【クラス】
アサシン
【真名】
サンタ・ムエルテ(ミクトランテクトーリ)@サンタ・ムエルテ信仰、カトリック、アステカ神話
【属性】
混沌・悪
【ステータス】
筋力:C 耐久:B 敏捷:C 魔力:A 幸運:EX 宝具:EX
【クラス別スキル】
気配遮断:B
サーヴァントとしての気配を絶つ。完全に気配を絶てば発見することは非常に難しい。
【固有スキル】
対秩序:EX
社会を維持する為に必要な秩序、規範、法観念、掟。そう言ったものに対するアンチテーゼ、それこそが、アサシンである。
売春、麻薬売買、密猟、密造、殺人、誘拐、臓器売買……。人間社会に於いて罪であり、悪徳とされる、ありとあらゆる悪事を司るアサシンは、このスキルを規格外とも言うべき値で保有する。
属性が秩序、或いは善属性の物に対しては、己の保有する攻撃の全てに特攻がのるようになり、各種精神干渉・状態異常の付着率が向上する。
但し、このスキルは決して秩序の側に対してアサシンだけが有利に立ち回れると言うだけのスキルではない。
反秩序の究極系、象徴として著名なアサシンは、特攻対象である秩序或いは善属性の者による攻撃に対しても、特攻となってしまう。
――それもまた、善し。愛しき者達、それが坊や達の愛と言うのなら。
聖人:E-
聖堂教会の流れを汲む宗教によって、祝福され、聖なる者として列せられているかどうか。
アサシンは中南米メキシコに端を発する、土着の聖人、フォーク・セイントに相当する存在である。
教会は基本的にはその土地独自の聖人を、列聖する事に対しては消極的である事が多いが、上述のようにアサシンは司るものが司るものであり、教会は猛烈に彼女の存在を否定している。
勿論、聖書に記されるような奇跡の諸々を引き起こす事は出来ないし、洗礼詠唱すらアサシンは行使する事は出来ない。申し訳程度に、スキル欄に記載される事を赦された、その程度のものでしかこのスキルはない。
悪婦のカリスマ:A+
闇を愛し、陰に生き、影を抱く魔性の女の持つ、人間的な魅力。
カリスマとしてのランクは実を言うとD~Cランク相当に過ぎないが、アサシンの場合は特に、此方のシンパにさせる力に特化している。
特に、混沌属性、悪属性の者には、アサシンの姿はとても魅力的な存在に映る。
死神の神格:C
死後の世界を管理する神、死を司る神であるかどうか。
同ランクの神性として機能する他、即死・スリップダメージの無効化、魂に直接作用する形の干渉を極限まで抑える。
アステカの神話に語られる著名な冥府の神であるアサシンは、本来的には規格外のスキルランクを保有していたが、化身での召喚である為か、ランクが下がっている。
罪への加護:A
罪人に対する祝福。或いは、これから罪を犯そうとする者に対する加護。
アサシンは任意の人物に、行おうとする悪事の成功率を高めさせる祝福を授ける事が出来る。
その悪事が成功するまで、当該人物にはステータス的なボーナスや、各種判定に有利な要素を得る。
【宝具】
『きかせてちょうだい、あなたのゆめ(セニョーラ・デ・ラス・ソンブラス)』
ランク:B++ 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1
信徒がアサシンに対して叶えて欲しい、聞いて欲しい夢に対し、その内容に応じた色の衣を着ると言うエピソードが宝具になったもの。
有体に言えば権能の入れ替えであるが、勿論実際にはそんな器用な事は出来ず、神霊の化身、かつ、サーヴァントとしての枷に当てはめての召喚に際して、
この宝具は『任意のスキルを習得し、そのスキルに纏わる事柄に対して上方修正を掛ける』と言う内容になっている。発動すると、ドレスの色が変わる。
最も基本形が、相手を殺して欲しい、復讐の手助けをして欲しい、死の呪いを跳ね除けて欲しい、と言う死神の側面であり、この状態のアサシンのドレスの色は黒。
この状態が肉弾戦に一番適したスタイルになっており、サーヴァントとしての召喚では常にこのスタイルを維持している。
任意で、毒性の浄化やカウンセリングに適した白いドレスを纏う事もあれば、黄金律スキルを獲得し会社運営に適したスキルを会得する黄金のドレスを纏うし、
重度の麻薬中毒すらも根治出来る程の医術スキルを会得する琥珀色のドレスを纏う事もある。全局面で万能な宝具であり、隙らしい隙があるとすれば、局面に応じて自分の意志で状況に適したそれに変えねばならないと言う点である。
『しゃぶってみたいわ、あなたのほね(ツォンテモック)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1
