果ての無いとは、この様な空間を指して言うのだろう。
 訪れるもの全てが、そんな感慨を抱きそうな程広い、無辺と呼んでも良い広さの書庫だった。
 書庫の中を照らし、鷺沢文香の視界を確保している蒼い光は一体何処に光源があるのだろうか。見上げても照明の類は全く存在せず、この書庫の性質上、明り取りの窓など存在する筈もない。ひょっとすれば、空間自体が発光しているのかも知れなかった。
 後ろを振り返れば地平線の果てより続き、前を見れば地平線の果てへと続く書架の列。 

 『此処には人類の知と想像の全てが有る』

 そう、言われても、言われたものは『そうなのだろうな』としか思わない。
 それ程までに、書架の列は数多く、書籍の数は膨大で、その種類も多彩を極めていた。
 歴史、神話、思想、哲学、論理学、政治学、経済学、農学、医学、薬学、栄養学 衛生学、建築学、言語、数学、科学、音楽、戯曲、詩、画集、宗教……。
 女性週刊誌や、スポーツや旅行やグルメの本。漫画の雑誌や単行本、小説の新書にラノベ。
 個人の日記や、契約書、手紙の様なものまでもが、更には電子書籍やSNSの書き込みすらもが、正確に分類され、五十音順に著者の名前に従い、整然と並べられている。
 読書好きがこの中に足を踏み入れれば、終生、いや、死したのちも亡霊となって、時の果てるまで書を読み耽るだろう。

 “凡そ人類が著し、書き記したもので、この書庫内に存在しないものは無い。”

 果てなく連なる書架の列の中に足を踏み入れる度に、鷺沢文香は自身のサーヴァントの言を思い出す。
 この書架の列の何処かにいるサーヴァントの姿を求めて、フラフラと、熱に浮かされた様に歩きながら、視線を左右に彷徨わせ、書架に並べられた本のタイトルを認識する。
 高啓、曹操、杜甫、李商隠、李白……。鷺沢文香は今現在、中華の歴史に現れた詩人達の作を収めた書架の列に居るらしかった。

 「キャスター…さん?」

 呼びかけに応じる声は無い。念話も試してみたが反応は無い。
 広大な書庫─────キャスターの宝具であるこの空間の何処かで、キャスターは読書に耽っているらしい。
 らしい─────というのは、文香はキャスターとあまり話をしたことが無いからだ。
 書庫の主という、文香と近しい性質のサーヴァントでありながら、キャスターの身に纏う、野の獣の様な雰囲気。良く言えば野性味、悪く言えば粗野な気配が苦手だったからだ。
 キャスター自身が、聖杯戦争に必要なことだったとはいえ、書庫に篭りきりだったのを良い事に、文香もまた、キャスターから許可を貰い、書庫に引き篭もって読書に耽っていた。
 外を歩き回られたりして危険な目に遇う─────最悪サーヴァントに襲われるよりも、書庫の中にいた方が安全だし護りやすい。それがキャスターの考えである。
 そのおかげで、無尽蔵、無限。そういった形容が相応しい書庫の中で至福の時を過ごす事ができていた。
 鷺沢文香はこの聖杯戦争に招かれたマスター達の中で、最も幸福なマスターである事は疑う余地が無い。
 だが、そんな事を何時迄も続けているわけにはいかない事は、文香自身良く理解していた。
 道を─────決めねければならない。選択肢は二つ。進める道は一つ。
 此処での生活は理想的だ。東京都は大田区に有る一軒家に、両親が海外に居るために一人で住んでいるというのが、鷺沢文香に与えられたロールである。
 金銭的に不自由する事などなく、好きな時に起き、好きな時に食べ、好きな時に眠り、好きな事だけをやっていれば良い。誰しもが思い描く、安穏とした楽しい理想の生活だ。それはとても穏やかで、心安らぐ日々だろう。
 だけれども、それで良いのかと自問する。それではダメだろうと自省する。
 以前の鷺沢文香ならば、良しとしだろう。聖杯戦争に関わらず、全てをキャスターに任せていただろう。静寂に満ちた空間で、書を読み耽って過ごす事を選んだだろう。
 それは仕方のない事だ。鷺沢文香は魔術師でも戦士でも兵士でも無い。 傷つく事を恐れ、戦禍を恐れ、隠れ潜んでもおかしくは無い。誰も咎めはしないだろう。
 ああ、だけれども。だが、しかし。
 魔法使いに見出され、ガラスの靴を履いたシンデレラは、眩いステージを望むのだ。
 自ら輝き、人々をも輝かせる事を望むのだ。
 だからこそ─────鷺沢文香は聖杯を望む。自らの為に、自らの夢の為に。聖杯を望むのだ。
 願いは唯一。帰還。
 輝くステージに立つ為に、自分の目指す偶像(夢)へと歩く為に。
 鷺沢文香は帰還を望むのだ。

