あの時は無意識に体が動いてくれたけど、
昔やってた空手が思わぬところで役に立ったもんだ……。あと授業でやった柔道もな。
話を聞いたところましろと別れた後犬(名前はキャリーに決まったらしい)の散歩をしていた。
晶子に出会ったので一緒に散歩していたところあいつに絡まれたそうだ。
遊佐「でも、誰も怪我しなくてよかったよな……。」
まだ10時くらいだったが俺はそのまま眠った。明日は休み……だ。

(この間に何かイベントを入れる予定、とりあえず保留)
7/21(土)
ルルル……ルルル……
音に反応して目が覚めた。携帯が鳴っている。
遊佐「……ん?」
あー、聖から電話だ。どうしたんだ?
遊佐「ひゃい、もしもし……」
聖「えっと、聖だけど……もしかして眠っていたのか?」
遊佐「うん、何かつかれ……たから。どうしたー?」
聖「明日休みだから、二人で一緒に出かけないか?」
俺は眠い頭でそのことを聞いていた。
遊佐「いきなりだな。まぁいいんだけどさ」
いきなり一緒に出かけないか? か、どうしんだ聖。
聖「遊佐とは話したいこと……、あるから」
遊佐「これってデート……か?」
聖「……」
遊佐「いや、今のはきかなかったことにしてくれ。普通に一緒に出かける。これでOKだ」
聖「そうだな、普通に、だな」
遊佐「で、どこに行くんだ?」
聖「考えてない」
遊佐「エスコートするのは男の役目ってか? しかたねえな……。何か考えとくよ。んじゃおやすみなさーい……」
聖「あ、」
ピッ……。
そこで俺の記憶は途切れた。

遊佐「……しまった。どこに集合でいつ集合なのかも決めてなかった」
俺は目が覚めて少しして昨日の電話を思い出した。履歴が8件も残っている。
遊佐「よく俺目覚まさなかったな……」
少し自分にあきれた。
ピンポーン。ん、誰か来た。
遊佐「はいー、いま出ますよー」
玄関の扉を開ける。
聖「や、遊佐。仕方ないから部屋まで出向いた」
遊佐「なななな、聖! ちょ、昨日はすまん。電話の音じゃ起きれなかった。すぐ着替えるから待ってろよ!」
俺は慌てて階段をのぼっていく。
遊佐「部屋にまで迎えに来るとは……! ていうかどこ行くか考えてねえ」
駅前には色々一応揃ってるしそこウロウロすればなんとかなるか。
えーっとサイフ、携帯。
そして俺は階段を駆け下りる。
遊佐「悪い待たせた!」
俺はカギをかけながら謝る。
聖「いや、私こそ急に誘って悪かった」
遊佐「誘ってもらってうれしいのは確かだからきにすんなよ」
別に悪い気はしないさ。こういうのは慣れてないけど。
聖「昨日の様子だとどこいくか考えてないようだな」
遊佐「悪いがその通りだ。まぁ適当に駅前をぶらぶらしよう」
聖「わかった」

駅前に到着した。
聖「そうだな、なんか服買いたいと思ってたから一緒に選んでくれないか?」
遊佐「あぁ、俺のセンスなんかでよければな」
聖「別に、遊佐が気に入ってくれれば……」
遊佐「……そっか。んじゃま行きますか」
何か一瞬ドキッとなる事をいう聖。なんか今日はいつもと違うな。
話題が何もない。
遊佐「それにしてもあの時は流石にマジでやばかった。あいつが向かってきたところからあんま覚えてないわ……。必死だったからなぁ」
聖「でも、遊佐が来てくれてよかった。本当にそう思う」
遊佐「そっか、俺も命を張った甲斐があったな……」
聖「そうだな。かっこよかったぞ」
遊佐「だろ? ピンチのヒロインを救うヒーローってか?」
聖「ふふ」
お、笑った。すっげー新鮮だ。これだけで俺は今日は最高だと思った。

聖が微笑んで聞いてくる
聖「どっちの色が似合ってた?」
遊佐「そうだなー。」
1白
2黒
3どっちも似合ってた
遊佐「まぁ、俺の好みとしては黒だな」
聖「そう? それじゃ黒で」
聖がレジに買いにいく。
遊佐「俺も何か服見といてまた買いにくるかな」
聖「お待たせ。それじゃ行こう」
遊佐「あぁ、っともう昼近いな。どっかで食べるか?」
聖「そうするか」
遊佐「で、どこにする?俺が考え付くのはマッ○くらいだぞ」
情け無いが本当にそれくらいしか思いつかない。
聖「遊佐がそこでいいなら私もいいぞ。」
遊佐「んーじゃ、行きますか」
聖「でも、そういう所行ったこと全然ないから」
遊佐「安心しろ、俺が教えてやるよ」

聖はハンバーガーを食べている。俺はポテトをチマチマ食べている。
遊佐「やっぱ女の子は食べるのが遅いか」
聖「ん、すまない」
遊佐「俺が早いだけかもしれないけどな。でさ、どう?」
聖「悪くない。が、やはり味気がないという感じがする。」
遊佐「分かるなそれ、適当に乗せましたって感じがあるよな。忙しい時なんかな、キャベツとハンバーグがまったくずれて乗ってたりすることもある。適当すぎるだろ」
そんな会話をして食事をすませ、聖が行った事のないというゲーセンにいったりそうして時間は過ぎていった。

遊佐「暗くなっちまったな」
帰り道、明るく照らし出す街灯の下を歩いている。
聖「そうね」
俺はずっと疑問に感じてたことを聞いてみる。
遊佐「でさ、電話でいってた聞きたいことって何?」
ふと聖の足が止まる。
聖「その話、公園で話してもいいかな?」
遊佐「あぁ、構わないぜ。」
ここでは話にくいことなのだろう。俺たちは公園に向かっていった。

聖「ちょっと、さ、離れて立ってくれる?」
遊佐「ん? あぁ」
俺は4¸5歩下がる。
聖「あの、ね。私……は」
さっきまで聞こえてた葉がざわめく音が音量を下げていく気がした。
聖「私は、遊佐、あなたのことが……」
遊佐「………………」
聖「あなたのことが……好き……です」
小さい声。だが、俺の耳にはしっかり届いた。
聖「いつも助けてくれた、だからずっとあなたのことを見ていたら、自分の中で今までに無い気持ちが湧いてきたの。それなんだろうって思ってた。でもわかった。あなたが守ってくれたから。だから……好きです」
俺のことを好き……って。俺は考えもしなかった事に動揺する。
何か言わなくちゃいけない。心の中で言うべき言葉を捜す。
聖「私のこと、どう思ってる?」
聞かれてしまった。まだ何も考えていない。
ずっと感じてた違和感。いつもの聖じゃないこの雰囲気。俺は気付いていた。
俺も気付いていた俺の気持ち。俺の気持ちは……
最終更新:2007年02月19日 23:04