アサシンが有する、死神としての絶技。能力は単純明快で、素手或いは鎌で触れた所から『骨を簒奪』すると言うもの。
触れずして心臓を潰す絶技などに比べれば地味に見えるであろうが、最大の特徴は、奪える骨はアサシンの自由である事。
頭蓋骨を奪う事が出来れば心臓を潰すまでもなく即死であるし、脊椎や骨盤もそれに同様。肩甲骨を奪えば最早腕など機能しないし、大腿骨であれば動く事すらままならない。
そしてその通りの事をアサシンは実行する事が出来る。また、任意で、骨を抜かれた痛みをも味合わせる事が出来、拷問としての面も有している。
骨がない相手には効かないのか、と言われればそうではなく、この宝具の本質は『動く為に必要な要素を奪い取る』と言う事にあり、
例え相手が骨の一本もない軟体の生物であろうが、ガス状・霧状の生命体であろうが、それが動く為に必要な部分や要素が何であるかをアサシンが理解しているのなら、それを体外に弾き飛ばせる。
対抗手段は神性スキル或いは粛清防御のみであるが、これらの方法で防いだとしても、実際に防げるのは骨を奪い取ると言う事実のみであり、
『アサシンが取ると決めた部分の骨を奪い取られた事で与える筈だったダメージ』は、そのまま、アサシンの行った接触或いは攻撃のダメージに加算される形となる。
『獄骨地底(ミクトラン)』
ランク:EX 種別:固有結界 レンジ:- 最大補足:-
アサシンが有する固有結界。アステカ神話に語られる、嘗て地上に存在したあらゆる生命体の骨を収納している冥府・ミクトランを心象風景として展開する宝具。
内部の風景は、床や壁、天井に至るまで全て、人体や動物の骨を組み合わせて構築された宮殿と言う様相で、しかもその全てに隙間なく、目に痛い原色の塗料が塗られていると言うものである。
発動すれば、アサシンの攻撃が因果を無視し、距離や障壁の有無などもすっ飛ばして、必中となる。有体に言えば領域展開。
この必中効果の恩恵には、アサシンの第二宝具も含まれており、発動してしまいかつ、範囲内に神性および特殊な防御スキルなどを有していないサーヴァントがいるのなら、その時点で勝負あり。
一秒経たず、全身の骨と言う骨を体外に弾き飛ばされ、消滅に至ってしまう。固有結界と言う内容上、消費する魔力量は膨大であり、アサシンとしてもあまり使いたくない秘中の秘の宝具。
【weapon】
無銘・大鎌:
アサシンが保有する大鎌。特別な逸話はなく、サーヴァントとの戦闘に耐えられる頑丈さの大鎌である。実際のサンタ・ムエルテ像も、持物としてこれを持つ事がある。
【解説】
サンタ・ムエルテ(Santa Muerte)とは、16世紀のスペイン人による征服以降、先住民の死神信仰とカトリックの聖人とが融合して生まれた民間信仰である。
その姿は黒い女性用の法衣を纏った骸骨の姿で表象され、その手には持物として、鎌や地球儀、オイルランプなどを持つ事があると言う。
サンタ、とは聖人を呼ぶのに使われる『聖〇〇』と同じ意味であり、ムエルテ、とは現地の言葉でそっくりそのまま『死』を意味する単語となる。死の聖人、と言う意味であろうか。
上述のように事の起こりは1500年代の事であるが、本格的に文脈上に出て来るのは20世紀の事であり、このころには細々とではあるが、死の聖人として民間では信仰されていた。
信徒の数は推定で、1億2000万人と言う説が存在し、これはイエスや仏陀などの規格外の世界宗教の開祖及び、一国で人口十数億をカバーするインドで信仰されているヴィシュヌやシヴァ等の、
トップクラスの例外を除けばまず間違いなく、世界で最も信仰されている神格の一つである。
此処まで信仰が広まった理由は、一説に曰く、刑務所や麻薬カルテルにおける崇拝であるとされ、「死」が日常である世界に生きる犯罪者達は死を司る存在の庇護を求めたのだと言う。
国家や警察に追われる麻薬組織が政府の捕縛を恐れ世界各国に散ってしまった為、ムエルテ信仰がここまで広まったのでは? と言う噂も実しやかにささやかれている。
彼女はキリスト教の神や天使や聖人たちのように道徳や倫理、正義を求めたりはせず、犯罪にもご利益を与えてくれる存在である、という事が最大の特徴。
健康祈願や商売繁盛、交通安全などの明るい目的を助ける事もあるが、多くの場合、敵の死や復讐等のどす黒い目的の為祈りを捧げられる事の方が多い。
聖人とは言うが、勿論カトリック教会はサンタ・ムエルテを聖人として認めておらず、サンタ・ムエルテ信仰を強く非難し、神を冒涜する偽宗教としている。
