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新ゼロの変態 最終幕(フィナーレ) - (2007/07/18 (水) 22:03:58) のソース

「そうじゃったか・・・ミス・ロングビルがフーケじゃったとは・・・」 
トリステイン魔法学院学院長室。 
フーケを逮捕したメローネ達はオールド・オスマンに報告に来ていた。 
「いや、怪しいとは思ってたんだよな~。酒場で給仕しててなんか可愛いから尻さわったら怒んないんだもんな~ 
 誰だって気があるって思うべ?いやホントしょーがねーよ。」 
「そ、そうですな!美人はそれだけでいけない魔法使いですな!」 
「しょーがねーよ。眼鏡だからな。政府のスパイじゃなくて良かったな。」 
自分達を見る冷たい視線に気付き、オールド・オスマンは慌ててフォローを入れた。 
「そ、そうじゃ!君達三人の『シュバリエ』の爵位申請を出しておいた。あ、タバサ君は 
 すでに『シュバリエ』の爵位を持っているそうじゃから、精霊勲章を申請しておいたわい!」 
その言葉に三人の顔が明るくなる。 
「本当ですか、バカ・・・じゃなくて学院長!」 
「ありがとうございます、色魔・・・じゃなくて学院長!」 
「・・・いっぺん死ね(ペコリ」 
そして急に思い出したようにルイズが尋ねる。 
「・・・オールド・オスマン。メローネには何もないんですか・・・?」 
「残念ながら・・・彼は貴族ではない。」 
「別に欲しいもんなんかありゃしねえさ。・・・それに今回はオレは何もしてない。 
 フーケを捕まえたのは・・・お前らの手柄だ。」 
ルイズの頭をなでながらメローネが言う。 

「さて、今夜は『フリッグの舞踏会』じゃ。いろいろあったが予定通り執り行う。 
 今日の主役は君達じゃ。せいぜい着飾ってくるのじゃぞ。」 
「そーゆうことだ。オレは少し用事があるからお前らは先に行ってろ。」 
三人が一礼して退室し、学院長室に残っているのは四人だけになった。 
「さてと・・・。茶でも入れるか?新しく考えついたやつがあるんだ。」 
「いやすまんのぅ。秘書がおらんようになってこれからが大変じゃわい。 
 そうじゃ。君が元いた世界に帰る方法だがな、当分見つかりそうにないわい。 
 ま、当分おとなしくここで生活してくれい。なぁに、そのうち見つかるって。」 
「別に急いじゃあいない。戻ったところで・・・」 
ここでメローネは重要な問題を思い出した。 
戻ったところでどうする? 
仲間は全員三途の川を渡ってしまった。オレ一人でボスを暗殺できるのだろうか? 
そもそも今イタリアはどうなってんだ? 
「なぁボス。あんたスタンド使いって事はオレの世界の人間だよな・・・?」コトッ 

「グラッツェ(ありがとう)。たぶんな・・・オレはイタリア人さ。」 
「ちょうどいい。・・・パッショーネってギャング組織今どうなってるか知ってるか?」 
その瞬間、ボスの形相が変わった。 
「あぁ、知ってるさ!今じゃあジョルノとか言う新入りがボスになっちまってよぉ~! 
 麻薬のルート全部潰すは麻薬組織のことサツにたれ込むはですっかり腑抜けちまったよ!! 
 今じゃあ只の中身はいい人集団だよ!おかげでイタリアの治安が良くなったよ!しかもボンゴレの腑抜けなんかと提携するらしいしよぉ。 
 あの腐れコロネ!オレの・・・」 
ここまで喋ったところでボスの様子が変わった。全身が痙攣し、目から血が出るは鼻から血が出るはで 
最終的に口から血を噴いて死んでしまった。 
「・・・メローネ君。何飲ませたんですか?」 
「・・・はしばみ草をすりつぶして紅茶に入れた。名前はゴールドタバサナナ菜ブレンド。」 
「ほぅ・・・ナナ菜とな?」 
「知らんのか?これだ。見た目は只の草に似ているが・・・」 
急にメローネが止まった。 
「・・・これ只の雑草だ。ヤッベ、間違えた・・・。」 
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」 

