1節 GAME START! 1

「せ ら ふ?」

「むうん せる?」

「ちがう ここは げえむ だよ?」

声が聞こえた。

「きみは ぷれいやあ」

肌に触れられた。

「いっしょに あそぼう!」

匂いがする。

「じゃないと でられない から」

口の中は血の味がする。

「げえむを くりあして せかいを すくって」

目を開いた。

「きめいの してい あなたを しめい きれいに して それが しれい」

君が見えた!

「私の事はスゥって呼んでね? マスターちゃん?」

▽▽▽▽▽

「それで、まだマスターの意識は戻らないの?」
「あぁ、まだだね。困ったな」

マイルーム。その部屋の主はベッドの中で目を閉じていた。
その男性は人類最後のマスターにして人理を救った者であった。
それは疑いようのない事実である。
彼の持つ雰囲気。
大英雄のそれでもなく、智略に長ける大軍師のそれでもあらゆるものを修める大魔術師のそれでもない。
どこにでもいる人間であったはずの彼の人生はカルデアによって変わり、現在に至る。
男はいつもと変わらぬ寝顔でいる。
しかしすでに三日間の意識不明。外的刺激による反応なし。
シミュレーターによる訓練が終わると同時に意識を失ったのだ。

「問題はそれだけじゃないさ。ほら、彼以外にも眠ってるのがいるだろ?」

彼の意識喪失後、何人かのサーヴァントも同じように気絶した。
国も性別もバラバラのサーヴァントたち。
何故彼らが選ばれたのか、まだ分からない。

「君はどう思う? 君も彼とかなり親しかったと……はぁ」

女性は首を振る。
長いウェーブした髪が揺れる。レオナルドダヴィンチ。万能の人たる者にも未だ解けぬ問題。
信じて待つしかないのか、そんな言葉が浮かぶ。
しかしそんなことを考えていても仕方がないと結論付けてとりあえずは人を呼ぶことにした。
先ほどまで自分と話していた相手が気絶したのだから。

「……」

今はただ少しでも前進できる道を探すしかない。
彼を信じて、自分のするべきことを――――

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ないよ! 抱腹電子遊戯 FGO 1節 GAME START! 2

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最終更新:2017年11月17日 17:40