116-衆-法務委員会-2号 平成01年11月10日
○稲葉(誠)委員 今言ったいろいろな問題点について聞いてきたわけですね。一番重要なといいますか、助長罪の関係ですかね、このことについては今聞いてない。それだけ恐らくほかの別の日にちに聞かれるのだろう、こういうふうに思うものですからそれは外してあるわけですが、どうも入管というのは本来できたときの経過がよくわからないと言うのですが、これは本来はアメリカの移民法を事実上翻訳したようなものなんですか。
それで、アメリカでは今度新しく、従来から不法に残留していた人、それをある年限を限って、そこで俗にアムネスティーといいますか、アムネスティーを加えて随分救済をしたことがありますね。これは大分長い間かかりましたね。七、八年ぐらい法案はかかったわけですが、賛否両論があって、そして成ったわけですね。どうも人数は、人によると五百万と言う人もいるし三百万と言う人もいるし百何十万と言う人もいるしよくわからないのですが、どういう経過からそういうアムネスティーが行われるようにアメリカではなったのですか。
○米澤政府委員 まず、私どもの現行法であります入管法の母法といえばアメリカのそういった法律であると法律学的には申し上げることができると思いますが、そのものずばりではございませんで、御承知のように昭和二十六年は被占領時代でございました。そのときにGHQからの示唆を受けてやったものでありまして、アメリカ法そのものずばりではございません。ただし英米法系であります。
それから、アムネスティーの話でございますが、確かに委員御指摘のように相当大量の不法入国者といいますか、不法就労者といいますか、言い方がまずいかもしれませんが、そういった不法な人たちを合法化したということは事実でございます。これが三百万とも言われますし百何十万とも言われております。これはアメリカの非常に特殊事情があるんだろうと思います。
御承知のように、メキシコとの間の国境は非常に長うございまして、そのところを通じまして年々物すごい量の不法入国者といいますか、稼働目的で入ってきている人、あるいは親類を頼って入ってきている人が多うございまして、そして結局のところ、当時議論になりましたのは、これだけの大量の不法入国者を幾ら頑張ってやってもさばき切れぬではないか、そしてイミグレーションが、パンクといいますか、幾ら努力しても、何年かかっても全部は掃除できない。あまつさえ、長い間そうして不法に入った人が実際の生活をアメリカ国内で営んでおられるということを考慮すると、この際一回アムネスティーをやって、そして新規に入ってくる人たちを徹底的にウオッチングすればいいというような考えがあったんだろうと思います。
これはアメリカが移民受け入れ国であるという特殊性もございます。それから、現在でも農業移民的なものはどんどん、相当大量に受け入れているという国であることとか、日本とは非常に環境といいますか、社会的諸条件が違うものでございますから、今日本で同じようなことをするということは非常に危険性を伴うだろうと私は考えておりますから、現時点でアムネスティー的な発想は持っていないのが私どもの真意でございます。
○稲葉(誠)委員 今言う、不法に日本に残留しているというか住んでいるというか、そういう人のおおよその人数の見方、それはいろいろの見方があって、これは一々正確に把握できるわけではありませんけれども、いろいろの統計の差や何かから出てくると思うのですが、それを今入管当局としてはどのくらいの人がいつごろから、いつごろからというのはなかなかわからないかもわからぬけれども、いるというふうに考えておられるわけですか。
○米澤政府委員 入管行政上不法に日本におられる方というのは種類がいろいろございますから、分けて申し上げますと、例えば昭和二十年代後半から三十年代後半にかけて、朝鮮半島を中心とする地域から密入国された方々が、いわゆる潜在居住者として相当数おられるというふうに考えております。ただし、今おっしゃいましたように暗数でございますので、一説には約五万というのがございますけれども、私ども定かにわかりません。しかし、時としてみずから出頭して、実は密入国をいついつやったということで出てこられる方がやはりまだ後を絶ちませんので、例えば六十三年は二百六人ぐらいの人が見つかっておるわけでございますから、相当数おられる。
