仮面ライダーガヴ お菓子の家の侵略者

登録日:2025/08/17 Sun 17:26:46
更新日:2025/09/04 Thu 04:26:15
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2025年 Candy Blaze FANTASTICS FANTASTICS from EXILE TRIBE IFストーリー YUMMY!~Candy Blaze - with Taorin Arranged お菓子の家 お菓子の家の侵略者 どうしてこうならなかった←そんなことなかった まさかの全年齢区分 もしも…闇菓子が存在しなかったら? ウエハウス パラレルワールド ビターエンド ヘクセンハイム ヘンゼルとグレーテル ミューター メリーバッドエンド 並行世界 仮面ライダーカリエス 仮面ライダーガヴ 仮面ライダーガヴ お菓子の家の侵略者 仮面ライダーゼッツ 劇場版 劇場版仮面ライダーリンク 同時上映との凄まじい温度差 夏映画 映倫仕事しろ 杉原輝昭 流血注意 涙腺崩壊 甘ゾンズ 考えさせられる話 虫歯 衝撃のラスト 香村純子 香村純子の本気 鬱展開 鬱展開の嵐 鬱燃展開



時空を超えた絆───

夏の大冒険が始まる!

仮面ライダーガヴ お菓子の家の侵略者』とは、2025年7月25日より公開された映画作品である。
同時上映は『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー 復活のテガソード』と『ゴチゾウのなつやすみ』*1
キャッチコピーは『ゴジュウジャー』と並んで「この夏の頂きへ───」


【概要】

仮面ライダーガヴ』では初となる単独映画作品で、恒例のスーパー戦隊単独映画との2本立て上映となる。また、2023年まで展開されていたいわゆる冬映画の休止に伴いガヴが主人公を務める映画も本作が初となった。
監督・脚本は共に本編と同じく杉原輝昭と香村純子が担当。
主題歌は『ガヴ』のオープニングテーマ担当であるFANTASTICS from EXILE TRIBEの「Candy Blaze」。
入場者特典は第1弾が「ステッカー付ゴチゾウBOOK」、第2弾が「センタイリング ゴジュウジャー&ガヴ 夏映画ver.」。

前作『仮面ライダーガッチャード ザ・フューチャー・デイブレイク』と同様に並行世界が舞台だが、荒廃した世界であったあちらと異なり、こちらは多くの人やグラニュートを狂わせた元凶たる闇菓子が存在しない平和な世界で、そこに迷い込んだショウマと侵略に現れたミューターとの戦いを描いたストーリーとなる。
その性質上、序盤は多くの本編登場人物とその周囲の人々の幸せな暮らしを描きつつも、中盤から終盤にかけてそれらが壊されていくという非常に落差の大きい作風となっている。
加えて、画面外での多数の死者の示唆や凄惨な描写など、本編以上に人命が軽くなっていると思わしき描写も特徴的。特にグロ描写については血を青くすることのみで最低限抑えていると言っても過言ではなく、映倫区分がG(全年齢)指定であることを不思議がる者も少なくない。甘ゾンズの面目躍如である。

また、本作の時系列については公式から「〇話と〇話の間の出来事…というようには設定されていません。」と明言されている。強いて言えば、幸果が作中でラキアの住処(酸賀の研究所)の場所を知らない描写が出てきたこと、第44話のラストでゲストキャラが登場したことから第46話以降と推測できるか。

本作のゲストキャラは安居未夢を除き全員FANTASTICSのメンバーとなっている。
当初はアーティストがゲストとして主要キャラを演じる事を心配する視聴者も少なくなかったが、素晴らしい演技力で前評判を覆してみせ好評を得た。
もっともFANTASTICSのメンバー自体、ドラマや映画への出演経験が豊富だし、カリエス役の世界氏に至っては子役時代に劇団四季の『ライオン・キング』にてヤングシンバ役を務めた実績を持つ実力派揃いだが。


【あらすじ】

はぴぱれでの仕事を終え、帰路についたショウマと幸果の前に現れたのは満身創痍の青年とそれを追う謎の存在だった。
青年は助からなかったものの、交戦の末に何とか謎の敵の撃破に成功するが、落ちていた端末に触れたショウマは扉の奥に引きずり込まれてしまう。

かくして辿りついた先は「闇菓子の存在しない平和な世界」であった。そこでこの世界のはぴぱれで働くガヴを持った記憶喪失の青年・タオリンと出会ったショウマは記憶を取り戻させるためにお菓子の家を作り、楽しく過ごしていた。
しかし、そんな平和な世界にカリエス率いる侵略者「ミューター」の魔の手が迫る。はたしてショウマはミューターの手から並行世界の平和を守ることができるのか……!?


