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「死ね」
「貴様の居場所など社会の何処にもない。受け入れてくれる場所があるのならば教えてくれ。俺が死ねと言っておいてやる」
【クラス】
バーサーカー
【真名】
モーモス@ギリシャ神話、神統記、イソップ寓話
【属性】
秩序・悪
【ステータス】
筋力:C 耐久:C 敏捷:C 魔力:A+ 幸運:A 宝具:EX
【クラス別スキル】
理性蒸発:C
理性が蒸発している。論理が破綻し、常識に照らし合わせて整合性も解決力も何もない提案をベラベラと口にしまくる。
何も考えず、言いがかりを超えた言いがかりや批判、非難を口にしまくると言う形で当該スキルは現れている。
……バーサーカー以上の狂気的な思考や思想に直面した時、このスキルの効果は一時的に消滅する。
対魔力:A+
A+以下の魔術は全てキャンセル。事実上、魔術ではバーサーカーに傷をつけられない。
【固有スキル】
神性:B
神霊適性を持つかどうか。
本来であればギリシャ神話に連なる正統な神の一柱であるが、聖杯戦争上の制限によって、ゼウスによってオリュンポスを追放された時の姿で召喚されている為、ランクが落ちている。
非難の権能:A+
またの名を、論駁、批判の権能。バーサーカーが神霊として保有する権能がスキルとなったもの。
バーサーカーには相手の主張や発言の矛盾点及び、築いた論理の構造的欠陥が、『視覚的に映っている』。
本来はこの、視覚に訴えかけられている矛盾を指摘する事で、相手を論破するのであるが、上述のようにこのクラスのバーサーカーは馬鹿なためこれを行おうとしない。
批判をする、矛盾を突くと言う行為を司る事に付随して、極限域の話術・扇動・天賦の見識・人間観察のスキルを極限域のランクで複合しているが、これも役に立てようとしない。
高速思考:A+++
論理を筋道立てる力。量子コンピューターなど一笑に付すほどの高い思考速度を誇るが、これも利用しようとしない。
星の海を渡るもの:E
オリュンポスの神々の標準搭載スキル。
星の力を持つ英霊に対し、特攻の効果を付与するが、セファールとの戦いによる真体(アリティア)の喪失と、バーサーカーは神の座を更に追放されているので、ランクは最低クラス。
【宝具】
『汝、星を正す論破(ターンザフリップ・クエレッラ)』
ランク:EX 種別:対人・対論理・対計画宝具 レンジ:1~∞ 最大補足:1~∞
バーサーカーが保有する、非難の権能。その、最大開放。
宝具の内容は単純で、上述の非難の権能の力を用い、全力で、相手を批判する。ただ、それだけである。
問題は、これ自体が、『極めて高度な精神攻撃』としての側面と、極めて卓越したバーサーカーの弁論術としての側面が有されていると言う事である。
防御には高い精神防御スキルもそうだが、バーサーカーの弁舌に対抗する為の思考力、バーサーカーの限りなく正論に偽装された詭弁を認識出来るだけの知性が必要になる。
以上三つの内、どれか一つでも足りないだけで、この宝具は防御不能。相手は一時的に心神喪失状態に陥り、まるっきり隙だらけの状態となる。
この時言い放つ事は、別に全くの『嘘』や、『無から生えて来た捏造の矛盾』でも良く、この場合でも、上述のように精神防御・思考・知性によるダイス判定が必要。
但し、相手をまくし立てる時の論拠や根拠がまるっきりの嘘や出鱈目からくるものである場合は、その嘘や出鱈目の度合いが大きすぎるものであるほど、宝具の成功率は低くなる。
――上述の効果は、これを『人』に対して行った時の物に過ぎない。非難や批判は、人に対するものとは限らない。相手の理論や計画に対しても、ケチは付けられる。
この宝具は『現在進行形で成否が決まっていない』、或いは『世界的に正当性が認められていない』計画や理論に対しても発動が可能なのである。
