競争的資金

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***competitive funds ***定義 競争的資金とは、評価を通して選抜的に配分される経費のこと。 代表的なものとして科学研究費補助金(科研費)や受託研究がある。 ***政策的位置づけ・概要 我が国において競争的資金は、政策的には基盤的資金・重点的資金と一体のものとしてデザインされている。この3者を並べてみれば、それぞれの目的や内容、基本的な性質等が浮かび上がってくる。たとえば『第一次科学技術基本計画』の「2章3節:多元的資金」では、次のようにまとめられている。 >(1)競争的資金の拡充 >研究者の研究費の選択の幅と自由度を拡大するとともに、競争的な研究環境の形成に貢献する競争的資金の大幅な拡充を図り、これにより、競争的資金が研究資金において占める比率が高まるよう措置する。このため、平成8年度から本格的に導入された特殊法人等を活用した新たな基礎研究推進のための経費、科学研究費補助金、科学技術振興調整費、民間能力の活用を含めた公募型の研究開発を推進するための経費、各省庁において国立試験研究機関を選択して配分する共通横断的な分野の研究開発を推進するための経費等の多様な競争的資金の大幅な拡充を図る。 >(2)多様な研究開発の推進のための重点的資金の拡充 >研究開発推進の基本的方向に沿って、基礎科学の重点的な推進を図るとともに、社会的、経済的ニーズに対応して、大学、国立試験研究機関、特殊法人等の研究開発機関において行われる研究開発や各種研究開発制度により行われる研究開発が効果的かつ重点的に推進されるようにするため、上記の競争的資金の拡充と併せ、多様な研究開発の推進のために必要な研究資金の拡充を図る。 >(3)基盤的資金の充実 >国立大学等や国立試験研究機関における研究者の自主性が重要な基盤的な研究活動を着実かつ効果的に推進できるよう研究者が経常的に使用できる研究資金及び研究開発施設・設備の運営に係る経費の充実を図る。 引用:[[第一次科学技術基本計画>http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/kagaku/kihonkei/honbun.htm]] ***評価方法:ピアレビューと行政裁量・経営裁量 競争的資金において、最もオーソドックスな評価方法は、ピアレビュー、すなわち専門領域を同じくする同僚研究者による審査である。 上に挙げた科研費がピアレビューによる競争的資金の代表例と言えよう。 他方で、必ずしもピアレビューを伴わない場合もある。 企業や各省庁から研究を受託し、その研究業務に関する資金の提供を受ける受託研究がこれにあたる。 たとえば、これまでの研究者や研究機関の実績等に鑑み、行政的・経営的判断に基づいて委託先や委託額を決めるといったケースがある。 (省庁からの委託研究の場合には、審査の実務等を同僚研究者に依頼することも多い) ***競争的資金の拡大・多様化 競争的資金は戦後継続して拡大し続けていおり、特に90年代に「競争」が大学制度改革のキーワードの1つとなって以来、そのスピードは上がってきている(阿曽沼1999)。さらに、競争的資金の規模の拡大に伴い、その目的や配分方法の多様化も進んできている。文科省によれば、2011年時点で政府主導で配分される競争的資金の種類は44種類である。ただし、科研費などを見ると、その中に更に目的や方法を異にする様々なプログラムが存在していることが分かる。よって、実際には44種を超える様々な競争的資金が存在していると言うべきだろう。 参考文献:阿曽沼明裕(1999)「国立大学における研究費補助のパターン変化」『高等教育研究』第2集、135-155頁 参考:科研費の規模拡大について http://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/06_jsps_info/g_070914/data/shiryou01.pdf 参考:競争的資金の多様化 http://www8.cao.go.jp/cstp/compefund/10ichiran.pdf
***competitive funds ***定義 競争的資金とは、評価を通して選抜的に配分される経費のこと。 代表的なものとして科学研究費補助金(科研費)や受託研究がある。 ***政策的位置づけ・概要 我が国において競争的資金は、政策的には基盤的資金・重点的資金と一体のものとしてデザインされている。この3者を並べてみれば、それぞれの目的や内容、基本的な性質等が浮かび上がってくる。たとえば『第一次科学技術基本計画』の「2章3節:多元的資金」では、次のようにまとめられている。 >(1)競争的資金の拡充 >研究者の研究費の選択の幅と自由度を拡大するとともに、競争的な研究環境の形成に貢献する競争的資金の大幅な拡充を図り、これにより、競争的資金が研究資金において占める比率が高まるよう措置する。このため、平成8年度から本格的に導入された特殊法人等を活用した新たな基礎研究推進のための経費、科学研究費補助金、科学技術振興調整費、民間能力の活用を含めた公募型の研究開発を推進するための経費、各省庁において国立試験研究機関を選択して配分する共通横断的な分野の研究開発を推進するための経費等の多様な競争的資金の大幅な拡充を図る。 >(2)多様な研究開発の推進のための重点的資金の拡充 >研究開発推進の基本的方向に沿って、基礎科学の重点的な推進を図るとともに、社会的、経済的ニーズに対応して、大学、国立試験研究機関、特殊法人等の研究開発機関において行われる研究開発や各種研究開発制度により行われる研究開発が効果的かつ重点的に推進されるようにするため、上記の競争的資金の拡充と併せ、多様な研究開発の推進のために必要な研究資金の拡充を図る。 >(3)基盤的資金の充実 >国立大学等や国立試験研究機関における研究者の自主性が重要な基盤的な研究活動を着実かつ効果的に推進できるよう研究者が経常的に使用できる研究資金及び研究開発施設・設備の運営に係る経費の充実を図る。 引用:[[第一次科学技術基本計画>http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/kagaku/kihonkei/honbun.htm]] ***評価方法:ピアレビューと行政裁量・経営裁量 競争的資金において、最もオーソドックスな評価方法は、ピアレビュー、すなわち専門領域を同じくする同僚研究者による審査である。 上に挙げた科研費がピアレビューによる競争的資金の代表例と言えよう。 他方で、必ずしもピアレビューを伴わない場合もある。 企業や各省庁から研究を受託し、その研究業務に関する資金の提供を受ける受託研究がこれにあたる。 たとえば、これまでの研究者や研究機関の実績等に鑑み、行政的・経営的判断に基づいて委託先や委託額を決めるといったケースがある。 (省庁からの委託研究の場合には、審査の実務等を同僚研究者に依頼することも多い) ***競争的資金の拡大・多様化 競争的資金は戦後継続して拡大し続けていおり、特に90年代に「競争」が大学制度改革のキーワードの1つとなって以来、そのスピードは上がってきている(阿曽沼1999)。さらに、競争的資金の規模の拡大に伴い、その目的や配分方法の多様化も進んできている。文科省によれば、2011年時点で政府主導で配分される競争的資金の種類は44種類である。ただし、科研費などを見ると、その中に更に目的や方法を異にする様々なプログラムが存在していることが分かる。よって、実際には44種を超える様々な競争的資金が存在していると言うべきだろう。 参考文献:阿曽沼明裕(1999)「国立大学における研究費補助のパターン変化」『高等教育研究』第2集、135-155頁 参考:[[科研費の規模拡大について>http://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/06_jsps_info/g_070914/data/shiryou01.pdf]] 参考:[[競争的資金の多様化>http://www8.cao.go.jp/cstp/compefund/10ichiran.pdf]]

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