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外伝3『風とともに去りコルヌ』 - (2007/07/08 (日) 08:14:41) のソース
前回のあらすじ 青年「閉め出された帽子」は「宝物庫をこじ開けようとしている」謎の人物、 「コンスタンチンノーブルくん」と出会う。二人は「古い本と一枚の帽子の絵」をめぐり 「『ガンダールヴ』」で争うが、目的が「包帯グルグル巻きで車椅子に乗ったギーシュ」であり、 「かわりに『遠見の鏡』が粉々になった」ことを知り和解する。 しかしそんな二人に「巨大な青い影」が「ギーシュ決闘イベント以外」とともに襲い掛かった! この「ルイズの気が散る」戦いにより友人「ゆで卵」を失う。 悲しみに沈む「ヴェストリ」に「なにより気持ち悪い」運命は容赦なく訪れる。 次に向かう「薔薇色の覗きライフ」では一体どんな「『ジャンケン』」が待つのか・・・ 『[[変な帽子みたいな使い魔]]』(今回バトル有り) 天高く舞い上がった帽子は学院の上空でしばらくふわふわしていたが、 そのうち高度を下げ、開いていた窓から建物の中に入っていった。 フワフワフワフワフワフワフワフワ(Now Transferring...)フワフワフワフワフワフワフワフワ 入った場所は図書館だったようだ。見上げるほど大きな本棚が並んでいる。 帽子は本棚の間をふわふわうろついてみたが、休日の昼間のせいか人は全然見当たらない。 しかしただ一人、青い髪の少女が黙々と本を読んでいた。 その少女、タバサにとって虚無の曜日は好きなだけ本の世界に没頭できる世界であった。 机の上に大量の本を積み重ね、周囲に『サイレント』の魔法もかけてある。 帽子が周りをゆらゆらしても全く気づかないほどタバサは読書に集中していた。 タバサの周りをしばらくふわふわした帽子は、 読書しているタバサの頭にゆっくりと降りていった。 『危なぁぁぁぁぁぁぁぁぁいッ!お姉さまぁぁぁぁぁぁあッ!』 ガオンッ! 帽子がタバサの頭に触れる瞬間、本棚を爆砕しながら飛来した青い影が帽子を吹き飛ばした。 『読書中のお姉さまを狙うなんて!不届きな帽子なのねッ!』 タバサの使い魔、シルフィードであった。 表向きはただの風竜だが、その実態は風韻竜という伝説のナマモノである。 高い知能を持ち、人語を解し、魔法も使える。こんなもん使い魔にしてるタバサは化け物である。 ただ、まだ竜の子供なのでちょっとおつむが弱いが。 しかし6メイルほどもある巨体でどうやって図書館に入ってきたのか。 『きゅいきゅい!壁をぶち破ったのね!』 あ、そうですか。 (注:シルフィードの台詞は翻訳コンニャクお味噌味で翻訳済みです) シルフィードは帽子に向き直るとビシッ!と複雑なポーズをとった。 『初めて見たときから不審な帽子だと思っていたけど、やっぱりお姉さまが目的だったのね! 無防備なお姉さまの頭の上に乗って、そしたら下からウジュルウジュル触手が出てきて、 まだ未成熟なお姉さまのカラダにあーんなことやこーんなことを・・・ ・・・・・・イヤアァァァァァァァァァ――――――――ッ!!!!!!』 なんか一人でエキサイト翻訳しているシルフィードは絶叫した。 『きゅいきゅい!そんな羨ましいことさせないのね――――ッ!!!』 ちょっと鼻血が出ている。 『悪・即・殺ッ!』 シルフィードは帽子に火炎を吹き付けた! 本棚を10個ほど消し炭にしたが、帽子は熱で起こる上昇気流に乗ってかわした。 『はッ!上を取られたのね!うばしゃああああああ!!』 とっさに飛び上がり、帽子目掛けてしっぽを振り回す。 しかし帽子には当たらず壁を、天井をぶち砕いていく。 そんな破滅的状況のなか、彼女の集中力と『サイレント』の魔法によって、 タバサは全く気づかずに読書を続けていた。 『ハアッ・・・ハアッ・・・なかなかやるのね!』 一時間ほどたっただろうか。すでに図書館の中はタバサの机を中心に、 半径20メイルほどが壊滅している。しかしそんな状況でも、まだ帽子は健在だった。 『こうなったら使うしかないのね!我が『風』の最終流法!『こんけつさつ』ッ!』 「シルフィード」 ぴたりとシルフィードの動きが止まった。 恐る恐る振り向くとシルフィードの御主人様、タバサが立っていた。 子供と間違えそうなほど小柄なタバサであるが、シルフィードには巨人のように見えた。 タバサの頭には大きなタンコブができている。 瓦礫の破片でも当たって周囲の状況に気づいたのだろう。 顔はいつもの無表情だが・・・おでこに大量の怒りマークが出ていた。 『ち、違うのね!シルフィードは悪くなくて、悪い帽子が「お仕置」 シルフィードの弁解を無理矢理打ち切り、タバサはシルフィードを引きずっていった。 『イヤイヤ!許してお姉さま!あ!しっぽ駄目!しっぽはラ・ラメェェェェェ・・・』 シルフィードの断末魔を聞きながら、帽子は壁の穴から外に出て行った。 フワフワフワフワフワフワフワフワ(Now Transferring...)フワフワフワフワフワフワフワフワ 日も傾きかけたころ、帽子は窓からルイズの部屋に戻ってきた。 しかし帽子が戻ってもルイズは何も言わなかった。 「・・・スー・・・スー・・・」 春の陽気のためか、本を読んだままで眠ってしまったようだ。 本がよだれでべちゃべちゃになっている。 「・・・ムニャ・・・このバカ帽子ぃー・・・」 ぽふ、という帽子がルイズの頭に乗った音とともに、 帽子の休日は終わりを告げた。 「・・・ハア・・・ハア・・・」 そんなルイズと帽子を、外の壁に張り付いたシエスタが猛然とスケッチしていた。 外伝3『風とともに去りコルヌ』完ッ! バ―――――z______ン! to be continued...?> ----