アラスカは緯度が高い位置にあるので日が沈まない白夜と、日が登らない極夜がある。僕のマスターはその極夜にカルデアのマスターをおびき寄せ殺害する計画を立てた。そこらへんの魔術師対百戦錬磨の救世主だ。魔術師が勝てる道理はなく、だからこそ無理を通す作戦を立てる。
イ・プルーリバス・ウナムの四十九番目の州にて、七かける七、四十九騎のサーヴァントで、カルデアのマスターを圧殺する。数に明かした計画と共に四十九回召喚の儀を執り行った。僕が召喚されたのは四十八番目。
マスター狩りの長い夜だ。そしてそれは明けない。
何で英霊になんかならなきゃいけないんだよ。迷惑だ。人類を守る気なんてさらさらないし地球なんて知ったこっちゃない。有名な奴らは引っ張りだこだけど僕が召されることはまさかないだろうと座の隅っこで手首を削っていたが、やはり遂にサーヴァントとして召喚される。運悪く、というか何かの間違いで僕を召喚してくれたのはどんなクソ野郎かとマスターを仰ぎ見る。そこにいたのは全身が令呪で真っ赤になった爺さん。
「お前が僕のサーヴァントか」
マスターがそうだと答えて名を名乗るので殺してやろうと飛びかかると早速令呪の一画目を使われ防がれる。クソ!
「はやるでない。お前が殺すべきは星見台のマスターだ」
つまらん。何が楽しくてサーヴァントにならなきゃいかん。他人の言うことを聞くのなんて真っ平ごめんだし戦うなんて面倒くさくて死にそうだ。死にたい。そうだ自殺をしよう! 思い立ったが吉日、爪を両目に突き立てようとしたところで令呪二画目。抜け目ないマスターめ。
「お前は星見台出身か? 違うだろう」
クラスはアサシン。僕のクラスのことだ。なんだそれ。暗殺なんてしたこともないしする予定もない。勝手に人をクラスとかで分類するな。宝具? つまらん。何にも興味ない。
そして僕は危険なサーヴァントとして隔離される。四十九騎のうちの四十八番目と四十九番目がそれだ。即席のプレハブ小屋に一緒に閉じ込められた。
僕の宝具は僕を認識しているだけで発動する宝具。僕を見ている限り影響を受けるらしいのでそれがマスターだろうとサーヴァントだろうと危険だそうだ。知るか。勝手に人に属性とか宝具とかくっつけるんじゃない。どうせカルデアのマスターに僕を会わせてそれを攻撃とする気だろう。人を武器にするな。クソ野郎め。
一緒にぶち込まれた四十九騎目の奴はバーサーカーで、何も喋らない。何も喋らないどころか意識があるのかどうかも微妙だ。女で、全身が腐り落ちている。死体だ。死体のサーヴァントだ。臭くてたまらん。たった今死んだみたいに綺麗になったと思いきや腐って肉が溶け落ちて骨になって塵になって消えてまた今死んだみたいに綺麗になりやがる。エンドレス蛆虫発生器だ。こんなのと閉じ込めるな。いくら俺の宝具が危険だからってこの仕打ちはねえだろ。
プレハブの壁を殴りつけてもびくともしない。魔術だの魔法だのの、僕の知らない方法で強化しているんだろう。クソ! 出しやがれ! いや出さんでもいいから殺してくれ。やる気がないんだぞ僕は。魔力の無駄なだけだろ。早く殺してくれよ。
最終更新:2017年11月16日 00:24