ザ・グレイト・リーダー・フー・イズ・アゴナイズド ◆DdYPP2qvSs
木王 早苗は苛立っていた。
偵察を終え、変身を解いた彼女は道路脇の歩道を不機嫌そうに歩く。
共に偵察を行っていた『サーヴァントの配下』達は既に解散し、単独の偵察を継続している。
人を小馬鹿にしたような彼らの目付きが脳裏に焼き付いている。
自分は彼らから確実に侮られている。
あくまで現場の指揮官は自分である筈なのに、彼らは自分を見下している。
早苗はそう認識していたし、それは事実であった。
所詮は自分達とは違う存在、マスターでありながらサーヴァントに従う無能だとでも思っているのか。
馬鹿にして。今に見ていろ。
お前たちはいつか私の優秀さを思い知ることになるのだ。
それまでは精々いい気になっているがいい。
そう思い込むようにしても、早苗の中の苛立ちは膨れ上がる。
今にも怒り散らかしたい思いを抑え込みつつ、彼女は歩を進める。
木王 早苗――――彼女の正体は魔法少女である。
正確に言えば魔法少女候補生なのだが、彼女はそのことを知らない。
早苗はN市という町で魔法少女『ルーラ』として活動していた。
かつては都内の一流企業に属し、地方都市であるN市へと左遷させられた彼女にとって魔法少女の資格を得られたことは僥倖だった。
否、優れた能力を持つ自分が勝ち取った必然であると言うべきか。
魔法少女となったことで早苗は舞い上がり、下らない仕事ばかりの勤務先へ退職届を出してルーラとしての活動に専念するようになった。
その過程で紆余曲折があり、スイムスイムやピーキーエンジェルズ、たまといった配下を従えた。
どいつもこいつも使えない馬鹿ばかりだが、仮にもルーラはリーダーであるのだ。
どうしようもない馬鹿共にとっての指針となる優秀かつ偉大なリーダーになれるよう、ルーラは務めていた。
思い返せば、ルーラがこの聖杯戦争とやらに巻き込まれることになったのも配下が偶然『トランプのカード』を拾ったからだ。
それは絵柄の描かれていない白紙のトランプ。
キャンディー集めの為のゴミ処理を配下たちに任せていたある日、スイムスイムが偶然見つけたとされる代物だ。
用途の全く解らない代物であったが、そのトランプに何か感じるものがあったルーラは一応それを保管しておくことにした。
それが聖杯戦争へと参加する権利である、ということを知ったのはスノーフィールドの地へと誘われた後だった。
馬鹿でも少しは役に立つこともあるのだな、と当時の早苗は配下に一匙程の感謝をした。
早苗/ルーラの方針は当然、聖杯狙い。
されど彼女の目的は聖杯によって願いを叶えることではない。
『勝つこと』自体が目的であるのだ。
早苗は己が優秀な人間であると自負している。
それ故に、社会が自分の実力を認めないことを理解できない。
早苗は己の自尊心を満たすことに飢えている。
魔法少女としての活動もその欲求に則したものである。
スノーフィールドに召還され、聖杯戦争のマスターとなってからもそれは変わらない。
早苗は己の優秀さを示す為に。
己の実力を証明する為に、この聖杯戦争にて勝つのだ。
とはいえ、早苗は出来る限りは早くN市へ帰還したいとも考えている。
配下たちは自分がいなければ何も出来ない阿呆ばかりなのだから。
リーダーとして自分が上に立たなければ、どうしようも出来なくなるだろう。
故にいつかは偉大な統率者である自身が戻らねばならない。
彼女らを纏める存在は自分しかいないのだから。
それまでに彼女らが大人しくしていることを願いたいものだ。
あるいは少しは優秀な一面でも見せてくれればいいのだが、とも早苗は思う。
この聖杯戦争は、いわば己の実力を示す為の機会。
木王早苗は優秀であるという自尊心を満たす為の戦場。
にも拘らず、早苗は苛立っていた。
それは彼女が召還したサーヴァントに原因がある。
あのサーヴァントがいなければ、彼女は『使い走り』に甘んじる必要も無かった。
早苗は奥歯をギリギリと歯軋りさせながら目的地となる施設へと目を向ける。
ようやく到着だ。
この頃は魔法少女としての身体能力に頼りっぱなしだった為、久々にこうして歩くと少々疲れる。
早苗は町でも有数の高級ホテルへと入り、そのまま足早にエレベーターへと向かう。
チェックインなどはとうの昔に済ませている。
大金を積み上げ、最上階フロアの貸し切りという破格の条件での滞在を成立させた。
無論、それは就労によって得られた報酬によるものではない。
そもそも早苗はこのスノーフィールドでの仕事を辞めている。
「大都市から地方の事業所に左遷させられた女性社員」という役割を此処でも担わされているのは不快だった。
辞めるに決まっている。二度とやるか、あんな程度の低い仕事。
ましてや聖杯戦争という一世一代の戦いがあれば尚更のこと。
さて、では早苗は何処でフロアの貸し切りを行えるだけの資金を手に入れたのか?
