ゼロの奇妙な使い魔 まとめ内検索 / 「使い魔は刺激的-5」で検索した結果

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  • 使い魔は刺激的-5
    「ちょっと聞いてるの!さっさとどきなさい!!」 (うるさいわね。そもそも私はメイドじゃないわ) 「ルイズ、彼女は僕の使い魔なんだ。どう扱おうが君には関係ない」  無視されて業を煮やした少女がトリッシュに掴みかかろうとした時、代わりにマリコルヌが答えた。 「アンタの使い魔ですって?ああ、確かそうだったわね風邪っぴきさん」 「ミス・ヴァリエール、僕は『風上』だ。何度も言わせないでもらいたい」  いつもと様子の違うマリコルヌを気味悪がりながらも、ルイズは声を上げてマリコルヌと口論するが  食事前の祈りの時間になったので、トリッシュとマリコルヌを睨みつつルイズは抗議を止めた。 「「偉大なる始祖ブリミルと女王陛下よ。今朝もささやかな糧を我に与えたもうた事を感謝いたします」」  祈りの声が唱和される中、トリッシュは一人だけ皮肉気な笑みを浮かべながら並べられた料理を見...
  • 使い魔は刺激的-3
     朝!マリコルヌ・ド・グランドプレの新しき人生の始まりである!!  普段より二時間ほど早く起き、ベッドで未だ眠っているトリッシュを起こさぬように細心の注意を払いながら  タンスの奥深くに仕舞ってあった秘密の品を取り出してカバンに詰め込み、そっとドアを開いて廊下に  誰も居ないことを確認すると足音を立てないように歩き、寮を後にした。  朝もやが煙るトリステイン魔法学院の隅にあるヴェストリの広場まで辿り着き、周りに人影がないことを  何度も確認して広場の隅の地面に穴を掘り、部屋から持ち出したカバンを開ける。  カバンの中にはフリルの付いたドレスや、リボンに彩られたスカート等々、女物の服がカバン一杯に詰め込まれていた。  その一品一品を名残惜しそうに触りながら掘った穴へと放り込む。 「コレなんか手に入れるのに苦労したよなぁ」   手に持ったのは学院の女生...
  • 使い魔は刺激的-4
    「うわッ!なにコレ!メチャクチャ広いじゃない!」 「ここが『アルヴィーズの食堂』さ。みんなここで食事を取るんだ」  マリコルヌの後について歩きながらトリッシュは周りを見渡した。  絢爛豪華な装飾に眼を奪われつつ、マリコルヌから教師を含む貴族全員がこの場所で食事を取ると  説明される。トリッシュはこんな場所で食事を取ったことなど一度も無く、内心ドキドキしていた。 「さ!ここに座って」 「あ…うん」  マリコルヌが席を引きトリッシュを座らせると、その横の席にマリコルヌは座った。  他の貴族たちも続々と集まってきているが、トリッシュを見ると怪訝そうな顔をしてボソボソと  小さな声で周りの貴族と会話し、その内容がトリッシュにも聞こえていた。 「なんでメイドが座ってるんだ?」 「ほら、アレよ。昨日の儀式で……」 「平民なんだろ?…貴族と同じ席に座るなん...
  • 使い魔は刺激的-11
    「どう?平民に見下ろされる気分は?」  トリッシュの顔を見上げるルイズ。身体を動かそうとするが、なぜか地面に服が張り付いて動けない。 「マジでビビッたわ、アンタの魔法。マリコルヌがアンタのこと『ゼロ』って言ってたけど、  それってなんでも吹っ飛ばすから『ゼロ』って呼ばれてるのかしら?」  ルイズは悔しげに顔を歪ませトリッシュから視線を逸らす。ルイズが魔法の才能『ゼロ』だから  そう呼ばれていることをトリッシュは知らない。  「平民にまで………負けて……私は…」  ルイズの呟きをトリッシュは聞こえなかったのか、聞かないフリをしたのか、無視して話を続ける。 「さっきの演技も…騙されたわ。正直アンタが脚を狙わなかったら負けてたわね」  それも違う。本当は胴体を狙ったのに脚に当たった。魔法の成功率も命中率も『ゼロ』  ルイズは『ゼロ』とバカにする者たちの顔を...
  • 使い魔は刺激的-21
     地面から生えた手の前で石像のように立ち竦むモンモランシーの視界に、突如、ジェシカが  捕らえた男の一人に刺される場面が映し出された。 「な…なに?これって…」  それに驚いているうちに、ジェシカが男を突き飛ばして頼りない足取りでどこかへと向かう。  その方向は、今、自分がいる厩舎だ。 「い…いけない!」 『待て!行くんじゃない!!』   ジェシカの元へと駆け出そうとするモンモランシーをロビンが制止する。 (どうして?!ジェシカが危ないのよ!) 『落ち着くんだ。彼女ならまだ殺されない』 (なんでそんな事が判るのよ!) 『相手に殺す気があるなら彼女はもう死んでいる。もっと良く見るんだ』    ロビンは草むらに隠れながら二人の男達を見る。  一人は鍵を使って詰め所の中に入り、もう一人がゆっくりとジェシカの後を追う。 (どういうことよ?なん...
