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「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおあああああああああああああああああああああああああああああ!」 体が砕かれる音、体砕かれる痛み、体が砕かれる恐怖に叫びを飛び起きる。 「どうした相棒?そんなでけえ声出してよ」 「え?デルフ……リンガー?」 危ない危ない。 危うくデルフなんて言っちまうところだった。 って違う!そういう問題じゃないだろう! なんでデルフがここにいるんだ! それにバラバラにされたはずなのに何故声を発することができる!? 「そういや随分うなされてたな。あれか?悪夢でも見たっての?」 悪夢……? つまりあれは……夢? あれが夢だというのか? 普通夢があんなに現実味を帯びているか? 思い出そうと思えば細部まで思い出せるぞ!? 「その様子から見てものすげえ悪夢だったんだな」 「……そうだな、気が狂うかと思ったほどだ」 「へえ、相棒もそんなことが「少し黙ってろ」ちょっ……」 デルフの声さえ煩わしく感じ、デルフを完全に鞘に収める。 そして自分の手を確認するかのようにゆっくり開け閉めし、そのまま手を顔に持っていく。 手に感じたものは酷く生ぬるい水気だった。 こんなにも汗を掻いていたのか。 それを自覚すると体中に汗を掻いているということを感じる。 現にどうもべとべとしていて気持ちが悪い。 ベッドから下り、上半身に着ているものを全て脱ぎ捨てる。 さすがに下半身を露出する気は起きずズボンなどは脱がない。 窓を見るとまだ日は昇っておらず、外は薄暗い。 悪夢のせいでいつもより起きる時間が早かったようだ。 ……クソッ!あの夢のせいで胸にモヤモヤとしたヘドロのようなものが溜まっていく感じする! あの女、私が吉良吉影だから追われているだと?吉良吉影に『安心』が訪れないだと? ふざけやがって!たかが夢如きがえらそうな口を利くんじゃない! しかし、夢に文句を言っても仕方が無い。 デルフが魘されていただの、悪夢だの言うのだからいくら私が疑問に思ってもそれは夢なのだ。 人間あんな夢を見ることもあるのだろう。 だが、そう思ったところでこの気分が収まることは無い。 そうだ、まだ早いがデルフを振ろう。 体を動かし、デルフと喋ればこの気分はいずれ落ち着くだろう。 そう考えデルフを手に取ろうと動こうとした瞬間、まるで謀ったかのようにドアがノックされた。 誰だ、こんなときに? 「誰だ?」 「シエスタです」 「シエスタ?」 何故シエスタがこんな時間に? とりあえずドアを狭く開け顔だけ出してみる。 そこには確かにシエスタがいた。しかし何故かルイズまで一緒にいる。 二人とも何故か寝巻きだ。 しかしおかしいぞ?こんな時間にルイズが寝ているわけ無いじゃないか。 「あの「あんたこんな時間に何でかい声出してるのよ!おかげで目が覚めちゃったじゃない!」ミ、ミス・ヴァリエール!?しーです。しー」 「あ、ごめんなさい」 「すみませんヨシカゲさん。こんな時間にあんなにも大きな声を出されたから、どうしたのかと思って心配になって来てみたんです。 ミス・ヴァリエールも私と同じらしいです」 「わたしは違うわよ。ただ起こされたから文句を言おうと思っただけ」 「私が大声を?」 もしかして、起きた時の叫び声のことか。 「出してたじゃない。うおおおおって感じで。きっと家中に聞えてるわよ。わたしが起きるくらいだもん」 「ああ、すまない。ちょっと夢見が悪くてな」 面倒なので適当にあしらっておこう。 それにしても自分が起きにくいということを自覚してたんだな。 「どんな夢よ」 「どんな夢って」 普通そこまで聞くか? クソッ!うざったい!適当に答えておこう。 「全力でオレンジな夢を見たんだ……」 っていくらなんでも適当すぎるだろう! 何だ全力でオレンジな夢って!聞いたことも無い!適当にとは思っていたがあまりに適当すぎた! ふと全力オレンジなんて言葉が頭に浮かぶから、ついポロっと言ってしまった。 あまりに意味不明な発言に、何かしら言われることを覚悟していたが二人は何も言ってこない。 むしろ哀れな視線すら向けてくる。一体何故だ。 「そう、それじゃあ仕方ないわね」 「確かにあんな悲鳴を上げるの当然ですね」 二人はそう言いながら帰っていく。 「わたしも全力で敵を見逃す夢を見たことあるわ。もしかしたらあのせいで魔法が使えないのかも……」 「見る分にはおかしいんですけど体験するのはちょっと……」 ……どうやら全力でオレンジな夢はこちらの世界じゃポピュラーらしいな。助かったのに腑に落ちないが。 