ゼロの奇妙な使い魔 まとめ内検索 / 「一章八節 ~ゼロは頭を下げない~」で検索した結果

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    ...念と錆に浮かれる~ 一章八節 ~ゼロは頭を下げない~ 一章九節~使い魔はとりあえず前を向く~ 一章十節 ~人間は一場には変わらない~(前編) 一章十節 ~人間は一場には変わらない~(後編) 一章十一節~微熱は平静を遠ざける~(前編) 一章十一節~微熱は平静を遠ざける~(後編) 一章十二節~おしゃべりは使い手を見初める~(前編) 一章十二節~おしゃべりは使い手を見初める~(後編) 一章十三節~土くれは機を逃さない~ 一章十四節~使い魔は上を向いて立ち上がる~(前編) 一章十四節~使い魔は上を向いて立ち上がる~(後編) 一章十五節~使い魔は空を見る 土くれは壁を見る~(前編) 一章十五節~使い魔は空を見る 土くれは壁を見る~(後編)
  • 一章八節 ~ゼロは頭を下げない~
     リキエルには考えがあった。その考えとは、『逃げる』ことだった。  奇妙なことだが、この逃げるという発想は、自分の肉体に脈々と流れる何かによって引き出されたものであるように、リキエルには感じられた。それほど自然に、この考えは浮かんできたのである。  ただ、それも仕方のないことだとリキエルは思った。魔法の万能性は授業で目にした通りで、その気になれば大の大人一人いたぶる程度、朝飯前どころか断食していても軽いものに見えた。そして平民相手となれば、貴族は力を振るうのに躊躇しないだろう。  まともにやり合おうなどという考えは、初めからリキエルにはない。言いがかり同然の理由で、怪我などさせられてはたまらなかった。ともすれば、逃げる以外に選択の余地も無いのだ。呼び出しを無視されたギーシュは輪をかけて激怒するだろうが、逃げ切れれば問題はない。損するばかりのものごとに自分からぶつかって行くのは、伊達か...
  • 一章二節 ~ゼロは使い魔と相対す~
    一章二節 ~ゼロは使い魔と相対す~ 漫然と身を任せるまま、ルイズの部屋に連れてこられたリキエルだったが、道すがら、 停止状態にあったその思考は回復の兆しを見せるようになっていた。少しずつ、身に起きた異常に心が向き始めたのである。  心身ともに整理のつききっていない状態ながら、リキエルはとりあえず事情に明るそうな人間、ルイズに話を聞くことにした。聞いて、まず困惑した。してから、当惑した。いくつかの質問を投げかけたが、返ってくる答えは要領を得ないものばかりで、混乱を助長するものでしかなかったのだ。 「メイジ? 召喚? 契約? 使い魔? 意味がわからないぞ。ここはどこだって?」 「あんた何、まさか魔法を知らないわけ? いったいどんな田舎から来たのかしら。着てるものも変だし、ついでに言えば髪型……っていうより髪の毛も変よね。ここはかの有名なトリステイン魔法学院よ。田舎者っていっても...
  • 一章四節 ~使い魔は使い魔を知らない~
     ――息が苦しい。  と、リキエルは思った。  またぞろパニックに陥ったのかといえばそうではない。顔色がいいとはいえず、冷や汗も少し出ているが、今のリキエルはどちらかといえば平静だった。  リキエルは瓦礫を拾う手を止め、今開いている右目を、息苦しさの理由へと向けた。 「……」  教卓のあった場所から離れた、比較的きれいなままの机で、ルイズが悄然と俯いている。  リキエルのいる場所からではその表情までは窺えなかったが、消沈した面持ちであろうことは、まあ予想がつく。  ――さっきからずっとあのままだからな。  教卓を爆破し、教室をひっちゃかめっちゃかにしたルイズはその罰として、魔法の使用を禁止された上での掃除を命じられた。窓拭きや箒がけのほか、窓ガラスを運ぶなどといったことだ。 「主の不始末は使い魔の不始末」  オレがやることになるんだろうな、とリキエルが思っていたとおり、...
