マッハは何処を目指して走るのか ◆wzmTZGmcwM


「はっ…はっ…はっ…………」

夜のスノーフィールド、その暗がりの中を一人の女性が走っていた。
女性は警察署に勤務する警察官であり、それなりに鍛えられた肉体と署内でも上位に入る銃の腕前を自身でも誇りに思っていた。
ある時期を境に急増しはじめた怪事件や、俄には信じ難い怪現象の目撃談や都市伝説の数々。
スノーフィールドがただならぬ状況になりつつあることを明敏に察していた女性は今夜、同僚と共に力を入れてパトロールに当たっていた。

……そして、見てしまったのだ。
パトカーのサイドウィンドウを閉めていても聞こえてきた奇妙な、断続的に鳴り響く金属音。
今思えば、使命感に駆られて同僚と様子を見に行ったのが良くなかったのだろう。
小規模なビルが入り組んだ路地のちょっとした広場のようなスペースで信じ難い光景を目撃してしまった。


長大な槍らしきものを振り回す男と見慣れない形状の細い剣で男に立ち向かう女を。
およそ前時代的に過ぎる決闘行為、しかしてその実状は女性の常識を遥か彼方へ置き去りにする凄烈さだった。
槍と剣がぶつかる度に暴風が吹き荒れ、コンクリートの路地がいとも簡単に砕け空中でさらに寸断されていく。
そもそも両者の動きの軌跡をほとんど目で追うことすらできない。
一つ、はっきりと理解できたことは、こんな争いに人間なんかが介入できるはずがないということだけ。

警察として取り締まる?
馬鹿を言え、軍隊でもなければあんな化け物どもを鎮圧などできるものか!
知らず同僚の腕を握る手に力が入った。


「悪いが、これで終わりだ」

男が持つ槍の先端に光が集まっていく。
光を纏った槍を振るった途端女が持っていた剣が砕け散り、続けざまの一閃で女の身体を真っ二つに切り裂いた。
光が人体を裂き、爆発した後には何も残らない……まるで現実味のない、冗談のような光景だった。

女性は同僚よりも早く現実に立ち戻り、強く腕を引いてその場から立ち去ろうとした。
理由はわからない、しかしここにいる事がばれれば殺されるという奇妙な確信があった。
だがこっそりと走り去ろうとしたその瞬間、道端の小石を蹴ってしまった。


「誰だ!?」

男の大音声が響く。
気づかれた、そう悟った二人の反応は早く一目散に駐車してあるパトカーへ向けて走り出した。
踏み出す足の一歩一歩が普段より異様に遅く感じられた。

「あっ!?」

運悪く躓いた同僚が受け身も取れないまま転倒した。
普段なら助け起こしただろう、しかし女性はそうしようとはせず我先にと逃げた。
だってどうしようもなく理解できる。
たった一度でも立ち止まれば死神に絡め取られるに違いない、と。

少しして、グチャリ、と肉を刺し貫くような音が聞こえた。
限界さえ超えてさらに走る。パトカーはもうすぐそこだ。
あれに乗って、エンジンをかけさえすれば逃げられる。


「早く…!」
「そう焦るな、どのみち終わりだ」


ドスンと、嫌な音が聞こえた。
いつの間に、どうやったのか、男が手にした槍でパトカーを上から真っ直ぐに刺し貫いていた。
エンジンまで深く刺さっていたのか直後に車は爆発した。
爆発や飛んだ破片に当たらなかったのは運が良かったのか悪かったのか、女性自身もわからなかった。


「い、嫌……」
「お前たちに罪は無い。ただ我らに落ち度があっただけだ。
理不尽にも程がある話だろうが我ら、いや神秘の存在を一般に露呈させるわけにはいかん」

車に辿り着きさえすれば逃げられるなんて、どうしてそんな甘いことを考えてしまったのだろう。
この男が言う神秘とやらを目撃してしまった時点で運命は決まっていた。
ゆっくりと男が槍を振り上げた。もはや女性には動く気力もない。



「そこまでだ!」


女性の背後から飛来したエネルギーの弾丸を男の背後の壁に着弾した。
女性が声が聞こえた方を振り向くと白いパーカーを着た青年が不可思議な形状の銃らしいものを男に向けていた。

「今のは威嚇だ、次は本気で当てるぜ」
「…何者だ?それにどうやって嗅ぎつけた?」
「神秘だか何だか知らないけど、現代のテクノロジーをあんまり舐めない方が良いぜ?
ネットの目撃情報やSNSの書き込みから聖杯戦争絡みの信憑性がありそうな情報を吟味して、今夜はここで張ってたってこと」
「なるほどな、教訓にしよう」


聖杯戦争。その単語を知るのは覚醒を果たしたマスターとマスターによって召喚されたサーヴァントのみだ。
槍を持つ男、ランサーはいくらかの警戒を払いつつ闖入者である青年――――詩島剛を見やる。
白いバイク型の銃、ゼンリンシューターを握る右手に令呪の兆しが見えるがまだ完全に浮き出てはいない。
剛は懐からバイクの模型に似たシグナルバイク、シグナルマッハを取り出した。