答えは単純明快。
窃盗である。
自身の配下と言える存在達が、銀行等から金を盗んだのだ。
上昇するエレベーターの中でじっと待つ。
十秒程の移動を終え、最上階フロアの扉が開かれる。
早苗はエレベーターから降り、不機嫌な表情を貼付けたままかつかつと通路を進んでいく。
華美で気品に満ちた通路の内装をちらちらと見つめる。
そこいらのビジネスホテルとは訳が違う。
格が違うと言ってもいい。
そこいらの庶民では足を踏み入れることも出来ない、富豪にのみ許される空間。
当然、自身もこのフロアの一室で生活を送っている。
このような豪勢なフロアを貸し切ることになるとは夢にも思わなかった。
どこかそわそわとした感覚を覚えつつも、早苗は通路の最奥部へと辿り着く。
最高級とされるスイートルーム、その扉の前。
異様に長い両腕に包帯を巻いた男が門を守護している。
その肉体は屈強であり、フォーマルなスーツに身を包んでいる。
彼の姿は一見要人の警護を行うボディーガードのように見えなくもない。
しかし、その頭部は余りにも異様極まりないものだった。
黄緑色の頭巾を巻き、爬虫類めいたメンポ(面頬)で顔を覆い隠しているのだ。
その頭部を見た者は、彼をこう認識するだろう。
伝説の存在……ニンジャである、と。
彼は早苗のサーヴァントの宝具で召還された使い魔の一人である。
そして、ニンジャは現れた早苗に一礼する。
「ドーモ、ルーラ=サン」
「ドーモ、コッカトリス=サン。ただいまお戻りしました」
早苗もまた礼儀正しくアイサツを交わす。
傾けられる姿勢。ぴったりと合わせた両手。言葉のイントネーション。
タツジン。完璧である。恐らくは老練なリアルニンジャも認めるであろう丁寧なアイサツ。
早苗は己のサーヴァントを召還した日、ニンジャ同士のアイサツを目の当たりにした。
最初こそ困惑したものの「これが彼らなりの礼節なのだろう」と認識した早苗は彼らのアイサツを学習、そして体得した。
アイサツの完成度に限れば実際ニンジャ。
更には彼らの言葉遣いもある程度は習得している。
それが幸いし、サーヴァントの配下である上位のニンジャ達は早苗に対しても一定の敬意を払うようになっていた。
更にはサーヴァントの機嫌を取ることにも成功している。
今はこうして大人しくご機嫌取りでもしてやるが、いずれは寝首を掻いてやる。
礼儀正しいアイサツを行いつつ、彼女は内心思う。
早苗は最早慣れ始めている。
彼らの異様極まりない姿、そしてアイサツに。
彼らがニンジャであるということもとうに理解している。
それにしたってこんな異様な姿で通路に立つ必要はないのではないか。
そう思っていたが、早苗にはそれを指摘できる程の度胸がなかった。
