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Shine On You Crazy Diamond-5 - (2007/07/05 (木) 23:36:56) の1つ前との変更点
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食事を食べる。黙々と食べる。優雅に食べる。不必要なほどテーブルマナーに気をつけて食べる。
だからといって食事がおいしくなるわけは無かった。
何を食べてもおいしく感じられない。
というよりも、何を食べても味を感じられなかった。好きなものも、嫌いなものも、辛いものも、苦いものも何を食べても味を感じられなかった。
まるで粘土でも噛んでいる様だった。
気持ち悪くなって食事を早々とやめる。不愉快だった。
何時にも増して不愉快だったが食事も楽しめなくなると不愉快極まりない。
さっさと席を立って食堂から出たかった。
しかし周りが平気そうにパクパク食べているのを見ていると自分も食事しなければならないと思ってしまう。
仕方なく周囲にあわせるため食べる振りをした。ここで食事をやめたら自分が逃げたみたいではないか。
食べる振りをしながら食べ物を弄くる。そんなことをしながら時間を潰していると何やら向こうの方が騒がしかった。
何があったのだろうか?人間こういったことがあるとついつい目を向けてしまうものだ。
目を向けてみるとそこにはなんとヨシカゲがいた!
何であんなところに!?一体何が起こってるというのか!?
ワケがわからなかった。
「ヴェストリの広場で待っている。ケーキを配り終わったら、来たまえ。君に礼儀を教えてあげよう。ちょうどいい腹ごなしだ」
そんな声が聞こえる。この声は確かギーシュの声だ。周りの反応からしてどうやらヨシカゲに言ったようだ。
先程聞こえた言葉を解釈すると、ヴェストリの広場で決闘するということだろう。
何を考えているのかしらあのバカは!?
席を立ちヨシカゲの元へと向かう。勿論しつけをするためだ。まったく何を勝手に動いているのか!
燻っていた怒りがまた湧き上がる。
「あんた!何してんのよ!見てたわよ!何勝手に決闘なんか約束してんのよ!」
ヨシカゲの元にたどり着くと怒りに任せて言い放つ。しかしヨシカゲに気にした様子もなく、
「ルイズ、そのことで話しがある」
そんなことを言ってくる。
何も慌てた様子もなくそんなことを言ってくるので拍子を突かれて、
「え?」
とそんな声を出してしまう。少し怒りがそがれてしまった。
しかしヨシカゲがそんなことを言うなんて思いもしなかった。何であろうか?
そのあとヨシカゲの言った言葉はわたしには全く予測がつかない言葉だった。
「早くさっきの少年に謝って来い」
………………はあ!?
口を開けたまま呆然としてしまう。何を言っているんだこいつは?
ギーシュに謝って来い?このわたしに?
しかしすぐに気を取り戻す。
このわたしに謝ってこいですって!?冗談じゃない!
そがれた怒りが倍増して戻ってくる。
「何でわたしが謝らないといけないのよ!謝るならあんたが謝るのが普通でしょ!」
そうだ。それにギーシュも周囲の人間と同じくわたしをバカにするものの一人だ。何故そんな奴に頭を下げなければならないのか!
それに対してヨシカゲは慌てず言ってくる。
使い魔の手柄は主人の手柄、使い魔の不祥事は主人の不祥事。使い魔が起こしたことの責任を主人であるわたしが取るのは当然のことだと。
確かにわたしはそう言った。昨日のことだ。憶えている。しかし、下げたくもない頭を下げれるほどわたしは我慢強くないのだ!
「なんでわたしがあんたのために頭下げなくちゃいけないの!」
そう返すとヨシカゲはこちらに一瞥すると背を向けデザートの配膳をしだした。
こいつ……、使い魔のくせにわたしを無視しようというのか!生意気な!