「無駄かもしれないけど一応言っておく、その人から手を引け」
「魅力的な提案だが断らせてもらおう。神秘の漏洩はすなわち我がマスターの窮地に繋がる。
聖杯に託す願いなど持たぬ身だがマスターを危機に陥れるわけにはいかないのでな」
「そうかい、だったら倒してでも止めさせてもらう!レッツ変身!」
『シグナルバイク!ライダー!マッハ!』


その場に不釣合いな軽快なサウンドが鳴ると同時に、剛の姿が変わった。
首にマフラーを巻き、肩にはタイヤのついた仮面の戦士。
その名は――――


「追跡、撲滅!いずれもマッハ!仮面ライダーマッハ!!」


力強く、一言一句を噛みしめるように宣誓する戦士、マッハ。
やはりただのマスターではなかったか、とランサーは納得した。
変身する前からの立ち居振る舞いから見ても相手がかなりの修羅場を潜った者であることはすぐにわかった。
ランサーとしては好感すら抱ける手合いだが、彼の目的を果たさせれば監督役からマスターへどんな処罰が下るとも知れぬ。
故にまずは目撃者の始末を最優先にする。


『ズーット!マッハ!』
「させるか!」

ランサーが女性警官を貫こうとした時、恐るべき速さで迫ったマッハの拳が槍の穂先を逸らした。
その勢いのまま虚を突かれたランサーとの取っ組み合いに持ち込んだ。

「早く逃げろ!」

マッハの呼びかけに我に返った女性が無言で頷きその場から走り去っていった。
残されたマッハはそのまま加速状態を活かし、一気に畳み掛けようとする。
文字通りマッハの速さで繰り出した拳は、しかしランサーの槍の柄によっていとも容易く止められた。


「何っ!?」
「大した機械仕掛けだが我らサーヴァントに挑むには無謀だったな」

空いた左手から出したボディブローがマッハのボディに突き刺さり、予想以上のダメージに後ずさる。
事ここに至ってマッハは相手が想像していた以上の超常存在だと気づいた。
見た目は生身の人間でありながら、マッハの加速についてくる上に仮面ライダーの装甲をいとも容易く抜くほどのパワーとは。
ロイミュードでも人間態ではさほどの力は発揮できないというのに。

「貴様では話にならぬよ、二重の意味でな。
サーヴァントがいるのなら呼ぶがいい」
「生憎だったな、サーヴァントならまだ呼べてねえよ!」
「そうか、ならばここで死ぬがいい」


ランサーの槍に光が灯る。
ランサーの槍は手にしているだけで筋力をブーストする常時解放型宝具であるが、真名解放なしに穂先に魔力を纏わせ強烈な連撃を見舞うことができる。
無論その威力は真名解放型宝具に及ぶものではないが、瞬時に最大火力を発揮できるため使い勝手には優れていた。


「まだだ!」
『ヒッサツ!フルスロットル!』

ゼンリンシューターにシグナルマッハをセット。
ランサーの神速の踏み込みに過たず照準とタイミングを合わせ、必殺のエネルギー弾を発射した。
ロイミュードも爆散させる熱量を前に、ランサーは避けようともせず不敵な笑みをこぼす。
エネルギー弾が無防備に突っ込んだランサーに直撃し、大きな爆発を起こすが、直後に無傷のランサーが爆光から姿を現した。


「!?」
「己の無知と無力を呪え…!」


上段からの袈裟斬りがマッハのボディを捉え、激しい火花が散る。
さらに追撃の突きがクリーンヒットし、吹き飛ばされたマッハはダメージに耐えきれず変身が解除された。
生身に戻った剛の中にあったのは屈辱ではなく攻撃が通じなかった疑問だった。

「何でだ…?確かに当たってたはずなのに…!」
「テクノロジーを誇るのも良いが我ら神秘の存在を侮るべきではなかったな。
サーヴァントは元より霊体。どれほど強力であろうとただの機械仕掛けが通じる道理などなし。
もっともその力ではどのみち俺一人すら倒せまいがな」
「そういうことかよ…ある意味いつぞやの眼魔みたいなもんか」

どうやら俺は最初から勝ち目など存在しない勝負を挑んでしまったらしい。
放っておけば犠牲者が増えるからと急いで動いた結果がこれか。
やはりサーヴァントの召喚を待つほうが良かったのかもしれない。

「さらばだ、俺を恨みたければ恨め」

未だ完全には立ち上がれていない剛にゆっくりと近づき槍を振り下ろすランサー。
しかし剛の目はまだ死んではいない、渾身の力を振り絞って槍の柄を受け止めてみせた。

「まだ足掻くか…!」
「…俺さあ、今幸せの絶頂ってやつなんだよね」

サーヴァントさえ呼べていない、文字通り孤立無援のマスター候補。
そんな人間がここまで己に食らいつけるとは。
驚嘆すると同時に、戦士として惜しいと思ってしまう。
この青年に魔術師としての素養でもあればより尋常な戦いも叶ったであろうに。


