(休み時間:中庭)

ふわぁぁぁ
やっぱり授業でグッスリ寝たあとはコーヒー牛乳が一番だよな。

購買の近くにある自販で買ったコーヒー牛乳をストローで飲みながら教室に戻ろうとしたとき
中庭の隅にあるベンチに何かが置いてあるのが目に留まった。

俺「あれ・・・なんだ?」


選択肢
 1.チャイムが鳴りそうだし教室へ急ぐか
 2.走れば十分間に合うな


ベンチの傍まで寄ってみると、そこには赤いターバンを巻いたような人形が鎮座していた。
手にとって見ると丁寧に作りこまれているのが良くわかる。

俺「布製か?それにしても良く出来てるなぁ」

それにしても見れば見るほど奇妙な人形だ。
顔の部分が黒くなってるし、手足は人形にしても細い。

?「あ・・・」

後ろから聞こえた声にふと振り返ると、そこには小柄な女の子が立っていた。
制服のカラーは1年生であることを示しているが、それにしてもなお小柄だ。
腰まで届くような髪ときっちり揃えられた前髪がおとなしさと幼さを強調している。

?「それ・・・・」

その子は俺の手に持たれた人形を指差しながらそうつぶやいた。

俺「あ、この人形は君の?よくできてるね」

人形を手渡すと顔を赤くしながら

?「え、あっ、ありがとうございます」

消え入りそうな声でそう言うと大きく礼をして逃げるように校舎へと入っていった。


俺「おれ・・・何か悪いことしたかな・・・」

(チャイム)

俺「やべ、授業が始まる!」

俺は間に合わないと悟りながらも全速力で階段を駆け上った。
最終更新:2007年01月15日 02:42