  • 使い魔は刺激的-10
     トリステイン魔法学院。その頂点に立つ老人、オールド・オスマンは地図を見ながら悩んでいた。 「ここが良いかの?それともここか?」  何枚もの地図を机の上に広げ、オールド・オスマンは難しそうに頭を悩ましていた。   地図を見る表情は真剣そのもので、彼を知る者たちが見ればド肝を抜かすであろう光景である。  オスマンが悩んでいると学院長室の扉がノックされた。 「誰かの?」 「私です。オールド・オスマン」  扉の向こうから聞こえてくるのは、彼の秘書であるミス・ロングビルの声。  オスマンは入室を促し、一礼してミス・ロングビルは学院長室に入るとオスマンの元へ歩み寄る。 「心は決まったかの?」  オスマンが語りかけ、ミス・ロングビルは頬を朱に染め恥ずかしそうに頷く。 「大切に……して下さい」 「おお、おお、勿論じゃとも」  オスマンはミス・ロングビルに近づきその身体を抱き寄せ...
  • 使い魔は刺激的-7
     結局、トリッシュはカッタル~と思いつつも授業に出ることにした。一人で居てもやる事もなく、暇だったからだ。  それにマリコルヌにドライヤー代わりに使わせた風の魔法以外も見てみたいと思っていた。  授業で使う教室は半円状の大学の講義室のような場所だった。周りを見渡すと他の貴族たちも使い魔を連れて  椅子に座り、思い思いに雑談している。トリッシュの通っていた学校の風景とさほど変わりはない。  ただ、プランターに植えられた猫のような植物、召使いのように脇に控え、時々主人を溶かす人型の生物、  コッチヲミロォーと叫ぶラジコン型の生物?、壁にもたれて椅子に座ろうとしない貴族の存在が、  ここが異世界だと言うことを物語っていた。  ……最後の貴族のことが気になったのでトリッシュは床に座っているマリコルヌに聞いてみることにした。 「ねぇ、あの貴族ってどうしてマネキンみたい...
  • 使い魔は刺激的-6
     マリコルヌめ……私にこんな服着せたのってやっぱり趣味なんじゃない。  まさか私を着せ替え人形みて~に考えてるんじゃあないでしょうね……ありえるのが怖いわ  それでも、自分で着ないってだけまだマシね。それだったら本当に最悪だわ。キモすぎ。  やっぱり彼も貴族ってことかしら?でも、彼って他の貴族と違ってとっても紳士だわ。  私を奴隷扱いしないってだけ、まだマシね。彼に呼び出されてラッキーって事なのかも。  でも、こう言う趣味ってどうなんだろ?普通に考えたら変態よね。OTAKUってヤツだわ。  それでも彼は紳士だし、それでいて変態って……紳士…変態…変態…紳士……?  変態紳士。なにか矛盾してる気がするけど、なかなか良いネーミングね。彼のニックネームにしよう。 『私のことを呼んだかね?』  呼んでないわ。アンタ誰よ?  それにしてもこの子…名前何て言...
  • 使い魔は刺激的-8
     昼食が終わり、トリッシュは一人中庭で椅子に座り紅茶を啜っていた。マリコルヌは今はいない。  モンモランシーと一緒に部屋に引き篭もるギーシュを呼びに行った為だ。  昼からの授業はなく、呼び出されたばかりの使い魔たちと親睦を深める時間に当てられている。  これもメイジとしての教育の一端なのだろう。  周りを見ると、猫のような植物に何かで打ち抜かれる者、溶かされて消えていく主人を笑う人型の生物、  ラジコン型の使い魔と追いかけっこをする者、背中を剥がされ死んでいく者など、午後の暖かな日差しが射す中庭で  それぞれが使い魔たちと楽しそうに遊んでいる。 「トリッシュ、お待たせ」 「や、やあ。コンニチワ」  マリコルヌとややぎこちないギーシュが手を振りながらトリッシュの座るテーブルへとやってきた。  目の前に座ったギーシュの頬が真っ赤に腫れていることにトリッシ...
  • 使い魔は刺激的-2
    トリッシュ。父親に命を奪われかけ、そして間接的ではあるがその父親を殺した少女  彼女は一人墓地に佇む。  彼女は死んだ母親の墓に全てが終わったことを告げ、立ち去るその時だった。 「なにこれ?」  彼女の行く手を遮るように現れた鏡のようなもの。それを見た彼女がまず考えたことは 「スタンドの攻撃?!」  彼女の父親はかつてイタリア全土に広がるギャングを率いており、それを倒したのは  彼女を救った組織の裏切者たちである。  現在はその仲間の一人がそのギャングのボスとなり君臨しているが、組織を手に入れてから日が浅く  未だ全てを手中にはしていなかった。  そして、自分たちがしたように組織を手に入ようとする裏切り者が動くには組織が混乱している  今が絶好の機会と言えた。 「スパイスガール!」  先手必勝とばかりに自身のスタンドを発現させ、鏡に向けて...