 だが─────その為に誰かを犠牲にするのは許されるのか。
 夢へと向かって歩く為に、他の誰かの骸の上を歩く事を、他の誰でも無い、自分自身が良しとする事が出来るのか。
 それは─────。

思考に耽りながら、書架を渡り、書物を看ながら歩いていると、

 ─────渡水復渡水 看花還看花 春風江上路 不覺到君家。

 詩を吟じる、朗々たる男の声が聞こえてきた。

 「よおマスター。書架を渡り、書物を見て、俺の所へ何しに来た」

 書架の間に据えられた椅子から立ち上がり、真っ直ぐ文香へと歩いてくるキャスターを、文香は立ち止まって待ち受けた。
 凡そキャスター…、魔術師のクラスとは思えぬ外見と気配のの男だった。
 190cmを優に越える長身を褐色の肌の上からでもハッキリと認識できる筋肉の鎧で包んだ男だった。骨肉の質感と真っ直ぐに伸びた力感に満ちた立ち姿は、鋼の柱を思わせる。
 目の前に不意にヒグマが現れても、平然と素手で立ち向かい、屠ってのけそうな野性味に満ちた精悍さを感じさせる男は、蒼光の中で書を紐解くよりも、陽光の下を駆け、獣を追う方が相応しい男だった。
 凡そ女性の目を惹きつけて止まないだろう、美丈夫と呼んで良い顔立ちの男の眼差しを、鷺沢文香は正面から受け止められず、目を逸らした。
 正直に言えば、このキャスターの眼は苦手だった。
 周囲全てを睥睨し、他者を傲然と見下すキャスターの眼は、鷺沢文香を…否、只人を脅えさせるには充分な『圧』を放っている。
 意に沿わないことをすれば殺される。そう、キャスターの黒瞳を見た者は思うだろう。
 凡そ人を人と思っていない眼差し。無理もないと文香は思う、何故なならこのキャスターは紀元前に生きた王なのだから。人権という概念など持ち合わせていない上に、人間という存在に対する考え方も、文香の様な現代に生きる人間とは異なるのだろう。
 文香は口の中が乾くのを感じていた。緊張のあまり全身が強ばり、呼吸が荒くなる。
 鷺沢文香の願いは帰還。それもただの帰還では無い。キャスターを召喚したその日。キャスターが語った聖杯戦争のセオリーに真っ向から反するものだ。
 それでも譲れない。譲るわけにはいかない。鷺沢文香を見出した魔法使いに応える為にも、輝くステージで共に立つ仲間達と並ぶ為にも。
 文香は決意を込めて、キャスターの瞳を真っ向から見つめ─────る事は出来なかったが、途切れる事なく、自分の決意を口にした。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 「誰も殺したくないから、サーヴァントを無力化した上で、マスターを俺の書庫に幽閉しろ、と」

 呆れ返ったキャスターの声。怒りも嘲りも無いのが幸いだったが、キャスターがどう考え、どう応えるかは分からない。
 文香の語った事は至極単純。マスターを誰一人殺す事なく、元の世界にマスター全員を返す。
 鷺沢文香の願いを叶え、鷺沢文香の夢を穢さない。それが文香の語った決意だった。

 「サーヴァントは一つの軍勢に匹敵する。そんな化物を屠るよりかは、只人でしかないマスターを仕留める方が、手っ取り早く確実だ…。其れを、するな。と?」

 文香は無言で頷く。キャスターが放つ気は凄まじい。ステージに立った時に浴びる数千人の視線と熱気。それを遥かに─────否。比較にすらならない程に凌駕する。
 このキャスターならば、その気迫、その威風だけで、万を超える軍勢を退散させ、百万の民に拝礼されるだろう。

