7/4(水)
遊佐「よ、おはよう」
俺はいつものように登校してきた二人を下駄箱でみつけ挨拶をする。
ましろ「あ、おはよー」
聖「おはよう」
それぞれ靴を脱ぎ上履きに履き替える。
遊佐「んでもよー、珍しいよな」
ましろ「何が~?」
遊佐「いや、さっきみかけたけど杏が遅刻せずに、っとわりぃ」
聖「いいのよ。あの子が実際いつも遅刻してるのは事実だし……」
遊佐「うーん……」
会話をしながら階段を上っていく。
遊佐「ん? 屋上のドアの音がしたような」
ましろ「どうしたの?」
遊佐「あ、いや。なんでもない」
こんな時間に屋上にいく理由があるだろうか。気になるがホームルームまでほとんど時間はない。どうしようか。
1まぁ、いいか(杏ルート回避へ?)
2やっぱり気になった(杏ルートへ)
まぁ、いいか。遅刻しても困るしな。
今日も授業が終わった。
遊佐「うわー。雨降ってる」
雨が降り始めていた。勢いが激しい。
こりゃさっさと帰ったほうがいいかも。
遊佐「わりぃ、今日はやっぱ帰るわ」
遊ぶ約束をしていた友達に断ってさっさと帰ることにした。
遊佐「んじゃまたな」
ん?何だこの赤い点は。
遊佐「んー、これ血か?」
何も無いところに血がついている。しかもまだ乾いてない。
「やばいんじゃないのか? これ……」
1血が続くほうへ行ってみる(犬発見ルートかつ晶子へ)
2見なかったことにする(晶子はお流れで)
非常に気になった。やっぱりこれは危ないんじゃないかと思ったが
俺は血の続く方へ行ってみた。
遊佐「あ!」
俺は歩道の端に腹部から血を流して倒れている犬を見つけた。
遊佐「こいつか!」
俺は駆け寄って生きてるかを調べる。まだ息はしているようだ。だがどうすればいい?
このまま運んでもいいのか? くそ、救急車なんて呼べるはずが無い。
??「あの、どうかしま、きゃー!?」
話しかけてきた少女は驚いて傘を落とした。同じ制服をきている少女。どこかで見たことある気がする。
遊佐「犬、犬が血まみれで倒れてて……」
その子はあっと俺の顔をみて驚いた顔をする。
??「あ、あの、今病院に電話します! 番号覚えてますから! 待っててください!」
少女は鞄も投げ出して走ろうとする。
遊佐「あ、まった! 俺携帯もってる! これ使って!」
??「あ、あ、はい。お借りします!」
俺とその子は病院で座っていた。
遊佐「助かったよ」
??「え?」
遊佐「いや、俺一人じゃどうすればいいかまったくわからなかったから」
??「……」
遊佐「あの犬大丈夫かな」
??「きっと大丈夫ですよ」
心配そうにドアの方を見つめる少女。俺もそっちを見つめる。
その1時間後。ドアが開かれた。
先生「大丈夫、なんとか手術しました」
??「あ、
ありがとうございます!」
その子は立ち上がって礼をする。
遊佐「あ、その、ありがとうございます」
俺もつられて挨拶をした。
先生「事情聞いてもいいかな? あの傷は明らかに鋭利なものでの傷だ」
遊佐「事情といっても、歩いてて俺が倒れているのを見つけただけで、それ以上は」
先生「そうか……、わかった」
??「あの、先生。あの子どうするんですか?」
先生「あぁ、しばらくうちで預かるよ」
獣医は女の子に笑いかけながらそう言う。
??「すいません。またお母さんに相談してみます」
先生「ああ」
二人は知り合いといった感じだ。俺は居づらくなって
遊佐「あ、んじゃ俺は帰ります。ありがとうございました」
と言ってその場を後にしようとした。
??「あ、待ってください遊佐さん」
遊佐「え?」
俺は自分の名前を呼ばれて驚いた。俺は知らない子だと思っていたからだ。
??「あの、ありがとうございました。助かりました」
遊佐「いや、俺は何もしてないから御礼を言われるのはどうかな……」
うーむ。聞いてもいいんだろうか。
遊佐「ところで、俺の名前知ってるけど……」
??「あ、えーっと。すいません、私影薄くって……」
う、罪悪感が、まさか。
神契「一緒のクラスの神契 晶子といいます。よろしくお願いします」
うあー! まさか一緒のクラスの人を忘れていたのか俺!
遊佐「わ、悪い! あー、とにかくごめん!」
神契「気にしないでくださいー。いつものことですから」
あはは、っと笑う神契さん。余計罪悪感を感じる。
先生「あー、君達」
あっと獣医のこと忘れてた。
先生「今日はとりあえずお金のことはいいから、このまま帰りなさい」
神契「すいません先生。また来ます」
遊佐「それじゃ、失礼します」
俺たちは二人で病院を後にした。
遊佐「神契さん本当に悪かったな。俺他人の名前とか覚えるの苦手でさ」
神契「いえ、あの、本当に気にしないでください」
遊佐「本人が気にしなくても俺が気にするんだよ。だから何か奢るとかさせてくれないかな」
神契「え、あの本当に悪いんで、いや本当に、あの。失礼します!」
神契さんは駆け出していった。本人がああ言ってたしなぁ、でもなぁ。
最終更新:2007年02月19日 23:21