  • 一章十三節~土くれは機を逃さない~
     遠く月明かりの下、闇色の森は黒い絨毯のようにも見えた。その上を春の夜風が撫でていく。  梢の擦れあって起きる微かなさざめきは潮騒のようで、繁った葉が波打つ様が、さしづめ寄せて返す波だった。風はリキエルのもとにも届いて、夜気にさらされて冷えた体を余計に凍えさせていく。  三度四度そんなことが続いて、風は出し抜けに弱まったが、一度飛ばされた熱はなかなか戻ってこなかった。体の自由が利かず、満足に身震いもできないリキエルは、首をすくませてぶるぶると細かく振った。しつこく寒気の残る首の後ろは、見上げるようにして熱を渡らせる。  上げた目線の先には、ちょうど月が来ていた。月齢か何かが関係しているのか、ふたつの月はいつにも増して明るく、近くの星がよく見えないほどだった。それでもちょっと目を転がすだけで、幾百もの星のまばゆさに行きあえるのは、それだけ空気が綺麗なのだ。  リキエルは、星を見るのが...
  • 一章六節 ~使い魔は千鳥足を踏む~
    一章六節 ~使い魔は千鳥足を踏む~  適度に間隔を開けて連なる窓から投げ込まれる日の光は、気だるさの漂う冷たい石の廊下に、ゆるゆるとした温もりを与えていた。昨日と同じでよく晴れた青い空は、悠々広がって澄み渡り、霞一つない。  リキエルはミス・ロングビルの後ろについて歩きながら、窓の外を、茫洋たる空を眺めている。フロリダの空も意味なく見上げてしまうほどに大きかったが、この世界の穏やかに広がる青空にも、不思議と目を引き付けるものがあった。  今二人が歩いているのは、リキエルとルイズが教室に行くために通った廊下とは違う、あまり生徒達が使わない狭い通路である。こちらの方が、食堂へは近いのだという。空腹感が異様に高まっているリキエルにとっては、ありがたいことだった。  しばらくして、連なった窓が途切れる。と思えば外に出た。柔い風があった。  と、目の端で動くものにリキエルは気づく。そ...
  • 一章十節 ~人間は一場には変わらない~(後編)
    ◆ ◆ ◆  広場から、ロングビルらの姿が消えるのを見届けたオスマン氏は、杖の先をちょんと振った。すると『遠見の鏡』は広場の情景を消し、ただの鏡に戻った。そこに映ったコルベールの顔は、強い興奮で朱に染まっている。  蟻の行列を眺める子供のように固まったまま、微動だにしないコルベールに、椅子に座ったオスマン氏は呆れつつ声をかけた。 「ミスタ・コルベール、いつまで未練たらしく眺めておる」 「……」 「失われたものは帰らぬ運命にあるのじゃ」 「……オールド・オスマン。見ましたか? あの平民の動きを。負けはしましたが、『ドットクラス』とはいえメイジを圧倒していた! それもあの負傷で! あんな平民見たことない! やはり彼は伝説の使い魔『ガンダールヴ』! さっそく王室に報告して、指示を仰がないことには――」 「君も大概に、こういう時は人の話を聞かんな。むろん見ておったよ、君の見たも...
  • 一章十節 ~人間は一場には変わらない~(前編)
     なんでこんなことをしてるんだろ、とロングビルは頭を抱えたくなっていた。足取り重く行く階段の先には、なるだけ長居したくない学院長室がある。  二ヶ月ほど前にこの学院に雇われ、仕事にはすっかり慣れていたが、耄碌しかけの『振り』をしたジイ様のセクハラに関しては、慣れる、慣れないで割り切れない部分があった。尻を触られるくらいならまだ軽いほうで、最近では昼前のようなことが頻繁に起きるようになっているのだ。堪えられたのは初めの二回ほどで、あとは冷静に徹しきれない部分が、すぐに顔を出した。  そういう行為をされることを仕事の一端として織り込めないのは、ロングビルが歳若い女性であることの証明なのかも知れないが、当のロングビルにはちっとも面白くない。いっそ無視してしまえれば、どれほど楽だろうと思っていた。  周囲にはできるだけ平穏で、静かな環境を持っていたいというのがロングビルの願いである。平穏静か...