 「私は…帰りたいんです。けれど、その為に、人を、誰かを…犠牲にしたくはないんです」

 鷺沢文香の此処での暮らしは安らかで、そして穏やかだ。
 しかも鷺沢文香のサーヴァントの宝具が有れば、文香にとっての楽園と断言しても過ぎた言葉ではないだろう。
 けれどもそれを良しとする鷺沢文香は過去にしか存在しない。現在の鷺沢文香は楽園での暮らしではなく、輝く星を目指して遥か彼方へと歩いていく事を選ぶのだ。
 楽園を失ってでも、星を目指して歩むのだ。

 「お前は…お前が目指すものの為に、誰かを犠牲にしたくはないと?」

 再度頷く。

 「聖杯は要らんのか。あらゆる願いを叶えるのだぞ」

 「その為に…誰かを犠牲にするのは」

 「嫌か」

 「はい」

 「偽善だな。と言ってやりたいが、お前の意志は、紛れもなく本心なのだろうよ」

 「はい」

 「他の英霊ならば、否というのだろうが、生憎と俺の願いは現界した時点で叶っている。この上勝利に拘る必要もあるまいよ」

 「それでは…」

 「お前のいう事を聞いてやらんでもない」

 男は白い歯を見せて笑い。文香を安心させたのだった。

 その胸元で、脈打つかの様に赤い宝石が、妖しく輝いていた。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 「酷ェな…こりゃ」

 三十年以上に渡って経験と実績を積み上げ、幾つもの事件を担当し、そのうちの大半を解決し、少数の迷宮入りを歯噛みしたベテラン刑事、藤林が漸く絞り出した一声がこれであった。
 東京都は大田区に有る、広域指定暴力団蛮奈会網場羅志組組長の屋敷である。
 家屋だけでも百五十坪。庭も込めた敷地面積は四百坪にも達し。その周囲を高さ3mの分厚いコンクリートの壁で囲っている。防犯カメラや各種センサーも完備され、侵入者があれば直ちに武装した若衆が、訓練された土佐犬を連れてやって来る。
 凡そそこいらの極道では襲撃(カチコミ)をかけても返り討ちにされるだけであり、実際に何度か襲撃(カチコミ)を受けてその悉くを討ち果たし、生き残りを拷問して吐かせた所属組織にお礼参りをかけて潰してきた。
 裏では名の通った組であり、筋金入りの極道や、海外の連中に一目置かせる実績を持つ組だった。
 それが、見る影もない。
 何も知らずにこの屋敷の一階、周回や宴会に使われている大広間での惨状を目にした者は、自身が屠殺場に足を踏み入れたのかと錯覚するだろう。
 象狩りライフルでも貫通できそうにない、鋼鉄製の正門が砲撃でもされたのかと思うほどに破壊され、広い庭の各処には爆撃でもされたかの様な大穴が空いている。
 正門から屋敷まで、いかなる手段でやったのか、大きく抉られガラス化した地面が真っ直ぐに屋敷まで続いていた。
 大広間では、組長やその妻及び、屋敷に詰めていた若衆に飼われていた土佐犬。果ては救援を要請されて駆けつけたのであろう者達まで、悉くが全身の皮を剥がされた、赤黒い肉塊と化していた。
 犯人の数、この屋敷内にいた全員をこの様に惨殺した動機、その手段。それら一切は不明であり、今後の捜査にかかっている。
 正直、この事件(ヤマ)の犯人(ホシ)を逮捕しに行く根性のある刑事が何人居るかと、藤林は思っているが。
 只でさえ悍ましい事件であるのに、更に悍ましい事に、藤林の立っている庭の一角から敷地内を見渡せば、庭の彼方此方から、屋敷と、刷毛で乱雑に引いた様な赤い線が続いている。
 殺戮者達─────絶対にありえないだろうが─────殺戮者は、迎撃した者も、逃げようとした者も、命乞いをする者も、その全てを等しく許さずに、屋敷へと曳いて行き、其処で全身の皮を剥いだらしかった。
 極道達だって無抵抗のまま殺された訳ではない。現場に無数に散乱している薬莢や、そこかしこに落ちている遊底(スライド)が後退したままの自動拳銃。他にも回転式拳銃やAK47だのレミントンM870だのといった銃器までもが、弾倉の弾丸全てを撃ち尽くしたオブジェとなって転がっていた。
 持っていた銃器を撃ち尽くすほどに抵抗し、それでも力及ばずに殺害される。
 この惨状を作り出したものが人間ではなくバケモノの類だと、誰でも良いから言ってくれと藤林は心底そう思っていた。
 動員された刑事や鑑識の半数以上が胃の内容物を吐き出し、何人かはそのまま病院へと直行した。
 短く息を吐き、藤林は屋敷の屋根を見上げる。
 屋根に突き立てられた五本の物干し竿。
 其処にぶら下げられた犠牲者達の顔の皮。計175。
 血の滴るデスマスクが風に揺れる物干し竿は、検証が終わるまではそのままだ。

