「ねぇ、ラブ――――私のこと、好き?」
「え?」
答えを聞く前に、せつなは相手の唇を塞ぐ。
驚く彼女の手首を掴み、壁に押し付けて、口内を舌で蹂躙する。
「ん、んんっ――――」
もがくラブ。苦しみから生れる挙動は、しかし、拒絶のそれではない。それを敏感に感じ取って、せつなは
思う存分に彼女を味わう。
やがてラブの体から力が抜けていき、応えるように舌を絡ませ始めて。
クチュ、クチュという濡れた音が。初めての、そして淫らなキスの感覚が、彼女の思考を焼きつかせる。
女の子同士なのに――――そんなモラルも、一瞬に消え去る。もっと味わいたい。この快楽を。
「ね、ラブ。私のこと、好き?」
唇を離し、耳元で問いかけるせつなに、ラブは頬を染めながら、コクリ、と無言で頷く。
「そう。いい子ね」
「――――んんっ」
耳たぶを軽く噛まれて、背筋がゾクリとする。けれど、嫌な感覚じゃない。腰が砕けそうな快感に、幼い少女は
翻弄されて。
「ね。言って? 私のこと、好きって」
問いかけは、誘惑。そして、強制。
耳元で囁かれるだけで、くらくらする。けれど、それだけ。
もっと触れて欲しい。その唇で、自分を味わって欲しい。
だから。
「好き、だよ――――せつな」
「私もよ、ラブ」
もう、立っていることすら難しいのか。目を閉じてしがみつくラブは、気付かない。せつなが薄く、しかし邪まな
笑みを浮かべていることに。
なんて、簡単。これがプリキュアだなんてね。
心の中でそう呟きながら、せつなは――――イースは。
ラブの首筋にキスの嵐を降らせながら、彼女の服の中に手を潜り込ませ、胸をゆっくりとまさぐるのだった。
占いの館。せつなの――――イースの居室。
隣で眠るラブの、くすんだ金の髪をせつなは手で梳る。
一体何度、彼女は達したのだろうか。両手では到底、数え切れないほど。あまりの快楽に息も絶え絶えに
なるラブを、せつなは休むことなく責め続けた。
もうダメ。もうダメだよ、せつな。ああっ――――
言葉では必死に拒んでいても、彼女の体は貪欲だった。
せつなの指に、唇に、舌に。
翻弄されて、もっともっとと求めてくる。それを敏感に感じ取って、彼女はラブの望む快楽を与え続ける。
そして、彼女が達しようとした瞬間に、尋ねるのだ。
「ねぇ、ラブ。私のこと好き?」
「好きっ!! 好きだよ、せつなっ!! だから――――っ!!」
拒んでいたことも忘れて、必死に求めてくるラブに、せつなは満足したように笑って、彼女を天国へと導く。
「――――――――っ!!」
体を強張らせて、奔放に喘ぐラブ。だが、彼女が満ち足りたと思っても、せつなはそれ以上の快楽を、幼い体に
注ぎ込む。そしてまた、尋ねる。
「ねぇ、ラブ。私のこと好き?」
そうしてせつなは、ラブの心に楔を打ち込んでいった。
刷り込んで、確かなものにしていった。
抗えないように、するために。
自分のものに、するために。
眠る彼女の額に、口付けをする。んん、と身をよじらせ、半分まどろみながらも目を開ける彼女を抱きしめる。
素肌と素肌を、重ね合って。
また耳元で尋ねる。
「ねぇ、ラブ。私のこと好き?」
「好きだよ、せつな――――けど、もうダ・・・・・・んんっ」
彼女の言葉を最後まで聞くことなく、せつなはラブの胸に顔を埋め、桃色の乳首を唇に含む。そして舌で何度も
なぞる。
強張っていたラブの体が、徐々に弛緩していく。汗で冷えていた体が、徐々に熱を帯び始める。吐息には甘い
ものが混じり始め、せつなの舌が胸を這うたびに、ビクンと腰が跳ねる。
「あんなに何度もイッちゃったのに、まだ足りないんだ?」
ラブの体にのしかかりながら、半身を起こし、せつなはラブの顔を覗き込む。その顔には、微笑み。淫らな、
かつ、いたぶるような。
彼女の言葉に、ラブは顔を真っ赤に染めて、顔を背ける。そして恥じるように、自分の体を抱きしめて。
