黄金の悪魔はどうやって聖杯戦争に参加したのか◆DIOmGZNoiw




 ランサーは膝をついた。吐き出された血反吐が、眼下を赤く汚す。血まみれの手が、土色の地面に赤い手形をつける。スノーフィールドの北に位置する渓谷へと続く土色の道路は、やる前までは整然と舗装されていたが、今となっては至るところが抉れ、血に汚されている。この場所で敵のサーヴァントとの戦闘に入り、そして、先に折れたのは、ランサーの方だった。
 両手を地面について体を支えながら、ランサーは顔を上げた。敵のサーヴァントが、傷ひとつ負わぬまま、悠然と歩を進める。敵は、その体を、淡い月明かりを反射させてきらめく黄金の装甲に包んでいた。街灯ひとつない夜の荒野に、禍々しく輝く赤の瞳が揺らめいている。
 元来ランサーが所持しているべき槍の宝具は、ランサーの手元にはない。ランサーの眼前で、本来の持ち主から宝具を奪い取った敵が、片手で槍を大きく回転させ、腋に抱え込んだ。敵は、自らの武器を持たず、ランサーから奪い取った槍で戦っていた。クラスがわからない。

「きさまは、いったい」
「わたしのことはゴルドドライブと呼べ」
「ゴルド、ドライブ」

 ゴルドドライブと呼ばれた男は、金の仮面の下で心地よさそうに笑った。

「くく……ふふふ。まあ、試運転としてはこんなところか」
「試運転……だと」
「そうさランサー。貴様は言わば、このわたしの性能をつまびらかにするための研究材料に過ぎん。そういう意味では、今回の目的は概ね果たしたと言えよう。ふっふふ……貴様は、まあ、よぉく戦った方だよ」

 頭上から降り注ぐゴルドドライブのあざけりを聞いても、今更ランサーが怒りで頭に血を上らせるということはなかった。いかに笑われようと、いかに侮蔑されようと、ゴルドドライブとの間に開いた戦力差はいかんともしがたい。
 眼前の地面に、ランサーの槍の切っ先が突き立てられた。

「せめてもの情けだ。それを使って、わたしに一矢報いてみたまえ」
「き、さま」

 振るえる手で槍の柄を握るが、自力で体を起こすだけの体力は最早残っていない。突き立てられた槍を杖代わりに身を起こすが、今度は黄金の装甲で覆われたゴルドドライブの脚が、救い上げるようにランサーの胴を蹴り上げた。胴体がくの字に折れ曲がる。蹴り飛ばされたランサーは、受け身すらまともに取れずその身を地べたに転がされた。

「さっさとしろこのグズがッ!」

 低い声で、ゴルドドライブが怒鳴った。最前まで笑っていたことが嘘のようだった。
 戦乱の世を生き抜いてきたランサーだが、このような屈辱を味わったことは、生前にはなかった。怒りよりも、自身の情けなさが先に立つ。背後に控える主人を守らねばならない、それは騎士としての使命だ。だというのに、現状はそれすらもままならない。
 首を捻って、ちらと後方へ視線を送る。此度の聖杯戦争において、ランサーのマスターに選ばれた少女が、大きくぱっちりとした可愛らしい瞳を赤く充血させて、逃げずにランサーの戦いを見守っている。
 早く逃げて欲しい。そう思うと同時に、少女の顔を見た時、ランサーは胸のうちを熱い感情に焦がされるのを感じた。最前まで敵との戦力差による絶望に満たされていた心に、守らねばならないという、熱い感情が再燃した。
 もう一度、槍を地面に突き立てた。傷付いた体を無理矢理起こして、ランサーは構えを取った。過度な傷は、とうに感覚を一周させている。もはや痛みという痛みは感じない。その代わり、ただただ体が重い。だが、それだけだ。重いだけならば、まだまだ戦える。ランサーは自分にそう言い聞かせた。