「これからずっと守るって約束したからな、彼女と……俺の最高のダチに。
だから、こんなところで死んでる場合じゃねえんだよ、俺は………!」

ただの人間がサーヴァントの膂力に敵うはずがない。
ましてやランサーは宝具の恩恵で常に筋力が増した状態となっている。
事実、剛は明らかに押されており、あと少しで槍の穂先が喉笛を貫くというところだ。


「…ならば尚更サーヴァントが召喚されるまで身を潜めておくべきだったであろうに」
「馬鹿言え、それで人が殺されるのを見過ごしたら二度と仮面ライダーなんて名乗れねえだろ。
神秘がどうとか、戦う力があるとかないとか、そんなことは何の関係もねえんだよ……!
こんな下らねえゲームは撲滅する、生きて帰って令子を守る。
どっちも俺にとっちゃ取りこぼしちゃならないものなんだよ!」

ほんの僅か、ランサーの槍が押し戻された。
有り得ぬはずの均衡、覆るはずのない力の差を僅か一秒であれ覆してみせた力の源泉をランサーは知っている。
戦場で何度も出会った、故郷や家族、あるいは市井の人々といった誰かを守るために死兵と化した者たち。
そうなった者は、英雄でもなければその資質を持つ者でもない無名の兵であろうと時に英雄と呼べる者を大いに手こずらせる。
まさに、それと同じだ。

されど、ランサーもまたそういった者たちの屍の上に立ち英霊に至った者。
たかだか英雄の素養を持つ者が死力を振り絞っただけでは、彼を打倒するには足りない。



――――そう、ならば倒せるものが必要だ。
詩島剛に欠けていた、最後のピースを埋めるものが必要だ。




「――――いいガッツだ、兄さん。無謀だが心意気じゃあんたはそいつに負けてねえよ」


いつの間にか剛の懐から離れて地面に落ちた白紙のトランプがひとりでに空へと浮かんだ。
空中で眩い輝きを放つトランプから感じ入ったような男の声が聞こえてくる。
光はコンマ一秒毎に輝きを増し、やがて人型を形成しはじめた。

「サーヴァントの召喚……今ここでか!」

瞠目するランサーに一瞬ながら隙が生まれた。
トランプから現れた人影――――水色のローブを被った男がランサーへと吶喊し、剛から引き離した。

「杖だと!?」

白紙のトランプから新たに召喚されたサーヴァント、ローブの男が操っているのは剣でも槍でもなく杖だった。
三騎士やライダー、あるいはバーサーカーなどの接近戦に向くクラスなら剣や槍の一つは持参していて当然だ。
にも関わらず杖を使うということは、“それしか持ってこれないクラス”だからではないのか。

ローブを被ったサーヴァントは槍のように杖を振るい、ランサーを翻弄した。
力で押そうにも、ランサーに負けない膂力を発揮するためにそれも儘ならない。
仕切り直すために舌打ちし、後ろへ大きく跳躍した。
ローブを被ったサーヴァントはニッと不敵な笑みを見せ、左手を翳した。

「アンサズ!」


呪文のような言葉とともに、五つの火炎弾がランサーへと襲いかかる。
無論ランサーが黙って炎を食らうような愚鈍であるはずもなく、宝具の槍に魔力を纏わせ迎撃する。
火炎弾と槍の一閃が激突し、大きな爆発が発生した。
爆発により生じた煙が対峙する両者の視界を遮る。


「驚いたな、貴様キャスターか」
「ご名答だ。そっちはランサーだろ?」
「ああ、しかし解せんな。貴様何処の英霊だ?
いや、サーヴァントに真名を尋ねるなど愚にもつかぬ行いだとは理解しているがな。
北欧のルーン文字を操り、槍兵の真似事をする魔術師など聞いたことがない」


煙が晴れ、再び現れたランサーは全くの無傷だった。
ローブの男、キャスターもその事実に驚きはしない。
三騎士たる英霊がこの程度の魔術で手傷など負うはずがない。


「…ぷっ」
「む?何がおかしい?」
「ああ悪い、あんたを笑ったわけじゃねえよ。
ただオレもそういうことを言われる身分になったのかと思うとついおかしくなっちまってな」

ランサーの誰何の何が可笑しかったのか、それはキャスター自身にしかわからないことだ。
キャスターはランサーの方を見たまま、剛へと声を掛けた。

「見ての通り、オレはキャスターのサーヴァントだ。
他の英霊は誰もあんたのところにゃ来ねえようだからオレがサーヴァントになってやるよ」
「あんたが、俺の……」


初対面の筈なのに、キャスターはとても気安く話しかけてくる。
サーヴァント。いつの間にか頭に詰め込まれていた聖杯からの知識によれば、マスターの戦闘代行者であるらしい。
つまりキャスターならあのランサーにも対抗できるということだ。
だが。