他方、不法残留、さきにも申しましたがオーバーステイという、在留期間を超えて不法に日本に残留している方々、これはコンピューターではじき出せますので、たしかことしの六月かそこらぐらいにはじいたのが最新のデータでございますが、約八万から九万あたりのところを指しております。したがいまして、それを足しますと相当数おられるであろうと考えております。
○稲葉(誠)委員 これは、今アムネスティーをやるつもりはないということでしたけれども、個人
的に話した中では、入管当局もある段階ではアムネスティーをやらざるを得ないようなというか、どういう言葉、表現がいいですか、とにかくやるということも個人的には入管の中で考えられた人もおられるわけですね、だれとは言いませんけれどもね。それをやはり私はある段階のある時期において考える必要があるのではなかろうか、そういうように思っておるわけですが、それに対するお答えが一つ。
それからもう一つは、法的地位の問題で、あれば今どういうふうに進んでいるのか、いわゆる当分の間、三世の問題、四世の問題がありますね。これがどういうふうに進んでいるのかということ、スケジュールですね。その問題の中でどういう点が問題点になってきておるのか、それをどういうふうに処理していこうとしておるのか、こういうことについて入管当局のお考えをお聞かせ願いたい。
○股野政府委員 まず、アムネスティーの点でございますが、これは現在の状況で、非常に日本で不法残留者が急増しつつあるという状況がございます中において、この問題についてはやはり最も慎重な取り組みが必要であろうと考えております。特に、先ほど来お話にありましたような、かつて昭和二十年代ごろに不法入国をした人というものが一方においてあると同時に、最近において不法残留という形で非常に不法就労をする人間がふえておるという状況になりますと、この問題については今後日本が適正に対処していくということを、特にこういう人たちが渡来してくる諸国の側でどう見ておるか、日本がどう対応するかというのを見ておるかというのが問題であると思いますので、今の時点では、これはアムネスティーということは考えられない状況であろうと思っております。
別途、日韓の法的地位の関係につきましては、これは委員御承知のとおり、来年がいわばこの問題について日韓間で話し合いをする一部重要な年になってまいります。日韓法的地位協定ができまして後、この問題について協議をするということがうたわれている中で、再来年の一月がいわばその期限になりますので、それを目指してできる限り双方が満足のいくような形で具体的な結論を得るよう、今後一年余りをかけて十分に検討し、話し合いを行っていく、こういう所存でございます。
○稲葉(誠)委員 それは十二月にもまた局長クラスの会議ですか、外務大臣会議か次官会議か、ちょっと知りませんけれども、そういうのがずっと進んでいるわけでしょう。ある程度の、今こういう状況にあるんだということの、こういう点が問題点になっているんだという程度の差し支えない範囲といいますか、それは話ができるんじゃないですか。
○股野政府委員 委員御指摘のとおり、この問題については日韓間で双方の局長レベルの協議の機関が設けられておりまして、既に昨年の末以来二回会議が開かれ、できれば今年中にもう一度開くということも可能性として今念頭には置いておるわけでございます。
その中身については、これは外交上なかなか難しい点がございますので、今の時点でしかと申し上げることにもいろいろ困難がございますのですが、まず三世以下の人々についての法的な地位を安定させるという問題、あるいは日本の社会の中で安定的な生活を営めるようにこれから考えていくという、いわば日韓法的地位協定の中の前文の中に盛り込まれているその目的及び精神というものを踏まえた協議、こういうことで臨んでおるという状況でございます。
○稲葉(誠)委員 もう一つお聞きしたいのは、アメリカの移民法の中で、これはまたよくわからないのですが、グランドファーザープロビジョンというのが行われましたね。これは実際に不法就労者を雇っている、不法就労者という言葉は僕は使っちゃまずいから使わないけれども、とにかくそういう登録されてない人を雇っている人について、ある状況で免責をしたということなんですか、それはどういうことなんですか。
○米澤政府委員 お答えいたします。