「マス、ター……お逃げ、ください。あなたが逃げるだけの時間は、わたしが、稼ぎます」
「おォいおい、そんな体で、まだ自らの主人を護り抜くため戦おうというのか? まったく、これだから力量の差を理解できんバカは始末におえんのだ」
「なんとでも、言え……わたしは、主を守る騎士。この身を盾としてでも、主は……主だけは、護り抜く」

 体が急に軽くなった。傷の痛みも、重さも感じなくなった。体の内側、四肢の末端まで、一斉に励起した魔力が行き届く。ランサーは察した。マスターが、令呪を使ったのだ。それも、一画どころではない、この分ならば、二画か、或いは三画一気に使われた可能性すらある。

「マスター」

 愚かな判断だと、ランサーは思う。ここで令呪を残して離脱さえしてくれれば、あわよくばマスターを失ったはぐれサーヴァントと再契約するという選択肢もあったのに、おそらくあの少女は、その選択肢を思い浮かべてなお、ランサーのために令呪を使うという判断に至ったのだ。それだけ信頼されているということだ。騎士としての使命感よりも、嬉しい、という感情が上回った。応えないわけにはいかなかった。

「これが最後の勝負だ、ゴルドドライブとやら」

 まなじりを決して、ランサーはゴルドドライブへと槍の切っ先を向ける。
 宝具を解放し、槍へと魔力を循環させる。神秘の輝きを纏った槍が、大気を震わせる。膨大な魔力が槍に集中し、溢れ出した光輝がオーラとなってゆらめく。槍を振りかぶった。

「ああ、望むところだとも。わたしもこれを試してみたかった」

 嘲りを含んだ半笑いの受け答えに次いで、ゴルドドライブが、己のベルトに備えられたキーを捻った。車のエンジン音を連想させる駆動音が鳴り響く。黄金の胸部装甲に袈裟懸けに装着されていた巨大な円環が、煌々と輝く金の波動を放出した。

「なっ……に」

 宝具の発動条件を満たし、あとは投擲するのみという状態だったランサーの宝具が、敵の放った光に触れると同時、槍という存在そのものが掻き消された。最も慣れ親しんだ武器が、データ情報にまで分解され、ゴルドドライブの手元へと移動する。飽和状態の魔力を内包した槍が、ゴルドドライブの手に握られる形で、再構築された。

「ふ、ぁ、は、は、あっはっ、はっはぁ! 見ろランサぁああ、わたしはこのネットワーク世界の神にも等しい力を手に入れたぞ!」
「ば、か……な」

 奪い取った槍を、ゴルドドライブは大きく振りかぶった。徒手空拳のランサーに、対抗する手段はない。敗北を悟ったランサーは、最後にちらと後方を振り返った。少女は、その大きな瞳から涙を零して、ランサーを見つめていた。

 ――逃げて。

 口元をそう動かして、最後のメッセージをマスターへと送る。ここでランサーが敗れることは必定だが、今ならばまだ、マスターだけでも逃げおおせる可能性は十分にある。マスターさえ生きていてくれるなら、騎士の役目は果たしたも同然だ。
 ランサーは、迫り来る死を覚悟し、目を閉じた。だけれども、覚悟した瞬間が訪れることはなかった。瞳を閉じたランサーの脇を、膨大な魔力が擦過してゆく。その熱に焦がされて、ランサーは思わず瞳を開けた。ランサーが見たのは、膨大な魔力の輝きを迸らせた槍の一撃が、ランサーの脇を通過して、視界を通りすぎていく瞬間だった。
 一瞬遅れて、魔力の輝き迸る槍の切っ先が、少女の上半身を消し飛ばした。断末魔の声すらあげることなく、少女の半分になった体は、はじめ膝から地面について、最後にはどさりとその場に倒れ付した。