「助けてくれるのは有り難いんだけどさ、あいつは俺にやらせてくれねえかな。
あんた、魔術師ってやつなんだろ?俺でもあいつを倒せるようになる技とか持ってるんじゃないのか?」
「ほう、まああるにはあるが……そりゃあ無理だろ。
オレのルーンならお前とその機械仕掛けを強化してやれるが、それを奴さんが見逃すはずもあるまい」
「いや、そこは俺が足止めなりなんなりするからさあ、頼むよ。
ここであんたに頼って引き下がったら、きっと俺は二度とサーヴァントに立ち向かえなくなる」

剛は聖杯戦争に対して徹底的に抗うことを最初から決めていた。
そして、戦うからにはサーヴァントという人類史に刻まれた英傑たちと矛を交えることも避けられないだろうことも理解していた。
スノーフィールドにいる市民たちの殆どは魔術師やサーヴァントといった超常存在と戦う術を持たない。
だから彼らを守るためには戦う力を持つ自分がサーヴァントから逃げるわけにはいかない。



「中々に面白い話をしているな。
どれ、俺も一つその話に乗せてもらおうか」


意外なところから剛に助け舟が出た。
誰あろう現在対峙している最中のランサーだ。

「え?あんた、今何て?」
「その機械仕掛けにエンチャントを付与する術を持っているのだろう?それまで待つと言ったのだ。
何、気にするな。その方が俺にとって得というもの。
マスターである貴様を一対一で殺せばそこなキャスターも消えるのだからな」
「随分こっちを信用してくれるじゃねえか。
オレがこの兄さんと組んで二対一に持ち込むとは思わねえのか?」


キャスターの問いにランサーは笑いながら「思わんな」と答えた。


「俺の見たところ、貴様はキャスターとして現界してはいるが本質は俺と同じだろう?
であれば一騎打ちに割り込む無粋な真似は犯すまいよ。
……それにな、折角こうして今を生きる、最新の英雄に出会うことができたのだ。
先達として何も示せないまま終わるというのは寂しいと俺は思うのだ」

ランサーもキャスターも令呪の枷を受け入れた上で現界を果たしたサーヴァントだ。
しかしそうである前に、過去、あるいは異界を駆け、そして生き抜いた人間である。
ランサーにしてみれば、自分より後の時代の人間が英霊となった自分と戦う気概を持っているということに喜びを感じていた。
早い話が有望な後輩に出会ったような気持ちになったのだ。



剛は驚きに目を見開いていた。
何もわかっていなかった、何も知らなかった。
願いが叶うという聖杯を巡って戦争をする連中に、こんなにも気持ちの良い者がいるなんて考えもしなかった。
無論、ランサーが無辜の市民を口封じに殺そうとした行為は絶対に許すことのできない悪だ。
だがそれはあくまで彼が聖杯戦争を有利に立ち回る上で必要な行為であったというだけで、このランサー自体の本質は決して悪ではない。

ランサーのような例はきっと聖杯戦争では氷山の一角に過ぎないのだろう。
善の心で仮面ライダーに変身したとしても、立ち塞がる相手が必ずしも悪であるとは限らない。
善の心で別の善を打ち砕かなければならないこともある。
善悪は等しく殺し合いの坩堝に放り込まれる。それが聖杯戦争の本質なのだ。


「とりあえずお前さんの肉体と装備にルーン文字を刻んでおいたから、これで戦えるはずだ。
ほれ、行ってこい。自分で言い出したことはきっちり果たせ」
「…ああ、サンキュー」

ならば、自分はどうするべきなのか。
人間社会を支配するために騒乱を起こしたロイミュードとの戦いとは種類の違うこのゲームで、何を信じ、何を倒すべきなのか。
剛の手は自然とキャスターによってルーンを刻まれたシフトライドクロッサーを掴んでいた。


「レッツ変身!!」
『シグナルバイクシフトカー!ライダー!マッハ、チェイサー!!』



新たな装甲を纏ったマッハの姿は先ほどとは違い青いカラーリングの上半身、銀色の下半身といった姿になっていた。
かつての仮面ライダーチェイサーと仮面ライダーマッハが一体となったかのような形態、マッハチェイサーだ。

「俺はこれからあんたを倒す。…でもそれはあんたが憎いからじゃない。
偉大な先人に胸を借りるつもりで戦わせてもらう」
「ふん、もう勝った気でいるのか?
ではその増長、死を以って償ってもらうとしよう」
「行くぜ!」


マッハチェイサーの踏み込み、その速さにランサーは驚きを隠せなかった。
先ほどよりも段違いに鋭く、別次元とすら思えるほどの重さの右ストレートがランサーをガードの上から大きく後退させた。





◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆





ナンバー005、リベンジャーというロイミュードがいた。
かつて仮面ライダードライブに倒された005は小田桐という教授が開発したアニマシステムというプログラムへ逃げ込んだ。
アニマシステムには仮面ライダーたちによって倒されたロイミュードの怨念、残留思念が流れ込み005が復活する糧となった。
そして全てのロイミュードが倒されてから二年後、005は倒された多くのロイミュードの怨念と力を取り込みリベンジャーロイミュードとして蘇った。