尤も、このフロアは完全に貸し切り状態である。
ホテルの従業員も呼び出されることが無ければ最上階へ足を踏み入れることは無いし、そういう意味で彼らの秘匿性は保たれている。
しかし、何故こんなに両腕が長いのだろう。
早苗はニンジャの両腕をちらちらと見つめながら思う。
アイサツの時に呼んだ通り、彼の名はコッカトリス。
シックス・ゲイツの精鋭6人に名を連ねた経験を持つニンジャである。
その能力には確かな信が置けると、自身のサーヴァントであるセイバーが言っていた。
こんな馬鹿げた外見の男が優秀であると言われてもいまいち実感が持てない。
そんな異様に長い両腕で何が出来るというのか。
もしかすると、更に伸びたりでもするのだろうか。
あるいは両腕に何か秘密兵器でも仕込んでいるのだろうか。
そんなに不自然に長いのだから、きっと何かあるのだろう。
コッカトリスをまじまじと見つめる早苗の疑問は膨れ上がる。
「ドーゾ。セイバー=サンが待っています」
「アッ、ハイ」
扉の前から退くコッカトリスの言葉に、ハッとした様子で早苗が返答する。
いけない。つい考え込んで棒立ちしてしまった。
こんなことではエリート失格だ。
早苗は己の行動を戒め、コッカトリスの言葉に応じてスイートルームの扉を開く。
がちゃり。
きぃぃ。
扉を開ける何気ない動作、何気ない音。
それさえも今の早苗には憂鬱に感じてしまう。
己の従者に会うだけだというのに。
それだけで奇妙な緊張感を覚えてしまう。
かつ、かつ、かつ。
一歩一歩、歩を進めて行く。
豪華絢爛な室内を進んでいき、やがてサーヴァントの姿が目に入る。
広大なリビングにて、豪華なソファーにどっしりと腰掛ける男が一人。
どこから連れてきたのか、娼婦と思われる美女を複数名侍らせている。
その下品な光景に早苗は思わず表情を歪めそうになるが、あくまで平静を保つ。
下手な真似をすれば顰蹙を買う可能性があるからだ。
そうなった場合、このサーヴァントは何をしでかすか解らない。
怒り狂うかもしれないし、非道な拷問を行う可能性だってある。
何はともあれ、我が身が危なくなるのは確実である。
故に最低限の機嫌は保たせる。
そして早苗は、再び礼儀正しくオジギをする。
先程とは違う。今度は早苗からのアイサツ。
それは早苗が謙っていることの証明か。
あるいは見せかけだけの礼節か。
「ドーモ、ラオモト=サン!」
「ムッハハハハハハ!ドーモ、ルーラ=サン!」
早苗のアイサツに応えるように、美女を侍らせた男が高らかに笑う。
彼こそはセイバーのサーヴァント。
平安時代の日本をカラテによって支配した超人『ニンジャ』の力を得た男。
暗黒経済組織『ソウカイヤ』の恐るべき首領―――――ラオモト・カンである!