「え」

 今自分が見ているものが、理解できなかった。ランサーが命を懸けてでも守ろうと誓った少女は、その腰から上を消滅させている。傷口が此方に向けられている。瞬間的に迸った魔力の熱量によって、傷口は焼かれていた。一拍おいて、内側から内蔵が溢れだした。血液が、あとからあとからじわじわと流れでてゆく。
 そこには、あの可愛らしい少女の面影は、もうなかった。透き通るようなブロンドの髪も、大きな青の瞳も、少しそばかすのある愛嬌のある顔も。少女を思い出させるものはすべて消し飛んでしまった。遺されたのは、腰から下の下半身だけだった。やがて、筋肉の支えを失った少女の股下から、透明の液体が溢れ出した。
 ランサーの大切な人は、今や身体を半分失って、無残な姿で、血と、尿とにまみれている。あの少女は、もう、この世にはいない。遅ればせながら、ランサーはそれを理解してしまった。

「あ、ああ……そんな……嘘だ、なぜ……どう、して」
「あっは、ふふ、ンふふぁあは、ふはっ……ランサぁああ、心配するな。ただ、おまえのマスターが死んだだけじゃないか……、あぁ――」

 あぁ、と。
 心底から感動したとでも言わんばかりの恍惚とした声音で、ゴルドドライブは感に堪えぬ声を漏らした。事態に満足して、悦に入っていることが傍目にもわかる。やがて、ゴルドドライブのうっとりとした声が、笑い声へと変わった。

「――あぁあ、あァーっはっはっはっはっはぁ! あーっはっはっはっはッ! ふぅは、ふぅぁあはぁははは、ふひぁ、ふっ、ふふっ……ふひゃ、はァーーッはっはっはっはっへぇあっ、は、あへぁあはははははははァッ!!」

 耳を聾する哄笑が、夜の荒野にこだまする。
 なにがそんなにおかしいのか、なにがそんなに面白いのか、ランサーには、微塵も理解できない。ただ、難き仇敵は、その黄金の装甲で月光を一身に受け止めるように、大胆に両腕を広げて、狂ったように笑っている。
 はじめはゴルドドライブの心理が心底から理解できない、と思っていた。だけれども、すぐにそんなことはどうでもいいと思えて来た。敵のサーヴァントがなにを考えているのかとか、どうしてランサーではなく、戦う力も持たぬ少女を殺したのかとか、そんなことはもう、どうでもいいのだ。もう、なにもかも、どうでもいいのだ。
 あの優しい少女のことを思うと、胸に宿っていたあたたかな感情が一挙に沸騰して溢れ出し、激しい熱を持った感情が、ランサーのあらゆる思考を押しつぶしていった。理性が、意識が、押し寄せる感情の洪水に抗う術を持たず、水面下へと沈潜してゆく。代わりに浮き上がってきたのは、あれだけ侮蔑されてもついぞ抱かなかった、汲めども尽きぬ激しい怒りだった。

「おぉぉぉぉおぉあああああああッ、貴様ッ、貴様だけはァァーーーッ!」
「ははははは、怒ったかランサー! いいぞ、わたしはもう目的を果たした! 最後の仕上げだ、貴様にはこの場で消えてもらおう!」

 怒りの熱に焦がされ駆け出したランサーを、ゴルドドライブの腕から放たれた黄金に輝く光弾が迎え撃つ。もはや、回避をしようという考えはなかった。腕を胴を、片口を、光弾に穿たれ、纏っていた鎧が弾けてなお、ランサーは止まらなかった。瞬く間にゴルドドライブとの距離を詰めたランサーは、再度手元に具現化させた槍でもって、その首を薙ぎ払わんと横一線に振りぬくが、ゴルドドライブは最小限の動きで身を屈めて回避した。飛び込んだ勢いも止まらぬうちに、ゴルドドライブの拳がランサーの顔面へと二連続で叩き込まれた。一瞬怯んだランサーの胴に、強烈な前蹴りが叩き込まれた。血反吐を吐いて、ランサーの体は後方へと吹っ飛んでいった。

