次の日も食堂で待ってみる。が、今日は霞は現れなかった。
遊佐「やっぱ調子崩したかな」
でもちゃんと休憩を取ってるって事だ。
しょうがないなからパンを買って教室へ帰ろうとすると。
霞「遊佐君」
向こうから霞が歩いてきた。
遊佐「霞ちゃん、大丈夫なのか?」
霞「えへへ……大丈夫だよ」
俺は手を伸ばして額に当ててみる。
遊佐「やっぱりまだ熱あるじゃないか」
明らかに熱がある。顔だって紅い。
霞「うん。でも、その。休むのは好きじゃないから」
遊佐「はぁ、昨日調子がよかったらって言ったのに」
霞「……ごめん」
遊佐「来たものはしょうがないしな……保健室で寝てなさい」
霞「保健室かぁ」
遊佐「ほら、俺も授業終わったら迎えに来るから」
俺は少し嫌がる霞をなんとか場所を覚えている保健室へ連れて行く。
遊佐「今日のバイトも行くつもりだったんだろ」
霞「うん……」
力なくうなずく霞。
遊佐「はぁ……」
霞「でも、わたしが行かないと……」
霞が心配そうな顔をする。
遊佐「俺も一応覚えたし大丈夫だよ」
霞「だって、まだ遊佐君じゃ頼りないよ」
遊佐「む、失礼だな。大丈夫だって」
霞「うん」
霞が袖を掴む。
遊佐「霞ちゃん?」
霞「
ありがとう……」
遊佐「今日は家まで送っていくから」
霞「ごめんね」
遊佐「もっと気を楽にしてさ、もっと人を頼れよ」
俺を頼れよなんて恥ずかしくて言えないけど。
霞を保健室に連れて行き保健室の先生に霞を任せて俺は教室に戻った。
そして授業中もずっと霞の事が気になっていたが、ようやく放課後になった。
遊佐「よし、帰る。じゃあな中島」
俺は急いで席を立つ。
中島「忙しいそうだな。バイト始めてお前付き合い悪くなったな」
遊佐「当たり前だろう」
中島「がんばれよ。バイト"も"な」
中島がニヤニヤ笑っている。
遊佐「…………」
むかついたのでぶん殴っといた。
遊佐「失礼します」
保健室へ入って先生に話して霞を家まで送ることを伝え、霞が寝ているところへ行く。
遊佐「まだ、寝てるか」
よっぽど調子が悪かったんだろうけど……無茶するな。
時間を見るとまだ時間に余裕があるのでベットの隣に座って少し待つことにする。
霞はすぅすぅ寝息を立てて寝ている。
無防備な霞。その霞の唇が目に入る。
遊佐「何を考えてるんだ俺は」
はー、男ってのは……まったく。
霞「ん……。遊佐君……」
起きたのかと思ったが、まだ起きては居なかった。
霞「…………き……」
き?
霞「う……ぁ……」
霞が苦しそうにうなると目を覚ました。
霞「あ、遊佐君。居たの?」
ずっと顔を覗き込んでいたので目が合う。
霞は俺を見て目を細める。
遊佐「おはよう」
霞「もう、放課後なんだ。なんだか学校で寝ると変な気分だね」
霞は微笑みながらそんな話をする。
遊佐「その気分はわかるなぁ。それより大丈夫?」
霞「うん」
遊佐「帰れそう?」
霞「大丈夫だよ」
遊佐「それじゃあ、ゆっくり帰ろうか」
俺は霞と一緒に保健室を後にする。
霞「ありがとう、時間は大丈夫かな?」
遊佐「ああ、心配するようなことじゃないよ」
霞「駄目だよ、まっつんが心配するから」
遊佐「そうだな、電話したほうがよかったか」
携帯に電話番号はもちろん登録してある。
霞「うん。電話しなきゃ」
俺は携帯を取り出す。
遊佐「あ、松下さん。遊佐です。今日は昨日よりちょっと遅く着きます。あ、はい。時間には間に合いますんで」
霞「わたしにも貸して」
遊佐「霞ちゃんに代わります」
俺は携帯を霞に渡す。
霞「あ、まっつん。実は風邪引いたみたいで、うん。今日はちょっと休ませてもらおうとおもって」
少し間があく
霞「うん。大丈夫だよ。ちゃんと休憩する。それじゃあね」
霞が俺に電話を返す。
遊佐「それじゃあまた後で」
店長『遊佐君、霞ちゃんのことお願いするよ』
遊佐「はい、家まで送って行こうと思って、それで遅れます」
店長『ああ、ありがとう』
何故店長が礼を言うのだろうか。
遊佐「いえ、それでは」
俺は携帯をしまう。
霞「まっつんてば、すごく心配性なんだよ」
遊佐「どっちかっていうと、霞ちゃんを凄く心配してるようなだけな気が」
心配性なのはもともとかもしれないんだけど、ここ数日見てると霞には特にそんな感じがする。
霞「遊佐君もね」
遊佐「……病人を心配するのは誰でもだろ」
霞「でも遊佐君だからやさしいんだよ」
遊佐「……いつもあんなに元気な霞ちゃんがこんなんだったら心配だからな」
本当は霞だからこそ、すごく心配なんだと思う。
霞「早く元気にならないといけないね」
遊佐「だから、ゆっくり休もうな」
最終更新:2007年02月06日 21:18