私も手元に条文自体を持っておりませんので正確性を期しがたいのでございますが、私の理解する限りにおきましては、法施行時点において既にそういった人たちを雇っている雇い主については民事罰、行政罰あるいは刑罰を含めて科さない、罰しないということが明文で書かれております。したがいまして、私どもが今回の法改正で附則十一項に、よく似た、それ自体ではございませんが、よく似た感じの趣旨の規定を置いておりますが、そういう目的を持っていたのだと思います。アメリカの立案者もそれを考えたのだろうと思います。
福島
(前略)
○福島瑞穂君 それで、本題の不法滞在罪の新設についてお聞きします。
実は私は、アジアからの出稼ぎ女性の緊急避難所の協力弁護士をしてきたのですが、今回の不法滞在罪はそういう人たちにとって極めて過酷な状況になるというふうに考えております。
御存じのとおり、オーバーステイについては今でも処罰されるわけですが、違うパスポートで入国をした以降、今は三年たてば時効ですけれども、この不法滞在罪の新設により、その後継続犯としていつまでも、何十年日本にいても犯罪が常に成立していくという点については、むしろ被害者として人身売買の結果連れてこられて、にせのパスポートを押しつけられた女性たちにとってはこの新設は極めて過酷になると思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(竹中繁雄君) 不法在留罪の新設は、近年、我が国での不法就労活動を目的として船舶により集団密航するなど、その後我が国に不法在留している不法入国者及び不法上陸者がこの数年非常にふえているということでございまして、その不法在留行為は適正な出入国管理の実施を妨げているのみならず、我が国の社会、治安等に悪影響を及ぼしているということでございます。しかしながら、現在の法律では在留期間を経過して我が国に在留する行為に対する罰則はありますが、不法入国または不法上陸後に我が国に不法に在留する行為を直接の処罰対象とする罰則は設けられておらず、その取り締まりに支障を生じておりますので、この不法在留罪を新設したわけでございます。
個々の事案によっていろんな事情はあろうかと思いますけれども、この法律を御提案申し上げた基本的な趣旨はもちろんそういうことでございます。個々のケースに関して非常に人道的な問題があれば、そのときそのときに応じてケース・バイ・ケースで対応するということになろうかと思います。
○福島瑞穂君 女性の場合もそうですが、難民の場合も合法的な入国の要件を備えることができない場合も多いと思います。
日本が批准している難民条約三十一条は、難民に関し、「不法に入国し又は不法にいることを理由として刑罰を科してはならない。」と規定をしております。その点で、難民の人が難民認定制度を使う場合にこの不法滞在罪が重くのしかかるということがあると思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(竹中繁雄君) 議員の御質問は、難民条約三十一条の規定との関係かと思いますが……
○福島瑞穂君 難民条約が、「不法に入国し又は不法にいることを理由として刑罰を科してはならない。」というふうになっておりますけれども、不法滞在罪が新設されれば、その難民の人たちも処罰の対象になるわけで、難民条約と矛盾するのではないかという点です。
○政府委員(竹中繁雄君) 御指摘の難民の地位に関する条約の三十一条第一項の趣旨を踏まえまして、今回の法改正の中で第七十条の二の規定を改正しまして、迫害を逃れるため我が国に不法入国または不法上陸し、その後不法に在留する外国人に対し、不法在留に係る刑罰を科さないこととするという規定を設けております。
○福島瑞穂君 殺人罪でも十五年で時効です。状態犯か継続犯かというのはやはり非常に大きい違いがあると思います。つまり、日々百年暮らしていても時効が成立しないわけで、決して合法、いてもいいということにはならない。その時効の制度の観点からいって酷ではないでしょうか。
○政府委員(竹中繁雄君) 今の法律の格好ですと、不法残留罪、すなわち合法的に日本に入ってきて、その認定された在留期間を超えて不法残留になった人は、形式的には引き続きずっと不法残留という罪の対象になるわけでございます。
一方におきまして、非合法に入った、不法に日本に入ってきた方は、これは三年たつと時効が成立して、あとは刑罰をかけられないという明らかにアンバランスの状況にございます。この状況はやはり一つの整合性のあるものに統一する必要があろうかと思います。