  • 第二十章 タバサと小さなスタンド使い
    早朝のヴェストリ広場、朝の霧の中を二つの影が目まぐるしく動き回る。 リゾットは土中から相手を取り囲むように刃物を出現させ、一斉に相手に向けて放つ。それに対して相手は跳躍すると同時に『レビテーション』を使って浮き上がり、刃物の囲みから抜け出した。 宙に浮いた相手に駆け寄りつつ、リゾットがなおも刃物を射出するが、出現した無数の刃物はその一つ一つが相手が飛ばした氷の矢によって撃ち落された。 朝の薄い光の中で砕けた金属と氷の欠片が乱反射し、煙幕のようにお互いの視界を遮る。 視界が晴れた時、リゾットの姿は消えていた。 きょろきょろとリゾットを探すが、その間もなく砕かれた刃物が空中で再構成され、容赦なく襲い掛かる。それらをマントや杖で叩き落し、身のこなしで回避しつつ、口元を隠し、素早く呪文を詠唱し、杖を振る。 途端に周囲の温度が下がっていく。だが、人間にすぐに害になる温度ではない。リゾットは気にせず、...
  • 第二十章 タバサと小さなスタンド使い-1
    早朝のヴェストリ広場、朝の霧の中を二つの影が目まぐるしく動き回る。 リゾットは土中から相手を取り囲むように刃物を出現させ、一斉に相手に向けて放つ。それに対して相手は跳躍すると同時に『レビテーション』を使って浮き上がり、刃物の囲みから抜け出した。 宙に浮いた相手に駆け寄りつつ、リゾットがなおも刃物を射出するが、出現した無数の刃物はその一つ一つが相手が飛ばした氷の矢によって撃ち落された。 朝の薄い光の中で砕けた金属と氷の欠片が乱反射し、煙幕のようにお互いの視界を遮る。 視界が晴れた時、リゾットの姿は消えていた。 きょろきょろとリゾットを探すが、その間もなく砕かれた刃物が空中で再構成され、容赦なく襲い掛かる。それらをマントや杖で叩き落し、身のこなしで回避しつつ、口元を隠し、素早く呪文を詠唱し、杖を振る。 途端に周囲の温度が下がっていく。だが、人間にすぐに害になる温度ではない。リゾットは気にせず、...
  • ゼロと奇妙な鉄の使い魔
    第一章 死と再生 第二章 乱心の『ゼロ』 第三章 誇りを賭けた戦い 第三章 誇りを賭けた戦い-2 第四章 平穏の終焉 第四章 平穏の終焉-2 第五章 二振りの剣 第五章 二振りの剣-2 第六章 土くれと鉄 ~あるいは進むべき二つの道~ 第六章 土くれと鉄 ~あるいは進むべき二つの道~-2 第六章 土くれと鉄 ~あるいは進むべき二つの道~-3 第六章 土くれと鉄 ~あるいは進むべき二つの道~-4 第七章 双月の輝く夜に 第七章 双月の輝く夜に-2 第八章 王女殿下の依頼 第九章 獅子身中 第十章 探り合い 第十一章 土くれのフーケの反逆 ~ またはマチルダ・オブ・サウスゴーダの憂鬱 ~ 第十二章 白の国アルビオン 第十三章 悪魔の風 第十四章 土くれと鉄Ⅱ ~ 誉れなき戦い ~ 第十五章 この醜くも美しい世界 第十六章 過去を映す館 第十七章 真...
  • サブ・ゼロの使い魔
    ■ 第一章 ├ サブ・ゼロの使い魔-1 ├ サブ・ゼロの使い魔-2 ├ サブ・ゼロの使い魔-3 ...
  • 法皇は使い魔~第一章~
    法皇は使い魔~第一章~ 今日のトリステイン魔法学院はいつもより騒がしかった。 そう、今日はメイジの一生を決める儀式の日であるからだ。 具体的には使い魔を呼ぶ儀式であり、使い魔とはメイジにとっての一生のパートナーである。 ピンクの髪をした少女、通称「ゼロのルイズ」も例外で無かった。 この少女ルイズは焦っていた。 自分とやたら因縁のあるキュルケや、その友達のタバサが立派な使い魔を召喚しているからである。 人一倍負けず嫌いなルイズはなんとしても彼女等をこえる使い魔を召喚したかった いよいよルイズの番がやってくる。 「どうせ爆発するだけだから逃げろ~」 「失敗するだけだから無駄だぞ~」 「これは魔力の無駄だな」 外野がうるさい事を言ってくる。 きっと見返してやる、ルイズはそう心に誓い叫んだ 「宇宙の果てのどこかに...