  「酷ェな…こりゃ」

 藤林の口から、再度呟きが漏れた。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

事件前夜。
 東京都は大田区に有る、広域指定暴力団蛮奈会網場羅志組組長の屋敷は戦場と化していた。
 事の発端は、マスターだった組の構成員の一人がキャスターを召喚。キャスターがその魔術を持って組長以下、幹部からヒラの組員、傘下組織の人間まで全てを生ける死者へと変えて組織を丸ごと掌握。
 掌握した組の力を使ってマスターを発見し、不意を襲って殺させる算段を整え、実際にマスターを3人殺害。三騎のサーヴァントを脱落させていた。
 此処で調子に乗って、元々緩かった精神のタガが外れたマスターは、以前に見かけた事のある少女をモノにしようと思い立ち、拉致を命じた。
 その少女の名前が鷺沢文香という名でなければ、マスターは惨死することも無かったし、星辰の巡り合わせ次第では、聖杯を取れたかもしれなかったが、全ては無意味な話となった。
 送り込んだ連中の反応が消滅した事をキャスターが認識。目をつけた獲物が同じ聖杯戦争を戦うマスターであると認識したキャスターのマスターは迎撃を指示。
 術式を施して、サーヴァントといえども容易には破壊出来ない城壁と化した塀と、生ける死者となり、キャスターの術と作成した薬によって、身体能力と耐久力が跳ね上がった兵隊達を揃えたキャスターのマスターは、勝利できる見込みが充分に有ったし、相手が並のサーヴァントであれば、確実に勝てた事だろう。

 鋼鉄製の正門が、子供に蹴り飛ばされた玩具の様に砕けながら宙を舞い。庭で迎撃した兵隊達は、キャスターの術式が施された銃弾をありったけ撃ち込むも何の効果もあげられず、逆に敵サーヴァントの銃撃で行動不能にされる始末。
 キャスターは、襲撃してきたサーヴァントの放った熱線で半身が削り飛ばされ、天空より降り来たった『何か』により、残った半身が爆砕された。
 屋敷の大広間で戦闘の趨勢を見守っていたキャスターのマスター、最早『元』マスターは、土下座して命乞いをするも、襲撃してきたサーヴァントは全く意に介さずに、元マスターの両手脚を粉砕すると、庭に転がった兵隊達を大広間に集め、元マスターの眼前で、一人一人、l一匹一匹皮を剥いでいった。
全員が皮を剥がれる所を延々と見物させられた元マスターは、一番最後に、誰よりも時間を掛けて皮を剥がされた。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 「全くお前はシンデレラだよ」

 文香が去った書庫でキャスターは一人呟く。
 一将功成りて万骨枯る。一人の栄光の影には、夢破れ、中途で倒れた万人の骸が有る。キャスターが知るこの世の真理だ。
 如何なる王も戦士もといえども逃れられぬ宿命だ。
 そういった翳りの一切を感じさせない、正にシンデレラと、御伽噺の存在の様な鷺沢文香の姿は、キャスターに好ましかった。
 だからこそ、元いた場所へ返してやりたいと、血と死によって穢れる事なく返してやりたいと、そう思う。
 その為には如何なる手段も辞さない。元よりキャスターは苛烈にして酷薄だ。敵に対する慈悲を持ち合わせてはいない。
 だが、文香はキャスターの凄惨苛烈なやり方を良しとはしないだろう。書庫に篭っていてくれる方が、安全の確保もできて、キャスターとしては都合が良かった。