リベンジャーの力は超進化体と同等の存在であるゴルドドライブを超えるものがあった。
同じく超進化を果たしたハートロイミュードにすら届いていたかもしれない。
戦えばドライブの最強形態であるタイプトライドロンですら苦戦を免れなかったであろうほどの実力者だった。
だがマッハチェイサーとその前身である超デッドヒートマッハはそんなリベンジャーを、素のスペックのみで容易く圧倒しこれを二度に渡って撃破した。
そして今のマッハチェイサーはキャスターからエンチャントを受け、大いに活性化している。



「うおおおおおおおおおぉぉっ!!!」
「ぬうっ………!」


その結果がこれだ。
マッハチェイサーが拳を打ち込む度にランサーはその重みに耐えきれず態勢を崩される。
手にする宝具である槍の恩恵で常に筋力がブーストされているにも関わらず、だ。
崩されたところへマッハチェイサーの拳が突き刺さり、ランサーの肉体に重篤なダメージを与える。
当然だがランサーも一方的に倒されるのを待つばかりの木偶ではなく、何度も槍術による反撃を試みていた。
しかしキャスターのエンチャントの恩恵もあってか、今のマッハチェイサーの目にはランサーの動きがまるで重加速にかかっているかのようにスローに見える。
ランサーが繰り出すあらゆる反撃を、悉く跳ね返していた。

『ゼンリン!』

ゼンリンシューターによる近接攻撃。
真横に振ったゼンリンシューターの攻撃を咄嗟に身体を逸らして回避しようとしたランサーだが間に合わず鮮血が宙を舞う。
ロイミュードを叩くのとは違う感触に一瞬戸惑うマッハチェイサーだったが、すぐにその生々しい感触を呑み込み追撃する。
右足で繰り出したハイキックを槍で受け止めたランサーだが、その衝撃に耐えきれずついに吹っ飛ばされた。


「ハハ、こんな隠し玉を持っていたか!
だが退くわけにはいかんなあ!マスターに敗れたとあってはこちらのマスターに合わせる顔がない!」

完全に圧倒されている。
そう自覚してランサーの胸中に湧くものは怒りや屈辱ではなく喜悦だった。
そもそも戦場で己を上回る敵、あるいは味方と出会うことなどランサーにとってはそう珍しいことでもない。

――――白状すれば、ランサーは彼が生きた時代において最強でも何でもなかった。
無論英雄として奉られるだけの武勲を重ねはしたが敵にも味方にもランサーを超えるような騎士、あるいは戦士は何人もいた。
けれどその事実を受け止めたランサーが卑屈であったかといえば否だ。
自らを上回る者と研鑽し、時に命を削り合うことを至上の喜びとして生き、そして死んでいった。

ランサーの生き方は一度死に、時を越えて英霊となって蘇っても変わることはない。
今まさに自分を超えようとする戦士に敬意を払い、全力を以ってこれを打ち破るまでのこと。
残る全魔力を槍の穂先に注ぎ込み、必殺の構えを取る。


『ヒッサツ!フルスロットル!!』

同じく決着の時を感じ取ったマッハチェイサーもドライバーの蓋を一度開け、必殺技を起動。
跳躍し、つま先をランサーへ向けたライダーキックを放った。

激突する両者、炸裂するエネルギーと魔力の奔流に物理法則が悲鳴を上げ大きな爆発が発生した。
煙が晴れた時、立っていたのはマッハチェイサーのみだった。
自らが誇る究極の一を以ってして敗れたランサーは未練などないとばかりに、辞世の句もなく消え去っていた。
ただ辺りを漂う光の粒子だけが彼が存在していたことを示していた。


「はぁ、はぁ………」
『オツカーレ!』

変身を解除した剛はランサーから受けたダメージの深さからその場に崩れ落ちかける。
倒れかけた剛をキャスターの腕が掴み、肩を貸して立ち上がらせた。

「よう、お疲れさん。やるじゃねえか。
初陣にしちゃ、まあ見事なもんだったぜ」
「…これでも結構修羅場は潜ってきてるつもりなんだけどな」
「アホ抜かせ、聖杯戦争じゃ初陣には変わりねえだろ。
何しろサーヴァントも呼ばず、神秘の何たるかも理解しないままサーヴァントに挑む馬鹿なんだからよ」
「…言い返せねえ」


騒ぎを聞いて駆けつけてくるであろう警察から逃れるために少し場を離れ、適当な場所に剛を座らせたキャスターは癒やしのルーンを刻んだ。
するとみるみるうちに剛の受けた傷は回復していき、すぐに普通に歩けるまでになった。

