言葉に耳を傾けるな!」


「私も君のファンなんだ」   「今度こそ、私は貴女のために。この身が例え太陽の如き輝きに抹消されようと、悔いはない」


         「止まるな! 我が兄がなんのためにお前たちを逃したと思う!? 身体を張ったと思う……この時のためだろう!!」





「藤丸律花。ここで貴様を殺せば人理は未来永劫焼却されるだろう。そして、それこそが貴様自身が最も幸せに死ねる方法でもある」



「やっと分かったよ。俺がこの時代に召喚され、一人としての勇者として立った意味を――全てはこの瞬間のために――!」







「へ、へへ……もう立てやしねえし、肺も潰されちまったな。ん……じゃあなんで喋れんだろうな。はは、お前らに影響されたのかもしれない」


「認めろ、貴様は負けた。そして歴史どおりに殺される」












「負けた? なに言ってんだよクソッタレの神様。
 俺はなあ……みんなが戦線を離脱した時点で勝利してんだよ。殿としての役目はきっち、り……はたし、たぜ……」














※イメージ以下のなにかであり、息をするように展開が変わることでしょう。

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最終更新:2017年07月10日 23:18