【登場人物】

元の世界

『ガヴ』の主人公にしてお菓子好きなグミのライダー。
冒頭で倒した敵(ヴァッシム兵)の遺した端末に触れたことで闇菓子の存在しない世界に迷い込み、ミューターの手から世界を守るために戦う。
登場フォームはポッピングミフォームケーキングフォームブリザードソルベフォームオーバーモードマスターモード、そして本作オリジナルフォームのヘクセンハイム

フリーライターとして活動するチョコのライダー。
並行世界に迷い込んだショウマを見つけるために幸果とラキア共々酸賀の研究資料を読み漁ることとなるが、ラキアが端末に触れたことで彼と共に遅れて並行世界に飛ぶこととなる。
登場フォームはチョコドンフォームフラッペカスタムの他、ウエハウスゴチゾウの力でキッキングミアシストパンチングミアシストポップバーンバーングルキャンフォーム(の両足)の力を発動した。

かつてはストマック家への復讐のため、現在は皆を助けるために戦うプリンのライダー。
ショウマ捜索のため、自身の住処である酸賀の研究所に遺された資料を手分けして読み漁ることとなるが、端末に触れたことで絆斗共々遅れて並行世界に飛ぶこととなる。
登場フォームはプリンカスタムアラモードモードの他、ウエハウスゴチゾウの力でザクザクチップスラッシャーチョコドンガンチョコダンガンを使用した。

  • 甘根幸果
何でも屋「はぴぱれ」を営む若きギャル社長。
ショウマ捜索のため、絆斗とラキア共々酸賀の研究資料を読み漁ることとなる。
主要人物の中で彼女のみ並行世界に行けなかったが、結果として彼女の存在が2つの世界を繋ぎとめることとなった。

既に故人のため直接登場しないが、彼が遺した研究資料にはヴァッシム兵の写真などがあり、絆斗達がミューターの存在を知るきっかけとなる。

闇菓子の存在しない世界*2

  • タオリン
演:中島颯太(FANTASTICS)

並行世界のはぴぱれで活動する記憶喪失の青年。
ショウマの並行同位体と考えられる存在であり、腹部には色違いのガヴを持っている。
「ひだまり」の紙袋に描かれたお菓子の家の絵に対して記憶が一部フラッシュバックしたことから完全に記憶を取り戻すべくショウマや幸果と共にお菓子の家を作って食べ、ヘクセンハイムゴチゾウを産み出した。

  • 辛木田絆斗
母が存命であり塩谷や酸賀と出会うことがなかったためか、並行世界では「SuperEATS」の配達員として活動しておりヴァレンに変身することはない。
ただし、非力ながら逃げ遅れた子供を助けに向かうなど根っこは元の世界の彼と共通である。

  • ラキア・アマルガ
並行世界ではシータ&ジープの召使として活動しており、荷物持ちをしていた。
腰は低いが、両名にいいようにこき使われて「だるっ…」と愚痴をこぼしていることからこちらも根っこは元の世界の彼と共通である。
なお、並行世界ではコメルは存命であり、ショウマのことはコメルについて話しかけられたことから彼の友達と認識している。

  • 甘根幸果
並行世界でも変わらず何でも屋「はぴぱれ」を営んでおり、元の世界のショウマと同じくタオリンを住み込みで雇っている。
元の世界と異なり、ショウマのことは「ウマショー」ではなく「ショウマ君」と呼んでいる。

  • 安居みちる
元の世界におけるショウマの母。
並行世界ではブーシュに見初められることなく人間の夫と結ばれ、パティスリーとなった「ひだまり」を経営しながら娘と暮らしている。なので苗字も井上から夫の姓である「安居」に変わっている。
……裏を返せば、それは彼女がグラニュートに拉致されずに幸せな結婚生活を送っていればショウマは生まれて来なかったという証左でもあるのだが。

  • 安居未夢
演:津久井有咲

並行世界におけるみちるの娘。
ミューター侵攻時にみちるによって厨房に匿われており、事情を聞いたショウマ達はみちる達を助けにお菓子の城へと向かった。
なお同じみちるの子供であるショウマと違って彼女は年齢をどう見積もっても小学生程度であり、20歳前後と思しきショウマとはかなり年が離れている。
そんな二人の差に、大学生の頃に無理やり子供を産まされた元の世界のみちるの境遇がどれほど悲惨なものだったか視聴者は再確認させられたとか。

