部屋にいるのは俺と月島父と月島母。
医者「では、申し上げます」
医者「まず、命ですが今回の手術でまず助かるでしょう」
月島母「
ありがとうございます……」
半分泣きかけてる母親が礼をする。
医者「トラックとの衝突自体では右腕の……手首付近の骨折。これだけで済んだようです」
レントゲンを出しながら説明する
医者「ただ、衝突後飛ばされて、頭を強く打ってるようです」
月島父「それで娘は……?」
医者「まだ精密検査をしてみないと何とも言えません」
…………
医者「あとは彼女が目を覚ますのを待つしかないでしょう」
医者「後、申しにくいのですが、月島杏さんは、リストカットしてますね……」
月島父「はい、それは承知しています」
医者「そうですか。私は専門ではないのですが、何かあったら力になりましょう」
月島父「ありがとうございます」
俺は何も言えずそこに座って聞いていた。
医者「君」
遊佐「はい」
医者「ここで聞くのも変だが、君は月島杏さんの彼氏かな」
そうだ、俺は杏の彼氏だ。しっかりしなくては。
遊佐「はい」
力強く返す
医者「そうか。力になってあげて欲しい」
遊佐「もちろんです」
月島父「先生。聖、姉の方はどうでしょう?」
医者「私は見ていないので何とも言えませんが、妹さんの事故と血を見たショックによるものかと」
医者「詳しいことは担当医に聞いてみてください。ではこれで失礼します」
俺は二人について聖の所に行く。杏はしばらく面会できないそうだ
遊佐「すいません、俺のせいです……」
月島父「いや、君のせいじゃない。誰も責める事は出来ない」
月島母「遊佐君、と言いましたか」
遊佐「はい」
月島母は立ち止まって礼をした。
月島母「本当に感謝しています」
遊佐「あ、あの?」
月島母「私は杏には本当にひどいことをしました……」
俺は何も言うことは出来ない
月島母「こんなことを頼むのは自分勝手だとはわかっています。あの子を助けてやってください……」
月島父「これ以上遊佐君を困らせるんじゃない。彼には彼の人生があるだろう」
月島母「でも……!」
月島父「すまない、今のは」
遊佐「いえ、俺は杏を助けたいと思ってます。約束したんです。だから何か俺にも出来ることがあればやらせてください」
俺は心から頼んだ。
そう、約束した、杏の傍に居てやるって。何があっても離さない。
ましろ「あ」
ましろが入ってきた月島両親にお辞儀をする。
月島母「ありがとうね、ましろちゃん」
ましろ「いえ」
ましろは何も尋ねてこない。
聖はベットの上で寝ている。
月島父「君達は帰りなさい、親御さんに連絡しているとはいえ、流石に一晩中付きっきりでは私達が申し訳ない」
月島母「今日も、学校あるんでしょう」
ましろ「でも、聖ちゃんを置いていくなんて出来ません。親にも頼みましたから……」
遊佐「ましろ、疲れてるんだろ。無理するなよ」
月島母「そうよ。私が変わるから帰りなさい」
遊佐「今は、親御さんに任そう。俺と一緒に帰ろう」
ましろ「う、うん」
納得できなさそうな様子だが、ここは引っ張ってもつれて帰る。
月島父「二人とも、本当に感謝している」
遊佐「あの、何かあったら連絡もらえませんか」
月島母「ええ」
俺はましろと一緒に病院を出る
ましろ「大丈夫かな……」
遊佐「医者に任せるしかないさ……」
情け無いけど今はそれしかない。
杏を救ってやりたいのは本音だけど……。
部屋に着いてベットに倒れこむ
遊佐「いきなりすぎる……」
おとといと今のこの落差
遊佐「だけど俺がここで今へこたれる訳には行かないからな」
そうだ、そうだよ。
もう朝が来てるし、このまま学校に行こう……
7/24(火)(終業式)
やっぱりましろは居なかった。流石に両親に止められたか。
授業中は気になって眠れないしな……
中島「死にそうだな遊佐」
遊佐「ああ……。お前知ってるんだろ」
中島「まぁな。元気出せよとは言わないが落ち込むなよ」
遊佐「おう。心配かけるな」
中島「お前かなり疲れてるだろ」
遊佐「昨日一晩中病院にいたからな」
中島「心配しすぎも良くない、寝ろよ」
遊佐「あ、あぁ。でもいつ連絡はいるかわからないしな」
その時丁度携帯に連絡が入った。
それはましろからだった。
最終更新:2007年02月19日 23:14