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民間出身校長が行く(5) 「よのなか」科 授業普及へ 教育ルネサンス(読売新聞/2009/06/05)

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20060509us41.htm
 校長自身によるユニーク授業が、普及に向けて動き出した。
 教室内を歩き回り、生徒が発言すると「はい、拍手」「いい線行っているね」と藤原和博校長(50)が盛り上げる。自身が手がける東京都杉並区立和田中学校の「よのなか」科の授業だ。
 先月19日の初回は、おなじみのテーマ「1個のハンバーガーから世界が見える」。ハンバーガー店の店長になったつもりで、どこに出店すれば売れるか、みんなで考えるのが課題だった。駅の利用者数が話題になると、自分の携帯電話を手渡し、学校近くの駅に取材させた。
 テンポの良さが藤原流。退屈そうな生徒はいない。生徒たちはこれから「原価構造」や「貿易と為替の動き」も学んでいく。「生徒に日々のニュースが気になるようにさせる」のが神髄だ。近い将来、こんな授業が全国で見られるようになるかも知れない。
 藤原さんは教育関係者を対象に今夏から、「よのなか」科のカリキュラムや授業技術を伝授する研修を始める。東京、大阪で計3回、各2泊3日の日程で定員は計150人。受講者が各地で授業を普及させる核になってもらう構想だ。


 「よのなか」科の授業は、藤原さんがリクルート社に勤務していた1998年、中学の公民教科書が現実社会とかけ離れた描き方をしていることを訴えるため、「人生の教科書『よのなか』」を出版したのがきっかけだった。
 杉並区在住で、山田宏・杉並区長が旧知の存在だったこともあり、その後、助言者として教育委員会入り。1年後に校長になった。今年が4年目だが、新しい授業にはリクルート社時代からかかわってきた。
 現在は和田中勤務の杉浦元一教諭(33)は、前任校の東京都足立区立十一中学校時代から、藤原さんの協力を得て授業に取り組んできた相棒のような存在だ。その杉浦さんいわく、「当時、全国から視察にきた教師の中には、『豊富な人脈のある藤原さんだからできること。とてもまねできない』と言って帰った人も少なくなかった」。
 でも、杉浦さんはそうは思わない。「商店街の店主や工場の経営者など、地元の身近な人を呼んでも十分に展開できる」
 新しい授業は、これまでに保護者や地域住民も含めて約3000人が見学した。その中には「自分もやってみたい」という教師も少なくない。研修はその期待にこたえるものだ。一方、教師が導入したくても校長が難色を示したり、校長が積極的でも教師の協力が得られなかったりといった学校もある。
 大学生が生徒の勉強の面倒を見る「土曜日寺子屋(通称ドテラ)」や、住民・保護者らのボランティア組織「地域本部」の創設など、矢継ぎ早に改革を進めてきた藤原さんが、「教育現場は確かに保守的だが、やる気があればできる。研修をその起爆剤にしたい」と力を込める。その自信は、これまでの実績に裏打ちされている。(木田滋夫)

 「よのなか」科 「世の中のすべてが教材」という考え方のもとに、生徒に身近なものから経済や地方自治、法律などの「世の中」を考える授業。生徒が店長や検察官などの役割を演じたり、講師を招いて一緒に考えたりする。和田中ではこれまでに、時計の夜光塗料で世界的なシェアを持つ地元企業の社長、杉並区長、弁護士、工務店社長らが講師を務めた。
(2006年5月9日 読売新聞)

学校選択制どうなる 23区アンケート(東京新聞/2008/11/03)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008110390070857.html
 東京都江東区が縮小を決め、前橋市が廃止する公立小中学校の学校選択制をめぐり、東京新聞は導入が進む東京二十三区の区教育委員会にアンケートをした。有意義だと強調する区もあれば、地域との関係希薄化や児童生徒数の偏りなどの問題に頭を悩ませている区も浮かんだ。文部科学省は「メリットとデメリットを確認し、検証する時期に入った」といい、各自治体での検証作業が活発化しそうだ。 (小林由比、中沢佳子)