まあ、それはどうでもいい。 ドアを閉め当初の予定通りデルフを手に取る。 服は着ずにそのままドアを開け廊下に出る。そして誰も起こさないように静かに歩き外へ出る。 さて、どこで剣を振るか。それを探しながらそこらをうろつく。 今の私の状態は半裸の剣を持った男だ。人に見られたら騒ぎになりかねないのでうろつくにしても隠れるようにだ。 こんな姿を見られたら何の弁解もできんからな。 ともかく、剣を振るう場所は少し広めで人目につきにくい場所が好ましい。それに重点を置いて探してみる。 暫らく歩いているとそれらしい場所を発見する。丁度茂みがあり人目を遮ってくれるし、広さも十分だ。 その場に立ちデルフを抜き放つ。 「こんなに早くから訓練すんのか相棒?」 「ああ、眠れなくてな」 「さっき見た悪夢とやらのせいでか」 「……ああ」 そう答えた瞬間にデルフリンガーを振るう。 いつもと同じように、そして意識だけはいつもより速く鋭くを心がける。 「おお、結構いい感じに様になってきたじゃねえか!」 デルフがそんなことを言う。 そうだろうか?自分にはそんな意識は無い。ただ振るうだけだ。もちろん何も考えず振るっているわけではない。 ちゃんと相手の急所を狙うように振るっている。 速く鋭く、振るう。 振るう、振るう、振るう、振るう、振るう…… そしてもう十分に感じ振るうのをやめる。 「いい感じで上達してきたじゃねえか。これならルーン無しでも普通に戦えるぜ相棒。筋肉とかも結構ついてきてるし」 「そうか?自分じゃ実感できないんだがな」 「そんなもんさ。それに別に実感できなくてもいいんだよ、実戦で通用すればな」 「確かにそうだな」 「それでだ相棒」 「ん?」 デルフリンガーが私に何かを尋ねてくる。 一体なんだろうか? 「その悪夢のこと俺に話してみろよ」 「!」 デルフの言葉に驚き声も出ない。何故いきなりそんなことを! 「なに悩んで苛立ってるか知らねえけど、話したほうが楽になるって聞いたことがあるぜ」 「デルフリンガー……」 「これでもよ、ちゃんと相棒のこと見てんだ。それくらいわかるぜ」 まさかデルフがこれほどまで私のことを思ってくれていたなんて。 そうだな。お前になら話せる。 「聞いてくれるかデルフリンガー」 「おうよ、どーんと来い!」 「私は……、誰だ」 ----
「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおあああああああああああああああああああああああああああああ!」 体が砕かれる音、体砕かれる痛み、体が砕かれる恐怖に叫びを飛び起きる。 「どうした相棒?そんなでけえ声出してよ」 「え?デルフ……リンガー?」 危ない危ない。 危うくデルフなんて言っちまうところだった。 って違う!そういう問題じゃないだろう! なんでデルフがここにいるんだ! それにバラバラにされたはずなのに何故声を発することができる!? 「そういや随分うなされてたな。あれか?悪夢でも見たっての?」 悪夢……? つまりあれは……夢? あれが夢だというのか? 普通夢があんなに現実味を帯びているか? 思い出そうと思えば細部まで思い出せるぞ!? 「その様子から見てものすげえ悪夢だったんだな」 「……そうだな、気が狂うかと思ったほどだ」 「へえ、相棒もそんなことが「少し黙ってろ」ちょっ……」 デルフの声さえ煩わしく感じ、デルフを完全に鞘に収める。 そして自分の手を確認するかのようにゆっくり開け閉めし、そのまま手を顔に持っていく。 手に感じたものは酷く生ぬるい水気だった。 こんなにも汗を掻いていたのか。 それを自覚すると体中に汗を掻いているということを感じる。 現にどうもべとべとしていて気持ちが悪い。 ベッドから下り、上半身に着ているものを全て脱ぎ捨てる。 さすがに下半身を露出する気は起きずズボンなどは脱がない。 窓を見るとまだ日は昇っておらず、外は薄暗い。 悪夢のせいでいつもより起きる時間が早かったようだ。 ……クソッ!あの夢のせいで胸にモヤモヤとしたヘドロのようなものが溜まっていく感じする! あの女、私が吉良吉影だから追われているだと?吉良吉影に『安心』が訪れないだと? ふざけやがって!たかが夢如きがえらそうな口を利くんじゃない! しかし、夢に文句を言っても仕方が無い。 デルフが魘されていただの、悪夢だの言うのだからいくら私が疑問に思ってもそれは夢なのだ。 人間あんな夢を見ることもあるのだろう。 だが、そう思ったところでこの気分が収まることは無い。 そうだ、まだ早いがデルフを振ろう。 体を動かし、デルフと喋ればこの気分はいずれ落ち着くだろう。 