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3-714

突風が吹き、開いた扉の先には、東せつなが立っていた。

「ようこそ、占いの館へ」

「えっと、アタシは・・」
「知ってる。ラブのお友達よね」

「ええ。正式に自己紹介するのは、初めてだったわね。ラブの幼馴染の蒼乃美希です」

「東せつなです。このまえラブが占いの館へ来て、それから仲良くしてもらっているの」
「もし良かったら、私のことは、せつなって呼んでもらえないかしら、ラブみたいに」

「ええ、じゃ、アタシのことは美希って呼んで」

「嬉しい。この街に来て間もないから、友達が少ないの」


「立ち話もなんだから、こちらに」
そう言ってせつなは背を向け、アタシを促す。


コツコツコツ・・・
カツカツカツ・・・


アタシ達の靴の音だけが響きわたる。


確か、ラブは「大輔達は男の占い師さんに見てもらったんだってー」
って言っていたから、少なくともせつなの他にもう一人はいるはず。


けど、アタシ達の他に人の気配は全くしない。
目の前のせつなの後ろ姿さえ、現実のものでないかのような錯覚に陥る。


「美希、美希」
「えっ・・」
「あ、ごめんなさい、名前で呼んで気を悪くしたかしら」


「ううん、ちょっとぼっとしてただけ」


「ここが私の部屋兼仕事部屋ね」
と言って、前の扉に指差し、苦笑いをする。

なんでも、休む部屋は他にあるらしいが、
仕事上の研究で(占いの研究なのかな)いつも夜遅い時間まで起きていて、
仕事部屋であるここの部屋で寝てしまうことが多いらしい。

「さあ、入って」
「お邪魔します」

3脚の椅子が並んだ先には、水晶玉が置かれた机。
占いの館らしく、薄暗い照明。
奥には暗幕が張られ、部屋は続いているようだが、
仕事道具でも置いてあるのか、こちらから窺い知ることはできない。


「どうぞ、座って」

と言って、せつなは机の奥の椅子に座る。
アタシは3脚の内の真ん中の椅子に腰かける。


「それで、用件は何かしら。用があるからここに来たのでしょう?」
「・・・」


3-728へ続く
最終更新:2009年09月21日 22:57