明日教室へ行ったらやっぱり神契さんに謝ったほうがいいよな。でもこれ以上謝るのも迷惑か……。
遊佐「とりあえず寝よう……」
俺はそのまま寝た。
さて、適当に着替えて、適当に準備っと。さていってきまーす。
次の日もやっぱり二人で登校してきている姿を見かけた。
遊佐「よ、お二人さん」
ましろ「あ、おはよー」
聖「おはよう」
そしていつもの一日が始まると思って教室のドアを開けた。
あ、神契さんがいた。どうしようかな?
1謝りにいく(晶子ルート維持)
2謝らない (晶子ルート消滅?)
遊佐「あ、神契さん?」
神契「ひゃい!」
急に声をかけたら大声を出された。少し身を引く。
神契「あ、すいません。男の方に声をかけられるのは滅多にないのでー」
言い訳をしながらえへへっと笑う。
遊佐「俺こそいきなり悪い、かな。昨日は悪かったな。んじゃそれだけ」
俺はとりあえず簡単に謝った。謝りすぎても神契さんはきっと恐縮するだろうから。
神契「あ、はいー」
俺は席についた。
今日は珍しく起きたまま授業を受けた。うーむ、快挙だな。
遊佐「よし帰ろうかな。誰かいるかねー」
俺は教室を見回す。
??「ぁ……」
ん?
神契「あの!」
遊佐「うおぃ!」
急に大声が背後から聞こえた。振り返ると神契さんがいた。
遊佐「あ、神契さんか。どうしたの? 何か用かな?」
神契「あ、すいません。気づいてもらえなくて大声になっちゃいましたー」
あははっと笑う。癖か?
遊佐「いや、気づかなかったのは悪いな。それで?」
神契「あ、昨日の犬さんのことなんですけど、様子を見に行こうと思ったんですが、あの、あの···」
俺は神契さんの言葉を待つ。
神契「一緒に行きませんかー?」
う、いかにも精一杯って感じが出てる。男子に声をかけるのも滅多に無いのだろうか。
遊佐「あぁ、いいよ? 俺も気になるしな」
神契「は、はぁああ。よかったですー。
ありがとうございます」
ぺこっとお辞儀をしている。ちょこまか動くなこの子は。
遊佐「んじゃ行くか?」
神契「あ、はい。お願いします」
遊佐「お願いするほどじゃないと思うが……」
神契「あ、あう」
遊佐「冗談だって、ほらほら」
俺は神契さんを促しながら教室を出て行った。
遊佐「へぇ、神契さんたくさん動物飼ってるんだな」
神契「そうなんですよー。みんなかわいいですよー。フェレットのカー君がふわふわでもうかわいくって」
ほわほわして目を細めて思い出してる。仕草がかわいい。
神契「それでですねー、カー君私と遊ぶのが好きなんですよー。それにですねカー君ってばタンスの裏側とか入ったり布団の中に入ってたりしてもうキューってしたくなるんですー」
よっぽど動物好きなんだろうな神契さん。さっきから動物のこととなるとすごい饒舌になっている。
遊佐「かわいいんだな。そのカー君は」
神契「はいー。もう大好きです。あ、私ってば話過ぎてました。すいません」
遊佐「いや、いいって。俺もおもしろかったしさ、神契さんの話。もっと聞かせてくれよ」
神契「あ、ありがとうございます」
遊佐「でも布団に入ってるってなんか危なさそうだな。気づいたらつぶしちゃいそうだ」
神契「そうですねー。布団に入るときは気をつけないといけませんねー」
神契さんの話を聞いているといつの間にか病院についた。
神契「こんにちはー」
看護婦「あら、晶子ちゃん。今日はどうしたの?」
看護婦、でいいのかな? その人が尋ねてくる。どうやら神契さんはよくこの病院に来るらしい。
神契「あ、はい。昨日のあの犬さんの様子を聞こうとおもって」
看護婦「あらあら、あの子なら大丈夫よ。一応安静にしてるけどね」
神契「よかったですー。あのお金とかは」
看護婦「子供はそんな心配しなくていいの。今日あなたのお母さんが来たわよ」
神契「あ、あう。そうですかー。それなら安心です」
俺は何もしゃべることが出来ずたたずむ。
看護婦「で、晶子ちゃん~? この男はまさか?」
いたずらっぽい笑いを含んでいる。うわ、確実にこれはやばい!
遊佐「そんなんじゃないです。俺も気になったからついてきただけですよ」
俺はとっさに拒否する。
神契「そ、そうですよ。私がついて来てもらうよう頼んだだけです!」
神契さんもかなり慌てている。
看護婦「でも、頼んでついて来てくれるってことは脈ありなんじゃないの~?」
神契「え、え、え?」
神契さんも本気にするんじゃない!
遊佐「あー、ほら、神契さん?」
神契「ひゃ、ひゃい?」
遊佐「犬の様子見に行こうか?」
神契「そ、そうですね、あの?」
看護婦「はぐらかしたわね?まぁいいわ、こっちよ~」
はあ、やれやれ。
最終更新:2007年02月22日 23:03