そう考えデルフを手に取ろうと動こうとした瞬間、まるで謀ったかのようにドアがノックされた。 誰だ、こんなときに? 「誰だ?」 「シエスタです」 「シエスタ?」 何故シエスタがこんな時間に? とりあえずドアを狭く開け顔だけ出してみる。 そこには確かにシエスタがいた。しかし何故かルイズまで一緒にいる。 二人とも何故か寝巻きだ。 しかしおかしいぞ?こんな時間にルイズが寝ているわけ無いじゃないか。 「あの「あんたこんな時間に何でかい声出してるのよ!おかげで目が覚めちゃったじゃない!」ミ、ミス・ヴァリエール!?しーです。しー」 「あ、ごめんなさい」 「すみませんヨシカゲさん。こんな時間にあんなにも大きな声を出されたから、どうしたのかと思って心配になって来てみたんです。 ミス・ヴァリエールも私と同じらしいです」 「わたしは違うわよ。ただ起こされたから文句を言おうと思っただけ」 「私が大声を?」 もしかして、起きた時の叫び声のことか。 「出してたじゃない。うおおおおって感じで。きっと家中に聞えてるわよ。わたしが起きるくらいだもん」 「ああ、すまない。ちょっと夢見が悪くてな」 面倒なので適当にあしらっておこう。 それにしても自分が起きにくいということを自覚してたんだな。 「どんな夢よ」 「どんな夢って」 普通そこまで聞くか? クソッ!うざったい!適当に答えておこう。 「全力でオレンジな夢を見たんだ……」 っていくらなんでも適当すぎるだろう! 何だ全力でオレンジな夢って!聞いたことも無い!適当にとは思っていたがあまりに適当すぎた! ふと全力オレンジなんて言葉が頭に浮かぶから、ついポロっと言ってしまった。 あまりに意味不明な発言に、何かしら言われることを覚悟していたが二人は何も言ってこない。 むしろ哀れな視線すら向けてくる。一体何故だ。 「そう、それじゃあ仕方ないわね」 「確かにあんな悲鳴を上げるの当然ですね」 二人はそう言いながら帰っていく。 「わたしも全力で敵を見逃す夢を見たことあるわ。もしかしたらあのせいで魔法が使えないのかも……」 「見る分にはおかしいんですけど体験するのはちょっと……」 ……どうやら全力でオレンジな夢はこちらの世界じゃポピュラーらしいな。助かったのに腑に落ちないが。 まあ、それはどうでもいい。 ドアを閉め当初の予定通りデルフを手に取る。 服は着ずにそのままドアを開け廊下に出る。そして誰も起こさないように静かに歩き外へ出る。 さて、どこで剣を振るか。それを探しながらそこらをうろつく。 今の私の状態は半裸の剣を持った男だ。人に見られたら騒ぎになりかねないのでうろつくにしても隠れるようにだ。 こんな姿を見られたら何の弁解もできんからな。 ともかく、剣を振るう場所は少し広めで人目につきにくい場所が好ましい。それに重点を置いて探してみる。 暫らく歩いているとそれらしい場所を発見する。丁度茂みがあり人目を遮ってくれるし、広さも十分だ。 その場に立ちデルフを抜き放つ。 「こんなに早くから訓練すんのか相棒?」 「ああ、眠れなくてな」 「さっき見た悪夢とやらのせいでか」 「……ああ」 そう答えた瞬間にデルフリンガーを振るう。 いつもと同じように、そして意識だけはいつもより速く鋭くを心がける。 「おお、結構いい感じに様になってきたじゃねえか!」 デルフがそんなことを言う。 そうだろうか?自分にはそんな意識は無い。ただ振るうだけだ。もちろん何も考えず振るっているわけではない。 ちゃんと相手の急所を狙うように振るっている。 速く鋭く、振るう。 振るう、振るう、振るう、振るう、振るう…… そしてもう十分に感じ振るうのをやめる。 「いい感じで上達してきたじゃねえか。これならルーン無しでも普通に戦えるぜ相棒。筋肉とかも結構ついてきてるし」 「そうか?自分じゃ実感できないんだがな」 「そんなもんさ。それに別に実感できなくてもいいんだよ、実戦で通用すればな」 「確かにそうだな」 「それでだ相棒」 「ん?」 デルフリンガーが私に何かを尋ねてくる。 一体なんだろうか? 「その悪夢のこと俺に話してみろよ」 「!」 デルフの言葉に驚き声も出ない。何故いきなりそんなことを! 「なに悩んで苛立ってるか知らねえけど、話したほうが楽になるって聞いたことがあるぜ」 「デルフリンガー……」 「これでもよ、ちゃんと相棒のこと見てんだ。それくらいわかるぜ」 まさかデルフがこれほどまで私のことを思ってくれていたなんて。 そうだな。お前になら話せる。 「聞いてくれるかデルフリンガー」 「おうよ、どーんと来い!」 「私は……、誰だ」 ----

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