間違えやすいポイントについて
そもそもの問題は、「単純所持規制」や「表現規制」ではない事
そもそもの問題として、
児童ポルノ法が制定された大きな動機は東南アジアでの日本人男性の児童買春問題でした。
この事は、
創作物規制を主導する警察庁の「バーチャル社会のもたらす弊害から子どもを守る研究会」座長を務めている前田雅英教授も認めています。
国外で犯した場合の処罰の課題
本法は、国外で犯した場合も広く処罰する。そもそもアジア諸国における日本人の性犯罪行為が、本法立法の大きな動機であった。ただもちろん、国外犯の処罰は事実上困難な面がある。そこで法は、一七条で「国際的な緊密な連携の確保、国際的な調査研究の推進その他の国際協力の推進に努めるものとする」と謳っている。さらに、今後インターネット上の児童ポルノ事犯が一層増大することは明らかであり、これらが本法の処罰対象となることも明白であるが、実効性をもった規制ができるかが今後の課題となろう。
児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律は、 国内における援助交際や東南アジアにおける買春ツアー等が社会問題となっていた中、児童買春、児童ポルノに係る行為を処罰し、児童を保護するため、平成十一年に議員立法により制定されたもので、同法附則においては、施行後三年を目途として、検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものと規定されております。
ですが、制定当初の「児童ポルノ法」は、日本国内で社会問題と化していた「援助交際」対策としての側面が強く、そういった事を法律の基盤に据えた枠組みでは、東南アジアでの児童買春問題は解決しないとして、エクパット・ジャパン・関西からは「子供の権利」を守るための対案なども出されました。
旧与党案では、枠組みそのものが問題!
旧与党案で子どもの権利は守れない
そもそもの問題は何だったのか?
日本では、まえからあった国外犯規定が機能しなかったことこそ問題
日本では、性虐待という捉え方がきわめて弱いことこそ問題
児童ポルノ法施行後、10年が経過しようとしていますが、その間におけるそもそもの問題であった東南アジアでの児童買春問題はどうなったのかについては、
「青少年問題に関する特別委員会(2008/04/10)」で民主党の吉田泉議員が質問した結果、これまでの統計は以下のようになっているという返答がされました。
平成十一年十一月の児童買春、児童ポルノ禁止法施行後、平成十九年末までに検挙いたしました児童買春事件の検挙件数及び検挙人員は、一万二千二百三十五件、八千百三十七人、児童ポルノ事件の検挙件数及び検挙人員は、二千五百五十五件、千八百二十五人となっております。
特に、児童ポルノ事件につきましては、平成十七年から検挙件数、検挙人員とも大幅に増加をし、現在まで高水準で推移をしております。この増加につきましては、平成十六年の同法の改正による取り締まりの強化などが要因の一つとして挙げられるものと認識をしております。
また、 国外犯の検挙状況につきましては、これまで、タイ、カンボジア、フィリピンでの日本人による児童買春、児童ポルノ禁止法違反事件で十件、十六名を検挙しております。その内訳は、児童買春事件が六件、六名、児童ポルノ事件が四件、十名となっております。
児童ポルノ対策は「出会い系サイト規制」の方が効果的なのでは?
警察庁はこのほど、2007年の少年非行・犯罪状況をまとめた調査結果を公表。
出会い系サイトやインターネットにより、未成年が巻き込まれる事件の実態が明らかになった。
まとめによると、2007年の「児童買春・児童ポルノ禁止法」違反事件は1914件。
児童買春で摘発された1347件のうち、679件が出会い系サイトをきっかけとしたもので、前年の775件から減少した。
また、児童ポルノで摘発された事件567件のうち、インターネットが関係した件数は192件で、前年251件から減少している。
一方、「出会い系サイト規制法」に違反した事件は122件。前年比で159.6%と大幅に増加した。
このうち、児童の側から持ちかける例が前年の約3倍に増加し、全体の約半数を占めた。
「出会い系サイト」に関しては、通称「出会い系サイト規正法」が2003年6月13日公布され、同年9月13日から施行されています。
2008年5月28日には改正「出会い系サイト規正法」が成立し、2008年12月1日から施行されます。
最終更新:2009年03月31日 01:41