「首尾を報告せよ、ルーラ=サン」
「……ヨロコンデー!」
ふんぞり返るセイバーに対し、早苗はあくまで下手に出て報告をする。
セイバーの召還から数日、既にこう言った関係が定着している。
主従関係を結んだ日に起こったいざこざがその発端だ。
無論、このような関係は早苗に取って大変不本意である。
しかし今は逆らえない。逆らえば無事では済まないだろう。
それを理解してしまったからこそ、早苗はこうして下手に出ている。
今は耐えるべし。耐えるのだ、木王早苗。
早苗は自らにそう言い聞かせ、歯軋りを心中に仕舞い込みつつ報告を行う。
とはいえ、今回の収穫は乏しいものだった。
早苗は魔法少女『ルーラ』に変身し、使い走りの下級ニンジャ数名と共に会場内の散策を行った。
特にめぼしい発見は得られず、結局複数名による探索は一旦打ち切った。
故に報告においても、さしたる成果は述べられない。
あの地点を探索したが、特に何も無かった。
あの場所へと赴いたが、何も掴めなかった。
彼女が報告できるのはその程度の詰まらぬ話のみ。
それでも言い訳を並べずに淡々と報告できる肝の大きさは、ある意味で早苗の長所とでも言えるか。
さて、報告を聞いたセイバーはどうか。
―――――――――――沈黙。
退屈そうな表情を浮かべ、右脇の娼婦の豊満なバストを揉みしだいている。
期待はずれ。そう言わんばかりの態度に、早苗は息を飲む。
この沈黙が息苦しい。
何をされるのか解らないのが薄気味悪い。
そして、仮にも従者である相手に怯んでしまう自分が悔しい。
早苗は苛立ちを抑えつつもセイバーを見上げ、返答を待つ。
―――――――――――沈黙。
セイバーは左脇の娼婦に酒を注がれ、杯で豪快に飲み下している。
早苗の表情が僅かに歪みそうになる。
かろうじてそれを抑える。
―――――――――――沈黙。
テーブルの上のスシを贅沢にも二つ纏めて摘み、一気に喰らう。
何と下品な食べ方か。そもそも、アメリカのホテルにスシがあったのか。
早苗の眉が一瞬だけぴくりと動く。
―――――――――――沈黙。
スシを飲み込んだセイバーが、ようやく早苗へと再び目を向ける。
爆発しかけていた苛立ちを必死に抑え、セイバーの言葉を待つ。
「ルーラ=サン」
そして、セイバーが口を開いた。
その一言だけでも、異様な威圧感があり。
早苗はごくりと唾を飲む。
「ワシは使える者が好きだ」
セイバーが、ニヤリと笑う。
傲岸不遜な笑みとも取れる。
あるいは、嗜虐的な笑みにも見える。
何処か気味の悪い笑みに、早苗は僅かながら身構えてしまう。
されど耐える。目の前のセイバーの気迫に耐える。
「無論、それはマスターであっても同様。
ルーラ=サン、半端な仕事でワシの期待を裏切ることはするな。
『何でも使え』!ミヤモト・マサシもそう言っている。
貴様も勝利の為にあらゆる手段を使うのだ!ムッハハハハハ!」
セイバーの言う通り、それは彼が敬愛するミヤモト・マサシの兵法書に記された有名な格言である。
彼は笑ってみせた。
ムッハハハハハ。ムッハハハハハハ。
どこまでも豪快に、大胆に、喧しくセイバーは笑う。
それはまさしく王の哄笑。
支配者にのみ許される傲岸不遜な笑い。
先程までの沈黙と不気味な間は何だったのか。
やかましく笑うセイバーに、早苗は苛立ちを覚える。
何なんだ、この男は。
自分が上に立った気になって。
私の指示も聞かずに勝手に部下を動かしたりして。
毎回毎回、訳の解らない態度で私を翻弄して。
本当に、心の底から――――――苛つく。
◆◆◆◆
木王 早苗は苛立っていた。
セイバーへの報告を終え、自室へと戻った彼女はくたびれた身体をベッドへと投げ出す。
ぼふんと跳ね返るベッドの感触に身を任せ、仰向けの状態で天上を見つめる。
色々と思う所はある。
というより、思う所しかない。
彼女の苛立ちの原因の大半はあのセイバーによるものだ。
下品に笑うセイバーの姿を脳裏に過らせ、軽く舌打ちをする。
マスターとはサーヴァントを従えるもの。
古今東西の英霊を隷属させ、主人として使役するもの。
支配する側に立つのは此方のはずだ。
だというのに、この有様は何だ。
セイバーを召還した日。
早苗は部下達と接する時と同じようにセイバーに指図した。
私に従え、私の命令には逆らうな、と。
聖杯戦争とはそういうものだと認識していた。
自身が命令を下せばセイバーは当然のように従うのだと思っていた。
だが、それが逆にセイバーの逆鱗に触れた。
「貴様ごとき小娘が俺様に指図する気か?」とセイバーが怒り、あろうことかマスターである早苗を力ずくで脅迫。
自身にあれこれと指図しないよう早苗を威圧させて以来、気が付けばこんな関係になっている。
セイバーがルーラ/早苗を使役し、ルーラ/早苗はセイバーに従うという主従関係の逆転が発生しているのだ。
無論、早苗の変身態であるルーラとて魔法が使える。
『目の前の相手になんでも命令できるよ』。
それは文字通り、眼前の対象に絶対服従の命令を下せるという恐るべき魔法。
N市でルーラが魔法少女のチームを築くことが出来たのも、この魔法があってこそだ。
では、何故早苗はセイバーにこの魔法を行使しないのか?
