怪物(フリークス)◆gQzkrK6H2s



キーンコーンカーンコーン

終業のチャイムが鳴った。
僕は全く意識しないで、他愛の無い会話をクラスメートとしながら、今日行く場所に思いを馳せる。
最近事件が多い為、僕の観光も何処に行くのか迷いがちだ。
考えながら視線を動かし、今日も僕は森野夜の手首を見る。
彼女の手首には、僕に“ある衝動”を抱かせた美しい赤い線が変わらず存在していた。



1時間後、僕は公園に居た。
大質量で叩き潰された少女の死体が見つかった交差点。ここ数日晴れが続いていたのに、落雷で感電死したとしか思えない男の死体が見つかった駐車場。
それらを巡ってから最後に、バラバラになった男と、心臓を人間の手で抉り取られたと思しき女性が見つかった公園へやってきたのだ。
最近立て続けに起きている行方不明や奇怪な殺人事件。マスコミやオカルトマニアの間では議論百出しているがそんばものに対する関心は僕には無い。
血溜まりの中、女性が倒れていたという場所に足を揃えて立つ。
命の失われた場所に立ち、感触を靴底に感じる……。
目を閉じて佇んでいると、不意に話しかけられた。

【一体…なんの目的でこんな事をしているんだい】

音では無い声。空気を震わさない声。数日前、乾く音が聞こえると同時に僕の元を訪れた『彼』の声。
離れた場所で、好みの女性を物色している『彼』僕も言葉にせずに答えを返す。

【ただの趣味ですよ。まあひょっとしたら犯人と出逢えるかも知れませんが】

無表情に、声に抑揚をつけないまま言葉を返す。不機嫌なpのでは無く、これが僕の自然体だった。

【やれやれ、ワザワザ揉め事に巻き込まれたいのかい】

声の主は僕の行為に呆れている様だった。
僕は人を生き埋めにしたいという衝動に駆られて、子供を殺してしまった警官と話をしたことを思い出しながら『彼』に答えた。p

【何の為に殺人をするのか、という事を訊いてみたいんですよ】

そう言って僕は『彼』の居る方を見る。平凡な人間の顔をした漆黒の意思の持ち主を。平凡な人たちに埋没する怪物を。
✳︎✳︎を⚫️したあの夜以来、聞こえなかった、ナイフの涸渇する音が聞こえてきた。

【平穏がモットーなのに殺し合いに呼ばれるとはね。まあ聖杯とやらを手に入れるまでの我慢だ】

『彼』は植物の様に平穏な人生を望むつもりらしい。結構なことだと思う。僕なんて何を願うか未だ判らないというのに。

【そろそろ行かないかい?あの喫茶店のサンドイッチは『サンジェルマン』にも負けないものだ。雰囲気も良い】

ナンパに成功した『彼』が『彼女』を連れてやってくるのを見て、僕は観光を切り上げることにした。

【そうですね。観光も一通り終わりましたし】

あの喫茶店のマスターは、僕が知る通りの人物なら、既に三人の人間を解体している殺人者なのだが、今の所はNPCと認識しておいて良いのだろう。

【ああ…それと】

僕は『彼』の連れてきた『彼女』について訊いてみた。

「何処でナンパしてきたんですか」

「観光を楽しんでいる君を尾け回していたのを見つけてね。中々綺麗だったんで『彼女』になってもらった」

女性の左手首を手にして、事も無げにいうその在り方は、常人なら嫌悪の対象になるのだろうが、僕にとっては気が落ち着く。
僕も彼と同じ普通からは逸脱した存在で、殺人者なのだから。
『彼女』とイチャつく『彼』を見ていると、森野夜の手首を欲しいと思った時の衝動を思い出した。



曇りがちな 空の下、僕等は『彼』のお気に入りの喫茶店に向かうことにした。
僕らが去った後の公園には、僕ら以外に人間が居た痕跡など一切無かった。





【クラス】
アーチャー

【真名】
吉良吉影@ジョジョの奇妙な冒険 PART4 ダイヤモンドは砕けない

【ステータス】
筋力:E 耐久:E 敏捷:E 幸運:B 魔力:D 宝具:B

【属性】
秩序・悪

【クラススキル】
対魔力:D
一工程(シングルアクション)による魔術行使を無効化する。
魔力避けのアミュレット程度の対魔力。

単独行動:B
マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
ランクBならば、マスターを失っても二日間現界可能。


【保有スキル】

擬態:A
周囲に自分の才能や性質を隠蔽し、平凡な人間を演じ続けた続けた、街に潜み続けた生涯。
実体化している時でもサーヴァントとして感知されなくなる。
彼の素性を知るものや、高ランクの探知スキルの持ち主でも無い限りは面と向かって話しかけられても認識出来ない。
宝具、キラークィーン使用時には効果は消滅し、キラークィーンを使用したところを見た者には永続的に効果を失う。