 「フミカのの願いは、全てのマスターの帰還。これは確実だ。だが、聖杯がそう都合良く願いを聞いてくれるものかどうか」

 『猿の手』という物語がある。
 三つの願いを叶える猿の手のミイラの話だ。
 この世の摂理を捻じ曲げ、どんな願いも三つまで叶える代わりに、猿の手で願いを叶えた者は、摂理を捻じ曲げた報いとして、恐ろしい代償を支払わなければならない。
 だけれども、猿の手の物語の主人公は、猿の手に願いを願って代償を払う事はなかった。
 猿の手に願いを願う事。その結果払う、命をも含む代償。
 それは交換だ。右手で願ったモノを受け取り、左手で代償を差し出す。猿の手とはそう言う仕組みの願いを叶える呪物だ。 
 猿の手の物語の主人公は、何かを得ようとはしなかった。只、二番目の願いの結果を無かったことにしただけだ。
 結果として猿の手の物語の主人公は、何も代償を払わなかった。猿の手の持つ性質が交換であるならば、願って何も得なかったのだから当然と言えば当然だとキャスターは思う。

 ─────そしてこうも思うのだ。『聖杯も同じモノでは無いのかと』

 であるならば、願う事自体がリスクとなる。下手に願って代償を払わされては堪らない。 聖杯へと至れるのがただ一人である以上、確実に文香を元の場所へと確実に帰すには、やはり他のマスターを殺しておく必要があった。

 聖杯とやらを確と見定めるまで、他のマスターは殺す。文香の意思に反するが、キャスターの当面の方針は定まっている。
 屋敷に陣取っていたキャスターのマスターと、その兵隊達の皮を剥いだのは、生前によく行っていたというのもあるが、他の主従への宣伝でもある。
 この事件にサーヴァントが関わっていると、そう知らしめる為である。
 これだけの事をやれば、向こうからやって来る。殺すにせよ、懐柔するにせよ、キャスターとしてもやり易くなる。

 キャスターは白い歯を剥き出して、獰猛な笑みを浮かべた。

 その胸元で、脈打つかの様な赤い宝石が妖しく輝いていた。




【CLASS】 
キャスター

【真名】
アッシュールバニパル@紀元前7世紀オリエント

【性別】

【属性】
秩序・悪

【身長・体重】
193cm 91kg


【ステータス】筋力: C 耐久: C 敏捷: C+ 魔力:A+ 幸運:B 宝具:EX


【クラス別スキル】

陣地作成:A
 魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。
 “工房”を上回る“神殿”を形成することが可能。
 宝具によりランクが底上げされている


 道具作成:A
 魔力を帯びた器具を作成できる。
 宝具級のものですら作成可能。

 宝具によりランクが底上げされている



【固有スキル】

 蔵書の叡智:EX
 並ぶ者なき書庫の叡智を示すスキル。肉体面での負荷(神性など)や精神に依るもの(勇猛・カリスマ)を除く多くのスキルを、Aランクの習熟度で発揮可能。人類最初の書庫の主の収蔵した知識を表すのに的確なスキルと言えるだろう。


速読術:A
驚異的な読書の速度。常人にはページを秒にも満たぬ時間、目にした様にしか見えないが、内容を確と読み取り記憶している。


獣殺し:B
 魔獣や野生生物に対する特効。獅子狩りの行事で混沌と無秩序の象徴たるライオンを仕留めた逸話から。


 加虐体質:C
 戦闘において、自己の攻撃性にプラス補正がかかるスキル。
 プラススキルのように思われがちだが、これを持つ者は戦闘が長引けば長引くほど加虐性を増し、
 普段の冷静さを失ってしまう。バーサーカー一歩手前の暴走スキルと言える。


【宝具】

アッシュールバニパルの図書館(ライブラリ オブ アッシュールバニパル)
ランク:EX 種別:対人対軍対城対国宝具 レンジ:1~99 最大捕捉:1000人


 アッシュールバニパルが設立した世界最古の大図書館。
 人の知識を技術を想像を記した書籍をし、保管するのが図書館で有る為に、アッシュールバニパルが現界したと同時に、その時代に存在する書籍全て及びアッシュールバニパルが聖杯から与えられた英霊達の事跡が書として収蔵される。


 この蔵書は日々更新されており、新しい書が世に出る度に、蔵書もまた増えていく。
 書物のカテゴリーは矢鱈と広く、個人の日記や電子書籍、SNSの書き込みまで適用される。
 何かに記していれば、黒歴史ノートですら収蔵される。無慈悲である。
 蔵書のカテゴライズは各ジャンル・著者ごとに分類され、使用される言語は紐解いた者が日常で使用している言語が使われる。
 この蔵書を紐解く事で、アッシュールバニパルはサーヴァントの秘蔵の技術すら使用する事が可能となる。
 予め読み込んだ書の内容を、実体化させることが可能であり、アッシュールバニパルは無数の宝具や英霊のみならず、人類がその歴史で開発した兵器や道具を実体化させて使用可能。
 書庫自体は異相空間に展開されるが、出入り口は適当な部屋の扉に設置される。
 中の書物を持ち出すには、アッシュールバニパル以外はこの出入り口を使用しなければならない。
 アッシュールバニパルはGOBの要領で取り出せるし仕舞い込める。