それは早苗がセイバーのカラテの片鱗を目の当たりにしてしまったからだ。
セイバーに脅迫されたとき、彼は凄まじい身体能力で早苗に接近してきた。
あれを見て以来、早苗は理解してしまった。
それは矮小な小鳥が大空を羽搏くイーグルには敵わない事を直感するような、本能的な理解。
魔法を使おうとした瞬間、きっとセイバーはそれよりも速く動いて自分を殺しに掛かる。
セイバーにはそれが出来る。瞬時に動いてルーラを殺すことが可能である。
早苗はそれを理解してしまったのだ。
故に彼女は『魔法を使う』という選択肢を諦める。
尤も対魔力を持つセイバーに魔法が通用するのか、それ自体が不明確ではあったが。
セイバーを従える上でもう一つの選択肢がある。
それはマスターに三画ずつ与えられるという令呪だ。
早苗は自らの手の甲に刻まれた令呪を見つめる。
王冠を制圧する一対の剣を思わせる不吉な形状に、表情が僅かに歪む。
これに一言『私に従え』とでも命じれば、早苗はサーヴァントを支配できる。
しかし、それでは駄目だ。
令呪は三画しかない貴重な手札であり、サーヴァントの能力を超えた指示をも下す事が出来るという強力な武器。
それを『サーヴァントを従える』などという通常ならば至極当然に行えることのために態々使うのは無駄でしかない。
結局の所、早苗はセイバーを自らの手で従える手段しか選ぶ事が出来ない。
何かしらの策を弄すればセイバーを出し抜き、魔法を叩き込む隙を作れるかもしれない。
あるいはセイバーを従える事を最優先とすれば、惜しみなく令呪を使えるかもしれない。
だが、早苗はそうしない。
そうすることができない。
何故ならば、早苗は無意識下で『セイバーに敵わない』と認識してしまったからだ。
ネオサイタマを牛耳り、暗黒経済組織を統べる帝王ラオモト・カンに恐怖してしまったからだ。
ラオモトは超人的な能力を持つニンジャをも従える絶対無比の支配者だ。
その力に多くの者が畏怖し、多くの者が畏敬の念を示した。
そう考えれば、彼に恐怖し気圧されるのも当然のことである。
尤も早苗はそれに気付くことは無いし、認めることもしない。
『これはこういう戦術だ』『こういった理由がある』といった都合の良い理屈を並べ立て、自己の沽券を守るのみだ。
カラミティ・メアリという前例を経ても尚、早苗は己の中の恐怖という感情を認める事をしなかった。
とはいえ、表向きは何事も無く振る舞えるのは魔法少女となって得たふてぶてしいメンタルの賜物か。
いつか奴を従えさせる。
どちらが偉大なるリーダーとして相応しいのか、きっちりと叩き込む。
今でなくとも、いずれ解らせてやる。
早苗は宛の無い展望を胸に抱きながら、改めて決意する。
(今は貴方のしもべに甘んじてあげるわ、セイバー。
だけど、いずれ解らせてやる。最後に笑うのはこの私だということを)
【クラス】
セイバー
【真名】
ラオモト・カン@ニンジャスレイヤー
【パラメーター】
筋力A+ 耐久A 敏捷B 魔力C 幸運B 宝具A
【属性】
中立・悪
【クラス別スキル】
対魔力:B
魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。
大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。
騎乗:-
乗り物の運転、操縦などは配下が行うべきこと。
帝王であるラオモトが自らの手で乗り物を操る必要性など存在しない。
よって騎乗スキルは不要。
【保有スキル】
カリスマ:C++
ソウカイ・シンジケートを統べる帝王としての器。
属性が『悪』の者に対しては効果が倍増する。