  • スターダストファミリアー
    ■ 第一章 魔法の国・ガンダールヴ ├ 契約! クールでタフな使い魔! その① ├ 契約! クールでタフな使い魔! その② ├ 学院! メイジとメイド その① ...
  • ヘビー・ゼロ
    ヘビー・ゼロ 第一章【青空の出会い】第一話『やんだ風のち異世界』 第二話『困惑のち使い魔』 第三話 『出会いのち晴れ間』 第四話 『決闘日和 ~格の差~』 第五話 『上は爆発下は洪水警報』 第六話 『低気圧のち信頼』 第七話 『微熱注意報』 第八話 『青色上昇気流』 第九話 『寒冷前線最前線』 第十話 『吹き荒ぶ風と立ち塞がる土くれ』 第十一話 『ゼロを包む風』 第二章【風に揺れるアルビオン】第十二話 『帽子旋風』 第十三話 『夢枕のち閃光』 第十四話 『Re:決闘日和 ~Blind Spot~』 第十五話 『澱んだ風と立ち向かう土くれ ~決路~』 第十六話 『風を切る三騎 ~Three Bravemen~』 第十七話 『過去を思う男・彼女を想う男』 第十八話 『アルビオン暴風警報発令!』 第十九話 『悪魔の虹』 第二十話 『そよ風の中で』 第三章【虚空の中の虚無】第二十一話 『愛の蜃...
  • 一章三節 ~使い魔はゼロを見る~
     目を覚ましたリキエルは、まず窓の外を見やった。  日は出ているようだが、まだ薄暗い。早起きには成功したらしい。成功といっても、意識してそれができるほどリキエルは器用な人間ではない。見知らぬ場所で寝たことで、単純に眠りが浅かっただけである。硬い床に、何も被らずに寝転がっていたというのもその一因かもしれなかった。  身を起こしてみると、体の節々が不満を言うようにギシギシと痛んだ。それに少し肌寒い。目が覚めた一番の要因はこれだろうと、リキエルは思った。  そんな肌寒さや、寝起き特有の奇妙な現実感が、今おかれている状況が夢の中ではないことを改めて実感させた。わかりきっていたこととはいえ、リキエルは、自分が夢を見ているのではないか? という考えを捨て切れていなかった。その可能性がどうやら完全に消えたことで、リキエルは少しだけ肩を落とした。 「……とりあえず仕事だな」  多少なりとも憂鬱な...
  • 一章一説 ~星屑は違う空に流れる~
    「チクショウ、まずい。まずいぞッ! これは!」 夜、フリーウェイを一台のオートバイが疾駆する。 まるで、暴走族のそれのような速度が出ているにもかかわらず、ハンドルを握る男はヘルメットをかぶっていない。『個人の自由は尊重されるべき』と、法定でその着用が義務付けられていないというのもあるが、彼の場合、そんなことを気にする余裕がないといった体だった。 むき出しの顔は筋肉が強張り険しい表情で、左目のまぶたが下がっている。上げようとはしているが上がらない。小刻みに痙攣するまぶたが、そう主張しているようだった。 「なんでこんな日に限ってバスが止まるんだ。コッチに来てからようやく手に入れたバイト、初日だっつーのによォ、クビになっちまうじゃあねえか! バイクなんか乗りたくないってのに、ヘッドライトも壊れちまってるしよォオオッ」 悪態をつくが、その表情と激しくなっている動悸、だらだらと流れ出ている...
  • 味も見ておく使い魔
    味も見ておく使い魔 第一章『味も見ておく使い魔』味も見ておく使い魔-1 味も見ておく使い魔-幕間 味も見ておく使い魔-2 味も見ておく使い魔-3 味も見ておく使い魔-4 味も見ておく使い魔-5 味も見ておく使い魔-6 味も見ておく使い魔-7 味も見ておく使い魔-8 味も見ておく使い魔-9 味も見ておく使い魔-10 第二章『戦争潮流』味も見ておく使い魔-11 味も見ておく使い魔-12 味も見ておく使い魔-13 味も見ておく使い魔-14 味も見ておく使い魔-15 味も見ておく使い魔-16 味も見ておく使い魔-17 味も見ておく使い魔-18 味も見ておく使い魔-19 味も見ておく使い魔-20 味も見ておく使い魔-21 味も見ておく使い魔-22 味も見ておく使い魔-23 味も見ておく使い魔-24 味も見ておく使い魔-25 味も見ておく使い魔-26 第三章『ポイントブランク』味も見ておく使い魔 第...