 「学力レベルが高く、先生たちにも自信が見られた。もし、中学受験を希望することになっても、対応できると思った」。江東区で小学四年と二年の男児を電車で学区外に通わせる女性(45)は選択制の恩恵を認める。駅まで約十五分歩き、地下鉄に乗る。「PTA役員の仕事などで通うのに親も大変」だが、児童の指導方法や保護者への情報提供の仕方など学校に満足している。
 しかし、江東区は来年度から選択制を限定的な内容に見直す。女性は「制度が変われば、うちの辺りからは通えなくなる。通わせたかったのに、という不満も出るはず」と推測する。
 江東区の制度導入は二〇〇二年。全学年が選択制下で入学し終えたため、昨年から制度の在り方を検証してきた。その結果、来年度からは指定校への入学を原則とし、小学校は徒歩で通える範囲に限るほか、中学校でも希望校の抽選に漏れた場合は指定校への入学とする-など制度の縮小を決めた。重視したのは「地域と学校や子供たちとのつながりが薄れる」という町会などの声だ。
 文科省は中央教育審議会に作業部会を設け、制度の検証を始めている。今後、江東区や前橋市などからも報告を求める見通しだ。ただ、現段階では、二十三区内でほかに具体的な制度見直しの動きはない。
 大都市部で最初に制度を導入した品川区は「選択制自体が目的ではない。総合的に教育改革を進めた結果、学校が変わり、児童生徒の学力も向上した」と意義を強調。入学者が少ない学校を支援するなど同区の姿勢について、文科省は「選ばれなかった学校への支援をどうするか考えた上で実施している」と評価する。
 また、小中学校で制度を運用している荒川区は「保護者アンケートでは約七割が賛成」と制度への多くの支持を例示する。
 半面「学区外の保護者から学校や地域運営への協力が得られにくい」(港区)、「通学時の安全確保がしにくい」(葛飾区)、「うわさや風評に左右され、学校選択ができることで逆に悩んでしまうケースがある」(目黒区)など課題を指摘する区も。「教育内容で選ぶ」という制度の趣旨が徹底されていない側面もみられる。
 さらに「年度により在籍数が変わり、学校運営が不安定になる」(文京区)など学校運営上の悩みを挙げる区もあった。
 墨田区は「導入目的が達成されているかを探る」として保護者らに行ったアンケートを分析するほか、江戸川区は「まずは検証を進めていく」としており、制度の功罪を見極めようとする動きが出ている。

■問題あれば工夫を
 政策研究大学院大学客員教授(教育政策)の戸田忠雄氏の話 学ぶ権利を保障する意味で学校選択制は良いこと。児童生徒や親の立場で考えるべきで、反対を唱える人は行政の立場で考えているのではないか。
 人数の偏りなど問題があれば、選択範囲を制限するなどやり方を工夫すればいい。江東区も部分修正であって選択制に変わりはない。公立学校の学力格差や地域との関係の薄れを反対の理由とする考えは、私学の存在を無視しており成り立たない。

■出直した方がいい
 教育評論家の尾木直樹氏の話 学校選択制は教育論でなく規制緩和論から始まったことが問題。規制を緩和すれば良いことがあるとの幻想にとらわれて広がったが、子供にとっても地域にとっても出直した方がいい。
 全域または一定のエリア内で自由に選べる選択制ではなく、いじめや交通の便、部活動など事情があれば、指定校以外の学校にも通えるという柔軟なやり方に収れんさせた方が現実的。保護者は学校の選び手ではなくつくり手になるべきだ。
(東京新聞)

杉並区立和田中の「夜間塾」開講、都教委が「待った」(産経新聞/2008/01/07)