この場合バーサーカーが、『この計画は此処が間違いだ、この理論はそこがダメ』と指摘した時、『無からバーサーカーが口にした構造的欠陥が発生する』。
発生した構造的欠陥及び矛盾点は、他のサーヴァントやマスター、NPCでも突く事が出来るものであり、勿論、その時与えられる口撃やダメージ次第では、計画や理論が破綻する。
当該宝具によって発生した矛盾や構造欠陥によって破綻した計画や理論は、その矛盾や欠陥を改善させない限りは全てその『再現性を失い、二度と成功する事は叶わなくなる』。
理論上は聖杯戦争すらも解体させ再現不能にする事も可能な宝具であるが、バーサーカーはそもそも聖杯戦争自体を『欠陥だらけのクソッタレうんこ計画』と認識しているので、今更この宝具で批判するまでもないと思っている。
これだけ聞けば強力な宝具に聞こえようが、弱点がある。
先述したように、この宝具は世界的に正当性が認められている理論については意味がない。光より速く動けるものはないだとか、熱力学の諸々の法則などが、これに該当する。
次に、計画に対して作用させる場合、バーサーカー自身がこれを『何かしらの計画だ』と、スケールを認識する必要がある事。
また当然の事ながら、既に達成されている計画についても、矛盾の発生は不可能である。そして、理論や計画に対して影響を及ばせる場合、魔力消費が多大に発生する点。
勿論、発生させる矛盾の度合いや致命性によって、消費する魔力量は乱高下する。
――極めつけが、この宝具が非難、つまり、批判の延長線上の宝具である、と言う事は、『改善の余地』が発生すると言う点でもある。
この宝具によって産み出した矛盾や構造欠陥を補強、改善された計画や理論には、次回以降、この宝具の成功率が格段に落ちるばかりか、計画や理論そのものの成功率や正当性が跳ね上がる。早い話が、相手に相手に塩を送るだけの結果に終わる可能性が、出て来る事になる。
使い方によっては、相手のプランニングを台無しにする事も、また、台無しにされた計画を改善された状態で練り返され、こちらの目論見がご破算になる事もある。まさに、ちゃぶ台返し(Turn the flip)そのものの宝具。
【解説】
モーモスとは、ギリシャ神話に登場する神の一柱である。非難や皮肉を司る神とされ、ローマ神話に於いては、非情と悲哀を司る神である所の、クエレッラと同一視される。
夜の女神ニュクスが単性生殖によって産み出した神であると言われており、兄弟姉妹の中には死の神であるタナトスや眠りの神ヒュプノス、運命を司るモイライ三姉妹などがいる。
アキレウスやオデュッセウス、パリスにヘクトールなどが活躍する大戦争、トロイア戦争はこの神格によって引き起こされたと言われ、
曰く、人類の数が増え過ぎた為に洪水か稲妻で人類を殺して間引きしようと考えていたゼウスに対し、女神テティスとペーレウスの結婚によって絶世の美女ヘレネーの誕生させ、これによる不幸で大戦争を起こし、人間の数を減らすことを勧めた、とされる。
真体機神降臨
Μῶμος
その正体は原作に於ける他のギリシャ神話に於ける神格同様、元をただせば星間航行船団の一機。数多いる機械の宇宙船の一つに過ぎなかった。
当該個体の役割は、『議論用高速演算艦』。ヘファイストスやプロメテウスの艦隊に属する護衛・補助艦であり、理性が蒸発した現在でも、彼らの事は同志として認識している。
永年の時間を必要とする宇宙航空に於いて、その状況は刻一刻と変貌して行き、その中には、既存の航空プランでは任務の遂行に支障が出たり、
艦隊に致命的な損傷を負いかねない外敵の出現をも、予測せねばならない時が当然やって来る。当然、彼らは問題が起こってから対処するのではなく、事前に防ぐ為に対策を行うのである。