  • 第三十一話 『湖畔ダイバー』
    第三十一話 『湖畔ダイバー』  ロンディニウムの城の一角にある鍛錬のための場所。そこに一人の男がいた。剣に酷似した杖を構えている。  ヒュッ、という風を切る音とともに鋭い突きが放たれる。最初は一突き一突き丁寧に、そして今は――― 「シッ!」  目にも留まらぬ高速の剣技となっている。しかし丁寧さが損なわれるわけではなく、より正確に、それでも流れるように、だ。その様はまるで――― 「まるで『閃光』だな子爵」  その声にワルドは手を止めて正面を向く。鍛錬のために裸になった上半身に汗が浮いている。 「これは閣下、お見苦しい恰好で申し訳ございません」 「いや、気にする必要などないよ子爵。君がそうして鍛練を積み力をつけることは、ひいては余の力となるのだからな」  相変わらずの笑いを浮かべるクロムウェルの傍らにはシェフィールドが控えていた。貴族として染みついた思考で、さすがに女性の前で裸は失礼かと思い...
  • ジョルノ+ポルナレフ
    第一章 ジョルノ+ポルナレフ-1 ジョルノ+ポルナレフ-2 ジョルノ+ポルナレフ-3 ジョルノ+ポルナレフ-4 ジョルノ+ポルナレフ-5 ジョルノ+ポルナレフ-6 ジョルノ+ポルナレフ-7 外伝-1 コロネは崩さない ジョルノ+ポルナレフ-8 ジョルノ+ポルナレフ-9 外伝-2 コロネは崩さない? ジョルノ+ポルナレフ-10 外伝-3 ジョルノ+ポルナレフ-11 外伝-4 コロネの中身3つ目? ジョルノ+ポルナレフ-12 外伝-5 コロネは涙でセットされている 外伝-6 コロネとメロンは世界を救う ラルカス著 ジョルノ+ポルナレフ-13 外伝-7 コロネは北風を迎え入れた ジョルノ+ポルナレフ-14 外伝-8 コロネのお茶会 ジョルノ+ポルナレフ-15 外伝-9 コロネと亀は惹かれあう? ジョルノ+ポルナレフ-16 ジョルノ+ポルナレフ-...
  • 第十一章 土くれのフーケの反逆 ~ またはマチルダ・オブ・サウスゴーダの憂鬱 ~
    第十一章 土くれのフーケの反逆 ~ またはマチルダ・オブ・サウスゴーダの憂鬱 ~  『金の酒樽亭』は今日も傭兵たちがあふれかえっていた。 特に盛大に騒いでいるのは白仮面の貴族に雇われ、前払いのエキュー金貨を受け取った傭兵たちだ。 「俺たちはツいてる!」 「いや、まったくだな! 負ける王党派からはさっさと引き上げられたし、新しい雇い主も見つかった!」 「そして新しい雇い主は金持ちだ!」 「俺たちの前途を祝して、かんぱーい!」 これで何回目かの乾杯をあげる。 「おいおい、飲むのはいいが、あんまり調子に乗りすぎるなよ」 あまりの騒ぎぶりに一人がたしなめるが、その男自身も大分舞い上がっているようで、顔がにやけている。 「おーい、姉ちゃん! こっち、つまみ追加で!」 「はい、ただいま!」 給仕がつまみを持ってくる。その給仕を見て、男たちの顔が緩む。 切れ長の目に、細く高い...
  • 第一章 死と再生
    「見事だリゾット・ネエロ…。『誇り』は失わずに命を絶った…」 ボスの声が遠く聞こえる。 だが、リゾットには立ち上がることができなかった。手も足もスタンドも、もう動かすことはできない。 (すまない。俺は結局、お前たちの仇を討つ事も、ボスの打倒も果たせなかった) 激痛の中、薄れ行く意識で、リゾットは死んだ仲間たちを思い出していた。 ソルベ、ジェラート、ホルマジオ、イルーゾォ、プロシュート、ペッシ、メローネ、ギアッチョ。 みんな、死んだ。みんな死んでしまった。 (結局、俺は何一つなし得ず、ただ世界に死を振りまきながら死んでいくのか…) 覚悟はしていた。だが、寂しいような、悔しいような思いが胸の内に駆け巡る。 どこかへ落ちていくような感覚がした。 (死後の世界があるならば地獄へ、仲間たちの所へ行くんだろう) 懐かしい仲間たちに会うことを期待しながら、リゾ...