「ふぁっはっはっはっははははァ……これで終わりにしてやるぞ、ランサぁぁあぁぁ」

 ゴルドドライブが、ベルトのエンジンキーを再度捻った。車の走行音にも似た駆動音を響かせて、敵の脚が黄金の光を放つ。仮面の大部分を締める赤の複眼が禍々しく発光する。足元から溢れ出る輝きに照らされて、黄金の装甲が煌めいているように見えた。
 飛び上がったゴルドドライブの脚が、ランサーの胴体へと突き刺さった。それが本当に、最期の瞬間だった。
 霊基ごと蹴り砕かれたランサーの体が、金の粒子となって消滅してゆく。ランサーは最期に、かすれるような小さな声で、短い時をともに過ごしてくれたマスターの名を呟いた。その声すらも、ゴルドドライブのエンジン音にかき消された。


 ランサーの霊基が完全に消滅したのを見届けたゴルドドライブは、無残にも下半身のみの姿と化した少女の亡骸に、その赤い複眼を向ける。一応、聖杯戦争のルール上、サーヴァント同士の争いの痕跡は秘匿しておくに越したことはない。遺体は消しておいた方がよいのだろうとは思うが、今はどうにも気が向かなかった。初陣で自らの性能を危なげなく確かめたことで、ゴルドドライブは既に満足している。内から込み上げる多幸感が、煩わしい作業を拒否していた。
 結局、ゴルドドライブは少女の遺体をその場に放置したまま、この場を立ち去ることにした。遺体が放置されていたからといって、それが直接サーヴァント戦によるものだという証拠にはならない。必要でないなら、面倒な作業をすすんでやる気は起きなかった。そういう不要な作業は、明日にでも適当な者がやっておけばよい。少なくとも、世界すら支配する器を持った男がする仕事ではない。

「フン、まったく、マスターなど所詮はただの駒に過ぎんというのに……不要なものを守ろうとするから不要な作業が増えるのだ。この世にはそれがわからんバカどもが多過ぎる」

 ゴルドドライブに、あのランサーに追従していたような煩わしいマスターはいない。
 正確には、いた。今はいない。名も知らぬ参加者が、この聖杯戦争における本来の記憶を取り戻して、ゴルドドライブの――蛮野天十郎の人格を宿したベルトを召喚したのは、昨日の話だ。キャスターのクラスをもって、ベルトの身体に自身の意識を内包した状態で限界した蛮野は、言葉巧みにマスターを誘導し、自らを装着させた。あとは、ゴルドドライブへの変身を遂げると同時に、蛮野の人格がマスターだった者の人格データを上書きすることで、蛮野は自らの身体と、マスターの権利の両方を手に入れた。
 ゴルドドライブの金の手甲には、赤の令呪が浮かんでいる。令呪の使用権も、他者に委ねる必要はない。ゴルドドライブが、自分の意思で、自分のためだけに令呪を使うのだ。もしも令呪が尽きたなら、適当に他のマスターの身体を乗っ取って、この身体を捨てればよい。魔力が枯渇した場合も、同様に身体を乗り換えればよい。ゴルドドライブにとって、マスターなどその程度の存在でしかなかった。
 宝具も武器も必要ない。必要なものは、持っているものから奪い取る。クリムの発明を奪い取って自らのものにしたように、持っているものから、なにもかも奪ってしまえばいい。それだけで、聖杯はゴルドドライブのものとなることは必定であると思われた。

「ふふ……ふふふふふぁはははははっ、月のムーンセルといえども所詮はデータ世界ッ! この世界においてわたしは神にも等しい力を手に入れたッ!」

 蛮野天十郎は、ネットワーク世界の神だ。それがデータである限り、なんであろうと蛮野天十郎の思うままに操作することができる。これが月の電脳世界における戦争であるからこそ、ゴルドドライブは無敵なのだ。その特性を理解しているからこそ、ゴルドドライブは嗤う。

