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Shine On You Crazy Diamond-9 - (2007/07/29 (日) 07:29:20) の1つ前との変更点
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観察を始めて3時間ほど経った。まあ、観察といってもヨシカゲの後ろをつけ、事あるごとに昨日のことを問い詰めていただけなので観察とはいえないかもしれない。
しかしヨシカゲにはいつもと何の変化も無かった。わかったことはヨシカゲは想像以上に良く働いているということだけだった。
そして大体仕事が終わり部屋に戻る。
ヨシカゲはわたしが睨んでもどんな反応もせずクローゼットを整理する。
もはや無駄とわかっているが一応昨日のことを怒鳴りつける。やはり無駄だった。
そんなことをしていると突然何の断りもなくドアが開かれた。
「ヨシカゲ!」
ドアを開けたのはツェルプストーだった。ツェルプストーは然も当然だというように部屋にズカズカと入ってきた。
その後に続き 青い髪をした眼鏡の少女も入ってくる。
それらにわたしは突然のことで反応できなかった。
ツェルプストーは何かを抱えヨシカゲに近寄った。持っていたのは剣だ。。
ところどころに宝石が散りばめられた1,5メイルはある大剣だった。
わたしが買った錆び錆びの剣とは比べ物にならないほど高いのは一目瞭然だった。
そしてあろうことかその剣をヨシカゲに渡したのだ!
「はいプレゼントよ。この剣を鍛えたのはゲルマニアの錬金魔術師シュペー卿だそうよ?立派な剣よね。それを振るうヨシカゲを想像すると惚れ惚れするわ」
「なに勝手に人の部屋に入ってきてるのよ!」
ここでようやく再起動に成功しツェルプストーを怒鳴りつける。
「ほら抜いてごらんなさいな。ダーリンもきっと気に入るわよ」
しかしツェルプストーはどこ吹く風といったようにこちらを無視する。
こんな風な人を育てるゲルマニアはやはり野蛮な国だ!皆が皆こんな風に常識が無いに違いない!
ヨシカゲはツェルプストーの言葉に従うように剣を鞘から引き抜く。その刀身は諸刃で鏡のように磨き上げられ光っている。
「それにしても相変わらず、色気のない部屋ね」
突然ツェルプストーがわたしの部屋を見回しながらそんなことをのたまった。
なんだとコラァ……
「なにいってんのよ。あんたの部屋が色ボケてるだけでしょ。部屋を彩る時間があるなら常識でも習ったらどう?もしかして、それもできないくらい頭が色ボケしてるの?」
キュルケを挑発するように言葉を返す。
突然人の部屋に入ってきてこちらを無視して、あまつさえ人の部屋にケチつける奴にこれぐらい言うのは当然だ。
さすがに今の言葉にはツェルプストーも聞き逃せないところがあったのだろう。
ようやくこちらを見てくる。いや、睨んでくる。
「使い魔にボロい剣しか持たせれないくせになにを言ってるの?ま、どうせヨシカゲはこの剣を使うことになるけどね」
「どういう意味?ツェルプストー」
「だから、ヨシカゲの剣があまりにもボロボロで哀れだから、そっち使いなさいって言ってるのよ」
だれがツェルプストーのものから物など貰うものか!
「おあいにくさま。使い魔の使う道具なら間に合ってるの。ねぇ、ヨシカゲ」
こっちはヨシカゲの要望にこたえて剣を買ったのだ!だからヨシカゲは今の剣で満足しているはずだ!
このときわたしはすっかりヨシカゲに対する疑惑を頭から消し去っていた。
「いや、剣が多いほうが何かと便利だろう。それにこれはデルフリンガーより良く切れそうだ」
わたしの問いにヨシカゲは即答した。
わたしの期待を裏切った答えだった。勿論いい意味では決してない。
なにを言ってるんだこいつは!?
わたしはあんたの要望で剣を買ったのに!
この思いを言葉には出さない。出せばツェルプストーに口を出す口実を与えるだけだ。
しかしその思い目に乗せヨシカゲを睨みあげる。
「返しなさい。あんたには、あのしゃべるのがあるじゃない」
「錆びた剣と錆びてない剣なら錆びてない剣の方が切れるに決まってる。それにただでくれるというんだ。
なぜキュルケを嫌っているのかは知らないが戦力が増えるならそれに越したことは無いだろう」
ヨシカゲは貰ってなにが悪いといった顔で鞘に剣を収める。
怒りがこみ上げてくる。なら何故錆びた剣なんか買わせたのだ!