なお、もうはるか昔に日本に入ってまいりまして、既にいろいろな家族関係ができているような方等に関しては、委員御承知のようにいろいろな救済の道はあろうかと思います。
○福島瑞穂君 あと、違法に入ったと言われている中でも、密入国のようなケースばかりではなく、女性の場合は、法務省も言うとおり、黒い手配師のもとでブローカーの中での国際的人身売買で入ってくる、その後日本人の男性と恋愛をしたり結婚をしたり子供が生まれたりということがあります。もちろん、特別在留許可申請というのはありますけれども、この件数も限られております。
それで、諸外国の中では、不法滞在罪的なものがあるところもありますが、他方、サミット加盟国、ヨーロッパの国ではアムネスティ、つまり合法化、恩赦という制度も合法的に設け、違法をある段階で合法に、一定の要件を満たせば合法に転ずるということもやっております。
ですから、長く住み、納税というか消費税なりいろんな税金を払い、そして子供が生まれたりいろんな状態になった場合に、ある場合には何年暮らせばアムネスティというので救済をされるわけですが、日本はそういう制度はありません。そういう点では、この不法滞在罪は一方的、酷だと思いますが、いかがですか。
○政府委員(竹中繁雄君) サミット国の中でも、いわゆるここで言います不法在留罪に相当する刑罰を置いておる国はございます。
それから、委員おっしゃるように、確かにアムネスティということで、それまで不法に滞在していた人間を合法化するということを実施した国は確かにございますけれども、年度を決めて、何年いればもう自動的に合法化するということをやっているのはむしろ少なくて、これはやはりどこの国でも非常に大きな政治問題になるケースですから、そのときそのときの事情でやっている場合もあるし、やらない場合もあるという状況かと思います。
○福島瑞穂君 それでは、日本ではアムネスティのような制度は考えていらっしゃるんでしょうか。
○政府委員(竹中繁雄君) 日本の場合にはアムネスティのような制度は必ずしもなじまないと思っております。
○福島瑞穂君 なぜですか。
○政府委員(竹中繁雄君) 日本に来て、不法入国、不法上陸してそのまま引き続き不法に在留する人、それから不法残留の方、こういう人たちのビヘービアを見ていますと、やはり一度長くいれば合法化されるということがわかれば、恐らく何とかしてそのときまで逃れよう、居座ろうということで、そういう不法に滞在することをむしろエンカレッジするようなことになろうかと思います。
○福島瑞穂君 私が見ておりますと、短期で入ってくる人よりは長期で日本の中に居続ける人の方がずっと安定して働き続けたりしているというふうに思います。
次に、上陸拒否期間の一年から五年への延長についてお聞きいたします。
だれを対象に一体考えているのかということなんですが、今でも、先ほど円さんが質問されましたように、退去強制後一年で再上陸できている例は非常に少ないと思います。つまり、偽造パスポートで入ってくる人はこれにひっかからない。しかし、恋愛をして結婚しよう、何とかしようというふうに大まじめにきちっと申告をしたりしますと、むしろこれにひっかかる。
ですから、この条文が五年に延びることで非常に困るのは、むしろ恋愛をしたり結婚をしたりあるいは離婚のために裁判をしたい、労災の申請のためにきちっと手続をとりたい、裁判、例えばブローカーの刑事告訴の事件などもありますけれども、そのために日本にもう一度来たい、そういう人たちだと思いますが、いかがですか。
○政府委員(竹中繁雄君) 今でも一年過ぎてもなかなか日本に来れない、ほとんどの人が来れないというようなお話でございますけれども、法律の格好としては、退去強制処分を受けて本国に退去強制された外国人については、一年たてば、適正な手続をとればまた日本に入ってこれるということでございますので、普通ほかに問題がない人の場合にはそういうことが、もちろんその手続でちょっと時間がかかるということは当然ございましょうけれども、そんなに多く起こることではないんだと思っております。
○福島瑞穂君 いや、それがそうではないんです。
弁護士としても、あなた、帰りなさいよ、一年たてばもう一回入国できて今度は合法的にちゃんと彼女と結婚できるからと言うのは、物すごく弁護士のアドバイスとしてはリスキーで、全く責任がとれないんですね。