  • 使い魔は刺激的-1
    マリコルヌ・ド・グランドプレ――現在17歳、彼女なし、童貞 この物語は彼の熱き恋のHistoryである! 「ルイズの奴、平民なんか召喚してるぜ!」 「うるさいわね!この風邪っぴきッ!」 「誰が風邪っぴきだ!僕は『風上』のマリコルヌだぞ!」 「マリコルヌ君。時間がないですからちゃっちゃと済まして下さい」  落ちこぼれの同級生を茶化していた一人の生徒が教師に促される。  トリステイン魔法学院と呼ばれるこの場所は貴族の子息たちが集う学び舎である。  ただし、この学院で教えることは魔法学院の名の通り、この世界で絶対的権力を持つ  貴族たちのその立場を支える魔法と言う技術を教える場所であるのだ!  今日はその生徒たちの使い魔となり、そして彼らの今後を左右する重要な儀式  『サモン・サーヴァント』が行われていた。 「さて、『ゼロ』のルイズにこの『風上...
  • 使い魔は刺激的-17
     トリステイン魔法学院女子寮の一室。机の上に並べられた様々な花や青色の液体が満たされた壜などを  一つ一つ選別して慎重な手つきでフラスコに詰めると呪文を唱え杖を振る。  様々な材料が溶け合いフラスコから仄かな香りが漂い始め、その抽出された液体を小さな壜に移し変えると  手で風を送り、香水の出来を確かめる。  作り出された香りに眉を顰め、壜ごとそれを廃棄してからモンモランシーは溜息を吐いた。  『香水』の二つ名を持つ彼女は日課である香水作りを行っていたのだが、失敗続きに頭を悩ませていた。  何故失敗するのか?その原因を彼女は既に知っている。昨日召喚された使い魔の所為だ。  あの使い魔の仕草や表情を見ると心が弾む。幾ら追い出そうと思ってもあの顔が頭から離れない。  視線を横にずらすとガラスの水槽の向こう側から、一匹の小さなカエルが彼女を覗き込んでいた。  鮮...
  • 使い魔は刺激的-12
     トリステイン魔法学院開設以来の大惨事となった使い魔暴走事件より一夜明け、学院の教師たちは事件の  後処理に追われ、被害にあった生徒たちは、ある者は死に、又ある者は未だ治療を受け続け生死の境を彷徨う中、  中庭のテラスでのん気に紅茶と会話を楽しむ者たちがいた。  「いやあ~モンモランシーとデートの約束をしてね~。今度の虚無の日に街に出かけるんだよ~~」 「ギーシュ。それもう五回目だよ」 「聞いてないわよ、マリコルヌ」    声高く笑い嬉しさの余り顔が崩れているギーシュと、それを呆れた顔で見るトリッシュとマリコルヌである。 「でもさ、よく許してくれたわよね。普通は暫く顔なんか見たくないと思うけど」 「よくぞ聞いてくれた!実は全てヴェルダンデのおかげなんだよ!!」   トリッシュが嫌そうな顔で見ている事にも気付かず、ギーシュは顔を綻ばせ傍らに侍る巨大なモグラ...
  • 使い魔は刺激的-14
     ヴェストリの広場は昨日とは打って変わり熱気に包まれていた。 「諸君!決闘だ!」  薔薇の造花を掲げ上げたギーシュに呼応し、歓声が沸き起こる。 「頼んだぞ平民!オレ達の分までぶちのめしてやれー!」 「平民っ!ギーシュをぶっ殺せー!オレが『許可』する!!」 「お前の背中はオレ達が守ってやる!思う存分戦えーー!!」 「あ~~ん…頼もしいわ~。私のサイトさん」 「そのキレイな顔を吹っ飛ばしてやれーー!!」 「年齢=童貞を舐めんなーー!!!」  モテるギーシュに対する嫉妬と好きな子に告白をして「私、ギーシュ様が好きなの…御免なさい」と断られた  恨みによって、決闘ではなく処刑を期待する男達の怒号で広場は溢れかえっていた。  ちなみにギーシュのファンと彼氏彼女持ちの連中は、広場入り口でモテない男達によって阻まれている。 「お前…随分嫌われてるんだな」 ...
  • 使い魔は刺激的-9
     ヴェストリの広場。魔法学院の西側に位置する広場で、日中も薄暗く、それ故に人もあまり寄り付かない。  そんな場所に一人の少女と二人の少年が誰かを待ち受けるように佇んでいた。  少女は広場の中央で腕を組み、少年たちは離れてその様子を伺っている。 「……遅いわね」 「……遅いな」 「……遅いね」  中央で仁王立ちする少女の独り言に、そこから離れて佇む少年たちが答える。  彼女たちは決闘を行なうべく、そしてそれを見守る為に、決闘相手を待っているのだが  その相手が一向に姿を現さない。時間だけが緩やかに過ぎていく。 「……来ないわね」 「……来ないな」 「……来ないね」  10分程経過しても未だに相手は現れない。少女は今朝の決闘相手とのやり取りを思い出し、  また無視されたんじゃないかと少し不安になる。 「ひょっとしてさ……」  小太りの...
  • 使い魔は刺激的-15
     ヴェストリの広場に通じる道を少し逸れた場所に、いつ誰が作ったのかも知れない小さな花壇が存在した。  猫の額ほどに小さなその花壇は、元々人通りの少ない場所に作られた事もあって荒れ放題となっていた。  だが、その場所をある日一人の女性が偶然発見し、その女性の手により忘れ去られ荒れ果てていた花壇が  今では小さな可愛らしい花が人目を忍ぶようにひっそりと咲き、その女性の眼を楽しませていた。 「みんなは元気でやってるかねえ…」  貴族の屋敷ばかりを狙いその盗みの手口から『土くれ』のフーケと巷で騒がれている怪盗は、疲れた表情で  小さな花に囁きかける。  学院に眠る宝物を盗む為にオールド・オスマンに近づいて上手くこの学院に潜入したまでは良かったが、  オスマンのセクハラや日々の雑務で疲れ果てていた。  先日の使い魔暴走事件で眠りの鐘を使う様にオスマンに進言し、破壊...
