●300年前の事件(赤埴家秘封録より)
地方の一村落である『赤埴村』。
当時の赤埴村に未知の疫病が発生した。
人々は皆、顔に、体に膿を持ち、女子は異形の子を孕み、体の内側から腐るものもいた。
困り果てた村人に、折よく村へやってきた渡り巫女は言う。
『山中に荒らぶりし木花咲耶姫と、その娘がおわす。
姫を鎮め、姫の娘を祭祀となすべし』
驚いた村人が山中に分け入ると、白き髪に赤い瞳の母娘がいたそうな。
されど姫は荒らぶりし神。人の姿であるが、人に近づけるモノにあらず。
姫と娘の紡ぐ言葉を解する事はできず。
幾ばくか時の後、渡り巫女の御力により鎮まりし姫は、
村人と土地へ恵みを与え、後事を託して山中にて眠りにつく。
残された者は娘と共に新しき社を築き、火産霊の御力を借りて姫を鎮め続けた。
かくして村の土地は栄え、女子は子宝に恵まれ続けた。


●約150年前の事件(赤い羽と埴輪の童話の内容より)
 時は明治10年(西暦1877年)
赤埴家の次男による近隣の村の子供を誘拐・殺害事件が発生する。
だが真実は、赤埴家に嫁いでいた異人の女が主犯であり、異教の禍津神へ捧げる儀式を行っていたのだ。
当時の赤埴家の長男、及び帝都の官憲の手により、異人の女は打ち倒される。
しかしながら、異人の女が持つ『災いの書』はいかなる炎でも燃える事はなかった。
官憲は言う。神社に伝わる火産霊の御霊による審判の炎であれば、焼き尽くす事ができる、と。
その為には神社に伝わる『赤い水晶』が3つ必要であるという。
だが異人の女により荒ぶりし『木花咲耶姫』を鎮める為にも、『赤い水晶』は3つ必要だったのだ。
村の人々は悩み、決断した。
『木花咲耶姫』を鎮める事を。『災いの書』を封印する事を。
結果として『木花咲耶姫』は再び赤埴山に眠りにつき、大地へ恵みを齎した。
結果として赤埴家の長男は山を降り、赤埴家の次男の子供は山へ留まる事になった。
それは『災いの書』から神子の血脈を守るため。
それは異人の女の呪いを広めないため。
山を降りた長男は性を『赤羽』と改め、赤埴家の本家となる。
山に残りし次男の子供は、山へ繋がれる。いつか異人の女の呪いが消える時まで。

異人の女の名は『じゅりあ』。外国では『魔女』と呼ばれるモノ。
かの魔女は未だ、『災いの書』の中に眠る。
いつか、彼女の血族が再び書を手に取る、その時まで。


また童話の為、挿絵が多く。
その挿絵には、《火産霊の審炎》の使用方法が書かれている。
取得の際、クトゥルフ神話技能を+5%する。


●巫女さんの日記
この日記は、祭具殿の机の足元に転がっている。
ただし、『分かたれし夜』発生以後は巫女さんの家に転がっている。

祭具殿の奥から、怪しげな本を見つけて読んでしまった。
それ以後、眠るたびに夢を見る。
夢の内容は、冷酷そうな邪悪な目をした美しい外国の女が呼びかけてくる。
内容は覚えていないが、それから度々、記憶が途切れ始めること。
気がつけば別の場所にいる事。
そして自分が自分でなくなるような奇妙な感覚に襲われる。
そして日記の最後には、震える文字で…

~私が、私でないような感じが、最近、益々強くなってきている。
 最近は、もう、私の心が表に出ている時の方が短くなってしまった…
 今も私の頭の中では、破滅を望む呪いの声が聞こえる。
 今や私には、彼女の望んでいる事がはっきりとわかる。
 魔女に呪われてしまった赤埴の血脈が、彼女を助けてしまう……

 なんとか本家 この事 を伝  なければ…
 祭 殿の 童話…… 赤 羽 埴輪に… 実と儀式 祝詞 …
 …私の は破 の に立た  ている …
 誰か……これを…  けて   下さ ~

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最終更新:2014年04月30日 17:49