「もはや誰にもわたしは止められない! 世界がわたしの足元に跪くその日までッ!」

 夜の荒野に、ゴルドドライブは吠えた。広大なスノーフィールドを覆う星空に、ゴルドドライブの高らかな哄笑が吸い込まれていった。



【出展】仮面ライダードライブ
【CLASS】キャスター
【真名】ゴルドドライブ=蛮野天十郎
【属性】混沌・悪
【ステータス】
筋力A 耐久B+ 敏捷B 魔力C 幸運D 宝具A
(※変身後のステータス)

【クラス別スキル】
陣地作成:C
 魔術師として自らに有利な陣地な陣地、小規模な「工房」を作成可能。
 最低限の資材さえあれば、そこが何処であろうと研究所として扱うことができる。

道具作成:A
 機械生命体『ロイミュード』ほか、様々な兵器を開発した才能。
 資材さえ揃えばあらゆる兵器・道具を開発できる。ただし、新規の『ロイミュード』を作成することはできない。

【保有スキル】
単独行動:EX
 マスター不在・魔力供給なしでも長時間現界していられる能力。
 彼の場合、ベルトさえ無事ならばいつまでも現界していられる。

変身:A
 自身を装着した対象の人格データを、自らの人格データで上書きし、邪悪なる戦士、ゴルドドライブへと変身させる。
 ゴルドドライブへの変身後は、基本的には元の人格は消失するが、対魔力を持つものや、強靭な精神力を持つもの、強力な神秘の加護を受けているものには効力が薄く、仮に身体を乗っ取ったとしても、完全な支配下にはおけない。

超重加速:B
 ゴルドドライブは超進化態と等しい存在である。
 ロイミュードが発生させる重加速現象の影響を受けず、その他の時間干渉能力に対しても同様の耐性を持ち、時間干渉空間の中でもある程度自由に活動できる。
 ただし、低速化の度合いによって耐性効果は落ちるため、超重加速を越える低速化現象(時間停止など)の空間内では、それなりに動きも鈍る。

ネットワーク世界の神:A
 蛮野天十郎は長年データの世界に潜み続けた。
 対象のデータ・プログラムを任意に書き換えることができる。具体的には、ダメージを負った人間を一度データ情報にまで分解し、傷を負っているという情報、或いはバッドステータスに纏わる情報を削除して、健全な状態で再構築する。
 また、対象が機械であれば、支配権を奪って操るだけでなく、任意の改造、または悪性プログラムの埋め込みなど、あらゆる面での操作を行うことができる。

【宝具】
『黄金の簒奪劇(ゴルドコンバージョン)』
ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1~10 最大補足:1~10
 戦闘した仮面ライダーたちの武器や道具を分解し、自らの武器として再構築したという逸話を、ムーンセルによって再現された電脳世界専用宝具。
 ベルトのイグニッションキーをひねることで、タイヤから特殊な波動を放ち、この波動に触れた武器・宝具をデータ情報レベルにまで分解し、自らのものとして再構築することで奪い取る。また、再構築時には、分解時の情報を参照するため、宝具の発動シークエンスに入っている状態で発動すれば、そのまま奪い取って自らの宝具として使用することも可能である。
 ただし、この宝具は科学によって編み出された宝具である。神秘を伴う宝具を奪った場合、その神秘まで完全再現することはできず、本来得られる筈だった加護や威力は大きく低下する。

【Weapon】
『バンノドライバー』
 クリム・スタインベルトが開発したドライブドライバーのデータを盗むことで開発したゴルドドライブへの変身ベルト。このベルトに宿った蛮野天十郎の意思が、キャスターとしてのサーヴァント本体。つまり、実質的にベルトが本体である。
 ベルト単体でも光弾や触手で攻撃することができるほか、自らのスキルで機械を操作して攻撃に転用することも可能。劇中では、身体を持たぬベルト状態で複数体のロイミュードを撃破せしめている。
 ただし、ゴルドドライブの本体がこのベルトである以上、ベルトが破壊されればその時点で蛮野天十郎の意識は消滅する。