  • 使い魔は刺激的-16
     アルヴィーズの食堂。一日の勤めを終えた貴族たちが会話を楽しみ和やかな雰囲気で夕食を取る最中  ルイズは唇を尖らせ、不満気な表情で前の席に座る者を見つめていた。 「それで『土くれ』のフーケって盗賊なんだけど…」 「貴族の家ばかり狙うなんて大胆ね。怖くないのかしら?」 「フーケもメイジよ。たぶん没落した貴族ね」  ルイズはトリッシュと楽しげに会話をするモンモランシーを見て嫉妬していた。  苛立ちを紛らわそうとサイトを蹴ろうと思ったが、主人の命令を聞かないダメな使い魔を躾けようと食事抜きで  部屋で留守番させていた事を思い出して尚更苛立った。 (なによ!朝だって!お昼だって!色々喋ってくれたのにっ!!)   ルイズはトリッシュに構って欲しくて何とか話しかけようとしているのだが、学院に入学してから一年が経つも  友人らしい者は一人も出来ず、周りには魔法が使...
  • 使い魔は刺激的-19
     モンモランシーが牢獄のように頑健な造りの荷馬車から攫われた女の子達を外に出し治療する中、トリッシュとマリコルヌが尋問すると言って、捕まえた男達を連れて消えていった藪の中から時折聞こえる。  悲鳴の様な唸り声に耳を塞ぎつつ、サイトは周辺に男達の仲間が居ないかを警戒する。 「あの……ありがとうございます。お蔭で助かりました」  おずおずと礼を言う、トリステインでは珍しい黒髪の少女にモンモランシーは優しく微笑んでそれに答える。 「ううん、気にしないで。あなたも酷い目に遭ったわね」 「いえっ!あ……あたしは大丈夫です!怪我も治してもらいましたから!」  そう言って少女は顔に手を遣る。モンモランシーの手当てにより男に殴られ腫れ上がっていた頬は後も残らず元通りに治っていた。 「おい、ちょっとこれ見てくれ」 「なに?どうしたの」  周りを見張っていたサイトがモンモランシーの傍に近づき...
  • 使い魔は刺激的-20
     左はトリステイン魔法学院へ、右は城下町へと通ずる分かれ道。  手綱を預かるジェシカは迷わず右の道へと馬車を進め、そっとモンモランシーを覗き見る。 「ん?なに」 「い、いえ!何でもないです!」 「そう」  馬車に乗り込んでからずっと、モンモランシーは眉間に皺を寄せてブツブツと何かを呟いていた。  ジェシカはそれが気になって仕方が無いのだが、あからさまに不機嫌なモンモランシーに  声を掛けて良いものかと思案する。 「あなた歳は幾つ?」 「え?あっあたし、えとえと、じゅ、16です!」  突然話しかけられて言葉を詰まらせながらも、何とかジェシカは答える。 「そう、私と同い年ね。…おかしいわ、絶対」 モンモランシーはポツリと呟き、眉根を寄せて目を瞑る。 「あはは…はは…は…」  ジェシカはその態度に何かマズイ事でもしたのかと、ここまでの道のり...
  • 使い魔は刺激的-22
     『商品』を治療する貴族の姿を、男は物陰に身を潜めてじっくりと観察する。  死角から覗いているので何をしているのか解らないが、おそらく治療を施しているのだろう。  あの『商品』を見捨てるのであれば、とっくに逃げて出している筈だが、その素振りもみせない。  致命傷には至らない場所に傷を与え、貴族の女に治療させる。  精神力を消耗させる為の策だったが、正直なところ如何でも良かった。  相手に恐怖を与えるのが本当の目的だったのだから。  自分が置かれた状況を考えるなら、『商品』を傷つけた者が誰なのかは明白だ。  そして、逃げてきた『商品』を追いかけて来ることも当然予測出来るだろう。  大抵の人間は逃げる。あの女も脇目も振らずに逃げると、そう思っていた。  だが違った。  自分に危険が迫っているような状況にも拘らず、意外にもあの女は『商品』を助ける方を選んだ...
  • 使い魔は刺激的-13
     気絶させたルイズを連れて中庭を離れて少し歩き、適当なベンチを見つけてルイズを寝かせ、  そして、その横に自分も腰を降ろし、痛む左脚を擦りながら一連の行動について考えた。  ルイズが香水の壜を拾う予想外の行動以外は全てギーシュの描いた筋書き通りに事は運び、目論見通りに  ギーシュはサイトと決闘をする事になった。しかし、何故ギーシュが猿芝居をしてまでサイトとの決闘に括ったのか?  打ち合わせで聞いてはみたが、言えないの一点張りで答えようとしなかった。  決闘については怪我をさせない。させても軽い怪我で済ませると言ったのでシエスタも渋々同意したが、どうして  相手に気を使ってまで決闘しようとするのか?トリッシュは色々と考えては見たが、結局答えは出なかった。 「いたいた。探したじゃないのよ!」  声のする方に顔を向けると、モンモランシーがこちらに走って向かっていた...