更に自身と相対した者に精神干渉判定を行い、成功時には『威圧』(相手の筋力値・敏捷値にマイナス補正+精神抵抗判定のファンブル率上昇)のバッドステータスを与える。
ラオモト・カンは優れた実力を持ちながらも本質的には欲深い俗物である。
しかし生前ラオモトの下に集ったニンジャの多くは彼の人間味に身近さを感じ、彼のような大物になりたい、あるいは彼のような人間の下で働きたいという憧れを抱いた。
カラテ:A+
ニンジャの基礎的な戦闘技術。
ランクが高いほど白兵戦・戦術などにおいて有利な補正が掛かり、クリティカル判定が発生しやすくなる。
更に同ランクの「心眼(真)」「勇猛」と同等の効果も兼ね備える。
ソウカイヤを統べるラオモトは圧倒的なカラテを誇る。
チャドー:D
ニンジャの祖“カツ・ワンソー”を開祖とする古代の暗殺拳。
ラオモトの場合暗殺拳そのものは行使できず、自身の体力と魔力を回復させ状態異常を癒す『チャドーの呼吸』を行うことができる。
とはいえ短時間の呼吸では効果は微弱であり、有効に活用するためには連続して繰り返す必要がある。
交渉:B+
メガコーポ経営者としての政治手腕。
取引や対話の際に有利な補正が掛かり、自身にとって優位な条件を取り付けやすくなる。
更に話術判定の成功率にプラス補正が掛かる。
因みに『威圧』のバッドステータスを与えることで、話術判定をより有利な条件で行える。
【宝具】
「デモリション・ニンジャ」
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:-
ソウカイヤの総帥にして最強のニンジャ「デモリション・ニンジャ」としての能力。
ニンジャとしての驚異的な身体能力に加え、『ヨクバリ計画』と呼ばれる施術によって7つのニンジャソウルを内包する存在と化している。
ラオモトはメインとなるニンジャソウルの力を引き出すことで、強力な固有のジツやカラテを繰り出すことが可能。
メインのニンジャソウルはラオモトの任意で切り替えることが可能であり、これによって戦闘中に突然全く異なる戦闘スタイルへと変貌することが出来る。
ただしジツの行使などによって個々のニンジャソウルの力を使いきると、戦闘終了から一時間程経過するまでそのソウルの力を引き出せなくなるという欠点を持つ。
また異なるソウルのジツやカラテを同時使用することは出来ない。
「ガイデット・バイ・マサシ」
ランク:B+ 種別:対人宝具 レンジ:1~2 最大捕捉:10
平安時代に名を馳せた伝説の剣豪ミヤモト・マサシが携えたとされる二本のカタナ『ナンバン』『カロウシ』が宝具化したもの。
ラオモトのカラテと一体化して用いられるため、彼の気力や体術の冴えに応じて与ダメージ値と攻撃判定にボーナス補正が付加される。
更に前述の補正効果に関係なくあらゆる筋力値判定に有利な補正が付く。
「ソウカイ・シックスゲイツ」
ランク:C 種別:対軍宝具 レンジ:- 最大捕捉:-
ラオモト・カンの手足となるニンジャ集団、威力部門『ソウカイ・シックスゲイツ』のニンジャを召喚する。
召喚可能なのはシックスゲイツの6人に属した精鋭ニンジャ、およびそれ以外の下級ニンジャである。
同時召喚人数が増えるか、より強力なニンジャを召喚すれば、それに応じて現界に必要な魔力も大きくなる。
取るに足らぬサンシタ共ならまだしも、シックスゲイツの6人級のニンジャを複数名召喚するとなればマスターの消耗も極めて膨大なものとなるだろう。
なおクラス制限によってゲイトキーパー、ダークニンジャといった幹部ニンジャの召還は不可能である。
またシックスゲイツの6人に関してもインターラプターはオハギに溺れて以降の劣化した状態、ビホルダーは車椅子の状態でしか召還できない。
