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ジョルノ+ポルナレフ-4 - (2007/10/15 (月) 23:07:01) の1つ前との変更点

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あ、ありのまま今起こったことを話すぜ! わ、私はこの世界に来ているのは私とジョルノと亀、それだけだと思っていた。 だが、奴が現れた。何を言ってるのかわからねぇと思うが、俺にも何が起こったのか理解できなかった奴はどこにでもいるとか生命力は高いとかそんなちゃちなもんじゃねー。 もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ。 だがやられっぱなしってのは私の性分にはあわないんでな…チャリオッツも肉体も失ったが、私にはまだこの魂がある! つまり-殺らせてもらうっ! 私は手近にある物を一つ掴み、即席の剣に見立てると胸元で垂直にも持つ。ビシッとポーズを一つ決めてから、私は奴を見据えた。 中世にいた決闘前の騎士のように、そう…言うなれば三銃士の一人ダルタニアンのように! 神経が、研ぎ澄まされていく…奴の動きを、ほんの微かな部分まで見逃さぬように。 「うおおおっ!」 雄たけびと共に私は突進する。 決心し、気合を込めた雄たけびと共に繰り出した私の突きが、かわされた! だがそれはフェイントっ。 「かかったなアホがっ!!」 嘲りと共に私の手首が返され、剣先は今度こそ糞虫野郎に狙い違わず突き刺さる! 「フフン、私の剣の腕も錆びついていないようだな」 「…ゴキブリ一匹にどれだけ盛り上がるんです?」 得意げにゴキブリを即席の剣とした古新聞に包んで外に捨てる私の背に、ジョルノの声がかけられた。 我関せずとソファに座って読書中だったくせに余りに冷たい突込みだが、そんなことでめげる私ではない。 これが最後のゴキブリとも限らないしな。これからは注意が必要だぜ。 「もう一月も亀の中なんだ。この位はいいだろう? まだ私はお前のようにここの本も読めないんだからな」 この世界に来て一月。 ジョルノは既にこの世界、ハルケギニアの幻獣だの毒薬麻薬大全集だの簡単な本を読むまでになっているが、私はまだだった。 ガキども用の本を一冊ジョルノが借りてきたんだが、やっぱり私に勉強なんて性に合わん。 暇だが、やる気になるかどーかはまた別の話なんだ。 ジョルノは呆れたようだが、すぐにポルナレフさんだしとなぜか納得したようだった。 腹が立たないわけではないが、ここで見返してやるぜっ!といって絵本に集中するのは負けかなと思う。 所で話は変わってしまうが、最近ジョルノの奴が怪しい。 私が亀の中から余り顔を出さないからかもしれんが、何かこそこそやっているような気がするのだ。 昨日もテファが眠ってから私をほったらかしにして外にでていった。 怪しすぎる…これは戦闘者としての勘ではない。男の勘だが、ジョルノは何かまた私達を驚かせるつもりだぜ。 「そう言えば…ポルナレフさん、今度テファがお世話になっているお姉さんが帰ってくるそうです」 そんな事を考えていた私に、ジョルノが思い出したように言う。 ジョルノは、どうも重要な事をサラッと言うくせがあるように思えるぜ。 こんな重要な事をどーでも良さそうに言う位だからな。 「何!?テファのお姉さんが!?」 「はい。腕のいいメイジだそうですから、何か聞けるかもしれません」 突然ジョルノが言った言葉に私は戦慄した。 テファでアレだ。テファのお姉さんという事は… それはつまり、もっとけしからん胸のお姉さんがいるという事かっ!? けしからんっ!けしからんぞっジョルノ! 想像し、そう考えた瞬間、ジョルノの冷たい視線が私を貫いていた。 残念だけどアンタもうギャグキャラだなって感じの冷たい視線だ。 「お、おいジョルノお前何か勘「あっすいません。そういえば今日テファと晩御飯を探しに行く約束があるんでちょっと準備してきますね」」 白々しく聞こえる言葉を残してジョルノは立ち上がると、亀の天井へとジャンプして去っていった。 ぜ、絶望した! 年配に敬意を払わない今時の若造に絶望したっ! …こっちに着てから敬意を払われるようなことをした覚えはないがな。 「ジョルノ! 大変よ!」 「どうしたんです?」 「見て、今朝起きたら村の中にあの木が生えていたの」 木? 