「惜しい人を亡くしましたね・・・。」 
「アイツがいなかったら今頃俺達は死んでいたな。爺さん、像でもつくってやれ。」 
「そうじゃな。正門から入ってすぐの所に立てようかの・・・。」 

トリステイン魔法学院。 
正門から入るとある銅像が立っているのがわかるだろう。 
その人物の名はディアボロ。みんなからビッグボスなどと呼ばれ慕われている。 
その像の台にはこう刻まれている。 
『若者よ、死を恐れるな。死とはこの世に生きた証拠が無くなることである。 
 だから死を恐れるな。死を恐れるあまり何もしない者はすでに死んだも同然である。』 

ディアボロの話によると、自分たちが狙っていたボスは皮肉なことに 
自分たちを殺したあの新入りが倒したと言うことらしい。これで戻る理由が一個消えた。 
仇討ちと言っても先に手を出したのは自分たちなのである。悪いのはこちらだ。 
そうなると・・・元の世界、つまり地球に戻ったところで自分は二十四時間ネット三昧の 
ダメ人間の典型の生活を送ることになってしまう。もとよりチームの誰もいないのである。 
戻るメリットと言えばコミケにいけることとインターネットに繋げることができることぐらいである。 
・・・アレ?戻らない方がよっぽど人間らしい暮らししてるんじゃね? 
いやいや、しょうもなくても現実は現実。ちゃんと戻らないと。 
ちょっと待て。ここは一応現実だろ?何言っているんだオレは。 
ここが現実?現実のオレがおにゃのこにかこまれているわけ無いじゃないですかギャルゲーやエロゲーじゃああるまいし。 
いや待てって。じゃあここは何なんだ?と言うかオレはさっきから何を言っているんだ? 
アレ?なんかおかしいぞ?アレ? 
「メローネ君!!」 

「あ、え、はい?」 
急にコルベールに呼ばれてきょどるメローネ。 
「どうしたんじゃ?いきなり黙り込んで呼んでも返事をせんからびっくりしたぞ。」 
オールド・オスマンが心配そうに言う。 
「え、あぁ、疲れてんだよ。きっと疲れが出たんだよ。」 
「そうなんですか?体には気をつけてくださいよ。」 
「大丈夫だって。それより今夜のパーティ、オレも出てもいいのか?」 
「まぁ、君なら大丈夫じゃろう。誰も文句は言わんて。」 
「そうか。じゃあ楽しませてもらうぜ。」 
そう言ってメローネは退室した。 

アルヴィーズの食堂の二階。 
フリッグの舞踏会はそこで行われていた。 
着飾った教師達や生徒達がテーブルの周りで談笑している。 
そのとき・・・ 
「おい・・・あれって・・・」ザワザワ 
「間違いない・・・」ガヤガヤ 
「変態だぁぁぁぁぁ!!、メローネさんだぁぁぁぁ!!」 
ステキスーツに身を包み、ステキパピヨンマスクを特別に装着していたメローネもこれにはビビった。 
たちまち彼の周りに人だかりができる。男ばっかりであったが。 
「何すかそのエレガントな格好!」「半端ねぇ!!」「オレのスーツがゴミに見えるぜ!!」 
「はいはい、わかったからどけ。」 
メローネは人混みをかき分け、キュルケが彼に接触するまえに料理と格闘しているタバサと接触した。 
「やぁタバタン。奇遇だな。その料理はおいしいかい?」 
「わりと。」 
「そりゃあそうだ!マルトーの親父がつくったんだからな。不味いわけはない。」 
そしてメローネは一礼するとこう言った。 
「主賓が来るまえに一曲オレと踊ってくれませんか?シニョリータ。」 
「・・・(コクリ」 
「うおっっっっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!楽士隊!とびきりファンキーでロックなの頼むぜ!!」 
こうして変態とタバサの元、ダンスパーティが始まった。

