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ダイバーシティ、コラム、毎日jp0801

ダイバーシティって……=小林洋子
 今の世の中になっても、まだ女性管理職ゼロという企業は少なくない。先週ごあいさつにみえた会社もそうだった。

 約束より早く来られて、もう応接室でお待ちとの連絡を受け、走った。入り口の手前で呼吸を整え、いつもの営業スマイルに顔を戻して、ドアを開ける。「お待たせしました」。普通だとここで皆さん笑顔で席を立ち名刺交換となる。が、3人の男性はチラとこちらを見るだけである。気まずい沈黙の後、これでもかというくらいの笑顔で言ってみた、「ようこそ、いらっしゃいませ」。反応なし。「……あ、じゃあコーヒー。三つで」、下座の男性が面倒臭そうにつぶやく。

 「女=お茶くみ」という徹底した刷り込みのあるこのテのオヤジは、名刺交換したとたんに恥ずかしいくらいにひょう変する。「あややっ! これは大変な失礼をば!」。直立不動となる。「いや、さすが素晴らしいですな!」。ワケわからないが、役職に対する条件反射なのだ。

 「御社のダイバーシティの取り組みは……」。念のため振ってみた。「ダイバーシティ? ああ、出産パンフですな。ありますとも! メセナもCSRもみんな女のコにやらせてますから」。……違う。

 人種、性別、年齢、身体的特徴、価値観、その他あらゆる意味での人間の「多様性」を受け入れ、尊重し、強みとして生かしていく、そんなダイバーシティのある社会はいつになったら来るのだろう。

 同質の者同士のコミュニケーションはラクだし、結束するのも簡単だ。でも多様性の無い集団は、変化に弱い。来年度の事業計画を立てるこの時期、中長期的な人の生かしかたも真剣に考えねば。(コラムニスト兼某社勤務)

毎日新聞 2008年1月28日 東京朝刊
最終更新:2008年02月23日 08:26
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