「フハハハハハッ！！！ 実にいい景色だッ！！」
軍服を着用し、軍馬に跨った少女が天守閣から城下を見下ろす。
召喚からされてからあまりにも早すぎるほどの侵略&征服。
『兵は神速を貴ぶ』
それを体現したかのようなその軍略。
そして、多くの兵を惹きつけるカリスマ。
その姿はまるで……皇帝。
「で、アーチャーッ！！ この国は日本の……どこのッ！ なんだッ！？」
「……佐渡島」
「ほう、ここは佐渡島と言うのかッ！！
となるとッ！ この城の名は『佐渡城』かッ！！」
「……『羽茂城』」
「！？ どういうことだッ！！？
そんなことは誰も教えてくれなかったぞッ！！
まあよい！！ 今日からここは吾輩の領土だッ！！
フハハハハハハハハハハッ！！！」
「……………」
白き大弓を持ったアーチャーと呼ばれた日本武者はほとんど喋らない。
ただ、静かに頷く。
ふいに何かを見つけたのか。
天守閣から弓を引き、矢を放つ。
放たれた矢は一直線に城下町を歩いていた町人の頭を貫いた。
「何をしたッ！ アーチャーッ！？」
「……今のは食い逃げ犯だった、だから、討った」
「なるほどなッ！！」
罪人は殺す。
怪異も殺す。
街の平和を乱すなら殺す。
「しかしッ！ なんだッ！！
そのいつも背中に背負っている文字は読めんぞ！！」
「『一矢一射一殺』だ……俺が放つ矢は一本だけでいい……人だろうと鬼だろうと、殺せば死ぬ」
「そうかッ！！ 実に面白い考えだッ！！ フハハハハハハハハハハッ！ 」
「……………フッ」
「何が可笑しいッ！！ アーチャーッ！！」
（ええーっ……面白いのはどう考えてもライダーさんの方なんだけどなぁ……）
狂い始める孤島。
何かが、すでに起こっていた。
最終更新：2017年10月28日 19:50
