フリット・アスノ&バーサーカー◆lkOcs49yLc




とある古びた豪邸の部屋に一人、青い髪の老人がいた。
名はフリット・アスノ、ガンダムを、AGEシステムを作り、「救世主」になろうとした男だ。
今フリットが住んでいる建物は生憎、元の世界にいた頃の物ではない。
そして忘れもしない、彼が七歳の頃に起きた悲劇の時に最後に見た、あのアスノ家の豪邸なのだ。

フリットは、聖杯戦争に招かれる切っ掛けとなった白紙のトランプを、只見つめていた。
こんな不可解な世界に巻き込まれたのなら、そう想うのも分かる話では有る。
だが、フリットがこれを手にした切っ掛けは、あまりにも意外すぎる所だった。

(まさか、あんな物が切っ掛けになろうとはな……)

無理もない、これが入っていたのは、自室の引き出しにあった一枚のトランプセットだった。
それは孫のキオに何時しか誕生日に渡すはずの物だったが、いつの間にかそんな機会は無くなっていたのだった。
その代わりに渡したのは、モビルスーツのシミュレーションゲームだった。
彼に戦い方を教え、ヴェイガンとの戦いを「魔王イゼルカントと言うボスを倒すために闘うゲームだ」と言うことを叩き込んだ不甲斐なさを最も感じているのが、他ならぬフリットだ。
こんなトランプというカード遊びをゲームだと教え込んだ方が、よっぽど普通だと言うのに。

(だが……それでは、死んでいった者達の意味は……)

そう、フリットには、もうそんな生易しい道に戻ることは許されていないのだ。
フリットは多くの仲間を、この手で取りこぼしていった。
この屋敷が燃える時、フリットはまず母を喪った。
続いて、自分をその力で助けてくれたユリン・ルシェルも。
フリットが長い歳月を掛けて作ったガンダムを賭けて戦った、ウルフ・エニアクルも。
自分がガンダムのパイロットとして認められなかった頃に、一番自分のことを認めてくれたグルーデック・エイノアも。
皆々、ヴェイガンの手で滅ぼされていった。
フリットが、ガンダムがあまりにも未熟である故に。

(私は…彼等の未練を、晴らさなければならない……)

その為にも、ヴェイガンはどんな手段を使ってでも、必ず潰さなければならない。
これ以上、母やユリンの様な犠牲者を増やさないためにも。
復讐者だと罵られる覚悟ならとうに出来ている。
それで世界が平和になるというのなら、後でどんな罰でも受けよう。

その為にも、聖杯は必ず手に入れる。
聖杯戦争、万能の願望機「聖杯」を掛けて争い合う儀式。
これはフリットにとってはある意味で「チャンス」でもあった。
何しろ、がむしゃらにヴェイガンと闘うよりも少ない犠牲で、己の悲願を達成できるのだから。
まさか、元の世界において連邦の月面基地「ルナベース」としても使われている月の裏側が舞台だとは思わなかったが。
無論、犠牲が出ないわけではない。
だが、だからと言って立ち止まるわけには行かないのだ。
今此処で立ち止まっては、死んでいった仲間達の命は、無駄になってしまうのだから。

聖杯が本当に願いを叶えるとなるのなら、その力は必然的にアセムが教えてくれた「EXA-DB」を凌駕するだろう。
いや、戦う力以上に、世界を変えることすら可能ともされている。
これなら、この世からヴェイガンと言う存在その物を消し去ることも可能なはずだ。
もしそれが可能となるのなら、母が焼け死ぬことも、ユリンやウルフが嬲り殺されることも無くなる。

それで地球に、完全なる平和を齎す事すら可能となるはずだ。
母が託してくれた「ガンダム」すら無くとも。
もしフリットが聖杯を手に入れることで、アセムやキオにも、辛い想いをさせずに済ませられる。
それが出来るのだというのなら……

(戦おう、聖杯を手に入れてやろう……ヴェイガンをこの世界から、完全に根絶やしにしてやるために!!)

フリットがその目を熱く煌めかせ、白紙のトランプを持つ手の力を強くした瞬間である。
「白紙のトランプ」が、不意にフリットの手を弾き、手元から離れたのだ。
そしてトランプは空中を舞い、部屋の照明の真下で静止した。

「うっ!」

弾かれた手を片方の手で包みながらも、フリットはその様を凝視する。

「……ようやく始まったか。」

聖杯戦争と言う儀式は、「マスター」と呼ばれる参加者が、「サーヴァント」と呼ばれる使い魔を召喚するチーム形式で行われるという。
そしてそのサーヴァントが喚ばれる媒介となるのが、この「白紙のトランプ」なのだ。
本来、マスターが記憶を取り戻せば、トランプがサーヴァントとして喚ばれるというのだが、今回は中々遅い方だった。
因みにフリットが記憶を取り戻した切っ掛けは、自分が住んでいるこの屋敷その物だった。
56年も実物を見ることが叶わなかったその家。
そして、幼い日に見た「ガンダム」の絵。
そして息子のアセムはエンジニアになり、キオは学生としての生活を謳歌しているという。
この世界において有るものは全て、フリットが喪った物と、手に入れようとした物ばかりだった。
そしてそれらが全て、フリットの闘志をより滾らせているのは、言うまでもなかろう。