例えば、イランの男性の場合でも、一たん帰ってしまうと日本との査証免除協定が停止中ですから日本行きの航空券を購入することができない。つまり、女性がもう向こうに行くしかないというような問題もあります。
例えば実例で、イランの人が九四年に不法残留容疑で裁判の結果、三年の執行猶予判決を受けて退去強制になった。その後、九七年に日本人女性とイランで結婚、九八年七月に在留資格認定証明書の交付を申請したが却下。これは、懲役一年以上の有罪判決を受けた場合に当たるとはいえ、猶予期間は過ぎておりますが、入管法違反ということが過去にあるので、正式に結婚しているのに再入国できるかどうかわからない、入国できていないなんということもあります。
つまり、弁護士として思うのは、日本にずっと居続けてもなかなか合法にならない。特別在留許可申請を知らない外国人も多いし、仮に申請しても法務大臣の全くの裁量である。しかし、じゃ合法に転ずるために外国に行って一年待てと言っても、入ってこれない可能性が極めて高い。まさに本当に困っているんですが、法律どおりには全くいっていないんですが、どうですか。
○政府委員(竹中繁雄君) 先ほど私は、適正な手続を踏めば、それに従って行えば、もちろん手続で時間がかかることはあるかもしれないけれども、そんなずっと入れないということはないはずですということを申し上げたつもりでございます。
今、先生がおっしゃったケースは、一つは懲役刑を受けている、これは一年ではございませんでいわゆる永久のクラスでございますので、その場合には一年たったら入れるというケースではございません。
それから、イランの方のあれがございましたけれども、イランは昔は査免協定があって割と自由に日本に来れたのに、その後その査免協定がなくなったのでそういうことになったわけで、そういう事情があるのはちょっとこれはいたし方のないことだと思います。
○福島瑞穂君 入管法違反で起訴され判決を受けるケースがあるんですね。ですから、別に窃盗とか殺人とかそういうのではなく、入管法違反のオーバーステイで有罪判決を受けて強制退去になるとなっていますから、どうしてある人は起訴され、起訴されないのかというように思います。
結局、この一年が今でも問題があるのに、一年が五年に延びますと、例えば、結婚している場合、子供が生まれた場合、五年間日本に入ってこれないということになりますので、人権規約の二十三条が家族の保護規定などを置いておりますけれども、これに反するのではないかと思いますが、いかがですか。
○政府委員(竹中繁雄君) 執行猶予がついても、一年以上の有罪判決を受けた場合の方は、残念ながらこれは一年が五年になっても十年になっても同じでございまして、これによって変わることはございません。
あと、そういう結婚されてお子さんがおられて五年間離れちゃうのかということでございますが、これは当然ケース・バイ・ケースで考えるべき対象のことですけれども、いろいろな情状を見た上で、これまで同様、法務大臣による上陸特別許可というもので人道的な配慮が明らかに必要なケースについてはそれに応じた措置がとられるということになろうかと思います。それは今までと同様でございます。
○福島瑞穂君 しかし、特別在留許可申請を知らない外国人も大変多いですし、それからやはり怖いのは、法務大臣の全くの裁量ですから、申請して認められたらいいけれども、万が一だめだったらどうしようというようなことも実は大変思います。
五年別居はやはり大変厳しいと思います。法務省がつくられた民法改正案も五年別居が裁判上の離婚理由になっておりますから。もちろん本人たちはけんかして別居しているわけではありませんから、多分当たらないというケースになるかもしれませんが、五年別居ですともう十分破綻の理由や結果になるんではないかというふうに思います。
そういう意味では、今現在、配偶者ビザで新規入国する外国人数も一九九七年で一千五百人、一九九七年における配偶者ビザでの在留者がもう十五万人という状況ですから、特に不法滞在罪と上陸拒否期間の延長は恋愛をしたり結婚したり子供が生まれた人にとって酷になるというふうに思います。
ある女性が私の彼はシュワちゃんよりすてきだというチラシをつくってまいていたのですが、シュワルツェネッガーさんは有名人ですから特別上陸できたわけですけれども、すてきなバングラデシュの彼がいても、国外に退去するとなかなかもう戻ってこれないだろうし、日本女性が外国に行くのも大変負担になる場合があって、非常に困っているケースがたくさんあります。そういう意味では、これをぜひこうしないでほしいということを強く述べたいと思います。
