【クラス】
アヴェンジャー
【真名】
スキュラ@ギリシャ神話
【属性】
混沌・悪
【パラメーター】
筋力:A++ 耐久:B 敏捷:C+++ 魔力:A 幸運:E 宝具:A
【クラススキル】
復讐者:B
復讐者として、人の怨みと怨念を一身に集める在り方がスキルとなったもの。怨み・怨念が貯まりやすい。
周囲から敵意を向けられやすくなるが、向けられた負の感情はただちにアヴェンジャーの力へと変わる。
忘却補正:A+
人は忘れる生き物だが、復讐者は決して忘れない。
時がどれほど流れようとも、その憎悪は決して晴れない。たとえ、憎悪より素晴らしいものを知ったとしても。
忘却の彼方より襲い来るアヴェンジャーの攻撃はクリティカル効果を強化する。
自己回復(魔力):A+
復讐が果たされるまでその魔力は延々と湧き続ける。魔力を微量ながら毎ターン回復する。
ニンフとして生まれ持った神秘に加えて魔女キルケ―の毒を身に宿し続けるスキュラは最上級の回復力を誇る。
【保有スキル】
怪力:A
魔物、魔獣のみが持つとされる攻撃特性。使用することで一時的に筋力を増幅させる。一定時間筋力のランクが一つ上がり、持続時間はランクによる。
スキュラの場合、使えば使うほど魔獣化が進行してしてしまう。具体的には触腕の数や犬の首の数が増えたりするなど。
変転の魔:B+
英雄や神が生前に魔として変じたことを示す。
過去に於ける事実を強調することでサーヴァントとしての能力を著しく強化させるスキル。
スキュラの場合、人の身では絶対に不可能なランクの筋力に到達し、水上・水辺においては敏捷も超常の域に達する。
なお怪物である犬の頭は一つ一つがスキュラとは別の思考を持つため、このスキルもスキュラの完全な制御下ではないといえる。
一応スキュラは犬の頭を『私(スキュラ)』と呼び、自らの一部かつペットのようなものとして従えてはいる。
精神異常:B
精神を病んでいる。バーサーカー化による狂化ではなく、恐れを知らなくなる精神的なスパーアーマー。
どのくらい恐れ知らずかというと大英雄であるオデュッセウスやヘラクレスに躊躇なく襲い掛かり、ヘラの加護がなければアルゴノーツすらも襲撃していたくらい。
怖れ、怒り、魅了、憐憫その他いかなる精神的な事象があろうとも彼女がそれに囚われ攻撃を戸惑うことはない。
耐毒(偽):A
疑似的な毒への耐性。同ランク以下の毒・薬などによる干渉を無効化する(例外あり)。
キルケ―の毒に侵され生涯それを癒せなかった彼女の体は、キルケーの毒以上に強力な魔術や薬でなければ元に戻ることはなく、変質することもない。
ただし怪物の姿に直すことに限ればこの限りではなく、例えば回復魔術を受ければきちんと傷は治り、『元通り』怪物の姿へと戻る。
このスキルを超えられる例としてはキルケ―の弟子が持つ『あらゆる契約を破戒する』『あらゆる傷を癒す』といった特級の魔術が挙げられる。
魅惑の肢体:-
ニンフとして生まれ持った魅力的な容姿と体。
多くの神々を惹きつけたスキュラのそれは高ランクの魅了スキルとして機能したのだが……
キルケ―の毒によって肉体的にも精神的にも怪物になったことでこのスキルは失われた。
一応だが、彼女の下半身が水棲生物の触手になっているのが水精としての名残ではある。
【宝具】
『禁断なる讐宴(メタボ・スキュラーズ)』
ランク:C- 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1人
キルケーの毒を身に受け、キルケーの工房近くで潜み続け、キルケーの食撰を受けた動物(ひとびと)を喰らい続けたスキュラはキルケーの心象風景の一部を侵すまでに至った。
無銘の英雄が固有結界の一部を投影として現実に溢すように、征服王が臣下を呼ぶように、キルケーの固有結界、メタボ・ピグレッツより流れ出たもの。
召喚の固有結界、その傍流。メタボ・ピグレッツがピグレットを産む宝具であるように、メタボ・スキュラーズはスキュラを産む宝具である。
スキュラの体の一部を取り込んだものは、その血に残るキルケーの魔術の名残によって怪物と化し、スキュラと同ランクのスキル:精神異常と復讐者を獲得、スキュラの怪物部の意思に従うようになる。使い魔のように使役されるほか、固有結界に取り込んで保存することも可能。イメージはネロ・カオスの獣王の巣。
魔力ステータスによって抵抗判定を行うほか、天性の肉体や頑健など肉体の変質に耐性があるものならば無効化できる。
『牙をむく獣の数字(アドベント・ビースト)』
ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:1~5 最大捕捉:1~6人
ヘラクレスからゲリュオンの牛を、オデュッセウスから6人の部下を奪って食い殺した逸話の再現。
戦闘開始時において保持する犬の首の数だけ先制攻撃権を獲得する。