http://sankei.jp.msn.com/life/education/080107/edc0801072227000-n1.htm
 東京都の杉並区立和田中学校(藤原和博校長)で9日から実施予定の進学塾講師による夜間有料特別授業「夜スペシャル」について、東京都教育委員会は7日、「入室テストで対象者を絞るなど、義務教育の機会均等の観点から疑義がある」などとして杉並区教育委員会に対し、実施の再考を求める指導・助言を行った。
 地方教育行政法48条による措置で区教委は指導・助言に拘束されない。文部科学省によると、都道府県教委が市区町村教委の独自の取り組みに待ったを掛ける指導・助言を行うのは「あまり例がない」という。
 藤原校長は同日夜、「実施方法は変更しない」とした上で、9日から26日に延期することを明らかにした。杉並区教委は井出隆安教育長名で「教育の地方分権が求められている今日、都教委がこのような指導を行ったことはきわめて残念」とのコメントを発表した。
 夜スペシャルは、同中の運営を支援する地域本部が進学塾の「SAPIX」と協力し、入室テストに合格した同中の2年生約20人を対象に、平日の夜や土曜の午前に月額1万8000-2万4000円の受講料で受験支援として数学や国語などの授業を行う仕組み。都内の公立中で初の企業出身校長となった藤原校長の発案。授業料は同塾の通常と比べ半額程度。
 都教委は、問題点として入室テストによる選抜方法のほか、高額な授業料や、公共性の高い学校施設で特定の私塾が授業を行うのは「公共性・非営利性に反するおそれがある」などとしている。

区立中の塾開講を評価 石原都知事(産経新聞/2008/01/08)

2008.1.8 21:30
 東京都の杉並区立和田中学校(藤原和博校長)が実施を予定する進学塾講師による夜間有料特別授業「夜スペシャル」に都教育委員会が再考を求める指導をした問題について、石原慎太郎都知事は8日、家庭の経済状況に応じた授業料設定などの調整をすれば実施は可能との認識を示した。
 石原知事は、都教委の指導内容は聞いていないとしつつも「ポジティブに、子供のために足りないものを補うのはいいことだ」と夜間授業を評価する考えを示た。
 和田中の取り組みについて都教委は7日、「義務教育の機会均等という観点から疑義がある」などとして杉並区教委に指導・助言をしていた。

【主張】公立中「夜間塾」 教師の質向上につなげよ(産経新聞/2008/01/10)

2008.1.10 03:41
 東京都杉並区立和田中学の進学塾講師による有料授業に賛否双方からの議論が起きている。さらに実施方法を工夫し、公教育の信頼回復につなげてほしい。
 同中学の藤原和博校長は民間企業からの転身で、地域住民と連携した学校運営などで学校再生を進めてきた。高校受験へ成績アップを目指す上位層を対象に塾講師を呼ぶ今回の試みも、民間出身校長らしい閉鎖性の強い学校現場にはなかった発想だ。
 夜間塾は、同中学の保護者ら地域住民でつくる組織が運営し、進学塾が学校に講師を派遣する。
 授業は有料で、学力レベルを把握する入室テストもある。月、水、金の午後7~9時半ごろの平日夜間が月1万8000円、土曜午前を加えると2万4000円という。2年生約130人のうち約20人が参加予定だった。
 塾講師が補習授業を行うなど、公立と塾の連携は増えている。だが、その多くは自治体が費用を負担している。和田中の場合、通常の塾の半額程度であるが、決して安いとはいえない。
 これに対し、東京都教育委員会は、(1)公立学校教育の機会均等(2)学校施設利用の公共性・非営利性(3)教材開発に教職員がかかわる兼業の是非-などで「疑義がある」と待ったをかけ、9日のスタートは延期された。
 しかし、和田中の試みは、思い切った学力向上の試みの一つと評価できないだろうか。東京都の石原慎太郎知事は「子供のために足りないものを補うのはいいこと」と述べ、家庭の経済状況に応じた費用負担などを考慮すれば実施できるとの考えも示している。
 公立校不信が根強い。特に首都圏では高校受験の「15の春」ばかりか、私立中学を受験する小学生が年々増え、塾通いしない子が少ないほどだ。
 公立と塾の連携の一方で、本当に期待されているのは、公立の教師の再生だ。塾の授業の方がおもしろいというのでは教師として恥ずかしい。
 一方で、短時間に難解な入試問題を解く“解き方暗記”のような塾方式の指導には、子供によっては必ずしも学力が身に付かないとの指摘もある。
 公教育を担う教師の立場は塾講師とは異なるが、それが指導力向上の刺激になるのなら、前向きに取り入れることも必要だ。