それでもなお信仰が増えるばかりか、あろう事か彼女を批判せねばならないクリスチャンの間ですら信仰が広まっている為に、彼らにしてみれば頭の痛い問題となっている。
サンタ・ムエルテを信仰するのは犯罪者ばかりではなく、大多数は市井の一般人である。現在メキシコではネット上でも広く知られている程に治安の悪化が深刻になっており、街中で銃声が響く最悪かつ不安定な社会情勢において、善男善女も死がもつ恐怖と力を意識し、サンタ・ムエルテに惹かれていった国民も多いと言う。
その正体はメキシコの神話に語られる、地下の冥府・ミクトランを統治するとされる死神、ミクトラン・テクトーリ……ではなく。
過去に彼が乗り移った人間の一人が、名代として召喚されているに過ぎず、これがサンタ・ムエルテのオリジンとなっていると言うのが真相。
実際のミクトラン・テクトーリは彼とある様に男性神であり、彼もまた、原作であるFGO同様ケツァルコアトルのように、宇宙から来訪した細菌である。
サンタ・ムエルテと呼称される当該個体が活動していたとされる時代は、エルナン・コルテスの制服を受けて滅び去った直後とされ、
カトリックに改宗したと言う現地人の美しい女性に乗り移ったと言う。現地の神格の伝手で、酷い有様になっている事を聞いたミクトラン・テクトーリは何とかしようとするが、
久方ぶりに現世に姿を現し、当世の世界の有様を見て彼は愕然とした。地上は最早黄金時代と言う言葉が過去のものであったと確信する程には荒れ果て、腐敗し、死病に満ち、
わけても人心の退廃振りは目に余る程であり、最早如何なる悪神・邪神が来臨するまでもなく、地上は悪徳の時代に変貌していた事を知る。
それも、スペイン人によって虐げられていたアステカの民のみならず、当の征服している側のスペインの民もまた、地獄に組み込まれた人物である事を理解してしまった。
――これが……人の生きる時代か……――
――酷い時代と解っていてもなお、お前達は生きねばならないのか……――
――ならば拠り所と愛がなければ、この地獄では生きて行けなかろう。お前達の行いを全て肯定しよう。悪も善も赦そう。好きに生きるが良い――
こうしてミクトラン・テクトーリは主導権を自らの意志ではなく、憑依した女性に譲り、与えた力と権能をそのままに、好きに生きさせる事にした。
この後の行為には、最早ミクトラン・テクトーリは何も関係していない。彼の力の一部を引き継いだアステカ人女性の話になる。
人の悪と善とを全て許し、如何なる者の祈りや願いをも聞き入れ、祝福を与え、また時には自ら鎌が絶技を披露して人に死を与える、そのカトリックの少女は、
聖堂教会の追跡をも振り切り殺し返し、また時には味方に引き入れ自らの仲間として――。その後の行方は知れず、書にも記されず。ただ、口伝として、当時の人物に様々な形で残るだけであったと言う。
【特徴】
褐色の、肉感的なプロポーションの、ラテンアメリカ風の美女。毛先のくるまった黒髪を長く伸ばしていて、長いまつげにやや厚めの唇がチャームポイント
聖母マリアの付けるような、黒いヴェールを被った、ボディラインが浮き出るタイプのブラックドレスを身に纏っていて、与えられる印象は喪服。
またその服自体も改造されていて、胸元は大きく開かれていて、かつ生足を太ももの辺りから露出している状態となっている。
扇情的な仕草と声音が特徴的な、大人の余裕を持った母性的な女性。人間が大好きで、老若男女分け隔てなく優しく接する、それだけなら慈母そのもののような女性。
問題は、反社会的な性格や側面を有した存在をも愛する事にあり、窃盗や殺人、強姦や詐欺などに傾倒する人間にも、慈愛の精神で接してしまう。と言うか、本質的には此方の方が好き。
また、元が死神由来の神格のせいか、人を殺す事にも何らの躊躇いがなく、赤子ですらも微笑みを浮かべて惨殺する。
但し本人は、残酷な事をしていると言う自覚は一切なく、苦しい世界から安らぎの世界に送ってあげてると言う認識。だって私が慈悲で殺しているのだから、地獄に堕ちる訳はないでしょう?
――これも本人が自覚している事ではないが、凄まじいまでのエゴイストであり、殆ど人類社会の敵そのもののような存在である。
自分がその事に対して危害を加えられたとしても、彼女は怒らない。それでもまた良いと思っている。だって、愛しき子供の癇癪位、許してあげないと。まぁキチガイ。
【聖杯にかける願い】
人々の営みが何時までもこのままでありますように。あ、坊やのお父さんも殺してみたいわ
最終更新:2022年05月27日 21:41