あざなえる縄:C+
ピンチの時程ツキ(チャンス)が巡ってくる。ただし、冷静に事態に対処し、チャンスを正確に掴まなければならない。出来なければチャンスはその手から零れ落ちる。


精神異常:D+++
他者の感情を気にしない。また、目の前で残忍な行為が行われても平然としている。
ただし、アーチャーは他者の感情を察して行動することは可能。


殺人鬼:A
殺人という行為に対して大幅に成功率を上げる。具体的には不意打ちが悟られにくくなり、逃亡が成功しやすくなる。
アーチャーは爪が異常に伸びる時期が有り、この時の殺人の体調は『絶好調』となる。
サーヴァントとして最盛期の状態で呼ばれている為に、体調はこの状態で固定される。
欠点は殺人に対する衝動が高まり過ぎて抑えられないこと。



【宝具】
キラークィーン
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ :1~5 最大補足:1人

吉良吉影の精神が具象化した人型の像(スタンド)
触れたものを爆弾に変える能力を持つ。
爆弾は『変えられたものが爆発する』タイプと『爆弾に触れたものが爆発する』二つのタイプがあり。起爆方法も『爆弾に触れると爆発する』タイプと『キラークィーンがスイッチを押して起爆する』の二通りがある。
爆弾の作動には空気が必要で、真空状態では起爆出来ない。
腹部に物体を収納できる。
本来スタンドはスタンド使い以外には認識も干渉も出来ないが、サーヴァントと化したことによりその特典は失われている。
ただし、機械の類では認識出来ない。
キラークィーンは筋力:A 耐久:C 敏捷:B 幸運:ー 魔力:B 宝具:ー
のサーヴァントに相応するパラメータを持つ。


シアーハートアタック
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ :1~99 最大補足:1人

キラークィーンの左手から射出される自動追尾型の爆弾。
熱源を探知して何処までも追尾する。
誰かを爆殺してもシアーハートアタックは消えず、次の標的に襲いかかる。
シアーハートアタックはA+の筋力で連撃を加えられてもダメージを受けないほど頑丈。
対象を殲滅すればアーチャー元に戻ってくる。
欠点は熱源探知である為に火でも使われるとそちらの方に突っ込んで行く事と、行動不能になった場合アーチャーが直接回収に赴かねばならない事。
ダメージフィードバックはアーチャーの左手のみに現れる。


奪いしもう一つの顔(ダブル・フェイス)
ランク:D 種別:対人宝具 レンジ :1 最大補足:自分自身

追い詰められた時に川尻浩作の顔と指紋を奪い、川尻浩作の存在を奪った逸話から得た宝具。
吉良吉影の姿から川尻浩作の姿に変わることができる。
この姿でキラークィーンを使用したところを見られても、吉良吉影の姿に戻れば擬態スキルの効果を変わらず発揮できる。逆もまた然り。


【weapon】
スタンド『キラークィーン』

【人物背景】
S市杜王町出身のサラリーマン。平凡で仕事は真面目にそつ無くこなす。
実際には非常に優れた才能の持ち主だが、『植物の様な平穏』を得る為、注目されるて平穏が乱されることを避けている。
その本質は人を殺さずにはいられない殺人鬼。18歳の時から女性ばかり48人も殺害してきた。男も含めれば優に三桁は殺害していると思われる。
長らく杜王町で平凡な人間を装い殺人を繰り返してきたが、東方仗助達にその存在が発覚し、顔を変えて逃亡するも最後は追い詰められ、死亡した。


【方針】
出来るだけ闘ったりせずに確実に殺していく

【聖杯にかける願い】
復活して『植物の様に平穏』な人生を送る。


【マスター】
神山樹@GOTH

【能力・技能】
高い洞察力と、他人とはかけ離れた人間性からくる冷静さ。
自身の異質さを覆い隠せる演技力。

【weapon】
ある連続殺人事件の犯人から譲り受けたナイフ

【ロール】
高校生

【人物背景】
勉強は出来ないが周囲を明るくする雰囲気を持った。人懐っこい子犬の様と評される事もある男子高校生。
実際には人に暗黒面に強く惹かれる性質を持ち、興味本位で周囲に起こる殺人事件の犯人を突き止めるが、その目的は“好奇心を満たす為”。若しくは執着している森野夜を他人に殺させない為。
作中で事も無げに人を二人殺している。(一人は自殺幇助だが)
自身の性質を周囲に悟らせない演技力を持つが、意識して行なっているものでは無く、極自然に仮面を被っている。
一人称は『俺』と『僕』を使い分けている。

【令呪の形・位置】
左手の平に髑髏の形

【聖杯にかける願い】
無い。今の所は

【方針】
アーチャーに任せる。他のマスターに心情を聞いてみたい。






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最終更新:2016年11月23日 18:58