「不適切ではない」と都教委 和田中の特別授業(産経新聞/2008/01/24)

http://sankei.jp.msn.com/life/education/080124/edc0801241210001-n1.htm
2008.1.24 12:10
 東京都の杉並区立和田中学校(藤原和博校長)が計画した進学塾講師による夜間有料特別授業「夜スペシャル」について、義務教育の機会均等の観点などから疑義を示していた東京都教育委員会は24日、「不適切なものではないことが認められた。今後疑義が生じないように期待する」との見解をまとめた。特別授業は26日から実施される。

 杉並区教委は23日、当初「学校教育活動」として位置づけていた特別授業を、「学校教育外活動」として位置づけることを決定。進学塾ではなく、地域が主体となって運営することを強調する見解をまとめ、疑義に対する回答書を都教委に提出していた。

 24日に開かれた都教委定例会で、都教委は杉並区教委の回答を「指摘した疑義は解消されている」と評価した。

成績上位者対象 杉並区立和田中の進学塾連携授業が始まる(産経新聞/2008/01/26)

2008.1.26 09:53
http://sankei.jp.msn.com/life/education/080126/edc0801260953000-n1.htm
 東京都杉並区の区立和田中学校(藤原和博校長)で26日午前、進学塾講師による有料特別授業通称「夜スペシャル」が始まった。2年生の生徒約11人が参加し、2時間強にわたり、塾講師による英語の講義を受ける。
 特別授業は、同校生徒の保護者らのボランティアと進学塾「サピックス」(東京)とが連携。放課後の教室を利用し、塾から派遣された講師が有料授業を行う。平日夜に数学と国語を学ぶ週3日のコースと、これに加えて土曜日午前に英語を学ぶコースがある。
 2年生約130人のうち、主に成績上位の生徒が対象。高校受験に向けて成績アップを目指す。
 入室テストに合格した生徒は1回45分の授業につき500円、月額で1万8000~2万4000円の授業料を支払う。同塾の通常の受講料の半額程度で学び、家庭の経済状況で費用負担が難しい場合には、軽減措置が講じられる。
 今回の試みは、平成15年に都内の公立中で初の民間企業出身の校長となった藤原校長が「私立中に行かずに済む受験サポートを」と提案。運営は和田中の保護者や地域住民らがつくるボランティア「地域本部」が行う形を取った。
 今月9日に開始する予定だったが、都教育委員会が義務教育の機会均等や公共施設の利用といったことを問題視。杉並区教委に実施の再考を求めるなど論議を呼んだ。
 区教委は23日、特別授業を「学校教育外活動」と位置づけることを決め、都教委も24日に「(特別授業は)学力の向上という公共の利益のためで、不適切なものではない」との見解をまとめ、実施を了承した。
 同中では大学生らが発案する全生徒対象の土曜補習(年5000円)を実施しているが、今回の試みは成績上位者が対象。

戸惑いながらも真剣に 有料特別授業(産経新聞/2008/01/26)

2008.1.26 11:30
http://sankei.jp.msn.com/life/education/080126/edc0801261130002-n1.htm
 東京都の杉並区立和田中で、首都圏を中心に展開する大手進学塾と連携した有料特別授業が26日にスタート。参加した生徒11人は、講師のヒントで答えを見つけていくような授業スタイルに、やや戸惑いながらも真剣な表情を見せた。
 初日は英語。午前9時に会場となった視聴覚教室にスーツ姿の小森慎一講師が登壇。「まずは頭の体操に」となぞなぞ形式のプリントを配り、生徒にヒントを出したり、質問に応じたりした。
 この日は45分間の授業が3コマ。プリントの問題に取り組んだあと、小森講師は「今日のテーマは節分。日本の文化を英語にしましょう」と説明。「まず日本語で書いて。最終的に自分の考えを英語にしましょう」「一年後には頭の中がやわらかくなってますよ」と語りかけていた。
 校内私塾は主に週3日、平日の午後7時から9時35分まで開くため学校側は「夜スペシャル」と命名。暗記中心ではなく、生徒の考える力や分析力を伸ばすよう塾側に要望しているという。