気がつけば、いつのまにか膝を突きOTLのポーズをとっていた私は外から聞こえてきたテファの言葉に首を傾げて、慎重に外を見る。 こんな時私の髪型は不利なのだが、そこは経験と俺のLUCKがカバーしてくれる。 気付かれずに見ることに成功した外は、そこはテファの家のジョルノに宛がわれた部屋ではなかった。 幾つかの小屋が立ち並ぶ村の中。朝日で光るコロネが眩しいぜ。 ジョルノがちゃんと私の入った亀を腰に括り付けていたお陰で私はジョルノの腰の高さから村の中を見ることができた。 村の中を見回してみると、成る程。確かに何本ものこちらでは見ない木がある。 村にいるガキどもが木に登ったり、あれ何?ってな具合にテファに尋ねたりしてる。勝手に実を食べてるアホもいるな。 私はその木に見覚えがあった。あれは…おお! 私は思わず歓声を上げていた。それほどに村に何本も見える木は私にとっては馴染み深い植物だった。 「あぁあれはオリーブの木です」 「オリーブって、ジョルノが前に言ってた木のこと? どうして突然ここに…昨日の夜ジョルノが植えたの?」 何を話してんだお前はと私は思ったが、ああそういやピザモッツァレラがどーとか話してたな。 私は納得した。つまりこのままオリーブを収穫してオリーブオイルを作っちまおうって腹だな!と確信したからだ。 私達の食卓に欠かせぬ物、それはオリーブオイル。イタリアで暮らす内に私も好きになっちまったんでこっちになくて困っていたんだ。 生粋のイタリア人であるジョルノはもっと飢えていたかもしれない。 そうか、! 昨日とかにこそこそ何かしてやがったのはこれだったんだな! 私はジョルノに視線だけで賞賛を送ったが、同時に疑問も沸いてきていた。 いや、だってよ。一夜にして何本もの見慣れない木をどこから持ってきたんだって話になるじゃねぇか。 テファもそこのところが気になってるみたいだ…ジョルノはどう答えるんだ? まさか、スタンドの事を説明するのか? 私とテファ、二人に加えいつの間にか周りにいるガキどもの視線を一身に受けるジョルノは、輝くような爽やかささえ感じられる笑顔を浮かべていた。 「さあ? 神様がテファにくれたご褒美かもしれません」 思わず私は亀の中でコケた。 テメェ、そんな嘘いくらなんでも誰も信じないぞ! もう知らんと、私はこの問題は丸投げしてこのオリーブからできるオリーブオイルで何をするかを考える事にした。 その方がよっぽど建設的だぜ! 「え?」 テファの戸惑ったような声が聞こえるが、無視だ。 「(こちらではどうか知りませんが)僕の国では、神が僕達を見ていてよい行いをしていればご褒美をくれるって教えがあるんですよ」 料理の仕上げに使ってよし。単純にバター代わりにパンにつけて食べるもよし。 夢は広がるな。これでここにトニオがいれば取れたばかりのオリーブオイルとここにある(保存があまりきかないから)新鮮な食材だけでんまぁい料理をこさえてくれるんだろうけどなぁ。 ここで気になってくるのは取れたオリーブオイルの色、香り、味わいなどの個性がどーかって事だ。 香り一つとっても、フルーティ(オリーブ果実の香り)、グリーン(草や葉のような青々しい香り)、ビタ ー(苦み)などに分けられるオリーブオイル。 どれが取れるかによってどう食うか色々と考えなくっちゃならねぇ。 「冗談はよしてっ。こんなできそこないの私に、おかしくなっちゃうわ」 「テファ…貴方が自分の生まれや、見た目にどんなコンプレックスを持とうと貴方の勝手です」 これから取れば…ジョルノの事だ。石臼もちゃんと用意してあるに違いない。そう決め付けてやる! てことはだ。晩飯を遅くすれば今日はちょっとだけ向こうの世界に近い食事が出来るってことだな。 テファ達がこの森で手に入れるものはきのこや自生する野菜。テファ達もちょっとは作ってるようだが、森で取れる植物が主だ。 人目を避ける為と、テファが村を離れると本当に子供しかいなくなっちまうんで、ジョルノが来るまではあんまり狩りもできてなかったらしい。 テファにお金を送ってくれるお姉さんの知り合いが週に一、二度この村に来て色々持ってきてくれるんだが…冷蔵庫がここにはないからな。 まぁそのおっさんに今度骨付き肉を持ってくるよう頼ませるとして…今日はあぁ、オリーブオイルをきのことかの仕上げにかけてもいいな。 「ですがテファ。