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マジシャンズ・ゼロ-14 - (2007/06/17 (日) 15:08:09) のソース
今まで見たことも聞いたことも無い世界。誰だってディ・モールト興味を持つだろう。 もちろん不思議に興味津々な『お年頃』のルイズだってご多分に洩れず、異世界が気になって仕方がない。 だが!そこはツンデレを持つ我らがルイズ嬢。使い魔のアヴドゥルに対し『教えて下さい』と言うなんてできるはずもなく。 (考えるのよルイズ!向こうから『この卑しい使い魔に、ぜひとも異世界のことを話させて下さい!美しいルイズ様』ってなるよう仕向けるの!) 素直になれば早いのに、表面はクールに保ち-必死なのが丸分かりだが考えるルイズと、ソレを微笑ましく感じながら眺めるアヴドゥル。 しばらく脳みそフル活用するが、ちっともいい考えが浮かばず。 「……う、む、ゥっきーーーー!」 ルイズは、爆発した。 「とにかく!ご主人様として使い魔のことを、よ~く知っておく必要があるの!さっさとあんたの世界について言いなさい!」 ヴァシィー!っと、まずツンで突破口を開き、 「べべべ、別に、興味があって聞きたいわけじゃないんだからね!」 グワァシィッ!っと、デレで決めるルイズ。 頬を染めそっぽを向く姿の可愛さは、お子様対象外の健全おっさん-アヴドゥルにすら、 (これが……ジャパニーズ『萌え』の一つ。『ツンデーレ』か) 『ツンデレ』が崇められる片鱗を感じさせた。 アヴドゥルにはあまり効果は無かったが、六十過ぎても女子大生と不倫するジョースター家一の種馬。 ロリコン?[[ジョセフ]]なら、急所に当たった!効果は絶大だ!ということになったかもしれない。 唐突にアヴドゥルは、青い空に -わしは年齢なんてかまわないで食っちまう男なんじゃ 不吉なことを言いいながら、サムズアップで微笑むジョセフが見えた気がした。 「ほ、本当よ!本当に興味なんてないんだからね!」 「分かった。何度も言うな」 しつこくツンデレるルイズを相手しながら、 (ジョースターさん、ロリコンは犯罪ですよ) いろんな意味で元気だったジョセフに、アヴドゥルは心の中で忠告する。 「そうだな。鉄でできた……」 こういう場合、なぜ車の話が多いのか疑問に感じながらも、アヴドゥルもなぜか車の話を始める。 目を期待に輝やかせながら聞くルイズへの話は、夜まで続いた。 「ふ~ん。いろんな物があるのね、あんたの世界には」 「まだまだコレでも一部だがな」 長々と話し、少し疲れを感じていたアヴドゥルは、 (わたしもまだ若いと思っていたが…。もういい年ということか) 元気そうなルイズを見て苦笑する。 座ったままでいて凝ったのか、背筋を伸ばしていたルイズが窓の外を見て突然大声を出す。 「えっ…もうこんな時間!?とっくに夕食終わってるじゃない!」 「確かに、かなり話し込んでいたからな」 「『確かに』じゃッなーい!ご飯どうするのよ!」 「諦めるしかないな。忘れていた我々が悪い」 「う~…………あんたの心配とかでお腹減ってるのに」 ボソッと、小声で本音を洩らすルイズにアヴドゥルが反応する。 「何か言ったか?」 「ッ!?な、なんでもないわ!」 「?そうか」 内容は聞かれてないと判断し、ほっと胸を撫で下ろすルイズ。ツンデレも大変だ。 気にすると余計に腹は空くもので、ルイズは夜食を持ってこさせることにし、 「夜食を作らせるわ。あんた食堂行って-コンコン アヴドゥルに命令していると、誰かに部屋をノックされる。 コンコン 「ミス・ヴァリエールよろしいでしょうか?」 再度のノックと共に許可を求められ、 「いいわ。入りなさい」 すぐさま鍵を開けるようアヴドゥルにアイコンタクトする。 (やれやれ) 目と目で会話できるようになり、アヴドゥルは嬉しいのか悲しいのか微妙に思いながらドアを開ける。 「失礼します」 室内に入ったメイド-シエスタは、夜食-サンドイッチを見せ。 「夕食にお見えにならなかったので、僭越ながら夜食をお持ちしました」 おいしそうなサンドイッチに目が釘付けになるルイズ。 「中々気が利くじゃない」 早速、サンドイッチに手を出すルイズを横目に、アヴドゥルに話しかけるシエスタ。 「アヴドゥルさん。……すみませんでした!私のせいであんなことになってしまって」 「気にすることは無い。わたしが勝手にしたことだ」 「でも!私がもっと注意して「君に非はない」 もともと原因はギーシュの二股にあるため、シエスタは悪くない。自分の責任と言うシエスタに首を振り、、 「それより、あの後大丈夫だったか?」 「いえ。アヴドゥルさんの方に関心が行き、私には何も」 助けに入ったことで、シエスタに余計な迷惑が行っていないと解り、安心すると同時に自分を戒めるアヴドゥル。 (つい熱くなってしまったが、今後は気を付けんといかんな) 基礎部分がまるで前の世界と違うため、迂闊な行動は危険。熱くなりやすいアヴドゥルには命取りに成り得る。 今後は貴族に喧嘩を売るマネは控えようと固く誓うアヴドゥル。その誓いはすぐ破られることになるが……。 ----