うちはサスケ&バーサーカー ◆NIKUcB1AGw




前途ある若者をたぶらかすもの、それを「蛇」と呼ぶ。


◆ ◆ ◆


きっかけは、下校途中にクラスメイトと交わした何気ない会話だった。

「前から思ってたんだけどさあ、サスケって名前、クールだよな!」
「そうか?」
「そうだって! やっぱり、ニッポンの忍者からつけられたのか?」

「忍者」。
その単語を聞いたとたん、彼の頭に鋭い痛みが走った。
頬を汗が滑り落ち、かすかに苦悶の声が漏れる。

「おい、サスケ……? サスケェ!
 どうした! 俺、なんかまずいこと言ったか?」
「いや、そうじゃない……。
 急に頭が痛くなってきただけだ。心配しなくていい」

内心の動揺を可能な限り隠し、彼は心配する友人にそう返した。

◆ ◆ ◆

何とか家にたどり着いたサスケは、気分が悪いので少し休むと母親に告げて自室に籠もった。
すぐさまベッドに倒れ込み、サスケは混乱する頭を整理する。

(いったいどうなってるんだ……。聖杯戦争だと?
 それにこの、見たことのない町並みはいったい……。
 しかも、なぜ母さんが生きてるんだ!
 俺は幻術にでもかけられているのか……?)

『幻などではないぞ、少年よ』

突如、サスケの脳内に直接声が響く。
思わず体を起こしたサスケは、そのままベッドを降りて勉強机に向かう。
そして机の引き出しを開けると、その中に入っていた白紙のトランプを取り出した。
これが全ての答えにつながる。サスケはそう感じていた。

「来いよ……」

静かに呟くと、サスケはトランプを放り投げる。
放物線を描いて床に落ちるかと思われたトランプは、空中で停止した。
そして光と共に、人の姿へ変化していく。

「な……!」

サスケは絶句していた。
目の前に現れた男の顔は皮も肉も剥がれ落ち、骨がむき出しになっていたのだ。
体に視線を移せば、やはり各所が傷だらけだ。
これまでの人生で異様な姿の忍者も幾度か目撃してきたサスケであったが、ここまでおぞましい姿は見たことがなかった。

「おっと、子供にこの姿は刺激が強すぎたかな……?」
「……まあな。さすがにそんな状態で生きてるやつは、初めて見た。
 いや、サーヴァントってのはもう死んでるんだったか?」

明らかにこちらをバカにしたサーヴァントの口調に眉をしかめつつも、サスケは精一杯強がってみせる。

「くくく、それだけ口をきければ上等か……。
 とりあえず、自己紹介をしておこう。
 我が名は地獄大使……。いや、この姿では再生地獄大使と名乗るべきか。
 この度はバーサーカーとして召喚された」
「バーサーカー……?」

地獄大使と名乗ったサーヴァントの言葉に、偽りはない。
サスケの目に映るステータスにも、クラスはバーサーカーとある。
だが与えられた情報の中にあるバーサーカーの特徴と、眼前のサーヴァントの振る舞いは明らかに齟齬があった。

「バーサーカーっていうのは、戦闘力の上昇と引き替えに理性を失ってるんじゃないのか?
 あんたは見た目こそいかれてるが、とても理性を失ってるようには見えないぜ」
「ふふ……俺は少々特殊なバーサーカーでな……。
 宝具を解放したときのみ、バーサーカーの特性が発揮されるのだ」
「そうか」

サスケの反応は素っ気ない。さほど興味を惹かれなかったようだ。

「さて、俺は名乗ったぞ、少年。
 次はお前の名前を聞かせてもらおうか」
「いいだろう。俺の名はうちはサスケだ。
 木ノ葉隠れの里で、忍者をしている。ここではただの学生ということになっているようだがな」
「ほほう、忍者か。ただの子供でなくて安心したぞ」

地獄大使は髑髏の顔で、ニヤリと笑う。
その様子は怖気の走るものであったが、すでに慣れたのかサスケは動じない。

「無力な子供では、おまえを守りながら戦わなければならんからな。
 どれほどやれるかは知らんが、戦う術を持っているのなら自分の身は自分で守ってもらおうか」
「待て。勝手に話を進めるな。
 俺はまだ、聖杯戦争に参加するとは言っていないぞ」
「ほう? まさか、乗らぬつもりかね?
 ただ座して、殺されるのを待つとでも?」

いやみたらしい口調で、地獄大使は言う。

「ただおとなしく殺されるつもりなんてない。
 だが、積極的に動く気になんてそう簡単にはならないさ。
 どんな願いでも叶えられるだと? そんな都合のいい話、鵜呑みにできるか」
「いや、そうでもないだろう。
 お前は内心では、聖杯戦争に乗る覚悟を決めかけている。
 望みがあるのだろう? 何を犠牲にしても叶えたい願いがあるのだろう?
 真偽が怪しくとも、聖杯は狙う価値がある。そう考えているはずだ」
「ぐ……」

言葉に詰まるサスケ。
たしかに彼には、叶えたい願いがあった。
一族を皆殺しにした実の兄・うちはイタチを自分の手で殺す。
それが彼の抱く野望であった。
だが、イタチはあまりに強い。
サスケも急速に成長しているが、兄を追い越せたとはとても思えない。
もしも聖杯の力で、おのれを強化することができれば……。

(しかし、それでいいのか……?
 他人を犠牲にしてまで復讐を成し遂げるのは、許されることか……?)