わたしは多少高かろうが見栄えがいい剣を買えといったのに!錆びた剣選んだのはヨシカゲなのに!
ヨシカゲを睨む目がさらに鋭くなる。
「嫉妬はみっともないわよ?ヴァリエール」
いきなりツェルプストーが口を挟んでくる。
ものすごく勝ち誇ったような声だ。腹が立つ!というより嫉妬?
「嫉妬?誰が嫉妬してるのよ!」
「そうじゃない。ヨシカゲはあなたが買った剣より、私が買った剣の方がいい剣だって言ってるから、嫉妬してるんじゃなくって?」
ツェルプストーはそん風に自信満々に答える。
ヴァリエールがツェルプストーに嫉妬などするはずがあるわけない!
「誰がよ!やめてよね!ツェルプストーの者からは豆1つ恵んでもらいたくない!そんだけよ!」
ヨシカゲが持っている剣の見る。
大体こんな剣があるからいけないのだ!
ヨシカゲから奪おうと手を伸ばす。が、ヨシカゲはその手を避ける。
ヨシカゲの顔はいつもと変わらずすまし顔だった。
この犬ぅううううううううううううううううう!!!
「見てごらんなさい?ヨシカゲはこの剣が気に入ってるじゃないの」
うるさい!
「ねえ、あなた。よくって?剣も女も、ゲルマニア生まれに限るわよ」
ツェルプストーがヨシカゲに話しかけながらこちらを見据える。
「トリステインの女ときたら、このルイズみたいに嫉妬深くって、気が短くって、ヒステリーで、プライドばっかり高くって、どうしようもないんだから」
なんですって!
ツェルプストーを睨みつける。ツェルプストーの顔には敗北者を嘲るような表情が浮かんでいた。
「なによ。ホントのことじゃない」
この表情はほんとうに腹が立つ!ツェルプストーがしているとなればなおさらだ!
どうやってこの女からこの表情を消し去り、尚且つ自尊心を逆撫でできる言葉を考える。
「た、ただの色ボケが言ってくれるじゃない!なあに?ゲルマニアで男を漁りすぎて相手にされなくなったから、トリステインまで留学してきたんでしょ?
男のことしか考えられないなんて、ぎゃ、逆に哀れだから同情してあげてもいいわよ」
言ってやった!これ以上無いほど、これまでの中で一番完璧な挑発だ。
おまけで笑顔までしてあげるわ!
「言ってくれるわね。ヴァリエール……」
ツェルプストーの顔色が変わる。相当利いたようだ。
利かなければ自信を無くしていたところだ。そして目標が達成できただけでなくこんなチャンスまでくれるなんて!
言いたくて堪らなかったのよ!
「なによ。ホントのことでしょう?」
そしてこれが怒りの我慢の限界でもあった。
この言葉言った瞬間杖をとろうと手を伸ばす。ツェルプストーも同じだった。
そして杖を手に取りいざ攻撃を放とうとした瞬間、突風で杖が手から飛んでいく。これもツェルプストーと同じだった。
なんで屋内で風が!?
風が吹いてきた方向を見るとそこにはツェルプストーと一緒に部屋に入ってきた眼鏡をかけた少女がいた。
「室内」
眼鏡をかけた女は淡々とそう言った。
そうだ。こいつもいたんだった。ツェルプストーに気が回っていて忘れていた。
こいつもこいつでなぜこんなところにいるんだか。
「なにこの子?さっきからいるけど」
まったく我が物顔でこの部屋にいることが忌々しい。
「あたしの友達よ」
そうか。通りで忌々しいわけだ。
「なんで、あんたの友達がわたしの部屋にいるのよ」
「いいじゃない」
ツェルプストーはそう言いながら睨んでくる。
なにがいいじゃないよなにが!?
そのまま暫らく睨みあう。
すると突然ツェルプストーが視線を逸らす。
「じゃあ、ヨシカゲに決めてもらいましょう」
逸らしたと思ったらそんなことを言い出した。
しかしそれはいいかもしれない。
「そうね、あんたの剣で揉めてんだから」
そう、わたしはヨシカゲのご主人様なのだ。ヨシカゲに食事を与えているのはわたしだ。しかも鳥の皮まで毎日つけている。毎日だ。
毛布だって渡してやった。寒くないようにだ。部屋で寝ることも許可してる。
それに望んだ武器も買い与えてやった。
これだけしていれば忠誠心からわたしが買った剣を選ぶに違いない!