「おぇぇぇぇぇ・・・・気持ち悪ぅぅぅぅ・・・」 
一次会も終わり、パーティが始まる前の雰囲気に戻った頃、メローネは独りバルコニーにいた。 
ダンスも終わり、豪勢な料理を食べていたメローネだったが、うっかりワインを一口飲んでしまったのである。 
ワイン一口といえども、下戸である彼を酔わせるには充分。 
気持ち悪くなった彼はバルコニーにいると言うわけである。 
「紛らわしいんだよ・・・葡萄ジュースかと思ったじゃあねーか。 
 だいたいガキがワインなんて飲んでんじゃあねぇって・・・あー気持ち悪。」 
そうこうしていると急に屋内が騒がしくなった。 
どうやら主賓のルイズのお出ましらしい。 
桃色がかった髪をバレッタにまとめ、肘まで届く白手袋。着ているドレスは胸元の開いたホワイトのパーティードレス。 
主賓がそろったことにより、楽士隊が静かな音楽を奏で始めた。 
即座に男子生徒達がダンスを申し込みにルイズの所へ殺到する。 
しかしルイズは誰からも誘いを受けず、バルコニーへ向かった。

「楽しんでるみたいね。」 
「これのどこが楽しんでるように見えるんだ阿呆。・・・あー気持ち悪ぅぅ。」 
正直メローネも、人が衣装によってここまで変わるものかと感心していたがそれどころではなかった。 
「ずいぶんヘ・・・立派なスーツじゃない。」 
「こんなモン普段着るか。・・・それよりお前踊らないのか?」 
「相手がいないのよ。」 
「へーそう。・・・あーだいぶ楽になった気がする。しかし明日は地獄だなこりゃ。」 
ぼやいているメローネにルイズは予想斜め上の行動に出た。 
「踊って差し上げてもよくってよ。」スッ 
「いや、まだそれどころじゃあないから。ホント気分悪いんだって。」 
「ハァ・・・。今日だけ特別なんだからね。」 
そう言うとルイズはドレスの裾をうやうやしく両手で持ち上げ、膝を曲げてメローネに一礼した。 
「わたくしと一曲踊ってくれませんこと?ジェントルマン。」 
「・・・ハァ。人の話聞いてんのか・・・。わかったわかった。特別に付き合ってやる。 
 しかし・・・踊れるかどうかわからんぞ?」 

「・・・なによ。ちゃんと踊れるじゃない。」 
「あー、酔いが良い方にまわったな・・・。」 
ルイズのステップに平然とついて行くメローネ。 
「・・・ねぇ、メローネ。信じてあげるわ。」 
「あんだって?」 
「貴方が別世界から来たって事。」 
「あぁ、その事。別に信じてもらえなくても良かったんだがな。」 
「・・・やっぱり帰りたいの?」 
「まぁな。帰りたいっちゃあ帰りたい。でも今は世話の焼けるお嬢さんの世話で手一杯でね。」 
「よく言うわよ。あんまり仕事しないくせに。」 
「何を言うか!オレだって見えないところで頑張ってるんだぞ!」 

言い争いながらダンスを続ける二人。時折ルイズの顔に笑みが見える。 
「初めて見る。」 
そんな様子をタバサははしばみ草のサラダを頬張りながら見ていた。 
「主人のダンスの相手をつとめる使い魔なんて。・・・私も踊ってもらったけど。」 

新[[ゼロの変態]] 最終幕(フィナーレ) 

――某所 
「だぁぁぁぁれかぁぁぁぁぁ・・・助けてくれぇぇぇぇぇ・・・最高見せ場まで取られちまったぁぁぁ・・・ 
 どぉぉせ俺なんてミソッカスだよぉぉぉ・・・ちくしょぉぉぉぉ・・・」 
     
         
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