  • 使い魔は刺激的-18
     赤と青の双月が天蓋の如く世界を覆う夜。  夜闇に射す優しげな光を浴びながら、一台の荷馬車が車輪を響かせ目的地に向かって走っていた。 「アニキ~ちょこっとだけ良いスか~?オレッチもう我慢の限界なんスよ~~」  手綱を握り馬を走らせる男が、下卑た笑みを浮かべて隣に座る男を見る。 「手早く済ませろ。壊すなよ」  冷え切った眼差しを弟分に向けてそれだけを言うと、アニキと呼ばれた男は黙想する様に眼を瞑る。 「わかってまさぁ。優しく扱うんスよね?」  弟分の男は馬を止め、喜び勇んで荷台の鍵を開け積まれた『商品』を物色し始める。 「へへ…どいつにするかな……おっとコイツにするか」  男に怯えて震え上がる『商品』から一つを選び、嫌がる『商品』を殴って黙らせると、男は『商品』の髪を  掴んで引き倒し荷台を降りる。 「それじゃアニキ。パパッと済ませますんで」 ...
  • 使い魔は引き篭り
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  • 使い魔は勇者
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  • 使い魔は空高く
    第一章≪使い魔は立ち上がる≫ 一章一説 ~星屑は違う空に流れる~ 一章二節 ~ゼロは使い魔と相対す~ 一章三節 ~使い魔はゼロを見る~ 一章四節 ~使い魔は使い魔を知らない~ 一章五節 ~使い魔は血に慄く~ 一章六節 ~使い魔は千鳥足を踏む~ 一章七節 ~青銅は信念と錆に浮かれる~ 一章八節 ~ゼロは頭を下げない~ 一章九節~使い魔はとりあえず前を向く~ 一章十節 ~人間は一場には変わらない~(前編) 一章十節 ~人間は一場には変わらない~(後編) 一章十一節~微熱は平静を遠ざける~(前編) 一章十一節~微熱は平静を遠ざける~(後編) 一章十二節~おしゃべりは使い手を見初める~(前編) 一章十二節~おしゃべりは使い手を見初める~(後編) 一章十三節~土くれは機を逃さない~ 一章十四節~使い魔は上を向いて立ち上がる~(前編) 一章十四節~使い魔は上を向いて立ち上がる~(後編) 一章十五節...
  • 使い魔は静かに暮らしたい
    ■ パートⅠ 使い魔は静かに暮らしたい ├ 使い魔は静かに暮らしたい-1 ├ 使い魔は静かに暮らしたい-2 ├ 使い魔は静かに暮らしたい-3 ...
  • 各部キャラ
    一部 ~ファントム ブラッド~ ジョナサン使い魔波紋疾走 ジョジョとサイトの奇妙な冒険 ジョージ逆に考える使い魔 石仮面仮面のルイズ ブラフォード使い魔は勇者 ディオ・ブランドーおれは使い魔になるぞジョジョー! 二部 ~戦闘潮流~ ジョセフジョセフ 忘れえぬ未来への遺産 カーズ究極の使い魔 ゼロの究極生命体 シュトロハイムハルケギニアのドイツ軍人 シーザー割れないシャボンとめげないメイジ 使い魔の魂~誇り高き一族~ ワムウ風の使い魔 風と虚無の使い魔 ストレイツォストレイツォ 三部 ~スターダスト クルセイダース~ DIODIOが使い魔!? 承太郎スターダストファミリアー スターダストは砕けない ゼロサーヴァント・クルセイダーズ ンドゥール見えない使い魔 ペット・ショップゼロの番鳥 花京院法皇は使い魔 ゼロのパーティ メロンの使い魔 ヴァニラ亜空の使い魔 ホル・ホース使い魔は皇帝 エン...
  • 使い魔は灰かぶり
    使い魔は灰かぶり-1 使い魔は灰かぶり-2
  • 使い魔は天国への扉を静かに開く
    使い魔は天国への扉を静かに開く-1 使い魔は天国への扉を静かに開く-2 使い魔は天国への扉を静かに開く-3 使い魔は天国への扉を静かに開く-4 使い魔は天国への扉を静かに開く-5 使い魔は天国への扉を静かに開く-6 使い魔は天国への扉を静かに開く-7
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    目次 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。 トップページ メニュー 更新履歴 各部キャラ トリップ一覧 第一部 使い魔波紋疾走(ジョナサン) 逆に考える使い魔(ジョージ) 仮面のルイズ 使い魔は勇者(ブラフォード) ジョジョとサイトの奇妙な冒険(ジョナサン) おれは使い魔になるぞジョジョー!(ディオ・ブランドー) 第二...
