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DIOが使い魔!?-23 - (2007/06/08 (金) 17:26:18) の1つ前との変更点

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六体のワルキューレを捌きつつ、DIOは己の半身である『ザ・ワールド』を見て歯噛みする。 これが、我が最強の『スタンド』の……そして、このDIOの成れの果てなのだ、と。 何と無様な姿ではないか。 以前のような勢力は伺えようもない。 これでは、『ザ・ワールド』の真の能力など、発揮できるはずがない。 しかし………DIOは思い出す。 しかし、あの授業の時、ルイズの策謀が実を結ぼうとしていた時、自分は確かに『動けた』。 一秒にも満たない時間だったが、とにかく動けたのだ。 それこそが、この下らない決闘の真似事をする気になった最大の理由なのだが……『動けない』。 あの時はただの偶然だったのだろうか? (………ジョースターめ!!) DIOは焦っていた。 ギーシュは、六体のワルキューレが平民を翻弄する様を見て、決闘の勝利をほぼ確信した。 どうやらあの平民は、例の幽霊と同じくらいの腕力を有しているようだが……それだけだ。 四方八方から襲いかかるワルキューレに、段々対応しきれなくなってきている。 平民と幽霊が、いくら青銅をへこませようと、無機物であるワルキューレにとっては屁でもないのだ。 ギーシュは、圧倒的優位によって、自分の貴族としてのプライドが満たされ、満足していた。 (これでいい、これでこそが貴族さ) ギーシュは余裕の笑みを浮かべた。 同じくルイズも、決闘の勝敗をほぼ確信していた。 やはり平民は貴族に勝てないということかと思う と同時に、珍しくDIOが焦っている様子を見て、何だか心がざわついた。 あれは、使いたいものがあるけど、それを使えない人間が浮かべる表情だ。 たとえば、コモン・マジックは使えるのに、普通の魔法が使えない、自分のような人間の。 ---ルイズはDIOを爆破するのはもう暫く後にしようと考えた。 ルイズの杖は、早いとこギーシュかDIOのどちらかの血をすすりたいと、慟哭していた。 ズバッと肉が切断される音が響き、DIOの左腕が宙を舞った。 周囲の人間がキャアと悲鳴を上げた。 DIOの傷口から、血が吹き出した。 ワルキューレに蹴り飛ばされて、DIOは地面に転がった。 ギーシュは微笑みながら薔薇を振った。 一枚の花びらが、一本の剣に変わる。 その剣は、うつ伏せに転がるDIOの隣の地面に突き立った。 DIOはチラとそれを見た。 「君、これ以上続ける気があるのなら、その剣を取りたまえ。 そうじゃなかったら、こう言いたまえ、ごめんなさい、とな。それで手打ちにしようじゃないか」 DIOは何も言わない。 ルイズは黙して動かない。 シエスタも黙して動かない。 「わかるか?剣だ。つまり『武器』だ。 平民どもが、せめてメイジに一矢報いようと磨いた牙さ。まだ噛みつく気があるのなら、その剣を取りたまえ」 と、DIOがそろそろとその剣に右腕を伸ばした。 ルイズは、その様を見て唾棄した。 そろそろ消し時かしら、と思った。 ---しかし、DIOがその剣をつかんだ瞬間、その剣が、あたかも繊細なガラス細工のようにコナゴナに砕け散った。 DIOの体がブルブルと震えだし、辺りに嫌な空気が漂い始めた。 ギーシュは、むっと方眉を上げた。 DIOがぽつりと呟いた。 「……よくも。この若造が…!」 DIOがばっと顔を上げた。 地獄から響き渡る、悪鬼の雄叫びだった。 世にも恐ろしい怒りの形相だ。 ギーシュはジリジリと後退した。 急に口調が変わったこともそうだが、何よりもDIOが放つ威圧感に、ギーシュを含めたその場の全員が気圧された。 さっきまでの嵐のような歓声が、嘘のような沈黙だ。 「カエルの小便よりも……!下衆な!…下衆な魔法なんぞでよくも!…よくもこの俺に…!」 DIOがむくりと立ち上がった。 傷口から数本の触手が生え、地面に転がる左腕にピタリとくっついた。 左腕が引き寄せられ、傷口と接合し、瞬く間にそれは『馴染んだ』。 DIOの左手の甲のルーンが、まばゆい光を放った。 ---瞬間、左腕のみならず、いままで思うように動かせなかった己の肉体が、あっと言う間に『馴染んで』ゆくのを、DIOは感じた。 不可解な現象に、DIOは一瞬戸惑ったが、次第にそれは歓喜に変わった。 「……フ、フフフフ……」 のどの奥から笑いが溢れて止まらなかった。 「…フ、フハ、ハハハハハハハハハハハハハハ! 『馴染む』! 『馴染む』ぞぉ! 実に! フハフハフハフハフハハハハハハ!!!!」 DIOは己の頭を掻く。 行き過ぎた握力が、頭皮を抉って血が吹き出たが、DIOは構わず掻き続ける。 ブシュブシュという嫌な音が周囲に響く。 その傷は、掻き抉るそばから治っていった。 狂気の表情を浮かべるDIOに、ギーシュはひどい吐き気と怯えを感じた。 恐怖に駆られ、ギーシュは慌てて薔薇を振るう。六体のゴーレムが、DIOを取り囲み、一斉に踊りかかった。 「『ザ・…………」 それに対して、DIOは喜びで口を歪めながら、両腕を広げて高らかに言い放った。 「………ワールド(世界)』!!!!!!」 to be continued…… ----