トランプの持つ白い輝きが、より一層増していく。
その光は、一瞬で部屋を覆い尽くした。

「ぬぉっ!?」

その輝きに、フリットも思わず目を覆う。
辺りを覆い尽くした程の眩い光は暫くして、規模が弱まっていく。
そしてその光は直ぐにどす黒い「闇」へと色を変えていく。
辺りを漆黒に覆い尽くさんとするその闇は、まるでフリットが渡ってきた復讐の道を具現化した様にも思えた。

闇が収まり、フリットが目を開けるようになった時に見たのは、闇のオーラから見える人のような「何か」だった。
黒紫と、黒銀の二色のラインを持った見た目を持ち、目を甲冑で覆った、極めて醜悪にして独特な風貌の持ち主であった。
しかしサーヴァントは喋る様な動きを見せず、只、フリットを見つめ、佇んでいるままだった。

(これが……私のサーヴァントか……)

フリットの眼に、そのサーヴァントのステータスが浮かび上がる。
聖杯戦争に関しては素人であるフリットからしてみても、そのパラメータの高さは驚くべき物だった。
殆どのパラメータがAランク相当、しかも+補正がふんだんに付けられている。
しかも、このようなパラメータを持ちながらも、彼はクラススキルによって魔力を自立的に生成しているのだ。
間違いない、このサーヴァントは当たりだ。

(クラスは……バーサーカーに、『アヴェンジャー』だと!?)

視覚できるステータスに浮かび上がる2つのクラス名に、フリットは更に驚きを見せる。
「狂戦士」に、イレギュラーなクラス「復讐者」。

(アヴェンジャー…Avenger……「復讐者」か、私に相応しいクラスだな……)

フリットは心の中でそう自嘲した後、既に掌に宿る、3つの八角形が並んだ様な形をした令呪を見せつけ、バーサーカーに声を掛ける。

「行くぞバーサーカー、私に従え、私の願いを叶えてくれ。」

それに答え、バーサーカーも雄叫びを挙げる。


「■■■■■!!」

フリットはそれを見て、ウンと頷く。


(これが、私にとっての最後の戦いとなるだろう……)

勝てば戦いは終わり、負ければフリットの人生は其処で尽きる。
もう後戻りは出来ない。
今すぐ出来ることを、ヒーローとなるべき近道を作るだけだ。
その為に立ちはだかる闇など超えてみせる。
悲しみなんか無い世界を作ることを、諦めるわけには行かない。
フリット・アスノは、憎悪の光戦士を率い、聖杯戦争に乗ることを決めた。

【クラス名】バーサーカー
【出典】ウルトラマンメビウス
【性別】男
【真名】ハンターナイトツルギ
【属性】秩序・狂
【パラメータ】筋力A+ 耐久A+ 敏捷A++ 魔力B 幸運E 宝具A(宝具使用済み)


【クラス別スキル】


狂化:C
魔力、幸運を除く全てのパラメータを増強させる。
その代わりに言語能力を失い、複雑な思考が出来なくなる。


復讐者:A
アーブギアに、自身に宿った怨念の魂。
攻撃を受ければ受けるほど、魔力は回復していく。


自己回復(魔力):D
アーブギアから漲る憎しみの力。
その魔力は持続的に生成されていく。


【保有スキル】


二重召喚:B
ダブルクラス。
2つのクラスの特性を持つ稀な英雄。
ツルギはバーサーカー、アヴェンジャーの何れかのクラスでなければ喚べない。
そして、怨念が練固まったアーブギアを纏えば、彼は復讐者でしかいられない。
故に、バーサーカーはアヴェンジャーの特性を常に併せ持って現界する。


魔力放出(闇):A
ウルトラマンはプラズマスパークを原動力として戦う。
自身の魔力を「プラズマスパークエネルギー」に変換して戦う。
本来なら「魔力放出(光)」のはずなのだが、後述の宝具の影響でスキルが変質しており、闇を魔力として纏うようになる。
ナイトブレスに魔力を送り込む他、必殺ビーム「ナイトシュート」を放つ事が出来る。
本来なら魔力残量が残り少なくなるとカラータイマーが鳴るはずだが、後述の宝具により無効化されている。


同化:-
彼はとある男性と融合した逸話を持ち、宝具を使うことでマスターに憑依することが出来る。
だが、バーサーカーのクラスで喚ばれたために失っている。


無窮の武練(偽):B
宇宙有数の剣豪とも渡り合ったその剣は、例え憎しみに支配されようと衰えることは決して無い。
アーブギアの影響で心技体が一体化させられることにより、大抵の状況においてはその武の腕を十全に発揮できる様になる。
ツルギとして召喚されることで付与されるスキル。