ただしヘラクレス、オデュッセウス本人を攻撃できなかった逸話の再現により、攻撃のターゲットの優先順位は必ずマスター<サーヴァント<その他で決定される。
『泡沫の如くは消えず、泡禍の如く暴れ(バブル・ぺリル・ヒア)』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:0 最大捕捉:1人
復活宝具。ヘラクレスに殺された後も活動を続け、最期はアイアイエー島近海で岩礁になっていたという逸話の再現。なぜ生き返ったのか本人は覚えていない。
霊核破壊後に一度だけ再生し、スキル:単独行動をランクEXで獲得する。ただし復活後はスキル:精神異常のランクがターンごとに向上していき、最終的には意思疎通不可能な怪物へと堕ちる。それでもスキル:忘却補正によりキルケ―への怨みだけは忘れないだろうが。
この宝具発動後に死亡した場合、消滅せずに岩礁として残り続ける。
なお岩礁となった後も宝具『禁断なる讐宴(メタボ・スキュラーズ)』は機能しており、岩礁の欠片などを摂取してしまえば怪物となる。
【weapon】
初期装備はなし。
なお登場話時点で、神狩屋によって怪物にされた人だったモノを宝具『禁断なる讐宴(メタボ・スキュラーズ)』により使役している。
【外観】
上半身は美女、下半身は水棲生物の触腕が12本(烏賊や海月のものが混在)と6頭の犬の前半身。テーマはありったけの悪意を込めて描かれた人魚姫。
クリュティエ・ヴァン・ゴッホの人間態をロングヘア、豊満にして下半身から怪物を生やしたイメージ。
アニメデビルマンの妖元帥レイコックみたいな。
なおあまりに特徴的なため、大多数の英霊・魔術師は一目で真名を看破すると思われる。ケイローンのように下半身を人型にするなど、彼女には夢のまた夢である。
【人物背景】
冒頭の語った通り。スキュラ、とは犬の子を意味する名である。
美しいニンフとして生まれ、多くの男を恋に落とし、その想いに応えることはなかった。美しいことが罪ならば彼女はとても罪深いオンナといえるが……
ある時海の神の一柱グラウコスも彼女に恋をし、懸命に愛を説くがスキュラを射止めることはできなかった。
何とか思いを成就したいグラウコスはキルケーに力を貸してほしいと頼んだのだが、キルケ―の方がグラウコスに恋をしてしまう。大魔女ェ……
そしてグラウコスがキルケーの想いに応えないと彼女は激高するが、恋焦がれる相手を害する気にはなれず、恋敵を貶めようとスキュラに毒を盛る。
その毒によりスキュラの半身は醜い怪物となり、毒を盛ったキルケーにも怪物になったスキュラにも愛想をつかしたグラウコスは二人との関係を断つ。
怪物となったスキュラは怒り狂いキルケーに復讐をしようとするが、腐っても大魔女であるキルケーの工房であるアイアイエー島に招かれざる者、それもキルケーの毒を受けて変質するモノごときが侵入することはできるはずもなく。
スキュラはアイアイエー島近海を通るものを無差別に襲う化生として語られるようになり、多くの旅人や船を沈めたという。
……ある時、ゲリュオンの牡牛を連れ帰るという十二の試練の一つを遂行するさなかのヘラクレスがスキュラの潜むオケアノスを通過しようとしたところ、彼にも襲い掛かり牡牛を食ってしまった。
当然ヘラクレスは怒り狂い、弓矢でスキュラを射殺すのだが、彼女のことを不憫に思った父である神ポルクスが彼女を蘇生させる。残念ながら怪物のまま、だが。
ヘラクレスに殺された後も災害の如く怪物として暴れるスキュラ。
アイアイエー島にギリシャ神話の英雄が多く集った――彼女をかつて殺したヘラクレスも乗っているし、船員はヘラクレスの認める強者ばかり――アルゴノーツが通りがかった際にも襲撃を試みるが、事前にヘラの加護受けていたアルゴノーツはこの難を避けることに成功する。
さらに時は流れ、今度はトロイア戦争から帰国する英雄オデュッセウス一行が通過する。
彼らにも襲い掛かり、船員6名の命を奪うもオデュッセウスの反撃にあい犬の首を斬りおとされる。
なお、オデュッセウスは事前にアイアイエー島に立ち寄り、キルケーからスキュラのことを事前に聞いていたので、犠牲は出るが勝機はあるとスキュラの元を通過することを選んでいた。大魔女の出航の助言である。
オデュッセウス一行の後に、トロイア方の英雄アイネイアス一行が付近を通ったが、オデュッセウスの反撃が致命となったのだろう、その時既にスキュラは岩礁と化した後だった。
理不尽に怪物にされたものが、理不尽に襲い掛かる災害へと転じたモノ。
恐らくはヘラクレスにもオデュッセウスにも無銘の旅人にも平等に襲い掛かる水難の擬人化ならぬ擬獣化が原典であろうが、今回はそれを「憎しみに囚われ犠牲を顧みなくなってしまった、被害者であった加害者」と解釈した。恋をしなかった、できなかった間桐桜属。
【サーヴァントの願い】
キルケーを惨たらしく殺す。
最終更新:2022年05月26日 23:48