それから、外国人登録証の常時携帯義務のことです。ほかの議員さんもたくさんおっしゃいました。
ちょっと私も再度確認したいのですが、国籍取得における血統主義を採用する国の中で、旧植民地出身やその子孫、永住資格を持つ者に対して同様の義務を課す国があるか、自国民にも携帯を義務づけている国を除いた場合に、果たして日本のような制度をやっている国があるのでしょうか。
○政府委員(竹中繁雄君) 申しわけございません。そういう角度から勉強しないで来たものですから、今ちょっと資料を持ち合わせておりません。
○福島瑞穂君 では、こちらも検討しておりますが、ぜひまた正確に教えてください。
先ほどからも話が出ておりますが、大森さんの話でも出てきましたけれども、提示と携帯はやはり違うと私は思うんです。提示ですと、ちょっと待ってください、家にとりに帰ってきます、見せますと言えますけれども、携帯義務ですと常に持っていないと処罰をされる。例えば、私たちも議員バッジをつけていないと処罰されるなんて言われたら物すごく精神的に負担を感じるんですけれども、やはり物すごく精神的な圧迫感だと思います。
規約人権委員会がなぜ限定的にであれあんなに強く再度言うのかといいますと、強制連行で連れてきた人の二世、三世の人たちにどんなに日数がたったとしても常時携帯義務を課している、それはやはりおかしいという問題関心がありますけれども、それについてはいかがでしょうか。
○政府委員(竹中繁雄君) これはもう何回も前からお答えしているとおりの答えでございまして、日本人と外国人では出入国、それから在留にかかわる取り扱いが当然違うわけでございまして、それに応じてこういうシステムができ上がっているわけでございます。
○福島瑞穂君 先ほど、再入国についての質問がありました。ドイツは、ドイツに十年以上住みドイツの学校に六年以上通った子供は再入国権が自動的に生ずるという立法があるわけですけれども、例えば日本でもそういうことは考えられないのでしょうか。
○政府委員(竹中繁雄君) 委員御承知だと思いますけれども、特別永住者の場合は入管特例法によりまして特にいろんな面で優遇された措置をとるように規定されております。
もちろん再入国の許可自体は一般的には法務大臣の許可にかかわらしめる問題でございますけれども、特例法の中で、これは十条でございますけれども、「法務大臣は、特別永住者に対する入管法第二十六条の規定の適用」、これは再入国許可に関する規定の適用でございますが、「に当たっては、特別永住者の本邦における生活の安定に資するとのこの法律の趣旨を尊重するものとする。」ということで特に厳しい規制がかかっているわけでございまして、これを踏まえて特別な扱いをしているということでございます。
○福島瑞穂君 きょうの話の中でも大分出てきておりますが、特別在留許可にしても今の制度にしても法務大臣の許可なわけです、裁量です。ですから、弁護士としてもそうですが、申請するまではわからない、どういう結論が出るのか実はわからない。ですから、例えば先ほども出ている指紋押捺拒否をした人は、再入国できるかどうか非常に不安を感ずるとか、再入国の権利をもらえないで新規入国になるという事態が生じます。
今回は入管法、外登法の改正ですが、その根底に、
外国人政策が非常に広範な裁量のもとになっていて、管理の客体であって、やはり本人たちが非常にストレスを感ずる制度である。非常に大きな裁量があるので自分がどうなるかわからない、お上に盾突いたりうるさかったりデモに行ったり指紋押捺拒否したりするとどうなるかわからない、そんな中で日々暮らすストレスというのは物すごく大きいと思いますが、もう少しそういう制度を変えるということをぜひ前向きに御検討いただきたいと思います。
特に、先ほども出ましたが、二〇〇二年にはまた規約人権委員会で議論があります。そのときに変えていないということはとても問題だと思いますが、最後にその点についてだけお答えください。
○国務大臣(陣内孝雄君) 人権擁護の問題につきましていろいろと御議論をいただいたわけでございますが、このことは極めて基本的に大事な問題であるという認識のもとにこれからも十分検討を続けてまいりたいと思います。
最終更新:2009年01月29日 08:15