さらに怒りがたまりそれを形にするようにヨシカゲに文句を言う。しかしそれでもヨシカゲはこちらを無視デザートの配膳を続ける。
「ちょっと!聞いてるの!」
そう怒鳴るとヨシカゲはようやくわたしのほうを向く。
「ルイズ聞きたいことがあるんだがね」
しかしわたしの話を聞くためではなかったようだ。それがさらに怒りを高める。怒りに限界はない。
「何よ!」
その怒りを少しでも体の外へ出す。体から出された怒りは怒鳴り声となって口から出た。
ヨシカゲの顔が五月蠅そうに歪む。
「さっきの少年はどんな魔法を使うんだ?」
ヨシカゲはそんなことを質問してきた。
「え?ギーシュの魔法?そんなの聞いてどうするのよ」
その質問に興味が移り怒りが大分そがれる。さっきまであれほど怒り狂っていたというのに……、自分で思うのもなんだが安い怒りだ。
しかし何でそんことを聞くのだろうか?もしかして、
「まさか、決闘する気なの?」
「ああ」
そう聞くとなんの躊躇も無くすぐさま返事が返ってくる。
やれやれだわ。このバカは本当にバカなのね。
「素直に謝って来なさい。そうすれば許してもらえるかもしれないわよ。戦ったら絶対勝てないし、怪我するわ。いや、怪我で済んだら運がいいわよ!」
「御託はいいからさっさと説明してくれ」
ヨシカゲに決闘をやめさせようとするが、ヨシカゲはまったく耳を貸さなかった。
別にヨシカゲが心配だから止めようとしているのではない。わたし自身の為だ。メイジの実力をはかるには使い魔を見ろといわれている。
わたしの使い魔は人間だ。しかも平民。これだけでも惨めなのにさらにその使い魔がボロボロにされたらより惨めな気持ちになってしまう。
これ以上惨めな思いはしたくないのだ。これが自分の使い魔でなければ心配して声をかけるだろう、貴族の義務として。
「聞きなさい!平民は絶対メイジに勝てないの!」
そんなことを言ってもやはりヨシカゲは耳を貸さなかった。
しつこくギーシュの情報を求めてきてついに根負けして答えてしまった。
それに満足したのかヨシカゲはまたデザートの配膳に戻っていった。
……もう知らない!勝手にすればいい!そう思いわたしは食堂を飛び出した。
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食事をとる。黙々と食べる。優雅に食べる。不必要なほどテーブルマナーに気をつけて食べる。
だからといって食事がおいしくなるわけは無かった。
何を食べてもおいしく感じられない。
というよりも、何を食べても味を感じられなかった。好きなものも、嫌いなものも、辛いものも、苦いものも何を食べても味を感じられなかった。
まるで粘土でも噛んでいる様だった。
気持ち悪くなって食事を早々とやめる。不愉快だった。
何時にも増して不愉快だったが食事も楽しめなくなると不愉快極まりない。
さっさと席を立って食堂から出たかった。
しかし周りが平気そうにパクパク食べているのを見ていると自分も食事しなければならないと思ってしまう。
仕方なく周囲にあわせるため食べる振りをした。ここで食事をやめたら自分が逃げたみたいではないか。
食べる振りをしながら食べ物を弄くる。そんなことをしながら時間を潰していると何やら向こうの方が騒がしかった。
何があったのだろうか?人間こういったことがあるとついつい目を向けてしまうものだ。
目を向けてみるとそこにはなんとヨシカゲがいた!
何であんなところに!?一体何が起こってるというのか!?
ワケがわからなかった。
「ヴェストリの広場で待っている。ケーキを配り終わったら、来たまえ。君に礼儀を教えてあげよう。ちょうどいい腹ごなしだ」
そんな声が聞こえる。この声は確かギーシュの声だ。周りの反応からしてどうやらヨシカゲに言ったようだ。
先程聞こえた言葉を解釈すると、ヴェストリの広場で決闘するということだろう。
何を考えているのかしらあのバカは!?
席を立ちヨシカゲの元へと向かう。勿論しつけをするためだ。まったく何を勝手に動いているのか!