六体のワルキューレを捌きつつ、DIOは己の半身である『ザ・ワールド』を見て歯噛みする。 これが、我が最強の『スタンド』の……そして、このDIOの成れの果てなのだ、と。 何と無様な姿ではないか。 以前のような勢力は伺えようもない。 これでは、『ザ・ワールド』の真の能力など、発揮できるはずがない。 しかし………DIOは思い出す。 しかし、あの授業の時、ルイズの策謀が実を結ぼうとしていた時、自分は確かに『動けた』。 一秒にも満たない時間だったが、とにかく動けたのだ。 それこそが、この下らない決闘の真似事をする気になった最大の理由なのだが……『動けない』。 あの時はただの偶然だったのだろうか? (………ジョースターめ!!) DIOは焦っていた。 ギーシュは、六体のワルキューレが平民を翻弄する様を見て、決闘の勝利をほぼ確信した。 どうやらあの平民は、例の幽霊と同じくらいの腕力を有しているようだが……それだけだ。 四方八方から襲いかかるワルキューレに、段々対応しきれなくなってきている。 平民と幽霊が、いくら青銅をへこませようと、無機物であるワルキューレにとっては屁でもないのだ。 ギーシュは、圧倒的優位によって、自分の貴族としてのプライドが満たされ、満足していた。 (これでいい、これでこそが貴族さ) ギーシュは余裕の笑みを浮かべた。 同じくルイズも、決闘の勝敗をほぼ確信していた。 やはり平民は貴族に勝てないということかと思う と同時に、珍しくDIOが焦っている様子を見て、何だか心がざわついた。 あれは、使いたいものがあるけど、それを使えない人間が浮かべる表情だ。 たとえば、コモン・マジックは使えるのに、普通の魔法が使えない、自分のような人間の。 ---ルイズはDIOを爆破するのはもう暫く後にしようと考えた。 ルイズの杖は、早いとこギーシュかDIOのどちらかの血をすすりたいと、慟哭していた。 ズバッと肉が切断される音が響き、DIOの左腕が宙を舞った。 周囲の人間がキャアと悲鳴を上げた。 DIOの傷口から、血が吹き出した。 ワルキューレに蹴り飛ばされて、DIOは地面に転がった。 ギーシュは微笑みながら薔薇を振った。 一枚の花びらが、一本の剣に変わる。 その剣は、うつ伏せに転がるDIOの隣の地面に突き立った。 DIOはチラとそれを見た。 「君、これ以上続ける気があるのなら、その剣を取りたまえ。 そうじゃなかったら、こう言いたまえ、ごめんなさい、とな。それで手打ちにしようじゃないか」 DIOは何も言わない。 ルイズは黙して動かない。 シエスタも黙して動かない。 「わかるか?剣だ。つまり『武器』だ。 平民どもが、せめてメイジに一矢報いようと磨いた牙さ。まだ噛みつく気があるのなら、その剣を取りたまえ」 と、DIOがそろそろとその剣に右腕を伸ばした。 ルイズは、その様を見て唾棄した。 そろそろ消し時かしら、と思った。 ---しかし、DIOがその剣をつかんだ瞬間、その剣が、あたかも繊細なガラス細工のようにコナゴナに砕け散った。 DIOの体がブルブルと震えだし、辺りに嫌な空気が漂い始めた。 ギーシュは、むっと方眉を上げた。 DIOがぽつりと呟いた。 「……よくも。この若造が…!」 DIOがばっと顔を上げた。 地獄から響き渡る、悪鬼の雄叫びだった。 世にも恐ろしい怒りの形相だ。 ギーシュはジリジリと後退した。 急に口調が変わったこともそうだが、何よりもDIOが放つ威圧感に、ギーシュを含めたその場の全員が気圧された。 さっきまでの嵐のような歓声が、嘘のような沈黙だ。 「カエルの小便よりも……!下衆な!…下衆な魔法なんぞでよくも!…よくもこの俺に…!」 DIOがむくりと立ち上がった。 傷口から数本の触手が生え、地面に転がる左腕にピタリとくっついた。 左腕が引き寄せられ、傷口と接合し、瞬く間にそれは『馴染んだ』。 DIOの左手の甲のルーンが、まばゆい光を放った。 ---瞬間、左腕のみならず、いままで思うように動かせなかった己の肉体が、あっと言う間に『馴染んで』ゆくのを、DIOは感じた。 不可解な現象に、DIOは一瞬戸惑ったが、次第にそれは歓喜に変わった。 「……フ、フフフフ……」 のどの奥から笑いが溢れて止まらなかった。 「…フ、フハ、ハハハハハハハハハハハハハハ! 『馴染む』! 『馴染む』ぞぉ! 実に! フハフハフハフハフハハハハハハ!!!!」 DIOは己の頭を掻く。 行き過ぎた握力が、頭皮を抉って血が吹き出たが、DIOは構わず掻き続ける。 ブシュブシュという嫌な音が周囲に響く。 その傷は、掻き抉るそばから治っていった。 狂気の表情を浮かべるDIOに、ギーシュはひどい吐き気と怯えを感じた。 恐怖に駆られ、ギーシュは慌てて薔薇を振るう。六体のゴーレムが、DIOを取り囲み、一斉に踊りかかった。 「『ザ・…………」 それに対して、DIOは喜びで口を歪めながら、両腕を広げて高らかに言い放った。 「………ワールド(世界)』!!!!!!」 to be continued…… ---- [[24へ>http://www22.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/180.html]] ----

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