【Weapon】
ナンバン・カロウシ、己の肉体
『甲冑』
ラオモト・カンが全力の戦闘を行う時のみに着用する鋼の武者甲冑。
その姿はまさしく武田信玄の生き写しめいている。
物理攻撃のダメージを半減させる効果を持つ。
『7つのニンジャソウルの力』
宝具「デモリション・ニンジャ」によって引き出されるラオモトが内包する7つのニンジャソウルの力。
ソウルの種類は以下の通り。
「ブケ・ニンジャ」
ラオモト本来の憑依ソウルにして最大の切り札。
敵を追尾する強力なエネルギー弾「カラテミサイル」を放つ。
無数のカラテミサイルによって弾幕を張ることが出来る他、より多くの魔力を消費することで威力・弾数を増加させることが可能。
「タナカニンジャ・クラン」
周囲の物体を自在に操作するサイコキネシスを操る。
「イタミニンジャ・クラン」
打撃吸収の構えによって相手の物理攻撃を受け止め、苦痛を力に変えて自身の体力を回復する。
「モズニンジャ・クラン」
三次元機動による空中殺法を得意とする。
上空から急降下しながら猛禽のオーラを纏った蹴りを繰り出す「モズ・ダイブキック」が奥義。
「サソリニンジャ・クラン」
サソリを思わせる構えから強力な対空キックを繰り出す。
空中にいる相手に対して与ダメージと攻撃判定の成功率が増加する。
「ビッグニンジャ・クラン」
凄まじい怪力を発揮する。特に頭突き攻撃は生半可な防御なら一方的に打ち破る威力を持つ。
発動中は自身の筋力値判定にプラス補正が掛かる。
「コブラニンジャ・クラン」
眼から相手を即死させる強烈な閃光を放つ。
強力無比な威力を持つが燃費も悪く、幸運値判定によって即死の回避が可能。
また対魔力スキルを保持していれば更に抵抗の成功率が上がる。
【人物背景】
近未来都市ネオサイタマを牛耳る暗黒経済組織「ソウカイ・シンジケート」の首領にしてニンジャ。
数多のニンジャと恐るべき政治手腕を駆使し、暗黒社会の帝王としての地位を築く悪のカリスマ。
残虐非道かつ欲深い俗物であるが、経済組織の総帥としての確かな実力と豪腕を兼ね備える。
【サーヴァントとしての願い】
不老不死の肉体を得て復活を果たす。
【方針】
まずはルーラやシックスゲイツを使役して地盤固め。
必要があれば自ら動く。
【マスター】
ルーラ(木王 早苗)@魔法少女育成計画
【マスターとしての願い】
自身の実力を証明する為に聖杯戦争に勝ち残る。
【weapon】
杖
【能力・技能】
『魔法少女』
魔法少女(正確には魔法少女候補生)としての力。
変身することで常人を凌駕する身体能力と肉体強度を獲得し、更にそれぞれ固有の能力となる魔法を使える。
また魔力を扱う存在であるため魔術師と同等以上の魔力量を備える。
『目の前の相手になんでも命令できるよ』
対象に絶対服従の命令を下せる魔法。
発動時には「ルーラの名のもとに命ずる」という命令を下して杖を相手に向けるポーズを取る必要がある。
魔法の射程は5m程。ポーズを維持している限り効力は続く。
【人物背景】
N市の廃寺を拠点とする魔法少女。
スイムスイムを始めとする複数名の魔法少女を従えてチームを形成している。
高飛車で傲慢な性格。完璧主義者であり他人にも厳しいが面倒見のいい一面も持ち、根は努力家。
かつては一流企業で働くエリート社員だったが、性格を疎まれて左遷させられた過去を持つ。
【令呪】
王冠を二本の交差した刀剣が貫いているような形状。
令呪の消費は左の刀(一画目)→右の刀(二画目)→王冠(三画目)。
【方針】
勝ち残る。
どうにかしてセイバーから主従の主導権を奪いたい。
最終更新:2017年01月10日 18:13