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薄暗い地下室。そこに二人の男がいた。
その身なりから、どちらも堅気でないことは容易に想像出来る。
一人の男はおびえ、もう一人の男は怒りを顔ににじませている。
それだけ見れば、二人の力関係は容易に想像出来る。

「か、勘弁してください、組長! どうか挽回のチャンスを……」
「ダメだな」

おびえる男の懇願を、組長と呼ばれた男……錦山彰は一蹴する。

「たかだか数万の金のために、やべえところに喧嘩売りやがって……。
 てめえみてえな無能を生かしておいたところで、俺の足を引っ張るだけだ」

錦山は一切の躊躇なく、手にした拳銃の引き金を引く。
放たれた弾丸は男の額を貫き、恐怖に歪んだ表情のまま男は息絶えた。

「おいおい、そんな簡単に部下を殺しちまっていいのか?」

錦山一人になったはずの地下室に、新たな声が響く。
虚空から現れたのは、黒いスーツを纏った壮年の男。
錦山が召喚したサーヴァント、アーチャーである。

「かまわねえよ。役立たずは手元に置いておくだけ損だ。
 元の世界じゃ、もっとまともな組員がいたんだがな……」

錦山は元の世界でも、一つの組を率いる組長だった。
しかし、部下たちはこの世界にはいない。
代わりにあてがわれたのが、力も頭も今ひとつの有象無象共だ。

「部下に恵まれない頭は大変だなあ。
 俺の部下を貸してやろうか?
 まあ、宝具を解放しないと呼べねえけどなあ!」

そう言って豪快に笑うアーチャーを、錦山は疎ましげに見つめる。
錦山は、おのれのサーヴァントにいい感情を抱いていなかった。
アーチャーは、裏社会の住人として自分よりもはるかに格上だからだ。

アル・カポネ。

それがアーチャーの真名。
教養のない錦山でも名前くらいは知っていた、アメリカの超大物ギャングだ。
実際に接してみても、カポネは上から目線で錦山にものを言ってくる。
それは、錦山の歪みきったプライドを大いに傷つけた。
だがそれでも、錦山は耐えた。
感情に任せて、令呪でカポネに自害を命じるのは簡単だ。
しかしそんなことをしては、願いを叶えるチャンスを自ら手放すことになってしまう。
そのような愚かな行いをするわけにはいかない。

(この程度の屈辱、数え切れないほど味わってきた……。
 生きてた頃、どれだけご立派だったか知らねえが……。マスターは俺だ。
 とことん利用してやるよ)

暗い炎を目に宿しながら、錦山は地下室を後にする。

(どんな手段を使ってでも、俺は聖杯を手に入れてみせる!
 そして東城会だけじゃねえ。全ての極道の頂点に立ってやるぜ!)

―本当にそんなことが、おまえの望みなのか?―

心のどこかから、そんな声が響く。
だが錦山はかぶりを振り、その声を意識の外に追いやった。





【クラス】アーチャー
【真名】アル・カポネ
【出典】史実
【性別】男
【属性】混沌・悪

【パラメーター】筋力:D 耐久:B 敏捷:E 魔力:D 幸運:B 宝具:D

【クラススキル】
対魔力:E
魔術に対する抵抗力。一定ランクまでの魔術は無効化し、それ以上のランクのものは効果を削減する。
近代の英霊なので、申し訳程度の効果しかない。

単独行動:B
マスターとの繋がりを解除しても長時間現界していられる能力。
Bランクならば2日は現界可能。

【保有スキル】
暗黒街の顔役:A
対象を限定したカリスマスキル。
悪人、及び無力な一般人に対して強い影響力を発揮する。
相手がサーヴァントの場合は、時代が近いほど影響力が強まる。
逆に言えば、神話の時代の英霊にはほぼ無意味。


【宝具】
『お熱いのがお好き(ブラッディ・バレンタイン)』
ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:1-50 最大捕捉:8人

「血のバレンタイン」に関わった部下たちを召喚。広範囲への無差別射撃を行う。
発動スピードと命中率には優れるが、元になったのが神秘も何もない逸話であるためサーヴァントに対する殺傷力は低めになっている。

【weapon】
拳銃

【人物背景】
1900年代前半のシカゴを支配した、ギャングのボス。
ボランティア活動を行うなどの振る舞いで市民からも好かれていたが、
敵対組織の構成員を大量に殺害した「血のバレンタイン」で支持を失う。
後に逮捕され、獄中で持病が悪化したことにより心身共に衰弱。
出所後は療養生活を送るもすでに手遅れであり、静かに人生の幕を下ろした。

なお耐久が妙に高いのは、とあるコミックで彼をモデルにしたキャラが活躍した影響らしい。

【サーヴァントとしての願い】
受肉し、もう一度華々しい人生を楽しむ


【マスター】錦山彰
【出典】龍が如く極
【性別】男

【マスターとしての願い】
極道の頂点に立つ……?

【weapon】
拳銃、ドス

【能力・技能】
伝説の極道として恐れられる桐生と、互角に殴り合える身体能力を持つ

【人物背景】
桐生一馬の幼馴染であり、無二の親友であった男。
彼と共に東城会傘下の暴力団・堂島組に所属していたが、もう一人の幼馴染である由美を守るため組長を射殺。
その罪を桐生が身代わりに被ったことから、人生の歯車が狂い始める。
大罪を犯して守った由美はショックで記憶を失い、病院から脱走して行方不明に。
組を任されるようになっても部下からは舐められ、桐生と比較され続ける日々。
そして病弱な妹は、主治医が臓器移植の費用を持ち逃げするという最悪の形で命を落としてしまう。
不幸に打ちのめされ続けた結果、成り上がることにしかおのれの存在意義を見いだせない悲しい怪物となってしまった。
参戦時期は、桐生が出所した直後。

【方針】
優勝狙い
最終更新:2022年05月04日 08:55