「まだ名乗ってなかったな。
オレはキャスターのサーヴァント、真名はクー・フーリンだ」
「俺は詩島剛、よろしく」

もし剛にケルト神話に関する知識があればキャスターの正体に疑問を持っていただろう。
しかし残念ながら彼の知識は工学に偏っていたため何も疑うことなくキャスターの手を取り握手を交わした。
まあ「魔術師というわりには妙に荒っぽくないか?」という程度の疑問は持っていたが。

「で、早速だがよ。今のうちに方針を決めといた方がいい。
ふらふらしてて生き残れるほど聖杯戦争は甘くねえ」
「それならもう決まってるよ」


方針。詩島剛は何処を目指してこの電脳世界を走るのか。
先のランサーとの交戦で、その答えが朧気ながら見出だせた。


「人間を脅かすマスターやサーヴァントはもちろん撲滅する。
…でも、本来なら人を殺したくない奴らまで強制的に人殺しに仕立て上げるのが聖杯戦争って仕組みだ。
多分虱潰しに敵を倒していくだけじゃ根本的な問題は何も解決しない。
俺が本当に戦わなくちゃならないのは、聖杯戦争そのものだ」

少なくともあのランサーは進んで市民を殺したがっている風には見えなかった。
では何故殺そうとしたのか、神秘の秘匿などという聖杯戦争を円滑に進めるためだけに存在するふざけたルールがあるからだ。
破れば監督役からペナルティを受ける、すなわち生き残る確率が下がるからやらざるを得ないのだ。

神秘の秘匿だけではない。
勝ち残れるのは一組だけで、勝てばどんな願いも叶うという聖杯。
そんな餌をぶら下げて、勝手に拉致した人間を殺人に駆り立てるシステムも絶対に許すわけにはいかない。
生きるためだけに殺し合いに参加せざるを得ず、取り返しのつかない罪を犯してしまうマスターだって中には当然いるだろう。
倒さなければならないのは、悪意に満ちたこの世界そのものだ。


「だから、あんたにも協力してほしいんだ。
あんたに助けてもらわないと俺は戦うことすらできやしない」
「…ただの上っ面で言ってるわけじゃなさそうだな。
良いんじゃねえか?少なくとも欲の皮突っ張ったマスターに使われるよりはマシさね」

何というか、キャスターはひどくさっぱりした性分のようだった。
英雄と呼ばれるような者は皆こういうものなのだろうか?

「実はオレは聖杯戦争じゃ結構な古参兵なんだがよ。
今回ばかりはどうにもきな臭いとは思っていた。
オレの経験が役立つと良いんだが」
「マジで!?教えてくれないか、他の聖杯戦争のこと」
「ああ良いぜ。道すがら話してやるよ」


これは知識以外でオレが教えることはあまりなさそうだ、とキャスターは考えていた。
魔力こそ乏しいが、肉体も精神も十分に鍛えられたマスターを得られたのは幸先が良いと言えるだろう。
後は兵器として、先達としてマスターの決断を支えるのみだ。




――――まあ、ランサーで現界できていれば何も言うことはなかったのだが。


【クラス】
キャスター

【真名】
クー・フーリン@Fate/Grand Order

【属性】
秩序・中庸

【ステータス】
筋力E 耐久D 敏捷C 魔力B 幸運D 宝具A

【クラススキル】
陣地作成:B
魔術師として、自らに有利な陣地である「工房」を作成する。
師匠の宝具である『門』をうまくアレンジした陣地を作ることもあるが、それは秘中の秘であるらしい。
なぜなら、使うとおとなげない師匠が「パクりか貴様―!」と突撃してくるからである。

【保有スキル】
ルーン魔術:A
スカサハから与えられた北欧の魔術刻印ルーンの所持。
キャスターとして現界しているため、ランサーでの召喚時よりもランクが高い。
ルーンを使い分けることにより、強力かつ多様な効果を使いこなす。
攻撃以外で主に使用するのは対魔力スキル相当の効果、千里眼スキルの効果、パラメーターをAランクに上昇させる効果、等。
またランサーでの召喚時に使用していた探知効果、気配遮断、全ルーンを使用した上級宝具をも完全に防ぎ切る防御結界も引き続き使用可能。
これらは全て一時的な効果であり、同時複数の使用はできない。

仕切り直し:C
戦闘から離脱する能力。
また、不利になった戦闘を戦闘開始ターン(1ターン目)に戻し、技の条件を初期値に戻す。

矢避けの加護:A
飛び道具に対する防御。
狙撃手を視界におさめている限り、どのような投擲武装だろうと肉眼で捉え、対処できる。
上級の宝具にも対処可能だが、超遠距離からの直接攻撃には該当せず、広範囲の全体攻撃にも該当しない。

神性:B
神霊適性を持つかどうか。高いほどより物質的な神霊との混血とされる。
クー・フーリンはダーナ神族の光の神ルーの血を引いている。
信仰の加護、菩提樹の悟りといったスキルを打ち破る。