そう思った。そう思っていた。
「じゃあこちらを使うとしよう」
ヨシカゲは即答した。ツェルプストーの剣を使うと。
即答したのだ。
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観察を始めて3時間ほど経った。まあ、観察といってもヨシカゲの後ろをつけ、事あるごとに昨日のことを問い詰めていただけなので観察とはいえないかもしれない。
しかしヨシカゲにはいつもと何の変化も無かった。わかったことはヨシカゲは想像以上に良く働いているということだけだった。
そして大体仕事が終わり部屋に戻る。
ヨシカゲはわたしが睨んでもどんな反応もせずクローゼットを整理する。
もはや無駄とわかっているが一応昨日のことを怒鳴りつける。やはり無駄だった。
そんなことをしていると突然何の断りもなくドアが開かれた。
「ヨシカゲ!」
ドアを開けたのはツェルプストーだった。ツェルプストーは然も当然だというように部屋にズカズカと入ってきた。
その後に続き 青い髪をした眼鏡の少女も入ってくる。
それらにわたしは突然のことで反応できなかった。
ツェルプストーは何かを抱えヨシカゲに近寄った。持っていたのは剣だ。。
ところどころに宝石が散りばめられた1,5メイルはある大剣だった。
わたしが買った錆び錆びの剣とは比べ物にならないほど高いのは一目瞭然だった。
そしてあろうことかその剣をヨシカゲに渡したのだ!
「はいプレゼントよ。この剣を鍛えたのはゲルマニアの錬金魔術師シュペー卿だそうよ?立派な剣よね。それを振るうヨシカゲを想像すると惚れ惚れするわ」
「なに勝手に人の部屋に入ってきてるのよ!」
ここでようやく再起動に成功しツェルプストーを怒鳴りつける。
「ほら抜いてごらんなさいな。ダーリンもきっと気に入るわよ」
しかしツェルプストーはどこ吹く風といったようにこちらを無視する。
こんな風な人を育てるゲルマニアはやはり野蛮な国だ!皆が皆こんな風に常識が無いに違いない!
ヨシカゲはツェルプストーの言葉に従うように剣を鞘から引き抜く。その刀身は諸刃で鏡のように磨き上げられ光っている。
「それにしても相変わらず、色気のない部屋ね」
突然ツェルプストーがわたしの部屋を見回しながらそんなことをのたまった。
なんだとコラァ……
「なにいってんのよ。あんたの部屋が色ボケてるだけでしょ。部屋を彩る時間があるなら常識でも習ったらどう?もしかして、それもできないくらい頭が色ボケしてるの?」
キュルケを挑発するように言葉を返す。
突然人の部屋に入ってきてこちらを無視して、あまつさえ人の部屋にケチつける奴にこれぐらい言うのは当然だ。
さすがに今の言葉にはツェルプストーも聞き逃せないところがあったのだろう。
ようやくこちらを見てくる。いや、睨んでくる。
「使い魔にボロい剣しか持たせれないくせになにを言ってるの?ま、どうせヨシカゲはこの剣を使うことになるけどね」
「どういう意味?ツェルプストー」
「だから、ヨシカゲの剣があまりにもボロボロで哀れだから、そっち使いなさいって言ってるのよ」
だれがツェルプストーのものから物など貰うものか!
「おあいにくさま。使い魔の使う道具なら間に合ってるの。ねぇ、ヨシカゲ」
こっちはヨシカゲの要望にこたえて剣を買ったのだ!だからヨシカゲは今の剣で満足しているはずだ!
このときわたしはすっかりヨシカゲに対する疑惑を頭から消し去っていた。
「いや、剣が多いほうが何かと便利だろう。それにこれはデルフリンガーより良く切れそうだ」
わたしの問いにヨシカゲは即答した。
わたしの期待を裏切った答えだった。勿論いい意味では決してない。
なにを言ってるんだこいつは!?
わたしはあんたの要望で剣を買ったのに!
この思いを言葉には出さない。出せばツェルプストーに口を出す口実を与えるだけだ。
しかしその思い目に乗せヨシカゲを睨みあげる。
「返しなさい。あんたには、あのしゃべるのがあるじゃない」
「錆びた剣と錆びてない剣なら錆びてない剣の方が切れるに決まってる。それにただでくれるというんだ。なぜキュルケを嫌っているのかは知らないが戦力が増えるならそれに越したことは無いだろう」
ヨシカゲは貰ってなにが悪いといった顔で鞘に剣を収める。
怒りがこみ上げてくる。なら何故錆びた剣なんか買わせたのだ!
わたしは多少高かろうが見栄えがいい剣を買えといったのに!錆びた剣選んだのはヨシカゲなのに!