相手が忍者ならば、サスケも容赦はしない。
だが聖杯戦争のマスターは、様々な人間が選ばれているという。
中には、戦う術を持たない一般人もいるだろう。
戦場に立つ覚悟のない者を踏みにじってまで目的を果たすのは、木ノ葉の忍として恥ずべき行為ではないのか?
師の教えが、仲間との絆が、サスケに一歩踏み出すことをためらわせる。

「何をためらうことがある。
 どのみち、負ければ生きては帰れぬのだ。
 死ねば、願いは永遠に叶わなくなるのだぞ。
 願いを叶えるチャンスが目の前にあるというのに、それでもいいのか?」

地獄大使は揺さぶる。サスケに一歩を踏み出させようとする。
むろん、サスケのことを思っての行動などではない。
その方が、彼にとって都合がいいからだ。


蛇は、少年の心をむしばみ続けていた。













【クラス】バーサーカー
【真名】再生地獄大使
【出典】仮面ライダーSPIRITS
【性別】男
【属性】秩序・悪

【パラメーター】筋力:C 耐久:E 敏捷:D 魔力:C 幸運:E 宝具:C
    (変身時)筋力:A 耐久:C 敏捷:B 魔力:C 幸運:E 宝具:C

【クラススキル】
狂化:―(B)
理性と引き換えに驚異的な暴力を所持者に宿すスキル。
身体能力を強化するが、理性や技術・思考能力・言語機能を失う。また、現界のための魔力を大量に消費するようになる。
彼の場合、宝具発動時にのみこのスキルが機能する。

【保有スキル】
神性:E
神霊適性を持つかどうか。ランクが高いほど、より物質的な神霊との混血とされる。
アマテラスの頭蓋骨を媒介に蘇生されたという逸話から、わずかながら神性を持っている。

戦闘続行:A
名称通り戦闘を続行する為の能力。決定的な致命傷を受けない限り生き延び、瀕死の傷を負ってなお戦闘可能。
本体が死してなお、切断された腕だけが動き続けたという逸話から高ランクになっている。

不屈の意志:B
あらゆる苦痛、絶望、状況にも絶対に屈しないという極めて強固な意思。
肉体的、精神的なダメージに耐性を持つ。ただし、幻影のように他者を誘導させるような攻撃には耐性を保たない。


【宝具】
『俺こそが最後のショッカー(ガラガランダ)』
ランク:C 種別:対人宝具(自身) レンジ:― 最大捕捉:1人(自身)
ガラガラヘビの怪人、「ガラガランダ」へと変身する。
変身中は「狂化」が発動し、荒れ狂う野獣と化す。

【weapon】
電磁鞭

【人物背景】
ショッカー日本支部の三代目にして、最後の大幹部。
本名はダモン。いとこのガモンと共に東南アジアで独立戦争に加わり、ガモンを犠牲にして独立を成し遂げる。
その後ショッカー首領から接触を受け、改造手術を施されショッカーに加入した。
仮面ライダー1号に敗れ戦死するが、バダンが活動を開始した際にバダン幹部・暗闇大使となったガモンによって蘇生される。
しかしその肉体はガモンの私怨により、ゾンビじみた不完全な蘇生をされていた。
決して全盛期とは言えぬ状態だが、バーサーカーとしての適性の高さからこの状態で召喚されたものと思われる。

【サーヴァントとしての願い】
ショッカーの再興

【基本戦術、方針、運用法】
通常状態では狂化スキルが発動していないこともあり、戦闘力はさほど高くない。
しかし宝具を発動すると戦闘力上昇と引き替えに、特徴の一つである狡猾さが失われるというデメリットもある。
マスターには、状況を見極めた的確な判断が求められるだろう。



【マスター】うちはサスケ
【出典】NARUTO
【令呪】三つ巴の紋様

【マスターとしての願い】
イタチを殺せるだけの力を手に入れる……?

【参戦理由】
任務で敵のアジトを偵察中、偶然落ちていた白紙のトランプに触れてしまった

【ロール】
小学生(警察官の息子)

【weapon】
手裏剣などの忍具一式

【能力・技能】
○忍術
体内で練り上げた「チャクラ」と呼ばれるエネルギーにより、様々な現象を起こす術。
サスケは基本的な忍術に加え火遁の術を数種、そして雷遁を用いた必殺の突き「千鳥」を修得している。

○写輪眼
特定の一族だけが使える「血継限界」という分類に属する術。
うちは一族だけが発現させることのできる、特殊な瞳。
成長させれば様々な効果を持つが、現時点のサスケではまだ他者の技のコピー程度しかできない。

○呪印
邪悪なる忍者・大蛇丸に施された刻印。
サスケの感情が高ぶると彼の体に広がり、一時的に彼の戦闘力を強化する。
しかしその代償として、チャクラの消耗が非常に激しくなる。

【人物背景】
木ノ葉隠れの里の下忍。
名門・うちは一族の出身だったが、幼い頃に実の兄であるイタチがサスケ以外の一族を全て殺害。
イタチはそのまま里を抜けたため、うちは一族最後の一人となってしまう。
それ以来兄を殺すことを心に誓い、そのための強さを求め続けてきた。

今回は木ノ葉崩し終結から、イタチの襲撃の間からの参加。

【方針】
まだ迷っている。







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最終更新:2016年12月05日 11:36