【宝具】
『灼き尽くす炎の檻(ウィッカーマン)』
ランク:B 種別:対軍宝具 レンジ:1~50 最大捕捉:100人
ウィッカーマン。
無数の細木の枝で構成された巨人が出現。巨人は火炎を身に纏い、対象に襲い掛かって強烈な熱・火炎ダメージを与える。
真名解放を行わずとも部分的な召喚が可能で、腕部だけを顕現させて敵を握り潰すといった使い方もできる。
この巨人の胴部は檻となっており、本来はそこに生贄を押し込める。しかし宝具として出現した巨人は生贄を収納しておらず、本来納めるべき神々への贄を求めて荒れ狂う。
これはルーン魔術の奥義ではなく、炎熱を操る「ケルトの魔術師」として現界したクー・フーリンに与えられた、ケルトのドルイドたちが操るべき宝具である。


『大神刻印(オホド・デウグ・オーディン)』
ランク:A 種別:対城宝具 レンジ:1~80 最大捕捉:500人
オホド・デウグ・オーディン。
現代風に言うとマトリクス・オーダイン。真名解放と共に、スカサハより授かった原初の18のルーン全てを同時に起動することで発動する宝具。
北欧の大神オーディンの手にしたルーンの力が一時的に解放され、敵拠点に大規模な魔力ダメージを与える。
更に、生存している敵のバフ効果を全解除し、全ステータスを強制的に1ランク下降し、常時発動型宝具を有していた場合は1~2ターンの間停止する。
地上ではオーディンによる使用制限が掛けられかねない宝具だが、ムーンセルではその干渉が届かないため問題なく使用可能。


【weapon】
ルーンの刻まれたオーク材の杖。近接戦闘を行う際はルーンで一時的に筋力パラメータをAランクに引き上げて殴りかかる。

【人物背景】
ケルト、アルスター伝説の勇士。
赤枝騎士団の一員にしてアルスター最強の戦士であり、異界の盟主スカハサから授かった魔槍を駆使した英雄であると同時に、師から継いだ北欧の魔術――ルーンの術者でもあったという。
キャスターとして現界した彼は、導く者としての役割を自らに課していると思しい。
真のドルイドではなく、仮初めのそれとして――
共に在り続ける限り、彼はマスターの行く道を照らしてくれるだろう。

――――それはそれとして、やはりルーンのみの戦闘は馴染まないのかよく「槍が欲しい」と愚痴をこぼす。


【サーヴァントとしての願い】
強いて言えば槍が欲しいが、聖杯に願うことでもない。




【マスター】
詩島剛@ドライブサーガ 仮面ライダーマッハ

【マスターとしての願い】
仮面ライダーとして、聖杯戦争を撲滅する

【weapon】
マッハドライバー炎
仮面ライダーマッハへの変身ベルト
このベルトとシグナルマッハを使うことで仮面ライダーマッハに変身する。
バックル上部のスイッチを連打することで、「ズーット!マッハ!」の音声と共に猛スピードで行動できる。
またシグナルチェイサーを使うことで仮面ライダーチェイサーマッハへの強化変身を、シフトライドクロッサーを使うことで仮面ライダーマッハチェイサーへの更なる強化変身を行う。

シグナルバイク&シフトカー
仮面ライダーマッハへの変身、フォームチェンジ、能力使用に用いるミニカー型のツール。
自律行動させることもできる。
現在所持しているのはシグナルマッハとシグナルチェイサー、シフトライドクロッサーの三つ。
装備することで重加速現象への耐性を獲得し、重加速環境下でも行動できるようになる。
重加速は一定範囲内の空間の時間の流れに対して干渉するため、他の時間干渉能力にも対抗できる……かもしれない。

ゼンリンシューター
マッハ専用のエネルギー銃。マッハの意思に応えて手元に出現して装備するが、変身前でも使用可能。圧縮エネルギー弾を発射しての射撃のほか、銃口下部に備わった強化タイヤでの打撃攻撃も可能。

ライドマッハー
マッハの専用バイク。基本カラーは白。変身前の剛も愛車として使用する。正面から連射で一定時間物体が消滅するビームを発射し、後部からは攻撃を完全に防ぐシールドエネルギーを展開する。重加速現象にも対応している。


【能力・技能】
仮面ライダーになるにあたり訓練で鍛え上げた身体能力と時に特状課にも先んじて事件の真相へ辿り着く推理能力。
またチェイサーマッハ又はマッハチェイサー変身時には精神干渉に対して強力な耐性を発揮する。

【人物背景】
「仮面ライダードライブ」本編途中でアメリカから帰国したフリーのカメラマン。同作品の2号ライダーであり、「小説仮面ライダードライブ マッハサーガ」以降の時間軸における主人公。
過去にアメリカでロイミュード017と018に親友のイーサン・ウッドワードを殺されたことからロイミュードへの憎しみを抱いた。
その時ハーレー・ヘンドリクソン博士に窮地を救われたことをきっかけに仮面ライダーマッハになるべく訓練を重ねることになる。
ある時自分の父親がロイミュードの生みの親である蛮野天十郎だということ、017と018が日本へ向かったことを知り訓練途中で来日する。
来日後は仮面ライダードライブ=泊進ノ介と共にロイミュードを撲滅するべく戦った。