ヨシカゲを睨む目がさらに鋭くなる。
「嫉妬はみっともないわよ?ヴァリエール」
いきなりツェルプストーが口を挟んでくる。
ものすごく勝ち誇ったような声だ。腹が立つ!というより嫉妬?
「嫉妬?誰が嫉妬してるのよ!」
「そうじゃない。ヨシカゲはあなたが買った剣より、私が買った剣の方がいい剣だって言ってるから、嫉妬してるんじゃなくって?」
ツェルプストーはそん風に自信満々に答える。
ヴァリエールがツェルプストーに嫉妬などするはずがあるわけない!
「誰がよ!やめてよね!ツェルプストーの者からは豆1つ恵んでもらいたくない!そんだけよ!」
ヨシカゲが持っている剣の見る。
大体こんな剣があるからいけないのだ!
ヨシカゲから奪おうと手を伸ばす。が、ヨシカゲはその手を避ける。
ヨシカゲの顔はいつもと変わらずすまし顔だった。
この犬ぅううううううううううううううううう!!!
「見てごらんなさい?ヨシカゲはこの剣が気に入ってるじゃないの」
うるさい!
「ねえ、あなた。よくって?剣も女も、ゲルマニア生まれに限るわよ」
ツェルプストーがヨシカゲに話しかけながらこちらを見据える。
「トリステインの女ときたら、このルイズみたいに嫉妬深くって、気が短くって、ヒステリーで、プライドばっかり高くって、どうしようもないんだから」
なんですって!
ツェルプストーを睨みつける。ツェルプストーの顔には敗北者を嘲るような表情が浮かんでいた。
「なによ。ホントのことじゃない」
この表情はほんとうに腹が立つ!ツェルプストーがしているとなればなおさらだ!
どうやってこの女からこの表情を消し去り、尚且つ自尊心を逆撫でできる言葉を考える。
「た、ただの色ボケが言ってくれるじゃない!なあに?ゲルマニアで男を漁りすぎて相手にされなくなったから、トリステインまで留学してきたんでしょ?お、 男のことしか考えられないなんて、逆に哀れだから同情してあげてもいいわよ」
言ってやった!これ以上無いほど、これまでの中で一番完璧な挑発だ。
おまけで笑顔までしてあげるわ!
「言ってくれるわね。ヴァリエール……」
ツェルプストーの顔色が変わる。相当利いたようだ。
利かなければ自信を無くしていたところだ。しかしこれは目標が達成できただけではない。予想外のチャンスまでくれるなんて!
これあんたが言った時から言いたくて堪らなかったのよ!
「なによ。ホントのことでしょう?」
そしてこれが怒りの我慢の限界でもあった。
この言葉言った瞬間杖をとろうと手を伸ばす。ツェルプストーも同じだった。
そして杖を手に取りいざ攻撃を放とうとした瞬間、突風で杖が手から飛んでいく。これもツェルプストーと同じだった。
なんで屋内で風が!?
風が吹いてきた方向を見るとそこにはツェルプストーと一緒に部屋に入ってきた眼鏡をかけた少女がいた。
「室内」
眼鏡をかけた女は淡々とそう言った。
そうだ。こいつもいたんだった。ツェルプストーに気が回っていて忘れていた。
こいつもこいつでなぜこんなところにいるんだか。
「なにこの子?さっきからいるけど」
まったく我が物顔でこの部屋にいることが忌々しい。
「あたしの友達よ」
そうか。通りで忌々しいわけだ。
「なんで、あんたの友達がわたしの部屋にいるのよ」
「いいじゃない」
ツェルプストーはそう言いながら睨んでくる。
なにがいいじゃないよなにが!?
そのまま暫らく睨みあう。
すると突然ツェルプストーが視線を逸らす。
「じゃあ、ヨシカゲに決めてもらいましょう」
逸らしたと思ったらそんなことを言い出した。
しかしそれはいいかもしれない。
「そうね、あんたの剣で揉めてんだから」
そう、わたしはヨシカゲのご主人様なのだ。ヨシカゲに食事を与えているのはわたしだ。しかも鳥の皮まで毎日つけている。毎日だ。
毛布だって渡してやった。寒くないようにだ。部屋で寝ることも許可してる。
それに望んだ武器も買い与えてやった。
これだけしていれば忠誠心からわたしが買った剣を選ぶに違いない!
そう思った。そう思っていた。
「じゃあこちらを使うとしよう」
ヨシカゲは即答した。ツェルプストーの剣を使うと。
即答したのだ。
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