  • 使い魔は皇帝<エンペラー>
    使い魔は皇帝1 使い魔は皇帝<エンペラー>-2
  • 使い魔は皇帝<エンペラー>
    使い魔は皇帝<エンペラー>-1 使い魔は皇帝<エンペラー>-2
  • 使い魔は勇者-1
    今は昔 一五六五年頃 王位継承を争った ふたりの女王がいた 一人は女王エリザベス一世 もうひとりは美貌の23歳メアリー・スチュアート ともにチューダー王家の血統を継ぐ親戚同士で タルカスと黒騎士ブラフォードはメアリーの忠実なる家来だった (中略) 二人は捕らえられた そして処刑されるその寸前聞かされたことは 「メアリーはすでに処刑した」 ふたりはこうして処刑された、強い恨みを残して処刑されたのだ タルカスは その筋肉が怒りのため硬直し首を切り落とすのに処刑人は 何本ものオノを折ったという ブラフォードは その長髪がどういうわけか 処刑人の足にからみつきにいくまでくい込んで 死んでいったという そしておよそ300年後吸血鬼ディオによりゾンビとして蘇ったブラフォードとタルカス ...
  • 使い魔は引き籠り-15
    オレは女の笑顔がこんなに怖かったのは初めてだね、マジに。 「さあイルーゾォ、別に怒ってなんか無いの。大人しくして、名前特技その他色々ありったけ全部吐きなさい」 だから杖を向けるなよ、畜生・・・・後ずさるまま部屋の隅まで追い込まれ、もう逃げ道はない。観念するオレ。 (イルーゾォ自身は気づく事すらないが、『コントラクト・サーヴァント』は彼の思考にある程度干渉し、 ことルイズに対し恐れは抱けど実際に拳を振るおう、という気を起こさせない。) ギーシュは(途中から共犯って雰囲気だったくせに!)帰還を喜ぶ恋人に抱きしめられてデレってるし まるっきり誘拐犯扱いのオレをメガネ女は感情の失せた目で見つめ、 反対に褐色肌の方はなにやら熱っぽい目で嘗め回す。(おい、好意的なら助けてくれよ!おいったら!) 「ほらッ!早く言いなさいよッ!!」 「はい!イタリアから来ましたイルーゾォ、特技は鏡...
  • 使い魔はゼロのメイジが好き
    使い魔はゼロのメイジが好き 第一話
  • 使い魔は勇者-2
    使い魔は勇者 「次にアンタは「ここは何処だ、お前は誰だ」と言うわ」 「ここは何処だお、前は誰だ・・・・ハッ!」 「ここはハルケギニアのトリステイン王国のトリステイン魔法学院よ そして私はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ ルイズ様と呼びなさい」 とりあえずルイズが2部ジョジョの真似をしたのかは内緒である 「ところでさっきの者達は空を飛んでここに帰ってきてたのだがお前・・・じゃなくてルイズ様 はどうして飛ばなかったのだ?」 「べ・・・別に魔法が使えないわけじゃないんだからね!」 実は使えないなんて口が裂けても言えないルイズであった 「それよりもなんで月が二つあるのだ?俺が今まで見た中では月は必ず一つだったぞ」 「月が一つ?頭がどうかしてるんじゃないの?月が一つしかない所なんてあるわけないじゃない」 ...
  • 使い魔は引き籠り-11
    私の使い魔はボロボロだった。 当たり前だ。ギーシュの『ワルキューレ』七体相手に、刃物一つで立ち回るだなんて冗談が過ぎる。 それでも彼は闘った。 脇腹や両腕から血を滲ませ、右脚を腫らし、けれどそんな事は気にもならないと言わんばかりに。 闘う彼は、まるで『今までずっとそうしてきた』程に自然だった。 闘いの中に日常を見出すような表情は、召喚した日に見た覇気の無い顔とも、私を拒否して逃げ回る態度とも全く違って 私は彼が判らなくなる。 イルーゾォは健闘虚しく、傷だらけで広場の中央に倒れ伏す。それを見て涙が零れた。 彼が見ておけと言ったのは、『死んでも屈さない』、とそういう事だったのだろうか? 対照的に無傷のギーシュが彼を笑った。彼のただ一つの武器を取り上げて、非を認め詫びろというのだ。 イルーゾォは当然のようにそれを断る。 彼の堅い意志を、ギー...
  • 使い魔は引き籠り-4
    時を同じくして場面は変わる。 「またミスヴァリエールのようですよ、オールドオスマン。ミス・シェヴルーズの『土』の授業中、錬金を失敗して爆発を起こしたようです。」 イルーゾォが即座に尻尾を巻いて逃げ出した爆発について、取り乱す事もなく冷静に報告する女性。 ミス・ロングビル、と名乗っている。 ルイズの級友(もっとも、お互いに意地を張って友人だと認めようとはしないが)の、褐色肌の少女キュルケ程ではないが 引き締まった身体は『出る所が出ていて』、知的な印象を与えるシンプルな眼鏡と相俟って随分に魅力的な女性だ。 彼女はこの学校で働く事になってから、まだ日が浅い。 それでも十分に慣れる程、『ゼロのルイズ』の『爆発』に関する噂は溢れていて、彼女の耳にも入ってきていた。 いや、それどころではない。 生徒同士噂をする場面にルイズが居合わせ、『サイレント』の魔法...
