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第二話 蒸発からの脱出 - (2008/04/23 (水) 02:09:26) の1つ前との変更点

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  第二話 蒸発からの脱出 その① 「…え!?」 苦しそうな声にルイズは気付く。 (な、なによこれ。わたしの使い魔、ええと………たしかフー・ファイターズがッ!なんで死にかけているのよ!) そう、ルイズが見た先では、先ほど使い魔として召喚したフー・ファイターズが、地面に吸い込まれるようにして消えかけていたのである。 「どどど、どうしたのよ、いったい!?」 ルイズの声に対しての返答はない。はっきし言って、フー・ファイターズはディ・モールト・ヘヴィな状況にあった。意識も朦朧としている。 なぜこんなにも早く水分が無くなっていったのかッ!原因は偶然と必然にある! まずは偶然。フー・ファイターズが召喚された部分の地面が、水分をあまり含まないところだったということである。はっきりいって不運としか言いようがない。 そして必然。ルイズが魔法を使うと爆発が起きるということだ。今回もご多分に漏れず、爆発が起こった。それにより、上にあったほんの少しばかり水分を含んでいた薄い層を吹っ飛ばしてしまったのだ。薄い層が残ってさえいれば、もう少しは活動ができていたはずである。 あぁ、なんてかわいそうなフー・ファイターズ。蘇ってそうそう、死の淵に立たされるなんてッ!   第二話 蒸発からの脱出 その② ルイズは困った。 「こここ、これじゃあ、召喚初日に使い魔がいなくなっちゃうじゃない!せっかく成功してみんなに『あっ』と言わせてやったのに!明日になったらまた馬鹿にされちゃうじゃないッ!!!」 そして焦った。が、ルイズは考えた。 (こういうときこそ冷静にならなくちゃ。どこかの神父が言ってたわ。『素数を数えて落ち着くんだ。素数は孤独な数字。私に勇気をくれる。』って!……2・3・5・7・11・13・…) 落ち着いてきたルイズは考える。これからどうすればいいのかを。これでもかというくらい頭をフル回転させる。 (クールになれ、私…) ルイズは思い出した。 「たしか『水』って言ってた。ということは水が必要なのよ。魔法で出せばだいじょうぶじゃな…」 ルイズは固まった。自分で言ってる途中で気付いたのだ!自分が『ゼロのルイズ』であることをッ! 『じゃあ、魔法の使える誰かに!』ともルイズは思ったが、話が広まって笑われるのは目に見えているし、すでにもう他の生徒たちや先生は影も形も見えなくなっている。 (私がやるしかッ!) 意を決したルイズは呪文を唱えて魔法を使うッ! 「成功してっ!」 しかし、現実は非常である。爆発が周囲を巻き込む。 水を与える対象として杖にロックオンされていたためか、爆発の中心に巻き込まれ、フー・ファイターズは更に粉微塵に吹っ飛んだ。 「いやよいやよいやよっ!そんなのいやっ!初日で使い魔がいなくなるなんてっ!しかも私のせいでだなんてっ!」 ルイズは泣きじゃくった。そして偶然にも涙の一粒がフー・ファイターズの本体にあたったのだ。少し増殖した。それをルイズは涙でぼやけた視界の中ではっきりと捉えていた。 (魔法で水を出さなくても、私の体から水を出せばいいんだわ。…人の体って、ほとんど水でできてるんだもん。) ルイズは覚悟を決めた。   第二話 蒸発からの脱出 その③ 「ン………」 フー・ファイターズは意識を取り戻した。 「水、か……。雨でも降ってくれたのか…?」 フー・ファイターズが目を開ける。 「こ、これはッ!!!」 フー・ファイターズが見たもの、それは…… 血!!意外ッ!それはルイズの血である!!! 「ど、どう…。目が覚めた……?」 ルイズがッ!自分の杖をッ!その細い左腕にッ!深く突き刺していたッ! もちろん、粉々になったフー・ファイターズを復活させるのに必要な水は、並大抵の量じゃあない。 ウェザー・リポートであったなら雨を降らせばいいだろう。しかし、ルイズにはそんなことは到底できない。 だから!血液しかなかった。手っ取り早く水分を使い魔に与える方法は! そして、大量の血液がフー・ファイターズに与えられる。ルイズは、致死量には至っていないものの、非常に多くの血液が体内から失われていた。 今度はルイズのほうが意識が朦朧としてくる。…倒れた。安心したのだろう。 フー・ファイターズは考えた。 (この少女、出会ったばかりの私のために…。命をかけたっていうのかッ!しかも水分であるなら、胃液や尿で済ませば、こんなにならなくてもすんだのにッ!) そして思った。 (この少女は命の恩人である。それに、光輝く黄金のような精神を感じた!………でも、尿をかけられていたら、熱で逆にやられていたかもしれないが。) フー・ファイターズは、自らの分裂したものでルイズの傷を処置する。しかし血が足りない。それに、フー・ファイターズも水分がなくなる前に、新たな水分を補給したい。 「…たしか、この少女の仲間達はあの建物に向かっていってたような………」 フー・ファイターズはルイズを抱え、全速力で建物に向かう。そう!トリステイン魔法学院へ! to be continued… ----
