衛星土地イェツィラーの都市『シガタケ』
新生土地「ウラノス」群の中でも土台たる大地が一際大きい都市。
写真上を飛行する移動用大型船『ノア』が各ウラノスを行き交う以前は、背中から生えた翼でそれらを行き来していた。
この情景は大地を天に上げてから比較的最近のものであり、中世西洋風の外観が見てとれる。
来るべき聖戦の準備を始める以前はこれほどにまで平凡で平穏で平和な場所だったことが窺える。
華奢な腕には似つかわない鞄を持った天使の少女は、何を想い、何処へ向かおうとしているのか。
『今日、家の倉庫の整理をしていると、一枚の写真が目に入った。
紙媒体の癖にやたらと保存状態が良かった。この写真を収めていた入れ物の所為だろうか。
それにしても綺麗な娘だ。
家の倉庫にあったってことは、家のご先祖さんなのか? まぁ、これも何かの縁と思って、記念に貰っておこう。
ただ、左下に書かれた文字が気になる。「2011年4月20日、シガタケ」 と読むのだろうか。どこだ?』
―――天界の青年エルビスの日記より
最終更新:2015年06月13日 12:28