  • 使い魔はゼロのメイジが好き 第一話
    浮かぶ雲によって太陽が遮られた草原の真ん中で、少女は呆然と目の前の地面を見つめていた。 周りからは先程までの喧騒が消え、異様な静寂で満ちている。 何回も失敗を重ね、他の生徒に嘲笑されながらもやっと「サモン・サーヴァント」に成功した その少女、ルイズ・フランボワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールの前には、彼女が今召喚したばかりの使い魔がいた。 しかしその使い魔は、彼女が望んでいたドラゴンやサラマンダーなどの幻獣の類ではない。 また、烏や梟、猫や大蛇などの普通の動物でもなかった。 彼女が使い魔として呼び出したもの、そう、それは―――― 植木鉢に植えられた、一本の『草』だったのだ。 「…………何なのよ、これ」 彼女の呟きは、静寂の中を悠々と横切る風に流されていった。   使い魔はゼロのメイジが好き 第一話 何故使い...
  • 使い魔は手に入れたい-12
    朝食というにはあまりに重たい。 食堂の食事を見ながら改めてそう思う。これらを朝に食べるのは遠慮したいものだ。 どう見てもディナーだからな。 そう思いながらルイズの椅子を引く。 椅子にルイズが座ったのを確認して私も空いている椅子に座ろうとする。 しかし空いている椅子は無かった。前回座った場所にはマリコルヌが座っていたからだ。 「マリコルヌ。どうして朝早くから席に着いてたんだ?」 「べ、別にいいじゃないか」 マリコルヌは他の奴とそんな話をしていた。 そうか。昨日のことがあるから座られる前に座ってしまおうということか。 だからってそんなに早く座ろうと思わなくてもいいと思うがな。 しかしこれは好都合だな。なかなかいい言い訳になる。 そう思いながらマリコルヌの隣に立つ。 マリコルヌの体がビクリと震える。昨日のことを思い出したのだろう。 しかし今私は...
  • 使い魔波紋疾走-5
    教室は石造りのいわゆる階段教室だったが、部屋に入るサイズの物だけとは言え、使い魔となった 様々な生物が最後部に並んでいる所だけはジョナサンの「教室」の概念からかけ離れていた。 一部の使い魔はイギリスで見慣れた種類の動物なので猫だ烏だと見分けが付いたが、古代ギリシアの伝説やおとぎ話に出てくるような妖怪変化の類になると名前はおろか動物なのかどうかも外見だけでは分からなくなってくる。 ルイズは生徒用の席と立ち並ぶ使い魔、そしてジョナサンを何度か見比べてから、 「椅子に座ってなさい。あんた図体が大きいから立ってると他の使い魔の邪魔よ」 と自分の席の左隣を指差す。 「仰せのままに」 ジョナサンは大きな体を長椅子の端に押し込む。 ルイズがちらりと顔色を伺うが何を考えているかは掴めない。 その後数人の生徒が入ってきた後で、教師と思しき年かさの女性が入ってきた。 教師は「赤土」のシュヴ...
  • 影の中の使い魔-3
    サモン・サーヴァントの儀式の終わった日の夜、ルイズは眠ることが出来ずにいた。 目をつぶっても昼間に起きた出来事が頭の中を駆け巡る。気がついたら東の空から太陽が昇り始めている。 あの後使い魔が消えたことで最もショックを受けていたのは意外にもキュルケだった。 今まで見たことない素直さでルイズに謝ってきたのだ。正直どう反応すればいいか分からなかったので適当に流しておいたが。 ルイズが思いのほか冷静だったのは、自分の手元に召喚した奇妙な箱が残ってたからだ。 今はもう火は出てない。あの時の騒ぎで気づいたときにはもう消えていた。だが壊れたわけではないようだ。 たぶんこの箱から火を出せば再びあの使い魔は現れる。 そして再び私を襲うんだろう。向こうはこっちの事を主人と認識してないようだ。 「あ~もう。どうしよう」 思わずつぶやく。が、そういいながらも心の中ではひと...
  • 影の中の使い魔-4
    半壊になった教室をルイズは一人で掃除していた。 姿をくらました使い魔をどう叱ろうか授業中ぼんやり考えていたら 教師に目を付けられ、錬金の魔法を前に出て実践することになったのだ。 結果を一言で表すなら、惨劇が起きた。自分で言うのもなんだが日々破壊力に磨きがかかっている気がする。 実はキュルケが掃除を手伝おうかと言ってきたのだが断っておいた。 どうせ裏があるに違いないと思ったからなのだが よく考えたらキュルケは、ルイズに使い魔がいないのは自分のせいだといまだに思っているようなのだ。 そう考えると無下に断ったのは逆に悪かったかもしれない。実際はルイズの使い魔はピンピンしているのだから。 まぁもう少し黙っとこう。そのほうがおもしろい。 そう、それよりも問題はブラック・サバスのほうだ。 もし他の生徒が同じ事を言いつけられたら、使い魔にでも手伝っても...
  • 第一章 使い魔は暗殺者   前編
    第一章 使い魔は暗殺者   前編 リゾットは怒っていた。心の底から。頭のてっぺんを突き抜けるような怒りを、不甲斐ない自分に感じていた。 ――オレは…何一つとしてっ、仲間と交わした誓いを果たすことが出来なかったっ!! それが、リゾットの怒りの原因だった。 ボスを殺すこと。 栄光を掴むこと。 仲間たちと約束したことを、リゾットは何一つとして叶えることが出来ず、無様に死んでいく自分が、リゾットはこの世で一番許せなかった。 誇りを傷つけられ、栄光を掴もうと誓った。 けれど、全ては無駄に終わってしまったのだ。自分たちの反乱は、挫折した。 誰が悪いのではないだろう。強いて言うのならば、運が無かったとしか言えない。 戦いに勝つには天の時と地の利と人の和が必要だと言われている。 地の利と人の和は同等だった。けれど、天の時はブチャラ...