【公教育を問う】第1部 私立人気の影で(2)塾頼みの学力格差是正

2008.1.17 12:41
 「さあ、競争だ」。進学塾「四谷大塚」は昨年11月下旬、こんなキャッチコピーを掲げ、小学3年から5年生対象の全国統一テストを行った。
 「競争」。以前なら「受験をあおる」などと逆に批判を浴びるため、塾側も遠慮して使わなかった言葉だ。テストには全国約1100会場で約5万人が参加した。
 「ゆとり教育」の弊害で、私立と公立、都市部と塾のない地方などの学力格差の不安が広がり、「差」から目をそらせなくなった。
 塾のない地方にも自治体が運営する塾などが生まれている。
 阿武隈山系に抱かれ、約3300人が暮らす福島県川内村には昨年4月、村営学習塾「かわうち興学塾」ができた。それまで塾といえば隣町頼みで受験期の冬場は親が車で送迎する必要があった。
 県内学力試験で「平均以下」という成績に頭を痛めた村が乗り出したのが自前の塾運営だった。村立小5年~中学3年を対象に、授業を学習塾に委託した。7割にあたる83人が、村のコミュニティーセンターで勉強している。
 開設して約9カ月。「学習のペースが身に付き、集中力が出てきた」(秋元英男教育課長)。実際、模擬試験でも成績が向上しているという。

 「一つのエリート教育かもしれないが学力向上へ必要ではないか」…。
 今月9日に開かれた東京都杉並区の教育委員会定例会。区立和田中学の進学塾講師による「夜間塾」について、区の教育委員の意見は推進論が大勢を占めた。
 「公教育の機会均等」などで疑義あるとし、いったん待ったをかけた都教委の10日の定例会でも、一部委員が「できるだけ現場に自主性を持たせてほしい」と発言するぐらいで、目立った反対はなく、授業は26日からスタートする予定だ。
 進学塾が乱立する杉並区。区が独自に教員を養成する「杉並師範塾」などの施策で「教育立区」としられる。だが小学生の3割超が私立中学受験するなど私立人気は変わらない。
 同区は学校選択制で公立中学同士が教育内容を競う。和田中の「夜間塾」は、民間出身の校長の発案で、保護者やボランティアが学校運営を支える「和田中地域本部」が運営する。
 数学、英語、国語の主要3教科を対象に有料で、成績上位層を対象にしたのが特徴だ。
 実は和田中の「夜間塾」の講師派遣で協力する進学塾「サピックス」は昨秋、似たような話を複数の中学に持ちかけていた。
 近隣のある中学では「本校の目標は勉強が苦手な子の支援。原点を確認し対極的にやっていきたい」と見送った。
 区内の中学教員からは「公立校の新機軸として画期的だ」と評価の声のほか、公教育の現場に営利企業の塾が入ることに、いまだ賛否が交錯する。
 和田中の藤原和博校長は「うちは『土曜寺子屋』と呼ぶ土曜補習で、既に成績下位層の底上げをはかってきた。費用は1コマ500円の計算で安い。格差の拡大ではなく是正だ」とし、「上位層の育成が公立校の本分でないという批判は逆差別だ。結局、『優秀な生徒は塾や私立へ行け』という風潮を助長するだけではないか」と話す。

 一方、政府の規制改革会議の専門委員でもある教育アナリストの戸田忠雄氏は「自校の先生は信用できないと言ったのに等しい。日本の公教育全体に対する問題提起といえる。本来は塾と連携しなくても公立校教員が自力で上位層の学力を伸ばさないといけない。教員の資質向上が何より大切だ」と指摘する。
 さらに塾が支える学力の脆(もろ)さを指摘する声もある。
 『進学塾不要論』(ディスカヴァー)の著者で、出版・学習教室「エム・アクセス」(京都市)代表の水島醉(よう)氏は、「入試問題は大人がやっても時間内に解けない問題が混じる。塾側も『他所より難しい問題を教えている』ことを看板にしないと生徒が集まらない。数%の子供しかできない難問の解き方を無理に教えても学力は身に付かず、逆に伸び悩む子供もいる」と指摘。「スポーツに例えればランニングなど基礎練習をおろそかにし、プロ選手並みのホームランを打つ訓練だけでは、かえって頭の悪い子をつくることになる」と警鐘を鳴らす。
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