 蔵書の中には、世に知られていない禁断の知識や、旧支配者や外なる神々について記された書物も存在する。




以下実体化に必要な時間と魔力。

既に現実化されている兵器や道具
実体化に掛かる時間・無し   魔力消費・極小


荷電粒子砲や、神の杖(ロッズ・フロム・ゴッド)の様に、理論は存在するが、未だに現実化されていないもの
実体化に掛かる時間・小   魔力消費・中


サーヴァントの宝具
実体化に掛かる時間・中   魔力消費・大

※真名解放すら可能だが、ランクや威力、強度といったものがワンランク落ちる。


サーヴァントそのもの
実体化に掛かる時間・大   魔力消費・極大

※シャドウサーヴァントの様なものであり、ステータスはワンランク低く、宝具の使用も不可能。要はサーヴァントの投影である。
 但しアッシュールバニパルが当人の宝具を実体化させたならば使う事が可能となる。


アッシュールバニパルの焔(フレイム・オブ・アッシュールバニパル)
ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:1~3 最大捕捉:1人

脈打つ様に妖しく輝く赤い宝玉。
本来はアッシュールバニパルの宝具では無いのだが、何故かこの聖杯戦争では所有している。


効能は二つ。
一つはアッシュールバニパルに無尽蔵の魔力を齎すというもの。
異なる〈界〉へと繋がっているらしく、この宝玉はアッシュールバニパルに無尽蔵の魔力供給を行なっている。


もう一つは巨大な一対の〈黒腕〉の召喚。
アッシュールバニパルの背後の空間や、前方の地面から巨大な黒い腕が現れ、アッシュールバニパルの意に沿って動く。
イメージ的には戦国無双の黒田官兵衛や戦国BASARAのお市みたいな感じ。
黒腕は異界の呪力で出来ているらしく、接触した者を蝕み、魔力体力を損ない続ける。この効果は受けたものの対魔力や加護によって、持続時間や威力が減少する。



アッシュールバニパルすら知らない事だが、この宝具は〈外なる神〉の領域へと通じるものであり、引き出される魔力と黒腕は、そこから齎されている。
アッシュールバニパルのクラスがフォーリナーであったならば、神の召喚すら可能とした宝具。




【Weapon】
アッシュールバニパルの図書館(ライブラリ オブ アッシュールバニパル)で形成した武器や英霊。


【解説】
紀元前7世紀の新アッシリアの最後の繁栄をもたらした王。
帝国の最大版図を獲得し、教養豊かで世界最古の図書館を建設したが、長年の敵国であったエラムを滅ぼした際には大規模な虐殺を行っていたりする。
実兄が反乱起こした時は、外交政策で実兄を孤立させて敗死に追い込む等、政戦両略に優れている。
こうして書くとインテリ肌の様だが、王が執り行う恒例行事としてライオン仕留めていたりする辺り、勇猛さも持ち合わせている様子。

性格自体は荒っぽい言動のインテリヤクザ。自身が策謀を良くする為か、真っ直ぐな性根の者を好む傾向がある。
敵に対しては基本無慈悲で、アッシリア処刑方で皮剥いだり生き埋めにして惨殺する


【外見】
キャスターとは思えない、力感に満ちた鍛えられた体躯の、黒髪黒瞳褐色肌の美丈夫。
服装としては
胸元に紐で繋がれたアッシュールバニパルの焔が首からぶら下げられている。
身に纏う雰囲気は野の獣を思わせる。
服装は現代の服を宝具で作成して着ている。


【願い】
知識の収蔵…なのだが、宝具によって達成されてしまっている為に存在しない。
よってマスターを元いた世界に返す事が望みとなっている。


【マスター】
鷺沢文香@アイドルマスター シンデレラガールズ


【人物】
穏やかで物静かな人付き合いが苦手な少女。


【ロール】
東京都は大田区に有る一軒家に、両親が海外に居るために一人で住んでいるというのが、鷺沢文香に与えられたロールである。
此処ではアイドルではない。

【願い】
帰りたいです
最終更新:2022年04月17日 23:15