  • 使い魔は皇帝1
    季節は春。 ここはハルケギニア大陸にあるトリステイン王国の王立トリステイン魔法学院。 その広場では年に一度の使い魔召喚の神聖なる儀式が行われていた。 そして今その儀に向かっているのは、ルイズ・ド・ラ・ヴァリエール。 桃色がかったブロンドに白い肌、鳶色の目を持つ可憐な少女である。 だがそのルイズは今かなり焦っていた。 なぜなら使い魔を召喚する魔法『サモン・サーヴァント』を、もう3回も失敗していたからである。 「やっぱりルイズには無理なんだよ!」 「なんたって成功率『ゼロ』のルイズだもんなー!」 周りからのそんな野次にルイズは気丈に言い返す。 「黙ってて!集中が乱れるでしょ!」 そして五たび呪文を唱えだす。 (今度こそ……お願い!!) だが願い虚しく、またも大きな爆発が起きてしまう。 (……ああ……やっぱり、私、ダメなのかな…………) 五連続の失...
  • 味も見ておく使い魔
    味も見ておく使い魔 第一章『味も見ておく使い魔』味も見ておく使い魔-1 味も見ておく使い魔-幕間 味も見ておく使い魔-2 味も見ておく使い魔-3 味も見ておく使い魔-4 味も見ておく使い魔-5 味も見ておく使い魔-6 味も見ておく使い魔-7 味も見ておく使い魔-8 味も見ておく使い魔-9 味も見ておく使い魔-10 第二章『戦争潮流』味も見ておく使い魔-11 味も見ておく使い魔-12 味も見ておく使い魔-13 味も見ておく使い魔-14 味も見ておく使い魔-15 味も見ておく使い魔-16 味も見ておく使い魔-17 味も見ておく使い魔-18 味も見ておく使い魔-19 味も見ておく使い魔-20 味も見ておく使い魔-21 味も見ておく使い魔-22 味も見ておく使い魔-23 味も見ておく使い魔-24 味も見ておく使い魔-25 味も見ておく使い魔-26 第三章『ポイントブランク』味も見ておく使い魔 第...
  • 使い魔は静かに暮らしたい-11
    この世界に来て1週間ほど経っている。私の周りは最初に比べて随分静かになった。 周りが慣れたのだろう。ルイズも私に文句は殆ど言わない。私が言われたことをすべてこなしているからだ。 ルイズが寄越す食事は相変わらず貧相だが問題は無い。厨房に行けば食事には困らないからだ。 決闘の次の日、シエスタと共に厨房に道具を勝手に使ったことを謝りに行ったのだが、まるで英雄のような扱いを受けたのだ。 コック長のマルトーは貴族と魔法が嫌いらしく、私が平民でありながら貴族を倒したいうことで、 私のことを『我らの剣』といい道具を勝手に使ったことは笑って許してくれた。 厨房に出入り出来なくなるのが困るから謝りに行ったのだがいい成果が出たものだと思っている。 そのおかげでうまいものが食べられるからだ。 ルイズに買ってもらったインテリジェンスソードはデルフリンガーという名前らしくよく喋るがこ...
  • 使い魔は静かに暮らしたい-20
    パートⅡ   使い魔は今すぐ逃げ出したい 宝石店に行く。勿論彼女も一緒だ。 なぜならば彼女ために指輪を買いに来たのだから。 彼女は美しいが指輪で着飾れば益々美しくなるだろう。 美しい彼女との一時はとても楽しい一時だ。 彼女と語らい、触れ合い、一緒に寝て、一緒に起きて…… そんな想像をするだけで頬がにやけてしまいそうになる。そして彼女が一つの指輪を指し示す。 「ん?この指輪がいいのかい?」 それはあまり飾り気のない安い品物だった。 「何を言ってるんだ。君はこれが相応しいよ」 そう言って彼女の指に似合いそうな高い指輪を指差す。 「何、遠慮することはない。とてもよく似合うよ。君は値段なんか気にしなくていいんだ」 しかしそれでも彼女は遠慮しているようだ。 「よし、これにしようね」 そう言って強引に買ってしまう。 「指のサイズはわかっ...
  • 使い魔は静かに暮らしたい-24
    しかし意外だな。ルイズの家は王女と交流があったのか。 ということは王族と交流があるってことだな。貴族の中でも地位は高いんじゃないか? そんな家柄で魔法が使えないのは結構やばくないか?家族でも厄介者扱いされてたりしてな。貴族ってプライドは無駄に高いからありえるな。 だから貴族に拘ってるのかもしれないな。私には関係ないがな。 「結婚するのよ。わたくし」 色々考えているとそんな言葉が聞こえ現実に戻ってくる。へぇ、王女は結婚するのか。 「……おめでとうございます」 先程までの楽しそうな雰囲気は霧散しルイズは沈んだ口調で言った。何故だ?王女が結婚するんだったら普通喜ぶものだろう? つまり何か事情があるってことか。なるほどね。 突然王女が今気づいたという風にこちらを見る。気づいてなかったのか? 「あら、ごめんなさい。もしかして、お邪魔だったかしら」 「お邪魔...
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