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ゼロの兄貴-15 - (2007/08/21 (火) 09:20:14) のソース

フーケ捕縛から数日経ったが未だイタリアへ戻る手段は見つかっていない。 
左手のルーンは『ガンダールヴ』の印というもので始祖ブリミルの使い魔で武器全般に精通していたらしく 
パンツァーファウストの使い方が分かったのもこれの効果らしかった。 
グレイトフル・デッドを使い敵を排除してきたため今まで気付けなかったのだが武器なら特になんでもいいらしく発動するらしい。 
「ふん…スピードとパワーが上がっているが…本体に上乗せされる形みてーだな」 
デルフリンガーを持ち試してみて確認できたのは 
1.本体のスピードとパワーの上昇 
2.武器の使用方法が理解できる 
この二つだ。 
スタンドも同時に発動させてみるが、グレイトフル・デッドの破壊力と精密性とスピード自体は上がっていない。 
直触りに関しては、本体が直触りを仕掛ければ済むが片手が塞がってしまう事で攻撃は弾いたりする事は可能だが直は片手のみで行う事になる。 
「本体のパワーアップか…スタンドの能力を重視するか…か。両方できりゃあいいんだが、そう都合よくはいかねぇもんだな」 
錆を落としながら 
(リゾットならメタリカですぐ落とせるんだろうがな) 
と思っているとデルフリンガーが口を開いた。 
「兄貴ィ、兄貴の横に居る化物は何なんだ?」 
「……オメー、スタンドが見えているのか?」 
「見えてるというより感じていると言った方が正しいぜ」 
「まぁ剣が話してる事自体異常だからな…感じ取れても不思議じゃあねぇが」 
「それにしてもおっかねぇよなぁ…夜に他のヤツが見たらぜってー茶ァ出すね」 
「違いねぇな」 
茶の部分はスルーし、己のスタンドを改めて見る。 
下半身は存在せず胴から下は触手が『ウジュルジュル』と言わんばかりに蠢き無数の眼を持ちそこから煙を出しながらにじり寄ってくる化物を夜に見れば誰だってビビる。 
[[ペッシ]]が初めてグレイトフル・デッドを見た時なぞ本気で泣いていた事を思い出す。 
もちろん説教に突入したのは言うまでもないが。

錆落としと印の効果を試し終えると、爆睡かましているルイズを叩き起こし授業へと向かう。 
正直興味は無いが『護衛』継続中であるからには一緒に出ておかねばならない。 
適当にルイズの近くの席に座る。 
さすがにこの段階になって誰もその行為にケチ付けようとする者は居ない。 

そこに新手の教師が現れる。 
長めの黒髪に漆黒のマントを纏い冷たい外見と不気味さを併せ持った男だ。 
「…雰囲気がリゾットに似てるな」 
「リゾット?誰それ」 
「オレ達のリーダーだ」 
男が『疾風』のギトーと名乗った。 
外見に反して結構若いらしく、その辺りもリゾットに似ている。 
だが、性格そのものはリゾットとは大違いで一々人を挑発するような言い方をする。 
(夜道に後ろから刺されるタイプだな) 
率直にそう思う。 
プロシュート自身、些細な恨みを積もらせ殺されたヤツを腐る程見てきた。 

挑発に乗ったキュルケが直系1メイル程のファイヤーボールを作り出しギトーに向け放つが 
ギトーは腰に差した杖を引き抜きそのまま剣を振るような動作で烈風を作り出し火球を掻き消す。 
その烈風に吹っ飛ばされキュルケがこっちに吹っ飛んでくるが避けるのも何なので一応受け止めた。 
それが元でルイズとキュルケが睨み合いを始めるがギトーはそれを無視するかのように解説を続ける。 
「『風』は全てをなぎ払う。『火』も『土』も『水』も『風』の前では立つことすらできない 
    試した事は無いが『虚無』さえも吹き飛ばすだろう。つまり……『風』が最強だぁぁぁ!はらしてやるッ!!」 
もちろん様々なタイプのスタンド使いと戦ってきたプロシュートはそうは思わない。 
地形、相性、策、他にも色々あるが様々な要因で勝敗が変わる事を身を以って知っている。 
グレイトフル・デッドの老化がギアッチョの氷に通用しないがリゾットの磁力では氷を突破できる事を。 
そしてまたリゾットが姿を消したとしても自分の能力ならば見えなくとも攻撃できる。 
ホルマジオがよく言っていたが要は使い方次第で幾らでも変わるのだ。 