  • 謎の青年
演:澤本夏輝(FANTASTICS)

冒頭にてヴァッシム兵に追われながら元の世界に迷い込んできた培養体の青年。
ブリードガヴをもぎ取られたことで腹部から青い血を流した満身創痍の状態であり、間もなく事切れて消滅してしまった。

ストマック家の長男にして(元)社長。
闇菓子が存在しない並行世界においてストマック家は純粋な製菓会社として活動している模様。
終盤にてシータ&ジープを攫った報復として一家総出でクラープと交戦する、オートガード能力で撃破時の爆風から守るなど元の世界と異なり家族に対する情を持っている描写が各所に見られる。

並行世界においては新商品のヒントを得るために絆斗が届けた沢山の料理を貪っていた。
クラープとの戦いでは鎌だけでなく、丸太を担いで振り回す・投げ飛ばすなど本編以上にアグレッシブさに拍車がかかっていた。

クラープとの戦いではシータ&ジープを攫ったことへの報復が目的であるが、「君たちの研究に興味もあるけど…」と前置きしているあたり、並行世界のストマック家の中では根っこが最も元の世界に近いと思われる。
グロッタの丸太のインパクトに持っていかれがちだが使用武器が弓矢であると明かされたのは本作の予告映像が初。

並行世界においてはシータは存命であり、ラキアを振り回しながら2人で人間界のお菓子のリサーチもとい買い物を楽しんでいる姿が見られた。中盤で他の住人共々ミューターに捕まってしまったが、後にこの出来事がきっかけでストマック家の面々を奮起させることとなる。
クラープとの戦いでは本編14話以来となるコンビネーションで戦った。

ミューター

本作の敵勢力で、人間ともグラニュートとも異なる別の世界の住人。
触れたあらゆるものを侵食して溶かしてしまう力を持っており、元の世界にも出現したらしく今は亡き酸賀の資料にもその存在がまとめられていた。世界を蝕んで滅ぼす事は本能であり、それの赴くままに世界を滅ぼそうとしている意味ではグラニュート以上に根っからの悪と言える存在。
名前の由来はミュータント(突然変異)……と見せかけてミュータンス菌から。ミュータンス菌はお菓子の食べ過ぎで起こる虫歯の原因であるため、お菓子モチーフのガヴにとって最大の敵とも言える。

  • カリエス/仮面ライダーカリエス
演:世界(FANTASTICS)

ミューターの王。クラープ共々本編第44話ラストにも登場。
ショウマが迷い込んだ闇菓子が存在しない世界に狙いを定め、ヴァッシム兵を引き連れて侵略を開始した。阻止すべく立ち向かうショウマに対してブリードガヴテラーゴチゾウを用いて仮面ライダーカリエスに変身し、立ちはだかる。
登場フォームはC1C3
仮面ライダーの歴史においても初となる、ベルトそのものが使い捨てとなるライダーである。
名前の由来はドイツ語で虫歯を意味する「Karies」から。さらに言えばフォームの名称も虫歯の進行度を示す医学用語が元ネタである*3

  • クラープ/ヴァッシマム
演:木村慧人(FANTASTICS)

カリエスに付き従う科学者。
震えた声と敬語調の話し方が特徴の異様な雰囲気を醸す人物。
カリエスの命令の下、ブリードガヴを開発しているようだが……?
名前の由来は「プラーク(歯垢)」から。

  • ヴァッシム兵
ミューターの戦闘兵
三叉槍を武器にしていて、大量召喚されて集団で襲いかかる。
本編の戦闘員であるストマック家やジャルダック家の「眷族」と比べて知性的な描写に乏しく、ゾンビや亡者のような印象を与える。
名前の由来は「虫歯」の逆さ読み。あるいは「抜歯」もかけていると思われる。



追記・修正はお菓子の家を作ってからお願いします。
















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最終更新:2025年09月04日 04:26

*1 同年8月8日より『ゴチゾウのなつやすみ しおあじ』に変化。

*2 脚本やスタッフ内では「B世界」、パンフレットでは単に「別世界」と呼称

*3 C1:歯の表面であるエナメル質が溶け始めた軽度の段階。C3:神経まで腐食が進み激しい痛みを伴う、抜歯などの根治治療が必要な重度の段階。

*4 劇中で使用されているブリードガヴをよく見ると、いずれも腹部周りの皮膚が残っている。

*5 というより、『ゼッツ』の世界とこの並行世界が同じ世界なのかも不明。