二人してベンチに座っている
杏「あの、もう少し一緒に居てくれる?」
遊佐「ああ」
何も言わないけど、それでも構わない。
………………
聖「……私も、自分の気持ちにもっと早く気づけばよかったかな……」
最近、なんだかずっと二人をつけてる私。
いけないって思う。何でこんなことしてるんだろうって思ったけど、今わかった。
聖「何言ってるんだろ。なんだか嫌な人だ、私……」
帰ろう……。
聖「よかったんだよね……」

杏「ありがとう、そろそろ帰ろうか」
遊佐「送っていくよ」
杏「うん。でもいつもの所まででお願い」
遊佐「そっか。わかった」
暗いけど街灯で明るく照らされている道を二人で歩く。
杏「ここでいいよ」
遊佐「ああ、それじゃあまた明日な」
杏「うん」
初めて会ったあの日の硬さはもう見えなくなっていた。

遊佐「うーん」
今さらだけど、すごい恥ずかしくなって来た。
遊佐「杏とキスしちまったしな……」
その日はずっと悶えたのは言うまでもない

7/23(月)
起床。
ぼーっとしている
遊佐「気合入れて起きるんだ! 遅刻するものか!」
そうだ、ここで寝てしまったら道中で会えないじゃないか。
遊佐「うっし!」
歯を磨いて顔を洗って部屋を後にした。

ましろ「あ、おはよー」
聖「……おはよう」
杏「お、おはよう」
遊佐「おっす」
いつもと変わらぬ……挨拶のはずだけど何か違う。
やっぱり意識してるんだろうか俺も。
遊佐「いつものようにばったり出くわしたところで行きますか」
ましろ「うん、行こう」
今日はいつもの杏、聖、ましろ、俺の順番ではなく、俺、杏、聖、ましろ、の順番に並んだ。
これぐらいしたって別にばれないだろ。
っていうかばれたら困ることでもないんだけど、自分で言うのも恥ずかしいしな。それとなく伝えていけばいいか。
杏「……」
遊佐「ふぁあぁー」
あくびがでる
杏「眠そうね」
遊佐「ん、ああ。昨晩眠れなかったんだよ」
杏「そう」
なんだかそっけない会話のように聞こえるけど、これだけ会話できるようになったのも相当進歩だと思う
他に人が居ると硬くなるけどね。
ましろ「最近多いね」
遊佐「そう、かな」
聖「睡眠不足はよくないぞ」
遊佐「授業中に寝れば寝不足は回避される、と思うんだけど授業中に寝た分ってカウントされてない気がするんだよな」
ましろ「あー、わかるわかる。授業中寝ても全然目覚めないよね」
聖「授業中に寝ては駄目だろう」
杏「……」
授業中の睡眠についての討論をしながらいつものように登校する。
相変わらずの下駄箱を抜けて教室へ……
中島「ウェイトウェイトウェイト!!」
遊佐「weight? お前も失礼な奴だな。女性に対して体重を聞くなどと」
中島「waitだよ! いいからちょっとこい!」
遊佐「最近この流れも飽きたぞ?」
もうばれたんだろうか。それはそれで構わないけど。
中島「仕方ないだろ」
遊佐「と、いうわけで中島と話あるから、またな」
仕方なく屋上へ行く。めんどくさいなまったく。

がしゃーん
中島「夏だなー。夏といえば?」
遊佐「風鈴とかか?」
中島「違わないけど俺の意図と違うよ」
遊佐「summer?」
中島「英語で言われても」
遊佐「これ以上俺にどうしろというんだ……」
中島「夏といえばそう! 恋だ!」
…………
遊佐「そうだな」
俺は階段に戻ろうとした。
中島「まぁまぁまぁ! 待て!」
遊佐「さっさと話してくれないか」
中島「おう、じゃあ単刀直入に聞くぜ……」
マジな顔だこれは。何だ……? っていうかデジャヴ?
中島「お前、杏と付き合ってんのか?」
遊佐「うん」
中島「あっさり認めたな……逆に驚いたぜ。いつから?」
遊佐「えーっと、まぁ昨日から」
中島「そうか。それなら教室でもがんばれよ」
遊佐「何が?」
中島「まー、行けば分かる」
最終更新:2007年02月19日 23:06