ギトーがヒートアップしながら 
「カスのくせによォォ~~ええ!ナメやがって、てめえ!」 
と呟いているがそこに妙な格好をしたコルベールが乱入してきた。 
プロシュートが思わず(どこのルイ14世だ)と突っ込みを入れたくなるぐらい不似合いな格好で。 
その慌てている様子から見てかなりの大事なのだろうと予想を付ける。 
コルベールが授業の中止を告げると教室が歓声が上がった。 
「本日先の陛下の忘れ形見、アンリエッタ姫殿下が、本日ゲルマニア御訪問からのお帰りに、この魔法学院に行幸されます」 
早い話偉い人が来るから出迎えの準備を生徒全員で行うという事である。 

魔法学院の正門を通り王女を乗せた馬車を含めた一行が現れるのと同時に生徒達全員が杖を同時に掲げる。 
北の将軍様も驚きのタイミングだ。 
オスマンが馬車を出迎え絨毯が敷かれ馬車の扉が開き先に男が先に外に出て続いて出てきた王女の手を取った。 
同時に生徒達から歓声が沸きあがる。 
「随分と人気があるみてーだな」 
「当然じゃない、トリステインの花って言われてるのよ」 
だがプロシュートの興味は王女より鷲の頭と獅子の胴を持つ幻獣に乗った羽帽子の男を見ていた。 
(マンティコア…いやグリフォン…だったか?メローネがやってるゲームで見た事あるが 
     貴族ってのはマンモーニばかりだと思っていたが…やりそうなのも居るじゃあねーか) 
ルイズやキュルケもその男に視線がいっているのだがプロシュートも見ているため気付いていない。 
三者三様の視線が浴びせられている事も気付かず男は去っていった。

夜になり部屋に戻ったルイズとプロシュートだがルイズがベットに腰掛けたまま動こうともせずポケーとしている。 
別にプロシュートにとってはどうでもいいのだが何時もと違う様子にはさすがに違和感を感じていた。 

しばらく何もしないでいると、プロシュートの顔が瞬時に暗殺者のそれに変化したッ! 
(……一人だが…抜き足差し足でこっちに向かってきてるな) 
その時ドアがノックされた。 
規則正しく長く2回、短く3回ノックされそれを聞いたルイズがハッと気付いたかのように反応した。 
だがスデに警戒態勢に入っていたプロシュートの方が早い。 
急いで着替えているルイズを尻目にドアを慎重に開ける。 
真っ黒な頭巾を被っていた人が部屋に入ってきたのを見た瞬間――― 
「きゃ……ッ……ッ…!」 
プロシュートが流れるような動きで叫ばれないように口を押さえ押さえ込むようにそいつを地面に押し付けていた。 
「…オメーみたいにあからさまに怪しいヤツってのも今時珍しいが 
     そんな格好で人の部屋に入ってくるって事は賊とみなされても仕方ないって『覚悟』してきてるんだろうな」 
言いながら、頭巾を剥ぐがそれより先に何かの魔法を使われた。 
「ーーーッ!グレイトフル・デッド!」 
何かの魔法を使われたからには老化させるしかない。その結論に達し直触りを仕掛けようとした刹那―― 
「やめてプロシュート!そのお方は姫殿下よ…!」 
慌ててそう叫んだルイズが膝を付いた。 
その声に瞬時に反応し直触りを中止する。 
頭巾を剥いだ顔を見る、興味が無かったためあまりよく見ていなかったが確かに昼間見た王女だった。 
それを確認し、拘束を解くがまだスタンドは何時でも触れられるようにしてある。 

アンリエッタが多少苦しそうに、だが凛とした声で言った。 
「お久しぶりね…ルイズ・フランソワーズ」 

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