だがせつなは、そんな彼女の首筋にキスをして。
「いいのよ、ラブ。もっと気持ち良くなって? 私がいっぱい、イカせてあげる」
だから、とせつなは続ける。
「私のこと、好きって言って?」
それを聞いて、ラブは。
一度、目を閉じて。
そしてうるんだ瞳で、彼女を見上げる。
「好きだよ、せつな」
それを、合図にしたかのように。
せつなの指が、ラブの秘所に触れる。甘い蜜に潤うそこを、慈しむようにそっとかきまわす。ふあ、と堪え切れず
喘ぎ声をあげるラブ。
せつなの舌が、ラブの唇を、首筋を、胸を、乳首を這い回って。
徐々に激しくなる動き。淫らな音が室内に響き渡る。自分の体から生れる響きに、ラブは酔いしれる。まるで
自分が楽器になったよう。その奏者は、愛しい人。
やがて全てが白濁していき、何も考えられなくなる。せつなが触れているところだけが、自分のように思えてくる。
「ねぇ、ラブ」
いつものように問いかけようとする彼女の唇を、ラブは自分から塞ぐ。驚くせつなの舌を追いかけて、自ら絡ませて。
息が苦しくなって、ようやく離すが、彼女の首に回した腕は離さない。そしてラブは、自分から言う。
「好き。好き。大好きだよ、せつな――――っ!!」
言い終わると同時に、頭の中を閃光が駆け抜けて。体が意思を離れて何度も跳ねるのを感じながら、ラブは。
幸福の絶頂の中で、意識を薄れさせていったのだった。
馬鹿な子。
そうせつなは心の中で呟く。
自分を信じ切って。私が何を考えているかも知らないで。
リンクルンを奪うことは出来なかった。だから彼女は、標的を変えた。リンクルンを奪えないのなら、プリキュアと
なる少女の心を奪えばいい。そう、せつなは考えたのだ。
そして手始めに、自分に最も近い少女、ラブの体を奪った。心と体は、直結するものだから。狙い通り、彼女は
せつなに心と体を開いた。
寝息を立てるラブを、冷めた目で見下ろす。ぐっすりと眠る彼女からは、警戒心の欠片も感じない。戦士としての、
自覚も。
こんな子が、プリキュアで――――何度も辛酸を舐めされてきたなんて。
ギリッ、と奥歯が嫌な音を立てる。
せつなの手が、ラブの細い首に伸びて。
今なら、殺せる。驚く暇すら、与えずに。
そう。少し、指に力を入れるだけで。
ラブの、プリキュアの命が自分の手の中にあるのだという感覚に、せつなは酔い痴れる。
だが。
まだ、その時じゃないか。
思いとどまって、せつなは指を解く。
まだあと二人いる。蒼乃美希と、山吹祈里。彼女達は、ラブと違って、せつなに警戒心を抱いている。だからこそ、
ここでラブがいなくなってしまっては、彼女達に近付くことすら出来ないだろう。
けれど、いつか。
何も知らずに眠る彼女を見て、せつなは薄く笑う。
いつか、私の手で。
幸せから、不幸のどん底に叩き落して上げる。その時は、あなたの命も。
それまでは、こうしていてあげる。
あなたの好きなせつなでいてあげる。
思いながら、せつなはラブの隣に横になり、目を閉じる。
まるで仲睦まじい恋人のように、寄り添いながら。
せつなは、夢を見た。
夢の中で、彼女はラブに抱きしめられていた。
「ねぇ、せつな。私、せつなのこと好きだよ?」
何度も問いかけて、言わせて。心に刻み込ませた台詞。従属の言葉。
だがそれを口にするラブの声は、悲しみに満ちている。
「せつな――――何をそんなに、怖がってるの?」
怖い――――?
違う。私は怖いなんて思ってない。思ってなんかない。
何度も言わせているのは、彼女を自分のものにする為。
確かめないと不安だなんて、思って、いない。
思ってないのに――――どうして涙が、流れそうなんだろう。
せつなは、夢を見た。
もしかしたらそれは、現実だったのかもしれないけれど。
せつなは――――イースは。
それを、夢だと思い込むことにした。
最終更新:2009年10月13日 22:29