  • 第一章 使い魔は暗殺者   前編
    第一章 使い魔は暗殺者   前編 リゾットは怒っていた。心の底から。頭のてっぺんを突き抜けるような怒りを、不甲斐ない自分に感じていた。 ――オレは…何一つとしてっ、仲間と交わした誓いを果たすことが出来なかったっ!! それが、リゾットの怒りの原因だった。 ボスを殺すこと。 栄光を掴むこと。 仲間たちと約束したことを、リゾットは何一つとして叶えることが出来ず、無様に死んでいく自分が、リゾットはこの世で一番許せなかった。 誇りを傷つけられ、栄光を掴もうと誓った。 けれど、全ては無駄に終わってしまったのだ。自分たちの反乱は、挫折した。 誰が悪いのではないだろう。強いて言うのならば、運が無かったとしか言えない。 戦いに勝つには天の時と地の利と人の和が必要だと言われている。 地の利と人の和は同等だった。けれど、天の時はブチャラ...
  • 双月! こんなにもあたたかい色をしていたなんて
    双月! こんなにもあたたかい色をしていたなんて 着飾った生徒や教師達が、豪華な料理が盛られたテーブルの周りで歓談している。 舞踏会に興味無い承太郎ではあったが、たまには豪勢な料理でもと思い、バルコニーにテーブルと椅子と料理とワインを持ち込んでいた。 さすがに貴族の連中に囲まれて食事をするのは鬱陶しい。 舞踏会の音楽や喧騒を聞きながら、のんびりとくつろいで夜風を楽しむ。 と、そこに普段以上に着飾ったギーシュがやって来た。 「やあジョータロー。君は踊らないのかい?」 「……てめーこそ、舞踏会ともなりゃ女に声をかけまくるイメージがあるんだがな」 「ハハハ……誘ったけど、断られたよ」 「ほーう、誰を誘ったんだ?」 「モンモランシーとケティ」 「…………やれやれだぜ」 ゴーレムからルイズをかばった一件で、承太郎はギーシュも一皮向けたと見直していた。 だがやはりギーシュはギ...
  • 味も見ておく使い魔 第五・一章
    トリステインに午後の日光が差し込む頃。 学院付きのメイド、シエスタはルイズとタバサ、キュルケと敷地内にてばったりと出会っていた。 「タバサさん、ルイズさん。お二人とも、キュルケ姉さまに胸成分が吸い取られています!」 キュルケの時が止まった。 「……は?」 「な?」 「なんですって!!!」 ふたりのちっこい背の子供が声を揃える。例の蒼とピンクの髪の子のことである。 「解説します!  キュルケ・フォン・アウグスタ・ツェルプストーは、親しくなった間柄の、他人の  胸囲と身長成分を、自分と同じかそれより下の水準にまで吸い取る能力を持つので  すッ!」 「なに言ってるのか全然わからないわ!」そういうキュルケとは裏腹に。 「それで、どうなるの? 教えてシエスタ!」 そう叫んだルイズと、タバサはシエスタの視線に釘付けになっていた。 シエスタはコホンと咳払いをした。 ...
  • 第二十一章 惚れ薬、その傾向と対策
     タバサがネズミを倒した店では、報告を受けて出動した衛兵たちは火事場泥棒の防止や現場の保存に努めていた。周囲には物見高い住人が人垣を作っている。 「何があったんだい?」  野次馬たちの一人が声をかけられ、振り向くと、フードを被った女がいた。 「火事があったんだよ。結構激しくてな」 「へぇ、参ったね……。用事があったんだけど。店主はどこか知ってる?」  野次馬は燃えた建物が店と知っていることから、女が同じ裏の人間だとわかり、少し口が軽くなる。 「行方不明だと。逃げ遅れたのか、それとも雲隠れしたのか。それとも……。 まあ、とりあえず捕まっちゃいないようだな」  女はフーケだった。知り合いの店に人垣が出来ていたので、立ち寄ってみたのだが、思ったより大事になっていたらしい。 「やれやれ、心配だね……」  前回、老婆を訪ねたときの『人生最後』という言葉がフーケには引っかかっていた...
