• 昼休憩--

遊佐「ふぅ」
昼休憩になったし、メシどうするかな。
中島「遊佐、メシはどっ」
影が躍り出て中島を踏み倒した。
中島「へぅっ!」
遊佐「うわっ」
甲賀「お? そんな所にいたら危ないぞ?」
中島がいた場所には変わりに甲賀先輩がいた。
遊佐「既に遅いし、危ないのは先輩です」
相変わらず窓からやってくる先輩だった。
中島「せ、せ」
甲賀「せ?」
中島「蝉……」
遊佐「な、中島ー!?」
外から蝉の泣き声が聞こえてきた。
どうしたというのだろうか……。
遊佐「だ、大丈夫か?」
中島「ああ、大丈夫だ……」
甲賀「悪い悪い」
中島「い、いいですよもう……」
遊佐「普通に入ってきたらどうです?」
普通に入ってくる、とは何だろうとか思ったり。
甲賀「ま、いいじゃんそんなこと」
遊佐「……うーん」
中島「それで、何の用ですかね?」
甲賀「おお、そうだ」
ぽんっと手をうち。
甲賀「手伝ってほしいことがるんだけど!」
中島「すいません、俺今から飯なんで」
あ、この野郎!
遊佐「俺も飯なんでっ――!?」
中島「うおっ」
甲賀「ふふん、逃がさないよ」

1,中島を囮にする。
2.手伝う

1.中島を囮にする。
囮にするったって……どうするんだ?
遊佐「わ、わかりました。わかりましたから放してください」
甲賀「お、本当?」
遊佐「とりゃっ!」
三十六計、逃げるが勝ち!
中島「あ、遊佐ーーー!」
すまん中島! 飯が俺を待っている!


2.手伝う
遊佐「わ、わかりましたから!」
甲賀「お、本当?」
手を放してくれる。
遊佐「何を手伝うんです?」
一方では中島は逃げようとしてたが。
甲賀「また荷物運んでくれればいいんだけど」
遊佐「それなら中島と一緒のがいいですね」
そうすれば負担が減る。巻き添えだ。
中島「な、何で俺が……」
甲賀「……駄目?」
中島「……や、やりますよ。やりますっ」
おお……会長……色目?
甲賀「ありがとぉ」
中島「い、いえ別に」
中島よ。お前は今騙されているんだ。
甲賀「それじゃね、ついてきて」
先輩に連れられてたどり着いた場所は例の倉庫だった。
遊佐「で、今日はどうするんですか」
甲賀「今日はこの板を運び出してほしいんだ」
中島「あー、これっすか」
甲賀「そ、バリスタで使うやつ」
ここでイベントであるバリスタの名前が登場。
中島「それならやるっきゃないっすね」
なぜかやる気になった中島。
遊佐「何に使うんだ?」
中島「ま、簡単にいえば防壁や障害物みたいなもんだ」
……どんな内容なんだ。
甲賀「で、これが軍手」
中島「お、準備いいっすね」
確かに軍手があった方がよさそうではあるが。
遊佐「なんでちゃんと2セットあるんですかね」
びくっとなる先輩。
甲賀「え? んー、まぁいいじゃんいいじゃん」
遊佐「はえ?」
中島「馬鹿だなぁ、こんなの二人じゃないと運べないだろ」
遊佐「まぁ、そりゃそうなんだが」
中島「ちゃっちゃと運んで飯食べようぜ」
遊佐「ああ」
それにしても人手不足も甚だしいな。
こんなことする奴もいないのか?
甲賀「それじゃ、これを校舎前に運んでくれたらいいから!」
甲賀「私忙しいからごめんねー!」
そして甲賀先輩は出て行った。
遊佐「たくっ。あの人は……」
中島「ま、いいじゃねえの。ほら、そっちもってくれ」
軍手を手にはめ、黄色いぶつぶつの感触を確かめる。
遊佐「へいへい」
中島「いくぞっ」
遊佐「せーのっ!」
遊佐「ぬ、結構軽いな」
中島「そうだな。でかいからどのくらいかと思ったが」
遊佐「大きいから一人じゃもてないのは確かだが」
さて、1枚目を運び終えて再び倉庫へ。
遊佐「それにしてもあの人が会長ってのがおもしろいよなぁ」
中島「ん?」
遊佐「誰が推薦したんだろ」
ただ人気があったからというありがちな理由なんじゃないだろうか。
中島「あー、お前は知らないんだよな」
遊佐「ん?」
中島「推薦じゃなくて自ら立候補して会長になったんだぞ」
遊佐「は?」
中島「だから、先輩は推薦されてないんだよ」
遊佐「まじで?」
中島「ああ。普通はなんか会長って推薦されて仕方なくといった感じだろ?
遊佐「だろうな」
俺のイメージもその通りだ。
中島「でも俺も印象強かったから覚えているけど確かに自分で立候補だったぜ」
遊佐「……そうは思えない仕事っぷりだと思うんだが」
悪い意味で。
中島「ま、楽しんでやってるならいいんじゃないか」
遊佐「うーん」
生徒会としてはどうだろうと思うのだが。
中島「それに、内申のためかもしれないぞ?」
遊佐「どうだろうな……」
確かにそれはあるかもしれないが。
あの人はそんなこと無いような気がするが。
中島「でも俺はああいう会長好きだぜ」
中島「堅物よりはいいだろ?」
遊佐「ま、そうだろうな」
生徒会なんていままで気にしたことなかったな。
縁の下の力持ち、とでもいうのだろうか。
中島「遊佐、ぼっとしてないでさっさと運ぶぞ!」
遊佐「ん……ああ」
目の前に板はまだまだいくらでもあった。
…………。
中島「……昼休み終わっても運び終わらなかったぞ」
遊佐「……そうだな」
中島「……お腹すいたな」
遊佐「……そうだな」
中島「……教室もどるか」
遊佐「……そうだな」
しょうがないから放課後やるかなぁ。
遊佐「俺は放課後また運ぶが……」
どうせ俺は今日も手伝うつもりだったし。
中島「悪いが俺は無理だ」
遊佐「ああ、しょうがないさ」
一人で運べそうにはないが、生徒会の誰かに派遣してもらおう。
遊佐「……うう」
なんかわからないけど非常に悲しくなった。
中島「泣くな、泣くと余計に疲れるぞ!」
…………。


    • 放課後-- --->続く
最終更新:2007年09月15日 20:04