  第二話 蒸発からの脱出 「…え!?」 苦しそうな声にルイズは気付く。 (な、なによこれ。わたしの使い魔、ええと………たしかフー・ファイターズがッ!なんで死にかけているのよ!) そう、ルイズが見た先では、先ほど使い魔として召喚したフー・ファイターズが、地面に吸い込まれるようにして消えかけていたのである。 「どどど、どうしたのよ、いったい!?」 ルイズの声に対しての返答はない。はっきり言って、フー・ファイターズはディ・モールト・ヘヴィな状況にあった。意識も朦朧としている。 なぜこんなにも早く水分が無くなっていったのかッ!原因は偶然と必然にある! まずは偶然。フー・ファイターズが召喚された部分の地面が、水分をあまり含まないところだったということである。はっきりいって不運としか言いようがない。 そして必然。ルイズが魔法を使うと爆発が起きるということだ。今回もご多分に漏れず、爆発が起こった。それにより、上にあったほんの少しばかり水分を含んでいた薄い層を吹っ飛ばしてしまったのだ。薄い層が残ってさえいれば、もう少しは活動ができていたはずである。 あぁ、なんてかわいそうなフー・ファイターズ。蘇ってそうそう、死の淵に立たされるなんてッ! ルイズは困った。 「こここ、これじゃあ、召喚初日に使い魔がいなくなっちゃうじゃない!せっかく成功してみんなに『あっ』と言わせてやったのに!明日になったらまた馬鹿にされちゃうじゃないッ!!!」 そして焦った。が、ルイズは考えた。 (こういうときこそ冷静にならなくちゃ。どこかの神父が言ってたわ。『素数を数えて落ち着くんだ。素数は孤独な数字。私に勇気をくれる。』って!……2・3・5・7・11・13・…) 落ち着いてきたルイズは考える。これからどうすればいいのかを。これでもかというくらい頭をフル回転させる。 (クールになるのよ、私…) ルイズは思い出した。 「たしか『水』って言ってた。ということは水が必要なのよ。魔法で出せばだいじょうぶじゃな…」 ルイズは固まった。自分で言ってる途中で気付いたのだ!自分が『ゼロのルイズ』であることをッ! 『じゃあ、魔法の使える誰かに!』ともルイズは思ったが、話が広まって笑われるのは目に見えているし、すでにもう他の生徒たちや先生は影も形も見えなくなっている。 (私がやるしかッ!) 意を決したルイズは呪文を唱えて魔法を使うッ! 「成功してっ!」 しかし、現実は非常である。爆発が周囲を巻き込む。 水を与える対象として杖にロックオンされていたためか、爆発の中心に巻き込まれ、フー・ファイターズは更に粉微塵に吹っ飛んだ。 「いやよいやよいやよっ!そんなのいやっ!初日で使い魔がいなくなるなんてっ!しかも私のせいでだなんてっ!」 ルイズは泣きじゃくった。そして偶然にも涙の一粒がフー・ファイターズの本体にあたったのだ。少し増殖した。それをルイズは涙でぼやけた視界の中ではっきりと捉えていた。 (魔法で水を出さなくても、私の体から水を出せばいいんだわ。…人の体って、ほとんど水でできてるんだもん。) ルイズは覚悟を決めた。 「ン………」 フー・ファイターズは意識を取り戻した。 「水、か……。雨でも降ってくれたのか…?」 フー・ファイターズが目を開ける。 「こ、これはッ!!!」 フー・ファイターズが見たもの、それは…… 血!!意外ッ!それはルイズの血である!!! 「ど、どう…。目が覚めた……?」 ルイズがッ!自分の杖をッ!その細い左腕にッ!深く突き刺していたッ! もちろん、粉々になったフー・ファイターズを復活させるのに必要な水は、並大抵の量じゃあない。 他の生徒なら水の魔法で対処できていただろう。ウェザー・リポートであったなら雨を降らせばいいだろう。しかし、ルイズにそんなことは到底できない。 だから!血液しかなかった。手っ取り早く水分を使い魔に与える方法は! そして、大量の血液がフー・ファイターズに与えられる。ルイズは、致死量には至っていないものの、非常に多くの血液が体内から失われていた。 今度はルイズのほうが意識が朦朧としてくる。…倒れた。安心したのだろう。 フー・ファイターズは考えた。 (この少女、出会ったばかりの私のために…。命をかけたっていうのかッ!しかも水分であるなら、胃液や尿で済ませば、こんなにならなくてもすんだのにッ!) そして思った。 (この少女は命の恩人である。それに、光輝く黄金のような精神を感じた!………でも、尿をかけられていたら、熱で逆にやられていたかもしれないが。) フー・ファイターズは、自らの分裂したものでルイズの傷を処置する。しかし血が足りない。それに、フー・ファイターズも水分がなくなる前に、新たな水分を補給したい。 「…たしか、この少女の仲間達はあの建物に向かっていってたような………」 フー・ファイターズはルイズを抱え、全速力で建物に向かう。そう!トリステイン魔法学院へ! to be continued… ----

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