  • ゼロと奇妙な隠者-48
     眠気がわだかまる瞼をうっすらと開けたジョセフは、ゆるりと周囲を見やった。  段々と傾き始めた日が葉の間から射す森の中、地面に横たわる自分の近くで立ち話する話し声の主は、二人。一人は老人、もう一人は青年。彼らを取り巻く少年少女達はじっと二人のやり取りを聞いている。  アルビオンから帰還した面々の中で最後まで眠っていたジョセフはゆっくりと身を起こして立ち上がると、老人に声を掛けた。 「すみませんな、オールド・オスマン。つまりそーゆーコトになっちまいまして」  ニヒヒ、と笑うジョセフに、オスマンは愛用のパイプをふかしてから、ウェールズからジョセフに視線を移し、ほんの少し学院長らしい様相で眉根を寄せた。 「ジョースター君、トリステイン魔法学院はトリステインのみならず各国の王族や大貴族の子爵令嬢が何人も在籍しておる。つまらない火遊び一つが戦争の火種になりかねん場所だということは知っておる...
  • みんなだいすきツェペリ魂
     深い朝靄の中、彼は思い出していた。 荒れた少年時代。残酷な運命。一族の使命。 捨て鉢だった少年に宿った、ただ一つの誇りを。  水のせせらぎだけが聞こえる中、彼はある光景を思い浮かべた。 敬愛する師との日々。瓦礫の中で立ちはだかる仇敵。そして戦友へ託した未来。  さらさらと流れる小川の上を歩きながら彼は考えていた。かつての使命と――、これからを。  かつて彼は仲間たちと共に戦っていた。 名誉や地位、褒賞に賛美…そのどれも求めず、ただ人類の脅威に戦いを挑んだ。 彼らは特別な力も持たず、『生命の限り』を尽くして強大な敵に立ち向かった。 多くは命を失い彼もなるべくしてそうなったが彼らは運命に引き込まれたのではない、 勇気と意思を持って立ち向かった『使命』それこそが彼らの誇りであった。  体は覚えていた。命の限りを尽くした死闘の結...
  • サーヴァント・スミス-10
    日が沈みかけている。馬車は、やっとのことで学院へ着いた 途中、フーケの体に蜂が住み着き始めたり(ナランチャがこの世界で見るのはギーシュ以来の二度目である) ルイズの、タバサとの関係についてナランチャへの執拗な質問攻め 凄まじくルイズに追い詰められたナランチャが馬車から落ちたりした。 「なんで帰るだけで……あんな目にあうんだ」 「知らない」 「ルイズの所為じゃない。ねえ?ナランチャ」 「何よ!」 胸を張り合っても差は歴然である。 その差、見ていて悲しくなってくる だが、そんなルイズの手を握る小さい手。 「タバサ……」 「仲間」 タバサはナランチャとルイズという仲間を見つけた。 奇しくも、それは一組の使い魔とご主人であった。 仲間はずれにされた気がしてキュルケは隅っこで泣いた。 ...
  • 第一章 使い魔は暗殺者 中編
    第一章 使い魔は暗殺者 中編 リゾットとルイズが歩いて城に戻ると、すでに次の授業は始まっていた。 ルイズは渋々ながら使い魔を引き連れて次の授業に出席しようとしたが、リゾットはそれを聞いてあっさりと首を振った。 「悪いが、仲間たちの様子を見に行きたい」 その言葉遣いにルイズはご主人様に対する礼儀がなってない!  と叫んだが、リゾットは何処吹く風といった様子だったので、まあしょうがないわね、と許可を出した。 何しろ、これ以上遅れたら教師にどれだけ怒られるか分からない。 ルイズは近くを歩いていた黒髪のメイドに声を掛けると、リゾットを救護室まで案内することと寮の自分の部屋の場所を教えるように言った。 ルイズと同じ年頃のメイドはそれを礼儀正しく承ると、リゾットを連れて救護室へと向かった。 話は少し遡る。 まだリゾットとルイズが草原を歩いている頃、...
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