僕は貴方の生まれなどは素晴らしいし、羨ましいと思っています」 「えっ? ジ「(貴方のお話を聞く限り)貴方のご両親は確かに愛し合っていましたし、大事に育てられたと感じるからです」 おっと涎が…心なしか腹が減ったような気がするし、ここは一つ晩飯が出来るまで『Goldorak』でも見て時間を潰すとするか。 こいつは日本のアニメだが私にとっても馴染み深い作品、見ているとノスタルジーに浸ることも可能な作品だぜ。 「もしそうでなかったとしても、他のエルフや人間がどう言おうと貴方は可愛らしいシニョリーナ、…いえ、お嬢さんですよ」 「ジョルノ…」 な、なんだかわからんが、いつのまにか外からストロベリーな空気が流れ込んでくるような気がするぜ! 私は愕然とし、それに対抗するようにTVの音量を上げていく。 ったく素人はわかってないぜ。これは男の子のアニメなんだ。ストロベリーな空気は『Goldorak』を見てる時は自重しろ! 「テファお姉ちゃんに手を出すな! このコロネ!」 「フ、では収穫しましょうか。この実から作れるオイルには食用以外で色々と使い道があるんですよ。石鹸…動物の物でも構いませんが、子供達では難しいですから」 「石鹸?」 「ええ。(サウナでは余り使わないと思いますし、原理も説明し始めると切がないので省きますが…)僕の故郷では汚れを落とすのに使う道具です」 GoldorakのOPテーマ。『Goldorak le grand(ゴルドラック・偉大なる者)』が亀の中に響き渡り、私のテンションを上げていく。 フフっ懐かしいぜ。 「高い枝の実を取る為の台も用意しておきましたから使ってください。僕は臼を使って実を絞りますから…食材も探しに行かなければ行けませんから、忙しくなりますよ」 「そ、そうね! 今夜は、オリーブオイル?を使って作りましょ!」 「はい。時間的に厳しいですが、なんとかやってみましょう」 そんなジョルノ達が作ったオリーブオイルの出来は余りよくないとは思いもせず、私はGoldorakを見続けた。 所詮、ここはアルビオンとかいう異国。 地中海の気候が良く馴染むオリーブの木が良い実をつけるわけがなかった。 寒暖の差が激しすぎるとか、色々と問題があったのだ。だが、Goldorakを見て満面の笑みを浮かべる私もテファ達もそんな事は考えていなかった。 実を一つ二つとって置いてその細胞から品種改良を試みるジョルノはどーかしらねぇけどな。 今回は以上です。 基本的にポルナレフが外に興味を無くすと声しか聞こえない、ということにしてるのですが、間が難しくなってきたかも…
あ、ありのまま今起こったことを話すぜ! わ、私はこの世界に来ているのは私とジョルノと亀、それだけだと思っていた。 だが、奴が現れた。何を言ってるのかわからねぇと思うが、俺にも何が起こったのか理解できなかった奴はどこにでもいるとか生命力は高いとかそんなちゃちなもんじゃねー。 もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ。 だがやられっぱなしってのは私の性分にはあわないんでな…チャリオッツも肉体も失ったが、私にはまだこの魂がある! つまり-殺らせてもらうっ! 私は手近にある物を一つ掴み、即席の剣に見立てると胸元で垂直にも持つ。ビシッとポーズを一つ決めてから、私は奴を見据えた。 中世にいた決闘前の騎士のように、そう…言うなれば三銃士の一人ダルタニアンのように! 神経が、研ぎ澄まされていく…奴の動きを、ほんの微かな部分まで見逃さぬように。 「うおおおっ!」 雄たけびと共に私は突進する。 決心し、気合を込めた雄たけびと共に繰り出した私の突きが、かわされた! だがそれはフェイントっ。 「かかったなアホがっ!!」 嘲りと共に私の手首が返され、剣先は今度こそ糞虫野郎に狙い違わず突き刺さる! 「フフン、私の剣の腕も錆びついていないようだな」 「…ゴキブリ一匹にどれだけ盛り上がるんです?」 得意げにゴキブリを即席の剣とした古新聞に包んで外に捨てる私の背に、ジョルノの声がかけられた。 我関せずとソファに座って読書中だったくせに余りに冷たい突込みだが、そんなことでめげる私ではない。 これが最後のゴキブリとも限らないしな。これからは注意が必要だぜ。 「もう一月も亀の中なんだ。この位はいいだろう? まだ私はお前のようにここの本も読めないんだからな」 この世界に来て一月。 ジョルノは既にこの世界、ハルケギニアの幻獣だの毒薬麻薬大全集だの簡単な本を読むまでになっているが、私はまだだった。 ガキども用の本を一冊ジョルノが借りてきたんだが、やっぱり私に勉強なんて性に合わん。 