突風が吹き、開いた扉の先には、東せつなが立っていた。
「ようこそ、占いの館へ」
「えっと、アタシは・・」
「知ってる。ラブのお友達よね」
「ええ。正式に自己紹介するのは、初めてだったわね。ラブの幼馴染の蒼乃美希です」
「東せつなです。このまえラブが占いの館へ来て、それから仲良くしてもらっているの」
「もし良かったら、私のことは、せつなって呼んでもらえないかしら、ラブみたいに」
「ええ、じゃ、アタシのことは美希って呼んで」
「嬉しい。この街に来て間もないから、友達が少ないの」
「立ち話もなんだから、こちらに」
そう言ってせつなは背を向け、アタシを促す。
コツコツコツ・・・
カツカツカツ・・・
アタシ達の靴の音だけが響きわたる。
確か、ラブは「大輔達は男の占い師さんに見てもらったんだってー」
って言っていたから、少なくともせつなの他にもう一人はいるはず。
けど、アタシ達の他に人の気配は全くしない。
目の前のせつなの後ろ姿さえ、現実のものでないかのような錯覚に陥る。
「美希、美希」
「えっ・・」
「あ、ごめんなさい、名前で呼んで気を悪くしたかしら」
「ううん、ちょっとぼっとしてただけ」
「ここが私の部屋兼仕事部屋ね」
と言って、前の扉に指差し、苦笑いをする。
なんでも、休む部屋は他にあるらしいが、
仕事上の研究で(占いの研究なのかな)いつも夜遅い時間まで起きていて、
仕事部屋であるここの部屋で寝てしまうことが多いらしい。
「さあ、入って」
「お邪魔します」
3脚の椅子が並んだ先には、水晶玉が置かれた机。
占いの館らしく、薄暗い照明。
奥には暗幕が張られ、部屋は続いているようだが、
仕事道具でも置いてあるのか、こちらから窺い知ることはできない。
「どうぞ、座って」
と言って、せつなは机の奥の椅子に座る。
アタシは3脚の内の真ん中の椅子に腰かける。
「それで、用件は何かしら。用があるからここに来たのでしょう?」
「・・・」
最終更新:2009年09月21日 22:57