ロイミュードであり、後に仮面ライダーチェイサーとして人類の味方になったチェイスに対して当初は強い敵愾心を抱いていた。
しかし進ノ介が一度殉職した際「誰かを守ろうとする仮面ライダーの信念」を認められ、特状課に顔を出せなかった時期に行動を共にすることも多かったからか徐々に態度は軟化していった。
だがチェイスを素直に「ダチ」と認めることはできず、蛮野との最終決戦まで意地を張り続けた。
そしてゴルドドライブとの戦闘の最中、チェイスが自らを庇い戦死したことで素直になれなかった自分自身を悔いた。
チェイスから託されたシグナルチェイサーを使い仮面ライダーチェイサーマッハへと変身してゴルドドライブを撃破、バンノドライバーを破壊し父親との因縁にも決着を着けた。

ロイミュードとの戦いが終わった後は人間とロイミュードの関係を模索し、怒りや憎しみに囚われず善良な心だけで仮面ライダーとなる方法を探し旅をしていた。
二年後に進ノ介と霧子の二度目の結婚パーティーの為に帰国し事件に巻き込まれ、元仮面ライダーであることから客員捜査員として権限を与えられ狩野とコンビを組む。
西堀光也の娘である令子と面会を繰り返す内に良好な関係を築きあげる中、意識不明となった彼女が遺したヒントから005が黒幕であることに気付き、プロトタイプマッハドライバーを手に仮面ライダーとして戦いに向かい、これに勝利した。

さらに一年後、チェイスを復活させる起動実験を行うためアメリカから再度帰国。
実験は何故かハートが復活してしまい、チェイスの復活にはまだ長い年月が必要だということが判明した。
もう一つの帰国の目的は収監されていた西堀令子の釈放を祝うことだったが、派手なパフォーマンスで彼女を出迎えたことが災いして走り去られてしまう。
その後連続絞殺事件の容疑者として追われていた令子の無実を信じて奔走する。
一度は令子と再会するも自分は父の「呪い」から逃れられないと言った彼女に催涙スプレーで昏倒させられる。
目が覚めた後に現れた狩野洸一からマッハドライバーとシグナルマッハを受け取り令子の後を追った。しかしこの時彼がもう一つ持ってきていたシフトライドクロッサーを受け取る前に振り切って行ってしまった。
令子を追って廃工場にたどり着いた剛は待ち構えていた西堀光也ことロイミュード005に追い詰められて死の危機に瀕するが、父の呪縛を逃れる決心をした令子により救われ、仮面ライダーマッハに変身する。
追い詰められた005はリベンジャーロイミュードへと進化を遂げてパワーアップし、再びピンチに陥ってしまう。
そこにチェイスの意志が宿った狩野がシフトライドクロッサーを届けに現れ、剛はそれを使い仮面ライダーマッハチェイサーに変身。
リベンジャーロイミュードを撃破して令子を父の呪縛から完全に開放した。
戦いの後、令子の落としていった手袋を渡して「これからは俺がずっと守る」と告白する。
令子もまたこれに応え、二人は結ばれた。

性格は飄々としたお調子者で派手なパフォーマンスを好むトラブルメーカー。
しかし空気が読めないわけではなく、TPOを弁えることもできる社交的な青年。

……というのは本心を隠すために彼が普段被っている仮面である。
実際の内面は正義感が強く真面目だがそれ故に激しやすく、一人で悩みを抱え込んでしまうことが多い。
もっとも様々な試練、挫折や失敗を経た現在ではつい仮面を被った態度で人と接してしまう悪癖は直りつつある。

【戦術・方針・運用法】
キャスターは基本ステータスこそ低いがルーン魔術によってある程度カバーが効き、戦闘技術も高いため実際はよほど規格外の強敵でもない限りは十分戦える。
攻撃魔術に関してもルーンを刻む工程こそ必要だが、それさえ済ませていれば何の詠唱もなく魔術行使ができるため敏捷性の高いサーヴァント相手でもワンチャンスが望める。
戦闘経験の豊富さもあって状況に応じて前・中・後衛を全て万遍なくこなした上で斥候にも向くなどサーヴァントに求められる能力の多くを平均以上で満たしている。
ただし彼はあくまで戦闘タイプの魔術使いであるため、一部のキャスターが持つ聖杯戦争のシステムそのものへ介入するような反則の類は望めない。
戦闘では剛が変身する仮面ライダーマッハへルーンによる強化を施した上で連携を取って戦うことが望ましい。
マッハが前衛でサーヴァントを食い止めている間にキャスターが魔術や宝具を叩き込むオーソドックスなスタイルは勿論のこと、状況に応じてキャスターが前衛で杖を振るいマッハが援護射撃を飛ばすこともできる。
型に嵌まらない戦い方が出来る主従である。

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最終更新:2017年02月04日 21:24