寺坂龍馬&アサシン◆NIKUcB1AGw
時刻は夜。空を見上げれば、鮮やかに光る満月が浮かんでいる。
そう、満月だ。
もう、見られなくなったはずなのに。
◆ ◆ ◆
「まったく、何だってんだよ……。
あのタコが学校に来ただけでも異常事態だってのに、今度は妙な場所に拉致られてつぶし合いだぁ?」
自室の窓から夜空を眺めつつ、少年は毒づいた。
実年齢の割には大柄な体格の彼は、寺坂龍馬。
本来は私立椚ヶ丘学園に通う、中学3年生である。
ほんの数ヶ月前まで、彼はただの一般人だった。
だがある日、日常は崩れ去った。
彼のクラスの担任として、タコのような外見の奇妙な生物が現れたのだ。
そしてその怪生物は、日本政府から100億円の懸賞がかけられた賞金首だった。
その日から、彼のクラスは「暗殺教室」となった。
落ちこぼれだった生徒達が暗殺を通じて成長していく中、彼だけはその流れに取り残されていた。
「だが考えようによっちゃ、これはチャンスかもな……」
窓から離れ、寺坂は呟く。
「聖杯ってのは、どんな願いでも叶えてくれるんだろ?
なら、あのタコをぶっ殺すことだってできるよなあ?
そうすりゃ賞金独り占め……。一生遊んで暮らせるぜ」
寺坂の顔に、下卑た笑みが浮かぶ。
成長を受け入れない今の彼では、聖杯戦争に対してそんな考えしか浮かばないのだ。
「お?」
そうこうしているうちに、異変が起きた。
どこからともなく出現した白紙のトランプが、光を放ち始めたのだ。
「サーヴァントってやつのお出ましか……。なるべく強いのを頼むぜ」
期待を込めて見つめる寺坂の前で、光の中からサーヴァントが出現する。
それは黒い帽子と黒いスーツに身を包んだ、細身の男だ。
「てめえが俺のサーヴァントか。せいぜい役に立って……」
寺坂の言葉は、発砲音に遮られた。
召喚されたサーヴァントが、手にした銃を発砲したのだ。
弾丸は寺坂の頬をギリギリかすめ、壁にめり込む。
「やれやれ、CHAOSだな……。こんななまいきな子供がマスターなら、あっちの姿で召喚されそうなものだが……。
何かアサシンの触媒になるようなものでも持ってたのか、こいつ」
「銃弾ぶっ放しておいて独り言ぬかし始めるんじゃねえよ!」
サーヴァントの態度に、寺坂は怒りをあらわにする。
「こっちにはあれだ……令呪があるんだぜ。これがありゃ、サーヴァントってのはマスターに逆らえないはずだろ!
おとなしく言うことを……」
「わかってねえみてえだな」
「あ? 何をだよ!」
「俺ならお前が令呪を使う前に、お前の頭に銃弾を撃ち込める」
サーヴァントは、真顔でもう一度銃を構える。
その行為で、寺坂は理解した。先ほどとは違い、今度は本気で自分を殺す気だと。
サーヴァントから放たれる殺気が、まさに彼が「殺す気」であることを何よりも雄弁に語っていた。
「…………」
「理解できたみてえだな。完全なバカってわけじゃなさそうだ。
まあこっちも、そう簡単にマスターを殺すつもりはねえ。
よっぽどバカなことをしなけりゃ、ちゃんと面倒見てやるよ」
「この野郎、見下しやがって……!」
「見下されるのがいやなら、強くなるんだな。
なに、俺がついてるんだから心配するな。出来の悪い生徒を指導するのは慣れてるからな」
「生徒」に「指導」。
その言葉が、寺坂にサーヴァントと例の怪物を重ねさせる。
「なんなんだよ、てめえは……! いったい何者だ!」
「俺はアサシンのサーヴァント……。殺し屋で家庭教師(かてきょー)だ」
銃をしまい、アサシンのサーヴァントはニヒルに笑う。
「さあ、マスター。始業のベルを鳴らそうぜ」
【クラス】アサシン
【真名】リボーン
【出典】家庭教師ヒットマンREBORN!
【性別】男
【属性】混沌・中庸
【パラメーター】筋力:D 耐久:C 敏捷:B 魔力:C 幸運:B 宝具:C
【クラススキル】
気配遮断:B
自身の気配を消す能力。隠密行動に適している。
完全に気配を断てばほぼ発見は不可能となるが、攻撃態勢に移るとランクが大きく下がる。
【保有スキル】
射撃:A
銃器による早撃ち、曲撃ちを含めた射撃全般の技術。
心眼(真):B
修行・鍛錬によって培った洞察力。
窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す戦闘論理。
道具作成(偽):C
魔力を帯びた器具を作成する。
アサシンは魔術師ではないが、相棒のレオンの能力により銃弾などを生成できる。
かてきょー:C
人を教え導く才能。
もう一つの姿で召喚されればAランクだが、今の姿は殺し屋としての彼を強調した側面であるためランクダウンしている。
【宝具】
『理欺く混沌の弾丸(カオスショット)』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1-50 最大捕捉:5人
変幻自在の魔弾。
あるときは分裂して複数の敵を襲い、あるときは地面に潜り足下から敵の急所を貫く。
【weapon】
「Cz75・1ST」
チェコ製の拳銃。
「レオン」
リボーンのペットである、形状記憶カメレオン。
自分と同程度のサイズで、一度見たことがあるものであれば自在に変身できる。
またその体内では、特殊な弾丸や防具などを生成できる。
ただしそれには相応の体力を消費するため、一度に作れる量には限度がある。
【人物背景】
かつて、最強の殺し屋として恐れられた男。
あるとき「その時代最強の7人」に選ばれ、「呪われた赤子(アルコバレーノ)」へと変えられてしまう。
その後は長い時をかけて変化を受け入れ、優秀なマフィアを育てる家庭教師となった。
今回は最強の殺し屋としての姿で召喚されている。
【サーヴァントとしての願い】
マスターの性根を鍛え直す
【基本戦術、方針、運用法】
銃が武器ということで、アサシンでありながらアーチャーに近い運用になる。
気配遮断からの狙撃は、他のサーヴァントに対して十分な脅威となるだろう。
まあそもそも、聖杯を狙うつもりがあるのかどうかが曖昧なのだが。
【マスター】寺坂龍馬
【出典】暗殺教室
【性別】男
【令呪】おしゃぶりのような形
【マスターとしての願い】
タコ(殺せんせー)を殺す
【weapon】
なし
【能力・技能】
体力は同年代の中では高い方。
暗殺者としての訓練を受けているが、まだ不真面目だった頃からの参戦であるため練度は低い。
【ロール】
中学生
【人物背景】
私立椚ヶ丘学園3年E組の生徒。
体がでかくて声もでかい、典型的なガキ大将タイプ。
小学生の頃は成績もそこそこよかったため名門の椚ヶ丘に進学するが、授業についていけず落ちこぼれる。
E組でお山の大将に収まることで自尊心を保っていたが、殺せんせーの登場でそれも崩れ去ることになる。
周囲が前向きになっていくことに耐えられず反抗的な態度を貫いていたが、
悪い大人にだまされてクラスメイトを危険にさらしてしまったことがきっかけで考えを変化させていく。
しかし今回の彼は、それより前から聖杯戦争に招かれている。
【方針】
聖杯狙い
最終更新:2017年01月02日 23:36