燻っていた怒りがまた湧き上がる。
「あんた!何してんのよ!見てたわよ!何勝手に決闘なんか約束してんのよ!」
ヨシカゲの元にたどり着くと怒りに任せて言い放つ。しかしヨシカゲに気にした様子もなく、
「ルイズ、そのことで話しがある」
そんなことを言ってくる。
何も慌てた様子もなくそんなことを言ってくるので拍子を突かれて、
「え?」
とそんな声を出してしまう。少し怒りがそがれてしまった。
しかしヨシカゲがそんなことを言うなんて思いもしなかった。何であろうか?
そのあとヨシカゲの言った言葉はわたしには全く予測がつかない言葉だった。
「早くさっきの少年に謝って来い」
………………はあ!?
口を開けたまま呆然としてしまう。何を言っているんだこいつは?
ギーシュに謝って来い?このわたしに?
しかしすぐに気を取り戻す。
このわたしに謝ってこいですって!?冗談じゃない!
そがれた怒りが倍増して戻ってくる。
「何でわたしが謝らないといけないのよ!謝るならあんたが謝るのが普通でしょ!」
そうだ。それにギーシュも周囲の人間と同じくわたしをバカにするものの一人だ。何故そんな奴に頭を下げなければならないのか!
それに対してヨシカゲは慌てず言ってくる。
使い魔の手柄は主人の手柄、使い魔の不祥事は主人の不祥事。使い魔が起こしたことの責任を主人であるわたしが取るのは当然のことだと。
確かにわたしはそう言った。昨日のことだ。憶えている。しかし、下げたくもない頭を下げれるほどわたしは我慢強くないのだ!
「なんでわたしがあんたのために頭下げなくちゃいけないの!」
そう返すとヨシカゲはこちらに一瞥すると背を向けデザートの配膳をしだした。
こいつ……、使い魔のくせにわたしを無視しようというのか!生意気な!
さらに怒りがたまりそれを形にするようにヨシカゲに文句を言う。しかしそれでもヨシカゲはこちらを無視デザートの配膳を続ける。
「ちょっと!聞いてるの!」
そう怒鳴るとヨシカゲはようやくわたしのほうを向く。
「ルイズ聞きたいことがあるんだがね」
しかしわたしの話を聞くためではなかったようだ。それがさらに怒りを高める。怒りに限界はない。
「何よ!」
その怒りを少しでも体の外へ出す。体から出された怒りは怒鳴り声となって口から出た。
ヨシカゲの顔が五月蠅そうに歪む。
「さっきの少年はどんな魔法を使うんだ?」
ヨシカゲはそんなことを質問してきた。
「え?ギーシュの魔法?そんなの聞いてどうするのよ」
その質問に興味が移り怒りが大分そがれる。さっきまであれほど怒り狂っていたというのに……、自分で思うのもなんだが安い怒りだ。
しかし何でそんことを聞くのだろうか?もしかして、
「まさか、決闘する気なの?」
「ああ」
そう聞くとなんの躊躇も無くすぐさま返事が返ってくる。
やれやれだわ。このバカは本当にバカなのね。
「素直に謝って来なさい。そうすれば許してもらえるかもしれないわよ。戦ったら絶対勝てないし、怪我するわ。いや、怪我で済んだら運がいいわよ!」
「御託はいいからさっさと説明してくれ」
ヨシカゲに決闘をやめさせようとするが、ヨシカゲはまったく耳を貸さなかった。
別にヨシカゲが心配だから止めようとしているのではない。わたし自身の為だ。メイジの実力をはかるには使い魔を見ろといわれている。
わたしの使い魔は人間だ。しかも平民。これだけでも惨めなのにさらにその使い魔がボロボロにされたらより惨めな気持ちになってしまう。
これ以上惨めな思いはしたくないのだ。これが自分の使い魔でなければ心配して声をかけるだろう、貴族の義務として。
「聞きなさい!平民は絶対メイジに勝てないの!」
そんなことを言ってもやはりヨシカゲは耳を貸さなかった。
しつこくギーシュの情報を求めてきてついに根負けして答えてしまった。
それに満足したのかヨシカゲはまたデザートの配膳に戻っていった。
……もう知らない!勝手にすればいい!そう思いわたしは食堂を飛び出した。
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