暇だが、やる気になるかどーかはまた別の話なんだ。 ジョルノは呆れたようだが、すぐにポルナレフさんだしとなぜか納得したようだった。 腹が立たないわけではないが、ここで見返してやるぜっ!といって絵本に集中するのは負けかなと思う。 所で話は変わってしまうが、最近ジョルノの奴が怪しい。 私が亀の中から余り顔を出さないからかもしれんが、何かこそこそやっているような気がするのだ。 昨日もテファが眠ってから私をほったらかしにして外にでていった。 怪しすぎる…これは戦闘者としての勘ではない。男の勘だが、ジョルノは何かまた私達を驚かせるつもりだぜ。 「そう言えば…ポルナレフさん、今度テファがお世話になっているお姉さんが帰ってくるそうです」 そんな事を考えていた私に、ジョルノが思い出したように言う。 ジョルノは、どうも重要な事をサラッと言うくせがあるように思えるぜ。 こんな重要な事をどーでも良さそうに言う位だからな。 「何!?テファのお姉さんが!?」 「はい。腕のいいメイジだそうですから、何か聞けるかもしれません」 突然ジョルノが言った言葉に私は戦慄した。 テファでアレだ。テファのお姉さんという事は… それはつまり、もっとけしからん胸のお姉さんがいるという事かっ!? けしからんっ!けしからんぞっジョルノ! 想像し、そう考えた瞬間、ジョルノの冷たい視線が私を貫いていた。 残念だけどアンタもうギャグキャラだなって感じの冷たい視線だ。 「お、おいジョルノお前何か勘「あっすいません。そういえば今日テファと晩御飯を探しに行く約束があるんでちょっと準備してきますね」」 白々しく聞こえる言葉を残してジョルノは立ち上がると、亀の天井へとジャンプして去っていった。 ぜ、絶望した! 年配に敬意を払わない今時の若造に絶望したっ! …こっちに着てから敬意を払われるようなことをした覚えはないがな。 「ジョルノ! 大変よ!」 「どうしたんです?」 「見て、今朝起きたら村の中にあの木が生えていたの」 木? 気がつけば、いつのまにか膝を突きOTLのポーズをとっていた私は外から聞こえてきたテファの言葉に首を傾げて、慎重に外を見る。 こんな時私の髪型は不利なのだが、そこは経験と俺のLUCKがカバーしてくれる。 気付かれずに見ることに成功した外は、そこはテファの家のジョルノに宛がわれた部屋ではなかった。 幾つかの小屋が立ち並ぶ村の中。朝日で光るコロネが眩しいぜ。 ジョルノがちゃんと私の入った亀を腰に括り付けていたお陰で私はジョルノの腰の高さから村の中を見ることができた。 村の中を見回してみると、成る程。確かに何本ものこちらでは見ない木がある。 村にいるガキどもが木に登ったり、あれ何?ってな具合にテファに尋ねたりしてる。勝手に実を食べてるアホもいるな。 私はその木に見覚えがあった。あれは…おお! 私は思わず歓声を上げていた。それほどに村に何本も見える木は私にとっては馴染み深い植物だった。 「あぁあれはオリーブの木です」 「オリーブって、ジョルノが前に言ってた木のこと? どうして突然ここに…昨日の夜ジョルノが植えたの?」 何を話してんだお前はと私は思ったが、ああそういやピザモッツァレラがどーとか話してたな。 私は納得した。つまりこのままオリーブを収穫してオリーブオイルを作っちまおうって腹だな!と確信したからだ。 私達の食卓に欠かせぬ物、それはオリーブオイル。イタリアで暮らす内に私も好きになっちまったんでこっちになくて困っていたんだ。 生粋のイタリア人であるジョルノはもっと飢えていたかもしれない。 そうか、! 昨日とかにこそこそ何かしてやがったのはこれだったんだな! 私はジョルノに視線だけで賞賛を送ったが、同時に疑問も沸いてきていた。 いや、だってよ。一夜にして何本もの見慣れない木をどこから持ってきたんだって話になるじゃねぇか。 テファもそこのところが気になってるみたいだ…ジョルノはどう答えるんだ? まさか、スタンドの事を説明するのか? 私とテファ、二人に加えいつの間にか周りにいるガキどもの視線を一身に受けるジョルノは、輝くような爽やかささえ感じられる笑顔を浮かべていた。 「さあ? 神様がテファにくれたご褒美かもしれません」 思わず私は亀の中でコケた。 テメェ、そんな嘘いくらなんでも誰も信じないぞ! もう知らんと、私はこの問題は丸投げしてこのオリーブからできるオリーブオイルで何をするかを考える事にした。 その方がよっぽど建設的だぜ! 