精神汚染:C
アーブギアから発生する憎しみの心。
精神干渉系の魔術を中確率で無効化する。
狂化で意味が無くなっている。

【宝具】

「光を知りし蒼騎士の腕剣(ナイトブレス)」

ランク:A 種別:対人・対軍宝具 レンジ:1~50 最大捕捉:1~100

バーサーカーがウルトラマンキングから賜ったブレスレット。
プラズマスパークを原動力とし、先端から光の刃「ナイトビームブレード」を発生させることが可能である。
本来なら「同化」スキルで融合したマスターを変身させる能力もあるのだが、狂化スキルが原因で使用が出来なくなっている。
その為ナイトビームブレードを使った装備としての効果しか発揮できない。
だが、その威力は申し分ない。



「滅ぼせと叫ぶ怨念の鎧(アーブギア)」

ランク:B 種別:対憎宝具 レンジ:- 最大捕捉:1

全てが輝かしかった惑星、アーブ。
それは侵略者ボガールによって荒廃させられてしまう。
そんなアーブに生きとし生ける知的生命体の怨念が練固まって誕生した、怨みの鎧。
バーサーカーがバーサーカーたる所以で、この宝具の解除は例え令呪を使おうとも絶対にできない。
また、この鎧は一度破損した逸話を持つが、ツルギとして喚ばれた影響で幾ら壊そうが直ぐに再生してしまう。
耐久と魔力を1ランク上昇させ、同時に「精神汚染」「無窮の武練(偽)」が付与される。
また、バーサーカーが別のクラスで喚ばれていればこの宝具の性質も変わっていたともされている。


【Weapon】

「ナイトブレス」


【人物背景】

M78星雲に住む観測員ウルトラマンヒカリが、愛する惑星アーブを滅ぼされた憎しみによって暴走した姿。
彼は憎しみに囚われ暴れ狂ったが、最終的には正義の心を取り戻したと伝えられている。
だが彼はバーサーカーのクラスで喚ばれた為、再び憎しみに囚われていた頃の姿で召喚されてしまう。

【聖杯にかける願い】

?????



【基本戦術・方針・運用法】

バーサーカーは強大なパラメータを誇るが、消費魔力はその分非常に高い。
魔術の素養が無い上に老いてるフリットのマスター適性は低いが、クラススキルで魔力消費はある程度賄える。
しかし狂化されても尚劣化していない剣の腕に関しては宇宙で名を馳せた程であるため、ナイトビームブレードを使った戦闘が一番好ましいだろう。
一応フリットは地球連邦軍元司令としてある程度ではあるが軍略スキルを持つので、同盟を組むのが良いかと思われる。
その頑固な性格から同盟を拒む可能性が高いが、状況次第では仲間となってくれる事もある。
本来なら全長数十メートル程の大きさを誇っていたはずだが、背が高くなれば消費する魔力も高くなる。

【マスター名】フリット・アスノ
【出典】機動戦士ガンダムAGE(第四部)
【性別】男

【参戦経緯】

キオ・アスノに渡し損ねたトランプ一式の中に、白紙のトランプが入っていた。


【能力・技能】

  • Xラウンダー
人間の脳の普段使われていない部分「X領域」を最大限使いこなせる者。
優れた直感能力を持ち、テレパシーも出来る。


  • 工学技術
アスノ家としての優れた技術力。
少年時代は天才と呼ばれ、子供でありながらガンダムを作り上げた。


  • 指揮力
地球連邦軍元司令官だった頃の名残。
実際怒鳴り散らしながらも何やかんやでディーヴァの司令をきっちりとこなしてはいた。



【人物背景】

高名なモビルスーツ鍛冶一門「アスノ家」の末裔。
7歳の時、UE(アンノウン・エネミー)の襲撃で母親を喪う。
その時UEへの復讐を誓い、遺されたAGEデバイスのデータを基に7年の歳月をかけてガンダムを創り上げる。
強引にガンダムに乗り込んだ彼はモビルスーツ操縦に関しては素人でありながら初めてUEを倒す快挙を果たし、救世主として持て囃される。
しかし、彼を待っていたのは修羅の道だった。
心を通わせた少女は一人の遊び心に殺められ、愛機を取り合ったライバルもまたその一人に殺され、世話になった上司は暗殺される。
息子を、孫をガンダムに乗せる中彼は、徐々に憎しみにかられる殲滅主義者と化してしまう。
その為嘗てはUEと呼ばれたヴェイガンを倒さなければならないと先走っている節が有り、
ディーヴァのメンバーを振り回したりと少年時代の頑固さが戻っているようにも見える。
しかし自身が復讐心に突き動かされていることは自覚しており、孫のキオに対しては陽気な好々爺としての姿も見せたりする。
ガンダムAGE-FXの初陣の直前からの参戦。


【聖杯にかける願い】

聖杯を持ち帰り、ヴェイガンの侵略を無かったことにする。


【方針】

参戦派。

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最終更新:2016年12月01日 23:27