その、対策の為の論議や議論の時に、モーモスが活躍する。即ち、議論が熱を帯び始めた時にクールダウンを促したり、でて来た意見に対する問題点の指摘、
メリットのピックアップ、対案の提出などを、一時に行うのである。とどのつまりモーモスの役割とは、艦どうしの議論に於いて、これを潤滑にさせる為の議長(チェアマン)であり、結論の洗練を促す野党なのだ。
モーモスは他の艦からの信頼も篤く、知恵者や参謀としての地位を欲しいがままにしていた。
地球上に降り立った後もこれは同じで、慣れない環境に於いて、如何にすれば良いのか、と言う議論が起こった時も、適宜適切な意見を出していた。
だが、セファールの襲来によって、他の艦同様に、モーモスは真体を失い、それどころか、自らの処理限界を越える程の過負荷をこの戦いで常時与えられたせいで、
アバター体にすらも致命的なエラーが起こってしまう。明らかに常識的な意見にも皮肉や批判を投げかけ、そしてその対案や対処法についても滅茶苦茶。
早い話が、『馬鹿』になってしまったのである。このサーヴァントの理性蒸発は、セファールとの戦いによる処理オーバーに由来する。
嘗ての切れ者としての面影はなくなり、他のアバター体に絡みまくり、そのウザったらしさの故に、遂に追放されてしまい、その後は、飽きるまで色んなところを旅し、
至る所でトラブルを引き起こし、ゼウス達他のオリュンポスの神々が世界の裏側に隠れたのと同じタイミングで、モーモスもまた、何かに飽きて裏側に旅立ったと言う。
上述のようにセファールとの戦いによって、嘗ての議論用高速演算艦としての面影は消え失せているが、あるタイミングでかつての姿を取り戻す事がある。
それこそが、モーモス以上に狂っている理論や計画、人物に出会った時である。これは嘗ての『狂いや矛盾、構造欠陥を許さないしこれの放置に堪えられない厳格な性格』が、
根っこの部分に残っている為であり、この時の性格やプログラムが、あり得ない程破綻した理論や計画、狂気に直面した時に呼び起される。
ゼウスが人類を間引きする為にケラウノスやポセイドンの権能を用いようとした時に、トロイア戦争を引き起こせと計画したのは、
余りにもゼウスが人の心がなく、大虐殺にしかならないレベルのダメプランを計画したからであり、この時ばかりは正気を取り戻して、まだマシな方の計画を提言した、と言うのが真実。
トロイア戦争の当事者からすればモーモスは、戦争の元凶としか見えないし実際その通りであるが、実際上は、やがて反映するであろう人類の存続の為に知恵を絞っていたのであった。
【特徴】
マイクロビキニを身に着けた、銀髪の美少年だった。倒錯が過ぎますね。
ファスナーを下ろしきったホットパンツに、体格相応に合わせたフライトジャケットを身に着けていて、理性蒸発してからはずっとこの服装。勿論蒸発前はもっとまともな服装であった。
蒸発前のモーモスは極めて厳格で神経質な性格をしていて、他の艦達が計画したプランの矛盾点を詰めまくり、長時間説教した挙句、最終的に没にする為、
彼が計画の審査をする時は大変に恐れられていた。流れるBGMはダースベイダーの奴。勿論これは当時の人間達にも遺憾なく発揮されていて、
モーモスに信託を乞うた巫女達は、彼にその正当性を要求されるわ、それがないと解ると長時間なじられるわで、バチクソに巫女達はギャン泣きしまくった。
だが、最終的に地上の覇を握るのはこの人間達であろうな、と言うのは当時の時点で、ヘファイストスやプロメテウスの二柱と意見の合致を見ていて、
此処まで厳しかったのは、霊長の頂点に立つ為の試練的な側面があったと言う。今の人間の文明レベルは、多少マシになったが、まだ詰められる、まだ盛れる、との事。
【聖杯にかける願い】
特にはない。マスターの馬鹿がいてくれ、と言うからいるだけだ。
最終更新:2022年05月27日 21:25