根性を試す。明らかに神契さんがらみなのだが、別に神契さんと何かある訳じゃあない。
遊佐「なんかおかしいよな」
そう、おかしいのである。何故あそこまで突っかかってくるのだろう。
遊佐「別に俺が神契さんを···」
否定しようとする言葉はそれ以上口には出せない。
遊佐「あー、もう!」
俺はベットに伏せ枕に顔をうずめる。
神契さんは俺のことどう思ってるんだろうな···。
遊佐「あーあー」
俺はベットの上で悶え続けた。
(この間に何か話が入る予定)
7/16(月)
で、やっぱり早く目が覚めちゃうんだよなぁ。
遊佐「習慣になりそう···」
まぁ別に早く目が覚めることが悪いわけではないんだけどさ。
遊佐「で、どうして俺は学校へ出る準備をしているんだろう」
深く考えるのはやめて顔を洗い適当に食事を済ませる。
遊佐「何故か今は全然苦じゃないんだよな、早く目を覚ましても」
俺は部屋を後にしていつものように遠回りをする。
そしていつものように偶然というか必然というかやっぱり神契さんに出会った。
もちろんフェンリル君も一緒。
遊佐「や、おはよう」
神契「あ、今日も早起きなさったんですねー」
遊佐「まあね」
神契「····」
遊佐「ん? どうしたの?」
神契「ふぇ? いや、なんでもないの。や、本当に」
いや、かなり慌ててるじゃないか。
遊佐「そう?」
神契「うん···」
なんだか今日は神契さんすごい悩んでるようだ。
遊佐「やっぱり、何か悩んでるんじゃないの?」
神契「え、ま、まあなやんでるといえばそうなんですけど···」
遊佐「もし、さ」
俺は次に続く言葉のあまりの恥ずかしさになんとなく神契さんとは逆の方向を向く。
遊佐「悩んでいるならさ、俺に相談してくれてもいいよ。力になれれば手伝うし···」
神契「あ、
ありがとうございます···。でも···」
遊佐「でも?」
神契「きっとお力には、なってもらえないです···」
う···。結構効いたぞ今の言葉は。
遊佐「そ、そっか」
神契「あ! そ、そういう意味じゃないんです! ご、ごめんなさいー!」
遊佐「いや、まぁそこまで殊勝にならなくてもいいよ」
神契「で、でも」
遊佐「ん?」
神契「うれしかったです。本当に」
遊佐「それならよかったよ」
神契「はい」
フェンリル君もバウッっと一吼え。
今日は無言で神契さんの家まで来てしまった。
神契「それじゃあ行ってくるからね、フェンリル君」
あ、じいさんが木刀を振っている。
遊佐「····」
昨日のことを思い出した。
神契「あの、どうしました?」
遊佐「あ、いや。行こうか」
神契「はい」
学校へ着いたが相変わらず部活の朝練をやってるような連中しかいない。ふと体育館の方を見てみる。
遊佐「あ、あれは
剣道部か」
昨日のこともあり剣道部のことが気になる。あ、あの木刀を振っているのは早乙女さんじゃないか。
いつも校門のところで見張ってたよなぁそういえば。ここ最近は早く来てるから姿を見てなかった。
遊佐「剣道部か···」
神契「あ、あの?」
遊佐「あ、どうしたの?」
神契「いや、昨日のおじいちゃんの事」
遊佐「あぁ、気にしてないよ全然」
もちろん嘘だ。かなり気にしている。
神契「そうですか」
遊佐「それじゃ今日も鍵を取りに行きますか」
神契「はい」
そして神契さんのアイデンティ(何気にひどい言い草)の教室の鍵開けという業務をこなす。
遊佐「いやーしかし、誰もいない教室ってのも最初は新鮮だったけど、なんだか慣れたな」
神契「私はもう慣れたというよりこれが普通ですねー」
遊佐「なんていうか誰も居ない教室って、いつもの教室と違う感じがするよな」
神契「はい?」
遊佐「いや、いつも人がいる教室くらいしか見たことなかったからさ」
俺はなんとなく教卓の前に立ってみる。
遊佐「こうして見ると教室って広いなぁ」
なんだかガランとした教室。まだ誰かが来るような時間じゃなかった。
神契「あ、あの遊佐君」
遊佐「ん?」
神契「お話したいことが、あるんです、が··、聞いてもらえますか?」
うつむいて尋ねてくる神契さん。なんだかいつもとは違う雰囲気だ。
遊佐「もちろん」
俺はその雰囲気に押されて本気でこたえる。
神契「じ、実は!」
そして沈黙が再び教室に訪れた···。
最終更新:2007年02月19日 23:44