【SKILL】
『重加速』
 ロイミュードが持つ基本能力。自身を中心に重加速領域を形成する。
 重加速の効果範囲内では、時間の流れが変わったかのように身体を動かすことが困難になる。ゴルドドライブは当然ながらこの影響を受けない。

『超重加速』
 拳を地面に打ち付けることで、ゴルドドライブを中心に黄金のオーラを発生させる。効果範囲内では、通常のロイミュードが発生させる重加速よりも更に強力な重加速空間が展開され、タイプフォーミュラ並の超加速能力を持ったもの以外は活動できなくなる。
 また、原作では、発動時に周囲の器物が宙に浮き上がり、跡形も無く吹き飛んで消滅するような描写も成されている。

【人物背景】
 機械生命体『ロイミュード』を生み出した天才科学者でありながら、グローバルフリーズに始まるすべてのロイミュード事件の元凶たる黒幕。
 蛮野天十郎本人はロイミュードの反乱の際に死亡したとされていたが、実際には自らの人格をプログラムとしてコンピュータの中で生き続けていた。

 非常に利己的で、家族ですら自分の駒としてしか見ていない。自分の思い通りにならないものはなんであろうと気に食わず、生前、蛮野への出資を断った実業家への鬱憤晴らしのため、自らの生み出したロイミュードに実業家の姿をコピーさせ、拷問にかけるなどといった陰湿さを秘めている。
 さらに、自分以外のすべての人間を完全に見下しており、世界は自分のものだとまで言い切っている。その一方で前述の実業家やクリムが蛮野を見限ろうとした際には情けなく追いすがるなど、傲慢で身勝手ながら、その実矮小な人物であったことが伺える。

 最終的な目的は、全人類をロイミュード同様にデータ化して自分が統制者として管理し、世界を自分の支配下に置くこと。

【サーヴァントとしての願い】
 聖杯を獲り、今度こそ野望を成就させる。

【基本戦術、方針、運用法】
 ゴルドドライブには、マスターが存在しない。その代わり、本来マスターが行使できるあらゆる権利を、自身が有していることが強みである。
 マスター不在でもベルトが存在する限り限界し続けていられる特性を活かして、都合が悪くなったマスターからは早々に手を切り、他のNPC、またはマスター・サーヴァントの身体を奪い取ってゴルドドライブの姿を保ち続ける。
 同様に、宝具とよべる武器も持たないが、それは対戦相手から奪い取ればいいだけである。敵の宝具を封じ、自らの武器と変える点は非常に悪質と言えよう。
 たとえ戦闘が不利な状況に転んでも、離脱さえしてしまえば、自らの肉体となる参加者の傷を、自らのスキルで治療することができるため、非常にしぶといサーヴァントである。倒すには、チェイサーマッハがやったように一気に押し切って身体とベルトを分離し、離脱される前にベルトを破壊するという戦法が有効。
 ただし、ベルト本体がそのまま弱点であることは、蛮野とて理解している。理解しているからこそ、ゴルドドライブ、またはバンノドライバーも、自らのベルトは必死に守ることだろう。

【出店】――
【マスター】不明
【参加方法】不明

【人物背景】
 不明。名もなきマスターだが、蛮野天十郎を召喚してしまったことが運の尽き。
 今や自らの意識を蛮野天十郎によって上書きされ、ゴルドドライブの生体パーツとして利用されるのみである。

【能力・技能】
 不明。ただし、常時変身状態であるため、実質的にはゴルドドライブの能力がそのままマスターの能力ともいえる。

【マスターとしての願い】
 不明

【令呪】
 左手の甲に三画。

【方針】
 必要な物は奪い取る。
 利用できるものは利用する。







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最終更新:2017年01月28日 04:21