「え?」 テファの戸惑ったような声が聞こえるが、無視だ。 「(こちらではどうか知りませんが)僕の国では、神が僕達を見ていてよい行いをしていればご褒美をくれるって教えがあるんですよ」 料理の仕上げに使ってよし。単純にバター代わりにパンにつけて食べるもよし。 夢は広がるな。これでここにトニオがいれば取れたばかりのオリーブオイルとここにある(保存があまりきかないから)新鮮な食材だけでんまぁい料理をこさえてくれるんだろうけどなぁ。 ここで気になってくるのは取れたオリーブオイルの色、香り、味わいなどの個性がどーかって事だ。 香り一つとっても、フルーティ(オリーブ果実の香り)、グリーン(草や葉のような青々しい香り)、ビタ ー(苦み)などに分けられるオリーブオイル。 どれが取れるかによってどう食うか色々と考えなくっちゃならねぇ。 「冗談はよしてっ。こんなできそこないの私に、おかしくなっちゃうわ」 「テファ…貴方が自分の生まれや、見た目にどんなコンプレックスを持とうと貴方の勝手です」 これから取れば…ジョルノの事だ。石臼もちゃんと用意してあるに違いない。そう決め付けてやる! てことはだ。晩飯を遅くすれば今日はちょっとだけ向こうの世界に近い食事が出来るってことだな。 テファ達がこの森で手に入れるものはきのこや自生する野菜。テファ達もちょっとは作ってるようだが、森で取れる植物が主だ。 人目を避ける為と、テファが村を離れると本当に子供しかいなくなっちまうんで、ジョルノが来るまではあんまり狩りもできてなかったらしい。 テファにお金を送ってくれるお姉さんの知り合いが週に一、二度この村に来て色々持ってきてくれるんだが…冷蔵庫がここにはないからな。 まぁそのおっさんに今度骨付き肉を持ってくるよう頼ませるとして…今日はあぁ、オリーブオイルをきのことかの仕上げにかけてもいいな。 「ですがテファ。僕は貴方の生まれなどは素晴らしいし、羨ましいと思っています」 「えっ? ジ「(貴方のお話を聞く限り)貴方のご両親は確かに愛し合っていましたし、大事に育てられたと感じるからです」 おっと涎が…心なしか腹が減ったような気がするし、ここは一つ晩飯が出来るまで『Goldorak』でも見て時間を潰すとするか。 こいつは日本のアニメだが私にとっても馴染み深い作品、見ているとノスタルジーに浸ることも可能な作品だぜ。 「もしそうでなかったとしても、他のエルフや人間がどう言おうと貴方は可愛らしいシニョリーナ、…いえ、お嬢さんですよ」 「ジョルノ…」 な、なんだかわからんが、いつのまにか外からストロベリーな空気が流れ込んでくるような気がするぜ! 私は愕然とし、それに対抗するようにTVの音量を上げていく。 ったく素人はわかってないぜ。これは男の子のアニメなんだ。ストロベリーな空気は『Goldorak』を見てる時は自重しろ! 「テファお姉ちゃんに手を出すな! このコロネ!」 「フ、では収穫しましょうか。この実から作れるオイルには食用以外で色々と使い道があるんですよ。石鹸…動物の物でも構いませんが、子供達では難しいですから」 「石鹸?」 「ええ。(サウナでは余り使わないと思いますし、原理も説明し始めると切がないので省きますが…)僕の故郷では汚れを落とすのに使う道具です」 GoldorakのOPテーマ。『Goldorak le grand(ゴルドラック・偉大なる者)』が亀の中に響き渡り、私のテンションを上げていく。 フフっ懐かしいぜ。 「高い枝の実を取る為の台も用意しておきましたから使ってください。僕は臼を使って実を絞りますから…食材も探しに行かなければ行けませんから、忙しくなりますよ」 「そ、そうね! 今夜は、オリーブオイル?を使って作りましょ!」 「はい。時間的に厳しいですが、なんとかやってみましょう」 そんなジョルノ達が作ったオリーブオイルの出来は余りよくないとは思いもせず、私はGoldorakを見続けた。 所詮、ここはアルビオンとかいう異国。 地中海の気候が良く馴染むオリーブの木が良い実をつけるわけがなかった。 寒暖の差が激しすぎるとか、色々と問題があったのだ。だが、Goldorakを見て満面の笑みを浮かべる私もテファ達もそんな事は考えていなかった。 実を一つ二つとって置いてその細胞から品種改良を試みるジョルノはどーかしらねぇけどな。

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